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公開番号2024068563
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-20
出願番号2022179103
出願日2022-11-08
発明の名称油脂含有乾燥品
出願人太陽化学株式会社
代理人個人
主分類A23D 9/007 20060101AFI20240513BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】 製造が容易で、オイルオフが少なく乾燥スープ成分と混在させることが可能であると共に、適当な温度の水を注いだときに表面に油滴を形成することで好ましい香りを生ずると共に、製造が容易で、オイルオフが少なく乾燥スープ成分と混在させることが可能な油脂含有乾燥品を提供すること。
【解決手段】 20質量%~45質量%の油脂と、5質量%~45質量%のアラビアガムと、14質量%~55質量%の賦形剤とを含有し、前記賦形剤が、(A)デキストリン及び/または糖アルコールと(B)でん粉とをA:B=45~100:0~55の範囲で含むものであって、全体として10mm以下の顆粒状組成物であり、当該顆粒状組成物の容量に対して20倍量以上の90℃以上の水を注ぐことにより5分以内にアラビアガムと賦形剤が溶解し、湯面で油滴になることを特徴とする油脂含有乾燥品によって達成される。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
20質量%~45質量%の油脂と、5質量%~45質量%のアラビアガムと、14質量%~55質量%の賦形剤とを含有し、前記賦形剤が、(A)デキストリン及び/または糖アルコールと(B)でん粉とをA:B=45~100:0~55の範囲で含むものであって、全体として10mm以下の顆粒状組成物であり、当該顆粒状組成物の容量に対して20倍量以上の90℃以上の水を注ぐことにより5分以内にアラビアガムと賦形剤が溶解し、湯面で油滴になることを特徴とする油脂含有乾燥品。
続きを表示(約 410 文字)【請求項2】
前記油脂の融点が-20℃~50℃である請求項1に記載の油脂含有乾燥品。
【請求項3】
(1)20質量%~45質量%の油脂と、5質量~45質量%のアラビアガムを加え混合することで混合物を得る混合工程、
(2)前記混合物と、14質量%~55質量%の賦形剤(但し、(A)デキストリン及び/又は糖アルコールと(B)でん粉とをA:B=45~100:0~55の範囲で含む)とを含有する原料100質量部に対し、加水し生地の応力度が0.25N/cm

