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公開番号2024067740
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-17
出願番号2022178052
出願日2022-11-07
発明の名称蛍光体粉末および発光装置
出願人デンカ株式会社
代理人個人
主分類C09K 11/08 20060101AFI20240510BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】計量安定性に優れた蛍光体粉末を提供する。
【解決手段】本発明の蛍光体粉末は、蛍光体粒子と、無機微粒子と、を含む蛍光体粉末であって、底面限定注入法による安息角が53°以下を満たすものである。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
蛍光体粒子と、無機微粒子と、を含む蛍光体粉末であって、
下記手順Aに基づいて測定される、当該蛍光体粉末の底面限定注入法による安息角が、53°以下である、蛍光体粉末。
(手順A)
直径φ33mmの底面を有する円柱台と、内径4φmmの先端口を有するチューブとを準備し、前記底面から40mmの高さに前記先端口が位置するように前記チューブを固定する。
測定試料として当該蛍光体粉末を前記チューブ内に供給し、前記先端口から前記底面の中心に向かって自由落下させ続け、測定試料が前記底面から定常的にこぼれ落ちる状態になるまで続ける。
その後、前記底面上に形成された円錐状の測定試料の堆積物の側面と前記底面とがなす仰角を求め、この仰角を、上記の底面限定注入法による安息角(°)とする。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
請求項1に記載の蛍光体粉末であって、
前記無機微粒子の含有量は、当該蛍光体粉末100質量%中、0.005質量%以上10質量%以下である、蛍光体粉末。
【請求項3】
請求項1または2に記載の蛍光体粉末であって、
前記無機微粒子の平均粒子径が、10μm以下である、蛍光体粉末。
【請求項4】
請求項1または2に記載の蛍光体粉末であって、
前記無機微粒子の平均粒子径が、1μm以下である、蛍光体粉末。
【請求項5】
請求項1または2に記載の蛍光体粉末であって、
前記無機微粒子が、金属酸化物粒子および金属水酸化物粒子からなる群より選ばれる少なくとも一方を含む、蛍光体粉末。
【請求項6】
請求項1または2に記載の蛍光体粉末であって、
前記無機微粒子の一次粒子および/または前記一次粒子の凝集体が、前記蛍光体粒子の表面の一部に付着している、蛍光体粉末。
【請求項7】
請求項1または2に記載の蛍光体粉末であって、
前記安息角が、20°以上である、蛍光体粉末。
【請求項8】
請求項1または2に記載の蛍光体粉末であって、
下記手順Bに基づいて測定される、当該蛍光体粉末の固め嵩密度が、1.6g/cm

以下である、
る、蛍光体粉末。
(手順B)
乾いた一定容量の円筒形の測定用容器に補助円筒を装着し、補助円筒を通して測定用容器の内部内に測定試料として当該蛍光体粉末を導入する。補助円筒付きの測定用容器を、50~60回/分で、ストローク2cmの条件で上下方向に50回タッピングする。タッピング後、補助円筒を取外し、測定用容器の上面から過剰の測定試料をすり落とし、全体の質量を測定する。全体の質量から、予め測定しておいた空の円筒形容器の質量を差し引き、測定用容器内に充填された測定試料の質量を測定する。充填された測定試料の質量(g)を、測定用容器の内部体積(cm

)で除して、測定値を求める。3回の測定値の平均値を、上記の固め嵩密度(g/cm

)とする。
【請求項9】
請求項1または2に記載の蛍光体粉末であって、
前記蛍光体粒子が、β型サイアロン粒子、CASN蛍光体粒子、およびSCASN蛍光体粒子からなる群から選ばれる一または二以上を含む、蛍光体粉末。
【請求項10】
請求項1または2に記載の蛍光体粉末であって、
湿式によるレーザー回折散乱法で測定される体積頻度粒度分布において、小粒子径側から累積値が5%となる粒子径をD

、累積値が50%となる粒子径をD
50
、累積値が97%となる粒子径をD
97
としたとき、(D
97
-D

)/D
50
が、1.6以上5.0以下である、蛍光体粉末。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、蛍光体粉末および発光装置に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
白色LEDは、半導体発光素子と蛍光体との組み合わせにより疑似白色光を発光するデバイスであり、その代表的な例として、青色LEDとYAG黄色蛍光体の組み合わせが知られている。しかし、液晶バックライトのような画像表示装置では色再現性が悪いという問題があった。そこで、黄色蛍光体の代わりに緑色蛍光体と赤色蛍光体を併用した白色LEDが開発された。緑色を発光する蛍光体として、β型サイアロン蛍光体が知られている。
この種の技術として、例えば、特許文献1に記載の技術が挙げられる。特許文献1の実施例には、(D90-D10)/D50で表される粒度分布が1.0~1.5となるβ型サイアロン蛍光体粉末が記載されている(特許文献1の表1等)。
【0003】
また、上記の青色LEDとYAG黄色蛍光体の組み合わせにおいて、この方式の白色LEDは、その色度座標値としては白色領域に入るものの、赤色発光成分が不足しているために、照明用途では演色性が低く、液晶バックライトのような画像表示装置では色再現性が悪いという問題がある。そこで、不足している赤色発光成分を補うために、YAG蛍光体とともに、赤色を発光する窒化物又は酸窒化物蛍光体を併用することが提案されている。赤色を発光する窒化物蛍光体として、CaAlSiN

(一般にCASNとも記載される)と同一の結晶構造を有する無機化合物を母体結晶として、これに例えばEu
2+
などの光学活性な元素で付活したものが知られている。さらに前記CaAlSiN

