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公開番号2024067733
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-17
出願番号2022178041
出願日2022-11-07
発明の名称量子鍵配送システム、量子鍵配送方法およびプログラム
出願人日本電気株式会社
代理人個人,個人
主分類H04B 10/70 20130101AFI20240510BHJP(電気通信技術)
要約【課題】連続量量子鍵配送において、量子光の送信側と受信側とでクロックタイミングを同期させるためのクロック抽出用信号の通信を、比較的効率よく行えるようにする。
【解決手段】第1の送信装置が、送信対象のビット列を示す第1の乱数列と、送信対象のビット列の位相変調における基底を示す第2の乱数列とに基づいて、送信光における直行する2つの偏波成分のうち第1の偏波成分を位相変調し、もう一方の偏波成分である第2の偏波成分を、第2の乱数列を示す信号に変調し、光強度を減衰された第1の偏波成分と、変調された第2の偏波成分とを偏波多重し送信する。第2の送信装置は、受信光を偏波分離し、第2の乱数列を示す信号からクロックタイミングを抽出する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
第1のチャネル、および、前記第1のチャネルよりも信頼性の高い第2のチャネルにより通信接続される第1の通信装置と第2の通信装置とを備え、
前記第1の通信装置は、
送信対象のビット列を示す第1の乱数列と、前記送信対象のビット列の位相変調における基底を示す第2の乱数列とに基づいて、送信光における直行する2つの偏波成分のうち第1の偏波成分を位相変調し、もう一方の偏波成分である第2の偏波成分を、前記第2の乱数列を示す信号に変調するDP-QPSK(Dual Polarization Quadrature Phase Shift Keying)変調装置と、
変調された前記第1の偏波成分の光強度を減衰させる光強度減衰器と、
光強度を減衰された前記第1の偏波成分と、変調された前記第2の偏波成分とを偏波多重し、得られた信号光を前記第1のチャネルに出力する偏波ビームスプリッタと、
を備え、
前記第2の通信装置は、
送信された信号光を偏波分離することで、微弱光と直交した成分に符号された前記第2の乱数列の読み出しと前記微弱光の受信のためのクロックタイミング抽出とを行う偏波ビームスプリッタと、
コヒーレント検波のための局所光源と、
偏波分離された成分のうち前記微弱光の成分と局所光と干渉させて直交位相成分を読み出す90°ハイブリッドと、
読み出された直交位相成分を電気信号に変換するフォトディテクタと、
前記偏波ビームスプリッタが抽出したクロックタイミングをもとに、前記電気信号から前記第1の乱数列を読み出し量子生鍵を生成する信号処理手段と、
生成された前記量子生鍵と前記第2の乱数列とをもとに、前記第1の通信装置と前記第2の通信装置との間における前記第2のチャネルでの通信を用いた基底照合の処理を行い選別鍵を生成する基底照合手段と、
生成された前記選別鍵に対して、第1の通信装置と第2の通信装置の間における前記第2のチャネルでの通信を用いた誤り訂正を行う誤り訂正手段と、
誤り訂正後の前記選別鍵に対し、第1の通信装置と第2の通信装置の間における前記第2のチャネルでの通信を用いた秘匿性増強を行うことで量子鍵を生成する秘匿性増強手段と、
を備える、
量子鍵配送システム。
続きを表示(約 1,800 文字)【請求項2】
前記第1の通信装置は、前記第2の乱数列を示す信号光を遅延させるディレイを備え、
前記DP-QPSK変調装置は、前記遅延された信号光をDP-QPSK変調する、
請求項1に記載の量子鍵配送システム。
【請求項3】
第1のチャネル、および、前記第1のチャネルよりも信頼性の高い第2のチャネルにより通信接続される第1の通信装置と第2の通信装置とを備える量子鍵配送システムの、
前記第1の通信装置が、
送信対象のビット列を示す第1の乱数列と、前記送信対象のビット列の位相変調における基底を示す第2の乱数列とに基づいて、送信光における直行する2つの偏波成分のうち第1の偏波成分を位相変調し、もう一方の偏波成分である第2の偏波成分を、前記第2の乱数列を示す信号に変調し、
変調された前記第1の偏波成分の光強度を減衰させ、
光強度を減衰された前記第1の偏波成分と、変調された前記第2の偏波成分とを偏波多重し、得られた信号光を前記第1のチャネルに出力し、
前記第2の通信装置は、
送信された信号光を偏波分離することで、微弱光と直交した成分に符号された前記第2の乱数列の読み出しと前記微弱光の受信のためのクロックタイミング抽出とを行い、
コヒーレント検波のための局所光を出力し、
偏波分離された成分のうち前記微弱光の成分と局所光と干渉させて直交位相成分を読み出し、
読み出された直交位相成分を電気信号に変換し、
抽出したクロックタイミングをもとに、前記電気信号から前記第1の乱数列を読み出し量子生鍵を生成し、
生成された前記量子生鍵と前記第2の乱数列とをもとに、前記第1の通信装置と前記第2の通信装置との間における前記第2のチャネルでの通信を用いた基底照合の処理を行い選別鍵を生成し、