~1.5N/cm

の値を示す生地を調製する生地製造工程、
(3)前記生地を乾燥させる乾燥工程を有し、
前記乾燥工程では、マイクロ波乾燥法、減圧乾燥法、減圧マイクロ波加熱乾燥法、及び凍結乾燥法からなる群から選択される一つを用いることを特徴とする請求項1または2に記載の油脂含有乾燥品の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、油脂含有乾燥品に関する。
続きを表示(約 3,900 文字)【背景技術】
【0002】
粉末スープやカップ麺などの乾燥食品を飲食する際に、コク味と香りを付与するために油脂が添加されることがある。このとき、油脂を添加する方法として、油脂を別包装にする方法、粉末スープなどに少量の油脂を添加する方法、粉末化基材に油脂を吸着する方法などがある。これらの方法を用いた乾燥食品に湯を注いで溶解すると、スープ表面に油滴が浮遊して好ましい香りを生ずる。
このように乾燥食品に油脂を添加する技術として、(1)水に溶解した際には、速やかに油脂成分が水層の表面に浮いて濁りが生じず、表面に油にじみがなく、サラサラで流動性に優れ、保存時にブロッキングすることがなく、保存安定性の点でも優れた粉末油脂組成物(特許文献1)や、(2)畜肉エキスを粉末化剤とし、同時に食塩を用いた粉末状乳化油脂を用いることで、湯に溶解した際に油脂を分離させる方法(特許文献2)が提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第3934409号公報
特許第5301924号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記技術に用いた場合であっても、市販されている乾燥食品では、油脂は、乾燥スープ成分とは別に包装されたものが用いられていた。SDGsの観点からは、ゴミを減少させて地球に優しいことから、乾燥スープ成分と油脂とを同一包装とすることが好ましい。また、上記技術では、スープ表面に油滴が浮遊することなく、乳化して白濁した状態となってしまい、飲食店で提供されるような適度な大きさの油滴が浮遊した状態のスープを提供できていない。
これらの工夫については、未だに満足できるものが提供されておらず、更なる研究の余地が残されていた。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、製造が容易で、オイルオフが少なく乾燥スープ成分と混在させることが可能であると共に、適当な温度の水を注いだときに表面に油滴を形成することで、飲食店にて提供されるような適度な大きさの油滴が浮遊した状態のスープを提供できる油脂含有乾燥品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、鋭意検討の結果、適当量の油脂とアラビアガムと特定成分の賦形剤を含有させることで所定の油脂含有乾燥品を得られることを見出し、基本的には本発明を完成するに至った。
こうして、本発明に係る油脂含有乾燥品は、20質量%~45質量%の油脂と、5質量%~45質量%のアラビアガムと、14質量%~55質量%の賦形剤とを含有し、前記賦形剤が、(A)デキストリン及び/または糖アルコールと(B)でん粉とをA:B=45~100:0~55の範囲で含むものであって、全体として10mm以下の顆粒状組成物であり、当該顆粒状組成物の容量に対して20倍量以上の90℃以上の水を注ぐことにより5分以内にアラビアガムと賦形剤が溶解し、湯面で油滴になることを特徴とする。
【0006】
本発明において、前記油脂の融点が-20℃~50℃であることが好ましい。このような油脂として、例えば、米油(-10℃~-5℃)、やし油(20℃~28℃)、パーム油(20℃~40℃)、パーム系油脂(パーム油の分別油およびそれらの加工油)、亜麻仁油(-17~-18℃)、コーン油(-18℃~-10℃)、ごま油(-6℃~-3℃)、オリーブ油(0℃~6℃)、えごま油(-11℃)、菜種油(-12℃~0℃)、大豆油(-8℃~0℃)、MCT(-5℃~0℃)、スーパーオレイン油(10℃~15℃)、ココナッツ油(24℃)、パームカーネル油(25℃~30℃)、チー油(30℃)、ラード(38℃以下)、牛脂(39℃程度)などが挙げられる(各油名の後ろの数値は融点である)。パーム系油脂とは、パーム油、パーム油の分別油およびそれらの加工油(硬化、エステル交換反応のうち1以上の処理がなされたもの)であればよく、具体的には、1段分別油であるパームオレイン、パームステアリン;パームオレインの2段分別油であるパームオレイン(パームスーパーオレイン)およびパームミッドフラクション;パームステアリンの2段分別油であるパームステアリン(ソフトステアリン)およびパームステアリン(スーパーステアリン)等が挙げられる。
【0007】
また、これらの油脂を利用した香味油を用いることができる。香味油とは、油脂としての物性の他、食品に好ましい香味を有している油性物質を指し、油脂に香味を人工的に付与したものである。特に限定するものではないが、例えば、[タマネギ、ネギ、ニンニク、ショウガ、ニラ、トウガラシ、トマト等の野菜類;ローズマリー、タイム、ローレル、バジル、オレガノ、タラゴン、ディル、フェンネル、サボリー、チャービル、ミント、レモングラス、マジョラム、アニス、オールスパイス、カホクザンショウ、カルダモン、クミン、グリーンペッパー、クローブ、コショウ、コリアンダー、サフラン、サンショウ、花椒(ホンジャオ)、シソ、シナモン、スターアニス、セージ、ターメリック、タラゴン、ナツメグ、バニラ、パプリカ、フェンネル、ホースラディッシュ、ラディッシュ、ワサビ、マスタード、チンピなどのハーブ・香辛料類;しょうゆ、みそ、カレー、鰹節、鯖節、昆布などの調味料類加工食品類;カツオ、サバ、貝柱、エビ、イカ、タコなどの魚介類やその加工品;タマゴ、鶏肉、牛肉、豚肉、チーズなどの動物性タンパク質などの素材類]をそのままあるいは乾燥、焙煎して、油脂に浸漬して香りを付与した、あるいは固体状態で分散させたものを香味油として例示できる。
【0008】
油脂に対し、メントールや果物系等の香料、バター、チーズ、バニラ等のフレーバーを直接に付与したものであってもよい。これらの油脂については、単独または2種類以上のものを混合して使用することができる。
本発明におけるアラビアガムとは、マメ科アカシア属の植物の樹から出る樹液の粘質物であり、高分子多糖類であり、その構造は、ガラクトース、アラビノース、ラムノース、グルクロン酸や少量のタンパクから構成される。
本発明における賦形剤のでん粉とは、とうもろこし、馬鈴薯、さつまいも、キャッサバ、タピオカ、小麦、蓮根、緑豆、さご、うるち米、モチ米、ワキシーコーン、高粱、くず、ワラビ、小豆、インゲン、ヒヨコマメ、豌豆等の植物性原料から得られるものである。
【0009】
本発明における賦形剤のデキストリンとは、でん粉を酸分解して得られるデキストリンや、α-アミラーゼなどの酵素で処理することにより得られるデキストリンのいずれでもよい。デキストリンの原料となるでん粉は、いずれの由来でもよいが、タピオカ、とうもろこし、馬鈴薯、甘藷、ワキシーコーン、ワキシーライスなどの澱粉が利用でき、これらの中から1種類ないし、2種類の組合せでもよい。ここで、デキストリンのDEとは、Dextrose Equivalentの略称で、デキストリンの加水分解の程度を意味し、次の式1で表される。
DE=直接還元糖(グルコース換算)/固形分×100(式1)
デキストリンのDEを求める方法は、当該技術分野における慣用技術ならびに知識がそのまま、もしくは適宜変更を加えた形で適用され、代表にはソモジ法が挙げられる。
デキストリンのDEは特に限定されるものではないが、好ましくは6~18、より好ましくは10~13がよい。
本発明における賦形剤の糖アルコールとは、デキストリンに更に水素添加等によって得られる糖アルコールであり、特に限定されるものではないが、例えば、ソルビトール、マルチトール、マルトトリオース等単体で構成されるものやこれらが混在する還元デキストリンや還元水飴等が挙げられる。この糖アルコールは粉末でも液体でも良い。
【0010】
また、別の発明に関わる上記油脂含有乾燥品の製造方法は、(1)20質量%~45質量%の油脂と、5質量~45質量%のアラビアガムを加え混合することで混合物を得る混合工程、(2)前記混合物と、14質量%~55質量%の賦形剤(但し、(A)デキストリン及び/又は糖アルコールと(B)でん粉とをA:B=45~100:0~55の範囲で含む)とを含有する原料100質量部に対し、加水し生地の応力度が0.25N/cm

~1.5N/cm

の値を示す生地を調製する生地製造工程、(3)前記生地を乾燥させる乾燥工程を有し、前記乾燥工程では、マイクロ波乾燥法、減圧乾燥法、減圧マイクロ波加熱乾燥法、及び凍結乾燥法からなる群から選択される一つを用いることを特徴とする。生地の応力度は、0.25N/cm

~1.5N/cm

が好ましく、さらに好ましくは0.30N/cm

~1.4N/cm

である。また、顆粒状組成物の大きさは、10mm以下であり、10mmを超えるものは5分以内に湯戻りができず、一般的な即席麺の湯戻り時間である5分以内を満たせず、好ましくない。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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