TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024067461
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-17
出願番号2022177553
出願日2022-11-04
発明の名称デコンプ装置及びエンジン
出願人スズキ株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類F01L 13/08 20060101AFI20240510BHJP(機械または機関一般;機関設備一般;蒸気機関)
要約【課題】デコンプを安定させて運転中の圧縮抜けや異音の発生を抑える。
【解決手段】シリンダヘッドに排気カムシャフト(31)が支持され、排気カムシャフトにデコンプ装置(40B)が取り付けられている。デコンプ装置には、排気カムシャフトの排気カム(33B)のベース円に対して出没可能なデコンプカム(46B)が形成されたデコンプカムシャフトと、排気カムシャフトの回転に伴う遠心力によって開方向に動いてデコンプカムを突出させるデコンプアーム(51B)と、遠心力に抗するバネ力によってデコンプアームを閉方向に動かしてデコンプカムを没入させるスプリング(56B)と、が設けられている。気筒毎にデコンプアームの開方向が排気カムシャフトの回転方向と同方向及び逆方向に変更可能になっている。
【選択図】図8
特許請求の範囲【請求項1】
シリンダヘッドに排気カムシャフトが支持され、前記排気カムシャフトに取り付けられるデコンプ装置であって、
前記排気カムシャフトの排気カムのベース円に対して出没可能なデコンプカムが形成されたデコンプカムシャフトと、
前記排気カムシャフトの回転に伴う遠心力によって開方向に動いて前記デコンプカムを突出させるデコンプアームと、
遠心力に抗するバネ力によって前記デコンプアームを閉方向に動かして前記デコンプカムを没入させるスプリングと、を備え、
気筒毎に前記デコンプアームの開方向が前記排気カムシャフトの回転方向と同方向及び逆方向に変更可能であることを特徴とするデコンプ装置。
続きを表示(約 460 文字)【請求項2】
前記排気カムシャフトの外面で前記デコンプカムシャフト、前記デコンプアーム、前記スプリングを保持するデコンプホルダを備え、
前記排気カムシャフトに対する前記デコンプホルダの取り付け向きによって前記デコンプアームの開方向が前記排気カムシャフトの回転方向と同方向及び逆方向に変更可能であることを特徴とする請求項1に記載のデコンプ装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のデコンプ装置と、
前記複数の気筒が形成されたシリンダと、を備え、
前記複数の気筒の燃焼間隔が不等間隔であることを特徴とするエンジン。
【請求項4】
前記複数の気筒の燃焼間隔が270度と450度の不等間隔の2気筒であり、
先に燃焼する一方の気筒の前記デコンプアームの開方向が前記排気カムシャフトの回転方向と同方向であり、後から燃焼する他方の気筒の前記デコンプアームの開方向が前記排気カムシャフトの回転方向と逆方向であることを特徴とする請求項3に記載のエンジン。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、デコンプ装置及びエンジンに関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
エンジン始動時にシリンダ内の圧力を抜いてエンジンをスムーズに始動させるデコンプ(デコンプレッション)装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。デコンプ装置は、排気カムのカムベース面上からデコンプカムを出没させてデコンプの作動及び解除を切り替えている。カムシャフトの周囲にはC字板状のデコンプアームが設けられており、カムシャフトの回転方向の先導側のデコンプアームの基端がカムシャフト側に揺動可能に連結され、カムシャフトの回転方向の追従側のデコンプアームの先端がデコンプカムに連結されている。
【0003】
エンジン始動時にはスプリングによってデコンプアームが作動位置に引き付けられてデコンプアームが作動位置から動かされない。このとき、カムベース面からデコンプカムが突出しており、デコンプカムがバルブタペットに当たり、排気バルブが僅かに開いてエンジンの始動性が向上される。一方で、エンジン始動後にカムシャフトの回転速度が速くなると、遠心力によってデコンプアームが作動位置から解除位置に動かされる。このとき、カムベース面下にデコンプカムが没入しており、デコンプカムがバルブタペットに当たらないので排気バルブが閉じた状態が維持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第6934905号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
通常、エンジン始動時にデコンプが解除されないように、カムシャフトの回転方向の先導側でデコンプアームがカムシャフト側に連結され、デコンプアームの開方向がカムシャフトの回転方向と同じ方向になっている。しかしながら、エンジン始動後の運転中に回転変動が加速側に大きくなるタイミングでデコンプアームが解除位置から作動位置に動く場合がある。多気筒エンジンだとデコンプがバルブタペットを乗り越えるタイミングで、回転変動の影響を受けてしまう気筒があり、運転中にデコンプが誤作動して圧縮抜けや異音が発生するという問題があった。