生成された前記選別鍵に対して、第1の通信装置と第2の通信装置の間における前記第2のチャネルでの通信を用いた誤り訂正を行い、
誤り訂正後の前記選別鍵に対し、第1の通信装置と第2の通信装置の間における前記第2のチャネルでの通信を用いた秘匿性増強を行うことで量子鍵を生成する、
ことを含む量子鍵配送方法。
【請求項4】
第1のチャネル、および、前記第1のチャネルよりも信頼性の高い第2のチャネルにより通信接続される第1の通信装置と第2の通信装置とを備える量子鍵配送システムの、
前記第1の通信装置を制御するコンピュータに、
送信対象のビット列を示す第1の乱数列と、前記送信対象のビット列の位相変調における基底を示す第2の乱数列とに基づいて、送信光における直行する2つの偏波成分のうち第1の偏波成分を位相変調し、もう一方の偏波成分である第2の偏波成分を、前記第2の乱数列を示す信号に変調することと、
変調された前記第1の偏波成分の光強度を減衰させることと、
光強度を減衰された前記第1の偏波成分と、変調された前記第2の偏波成分とを偏波多重し、得られた信号光を前記第1のチャネルに出力することと、
を実行させ、
前記第2の通信装置を制御するコンピュータに、
送信された信号光を偏波分離することで、微弱光と直交した成分に符号された前記第2の乱数列の読み出しと前記微弱光の受信のためのクロックタイミング抽出とを行い、
コヒーレント検波のための局所光を出力することと、
偏波分離された成分のうち微弱光の成分と局所光と干渉させて直交位相成分を読み出すことと、
読み出された直交位相成分を電気信号に変換することと、
抽出したクロックタイミングをもとに、前記電気信号から前記第1の乱数列を読み出し量子生鍵を生成することと、
生成された前記量子生鍵と前記第2の乱数列とをもとに、前記第1の通信装置と前記第2の通信装置との間における前記第2のチャネルでの通信を用いた基底照合の処理を行い選別鍵を生成することと、
生成された前記選別鍵に対して、第1の通信装置と第2の通信装置の間における前記第2のチャネルでの通信を用いた誤り訂正を行うことと、
誤り訂正後の前記選別鍵に対し、第1の通信装置と第2の通信装置の間における前記第2のチャネルでの通信を用いた秘匿性増強を行うことで量子鍵を生成することと、
を実行させるためのプログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、量子鍵配送システム、量子鍵配送方法およびプログラムに関する。
続きを表示(約 3,500 文字)【背景技術】
【0002】
量子鍵配送(Quantum Key Distribution;QKD)の1つに、連続量量子鍵配送(Continuous-Variable Quantum Key Distribution;CV-QKD)がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特表2019-522394号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
連続量量子鍵配送において、量子光の送信側と受信側とでクロックタイミングを同期させる必要がある。その際、量子光の強度は非常に微弱であるため、送信側と受信側とでクロックタイミングを精度よく合わせるためには量子光とは異なる強い強度のクロック抽出用信号が必要である。このクロック抽出用信号の通信を効率よく行えることが好ましい。
【0005】
本発明の目的の一例は、上述の課題を解決することのできる量子鍵配送システム、量子鍵配送方法およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様によれば、量子鍵配送システムは、第1のチャネル、および、前記第1のチャネルよりも信頼性の高い第2のチャネルにより通信接続される第1の通信装置と第2の通信装置とを備え、前記第1の通信装置は、送信対象のビット列を示す第1の乱数列と、前記送信対象のビット列の位相変調における基底を示す第2の乱数列とに基づいて、送信光における直行する2つの偏波成分のうち第1の偏波成分を位相変調し、もう一方の偏波成分である第2の偏波成分を、前記第2の乱数列を示す信号に変調するDP-QPSK(Dual Polarization Quadrature Phase Shift Keying)変調装置と、変調された前記第1の偏波成分の光強度を減衰させる光強度減衰器と、光強度を減衰された前記第1の偏波成分と、変調された前記第2の偏波成分とを偏波多重し、得られた信号光を前記第1のチャネルに出力する偏波ビームスプリッタと、を備え、前記第2の通信装置は、送信された信号光を偏波分離することで、微弱光と直交した成分に符号された前記第2の乱数列の読み出しと前記微弱光の受信のためのクロックタイミング抽出とを行う偏波ビームスプリッタと、コヒーレント検波のための局所光源と、偏波分離された成分のうち前記微弱光の成分と局所光と干渉させて直交位相成分を読み出す90°ハイブリッドと、読み出された直交位相成分を電気信号に変換するフォトディテクタと、前記偏波ビームスプリッタが抽出したクロックタイミングをもとに、前記電気信号から前記第1の乱数列を読み出し量子生鍵を生成する信号処理手段と、生成された前記量子生鍵と前記第2の乱数列とをもとに、前記第1の通信装置と前記第2の通信装置との間における前記第2のチャネルでの通信を用いた基底照合の処理を行い選別鍵を生成する基底照合手段と、生成された前記選別鍵に対して、第1の通信装置と第2の通信装置の間における前記第2のチャネルでの通信を用いた誤り訂正を行う誤り訂正手段と、誤り訂正後の前記選別鍵に対し、第1の通信装置と第2の通信装置の間における前記第2のチャネルでの通信を用いた秘匿性増強を行うことで量子鍵を生成する秘匿性増強手段と、を備える。