のCaの一部を、さらにSrで置換した(Sr,Ca)AlSiN

とも記される母体結晶(一般にSCASNとも記載される)に、Eu
2+
を付活した蛍光体(即ちEu付活のSCASN蛍光体)が得られることが記載されている。
【0004】
この種の技術として、例えば、特許文献2に記載の技術が挙げられる。特許文献2の実施例には、(D90-D10)/D50で表される粒度分布が1.0~1.4となるCASN/SCASN蛍光体粉末が記載されている(特許文献2の表1等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2019/188631号
国際公開第2019/188632号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、本発明者が検討した結果、上記特許文献1または2に記載の蛍光体粉末において、計量安定性の点で改善の余地があることが判明した。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者はさらに検討したところ、蛍光体粉末について、無機微粒子を含ませた上で、底面限定注入法による安息角を所定値以下とすることにより、熱処理する際に容器に充填する際や製品をボトルに充填する際や乾式分級機やジェットミルなどに投入する際などのフィード量のバラツキを抑制でき、計量安定性を向上できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
本発明の一態様によれば、以下の蛍光体粉末および発光装置が提供される。
1. 蛍光体粒子と、無機微粒子と、を含む蛍光体粉末であって、
下記手順Aに基づいて測定される、当該蛍光体粉末の底面限定注入法による安息角が、53°以下である、蛍光体粉末。
(手順A)
直径φ33mmの底面を有する円柱台と、内径4φmmの先端口を有するチューブとを準備し、前記底面から40mmの高さに前記先端口が位置するように前記チューブを固定する。
測定試料として当該蛍光体粉末を前記チューブ内に供給し、前記先端口から前記底面の中心に向かって自由落下させ続け、測定試料が前記底面から定常的にこぼれ落ちる状態になるまで続ける。
その後、前記底面上に形成された円錐状の測定試料の堆積物の側面と前記底面とがなす仰角を求め、この仰角を、上記の底面限定注入法による安息角(°)とする。
2. 1.に記載の蛍光体粉末であって、
前記無機微粒子の含有量は、当該蛍光体粉末100質量%中、0.005質量%以上10質量%以下である、蛍光体粉末。
3. 1.または2.に記載の蛍光体粉末であって、
前記無機微粒子の平均粒子径が、10μm以下である、蛍光体粉末。
4. 1.~3のいずれかに記載の蛍光体粉末であって、
前記無機微粒子の平均粒子径が、1μm以下である、蛍光体粉末。
5. 1.~4のいずれかに記載の蛍光体粉末であって、
前記無機微粒子が、金属酸化物粒子および金属水酸化物粒子からなる群より選ばれる少なくとも一方を含む、蛍光体粉末。
6. 1.~5のいずれかに記載の蛍光体粉末であって、
前記無機微粒子の一次粒子および/または前記一次粒子の凝集体が、前記蛍光体粒子の表面の一部に付着している、蛍光体粉末。
7. 1.~6のいずれかに記載の蛍光体粉末であって、
前記安息角が、20°以上である、蛍光体粉末。
8. 1.~7のいずれかに記載の蛍光体粉末であって、
下記手順Bに基づいて測定される、当該蛍光体粉末の固め嵩密度が、1.6g/cm

以下である、
る、蛍光体粉末。
(手順B)
乾いた一定容量の円筒形の測定用容器に補助円筒を装着し、補助円筒を通して測定用容器の内部内に測定試料として当該蛍光体粉末を導入する。補助円筒付きの測定用容器を、50~60回/分で、ストローク2cmの条件で上下方向に50回タッピングする。タッピング後、補助円筒を取外し、測定用容器の上面から過剰の測定試料をすり落とし、全体の質量を測定する。全体の質量から、予め測定しておいた空の円筒形容器の質量を差し引き、測定用容器内に充填された測定試料の質量を測定する。充填された測定試料の質量(g)を、測定用容器の内部体積(cm

)で除して、測定値を求める。3回の測定値の平均値を、上記の固め嵩密度(g/cm

)とする。
9. 1.~8のいずれかに記載の蛍光体粉末であって、
前記蛍光体粒子が、β型サイアロン粒子、CASN蛍光体粒子、およびSCASN蛍光体粒子からなる群から選ばれる一または二以上を含む、蛍光体粉末。
10. 1.~9のいずれかに記載の蛍光体粉末であって、
湿式によるレーザー回折散乱法で測定される体積頻度粒度分布において、小粒子径側から累積値が5%となる粒子径をD

、累積値が50%となる粒子径をD
50
、累積値が97%となる粒子径をD
97
としたとき、(D
97
-D

)/D
50
が、1.6以上5.0以下である、蛍光体粉末。
11. 1.~10のいずれかに記載の蛍光体粉末であって、
湿式によるレーザー回折散乱法で測定される体積頻度粒度分布において、小粒子径側から累積値が50%となる粒子径をD
50
としたとき、

50
が、0.5μm以上30μm以下である、蛍光体粉末。
12. 発光光源と波長変換部材とを含む発光装置であって、
前記波長変換部材が、1.~11のいずれかに記載の蛍光体粉末を含む、発光装置。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、計量安定性に優れた蛍光体粉末、およびそれを用いた発光装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
発光装置の構造の一例を模式的に示す断面図。
底面限定注入法による安息角の測定方法を説明するための模式図である。
フィード試験を説明するための模式図である。
実施例1の蛍光体粉末の粒子表面のSEM画像である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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