【0006】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、デコンプを安定させて運転中の圧縮抜けや異音の発生を抑えることができるデコンプ装置及びエンジンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様のデコンプ装置は、シリンダヘッドに排気カムシャフトが支持され、前記排気カムシャフトに取り付けられるデコンプ装置であって、前記排気カムシャフトの排気カムのベース円に対して出没可能なデコンプカムが形成されたデコンプカムシャフトと、前記排気カムシャフトの回転に伴う遠心力によって開方向に動いて前記デコンプカムを突出させるデコンプアームと、遠心力に抗するバネ力によって前記デコンプアームを閉方向に動かして前記デコンプカムを没入させるスプリングと、を備え、気筒毎に前記デコンプアームの開方向が前記排気カムシャフトの回転方向と同方向及び逆方向に変更可能であることで上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様のデコンプ装置によれば、エンジンの気筒毎にデコンプアームの開方向を変更することができる。通常の気筒では、エンジン始動時にデコンプが容易に解除されないように、デコンプアームの開方向が排気カムシャフトの回転方向と同方向にされる。運転中にデコンプカムがバルブタペットを乗り越えるタイミングで回転変動の影響を受ける気筒では、デコンプアームの開方向が排気カムシャフトの回転方向と逆方向にされる。回転変動の影響によってデコンプが作動しなくなって圧縮抜けや異音の発生が抑えられる。また、デコンプアームの重量調整やスプリングの荷重調整が不要になるため、工数や設計変更の増加を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本実施例のエンジンの右側面図である。
本実施例のシリンダヘッドの上面図である。
比較例のデコンプ装置のデコンプ動作の説明図である。
ピストンの動きとデコンプ装置の作動タイミングを示す図である。
本実施例の排気カムシャフトの斜視図である。
本実施例のデコンプ装置の斜視図である。
本実施例の一方の気筒のデコンプ装置のデコンプ動作の説明図である。
本実施例の他方の気筒のデコンプ装置のデコンプ動作の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一態様のシリンダヘッドに排気カムシャフトが支持されており、排気カムシャフトにはシリンダヘッドの気筒毎にデコンプ装置が取り付けられている。デコンプ装置にはデコンプカムシャフト、デコンプアーム、スプリングが設けられている。デコンプカムシャフトには排気カムシャフトの排気カムのベース円に対して出没可能なデコンプカムが形成されている。排気カムシャフトの回転に伴う遠心力によってデコンプアームが開方向に動いてデコンプカムが突出され、遠心力に抗するスプリングのバネ力によってデコンプアームが閉方向に動かされてデコンプカムを没入される。気筒毎にデコンプアームの開方向が排気カムシャフトの回転方向と同方向及び逆方向に変更可能になっている。通常の気筒では、エンジン始動時にデコンプが容易に解除されないように、デコンプアームの開方向が排気カムシャフトの回転方向と同方向にされる。運転中にデコンプカムがバルブタペットを乗り越えるタイミングで回転変動の影響を受ける気筒では、デコンプアームの開方向が排気カムシャフトの回転方向と逆方向にされる。回転変動の影響によってデコンプが作動しなくなって圧縮抜けや異音の発生が抑えられる。また、デコンプアームの重量調整やスプリングの荷重調整が不要になるため、工数や設計変更の増加を抑えることができる。
【実施例】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

スズキ株式会社
車両用変速機
2日前
スズキ株式会社
車両用変速機
2日前
スズキ株式会社
車両用変速機
2日前
スズキ株式会社
車両用変速機
2日前
スズキ株式会社
車両用変速機
2日前
スズキ株式会社
車両用変速機
2日前
スズキ株式会社
車両用変速機
2日前
スズキ株式会社
車両用変速機
2日前
スズキ株式会社
車両用変速機
2日前
スズキ株式会社
車両用変速機
2日前
スズキ株式会社
配索部材の保護構造
2日前
スズキ株式会社
エンジンの空燃比制御装置
3日前
スズキ株式会社
ハイブリッド車両の充電制御装置
2日前
スズキ株式会社
ハイブリッド車両の充電制御装置
2日前
スズキ株式会社
車両用のルーバおよび風向調整装置
2日前
個人
エンジン
17日前
トヨタ自動車株式会社
連結管
24日前
株式会社クボタ
ディーゼルエンジン
25日前
ダイハツ工業株式会社
排気システム
25日前
トヨタ自動車株式会社
内燃機関
25日前
株式会社クボタ
排気ガス浄化システム
19日前
トヨタ自動車株式会社
排気管の締結構造
18日前
フタバ産業株式会社
排気浄化装置
1日前
フタバ産業株式会社
排気熱回収器
18日前
コベルコ建機株式会社
建設機械
24日前
株式会社豊田自動織機
エンジン
19日前
カワサキモータース株式会社
内燃機関
24日前
株式会社クボタ
バルブブリッジ及びバルブブリッジ製造方法
18日前
株式会社デンソー
排気浄化制御装置
1日前
株式会社SUBARU
触媒ユニット
1日前
日産自動車株式会社
車両の制御方法及び車両の制御装置
19日前
本田技研工業株式会社
過給式内燃機関
18日前
フタバ産業株式会社
排気管、及び排気管の製造方法
3日前
株式会社アイシン
温度管理装置
1日前
株式会社オティックス
ラッシュアジャスタ
1日前
三菱重工コンプレッサ株式会社
蒸気タービン
18日前
続きを見る