【0007】
本発明の第2の態様によれば、量子鍵配送方法は、第1のチャネル、および、前記第1のチャネルよりも信頼性の高い第2のチャネルにより通信接続される第1の通信装置と第2の通信装置とを備える量子鍵配送システムの、前記第1の通信装置が、送信対象のビット列を示す第1の乱数列と、前記送信対象のビット列の位相変調における基底を示す第2の乱数列とに基づいて、送信光における直行する2つの偏波成分のうち第1の偏波成分を位相変調し、もう一方の偏波成分である第2の偏波成分を、前記第2の乱数列を示す信号に変調し、変調された前記第1の偏波成分の光強度を減衰させ、光強度を減衰された前記第1の偏波成分と、変調された前記第2の偏波成分とを偏波多重し、得られた信号光を前記第1のチャネルに出力し、前記第2の通信装置は、送信された信号光を偏波分離することで、微弱光と直交した成分に符号された前記第2の乱数列の読み出しと前記微弱光の受信のためのクロックタイミング抽出とを行い、コヒーレント検波のための局所光を出力し、偏波分離された成分のうち前記微弱光の成分と局所光と干渉させて直交位相成分を読み出し、読み出された直交位相成分を電気信号に変換し、抽出したクロックタイミングをもとに、前記電気信号から前記第1の乱数列を読み出し量子生鍵を生成し、生成された前記量子生鍵と前記第2の乱数列とをもとに、前記第1の通信装置と前記第2の通信装置との間における前記第2のチャネルでの通信を用いた基底照合の処理を行い選別鍵を生成し、生成された前記選別鍵に対して、第1の通信装置と第2の通信装置の間における前記第2のチャネルでの通信を用いた誤り訂正を行い、誤り訂正後の前記選別鍵に対し、第1の通信装置と第2の通信装置の間における前記第2のチャネルでの通信を用いた秘匿性増強を行うことで量子鍵を生成する、ことを含む。
【0008】
本発明の第3の態様によれば、プログラムは、第1のチャネル、および、前記第1のチャネルよりも信頼性の高い第2のチャネルにより通信接続される第1の通信装置と第2の通信装置とを備える量子鍵配送システムの、前記第1の通信装置を制御するコンピュータに、送信対象のビット列を示す第1の乱数列と、前記送信対象のビット列の位相変調における基底を示す第2の乱数列とに基づいて、送信光における直行する2つの偏波成分のうち第1の偏波成分を位相変調し、もう一方の偏波成分である第2の偏波成分を、前記第2の乱数列を示す信号に変調することと、変調された前記第1の偏波成分の光強度を減衰させることと、光強度を減衰された前記第1の偏波成分と、変調された前記第2の偏波成分とを偏波多重し、得られた信号光を前記第1のチャネルに出力することと、を実行させ、前記第2の通信装置を制御するコンピュータに、送信された信号光を偏波分離することで、微弱光と直交した成分に符号された前記第2の乱数列の読み出しと前記微弱光の受信のためのクロックタイミング抽出とを行い、コヒーレント検波のための局所光を出力することと、偏波分離された成分のうち前記微弱光の成分と局所光と干渉させて直交位相成分を読み出すことと、読み出された直交位相成分を電気信号に変換することと、抽出したクロックタイミングをもとに、前記電気信号から前記第1の乱数列を読み出し量子生鍵を生成することと、生成された前記量子生鍵と前記第2の乱数列とをもとに、前記第1の通信装置と前記第2の通信装置との間における前記第2のチャネルでの通信を用いた基底照合の処理を行い選別鍵を生成することと、生成された前記選別鍵に対して、第1の通信装置と第2の通信装置の間における前記第2のチャネルでの通信を用いた誤り訂正を行うことと、誤り訂正後の前記選別鍵に対し、第1の通信装置と第2の通信装置の間における前記第2のチャネルでの通信を用いた秘匿性増強を行うことで量子鍵を生成することと、を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、連続量量子鍵配送において、量子光の送信側と受信側とでクロックタイミングを同期させるためのクロック抽出用信号の通信を、比較的効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
実施形態に係る量子鍵配送システムの構成を示すブロック図である。
実施形態に係る量子鍵配送システム1が量子鍵配送を行う処理手順の例を示す図である。
実施形態に係る量子ユニット100および量子ユニット200の構成を示すブロック図である。
実施形態に係る位相変調器が光を変調する際の位相について説明するためのI-Q平面図である。
実施形態に係る量子鍵配送システムの構成のもう1つの例を示す図である。
実施形態に係る量子鍵配送方法における処理の手順の例を示す図である。
少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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