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公開番号2024067307
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-17
出願番号2022177276
出願日2022-11-04
発明の名称組電池制御装置
出願人株式会社デンソー
代理人弁理士法人サトー
主分類H02J 7/00 20060101AFI20240510BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】組電池の電流値を取得する回路部および組電池が備えるセルの電圧値を取得する回路部のうち両方または何れか一方がデイジーチェーン接続されている場合であっても、読み込まれるレジスタ値の同期性を担保できるようにした組電池制御装置を提供する。
【解決手段】組電池制御装置100は、電流値取得部101、電圧値取得部102、コマンド発行部103を備え、電流値取得部および電圧値取得部のうち両方または何れか一方がデイジーチェーン接続され、電流値取得部は、取得した組電池の電流値をA/D変換して電流値レジスタ101cに上書きする処理を繰り返し、コマンド発行部がフリーズコマンドを発行すると電流値レジスタの上書きを停止し、電圧値取得部は、取得したセルの電圧値をA/D変換して電圧値レジスタ102cに上書きする処理を繰り返し、コマンド発行部がフリーズコマンドを発行すると電圧値レジスタの上書きを停止する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
組電池(200)の電流値および前記組電池が備えるセル(200c)の電圧値を取り込み、取り込んだ電流値および電圧値に基づいて前記組電池を制御する組電池制御装置(100)であって、
前記組電池の電流値を取得する回路部である電流値取得部(101)と、
前記セルの電圧値を取得する回路部である電圧値取得部(102)と、
各種のコマンドを発行するコマンド発行部(103)と、
を備え、
前記電流値取得部および前記電圧値取得部のうち両方または何れか一方がデイジーチェーン接続されており、
前記電流値取得部は、取得した前記組電池の電流値をA/D変換して電流値レジスタ(101c)に上書きする処理を繰り返し実行するように構成され、且つ、前記コマンド発行部が前記コマンドとしてフリーズコマンドを発行すると前記電流値レジスタの上書きを停止するフリーズ処理を実行するように構成されており、
前記電圧値取得部は、取得した前記セルの電圧値をA/D変換して電圧値レジスタ(102c)に上書きする処理を繰り返し実行するように構成され、且つ、前記コマンド発行部が前記コマンドとしてフリーズコマンドを発行すると前記電圧値レジスタの上書きを停止するフリーズ処理を実行するように構成されている組電池制御装置。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記電流値取得部および前記電圧値取得部の両方がそれぞれデイジーチェーン接続されている請求項1に記載の組電池制御装置。
【請求項3】
前記電圧値取得部がデイジーチェーン接続されている請求項1に記載の組電池制御装置。
【請求項4】
デイジーチェーン接続されている回路部の数、デイジーチェーン接続されている複数の回路部間におけるクロック誤差、それぞれの回路部における前記A/D変換の所要時間に基づいて、各回路部における前記A/D変換の開始と前記フリーズ処理の実行との間に所定のディレイ時間を設定するディレイ処理を実行する請求項1に記載の組電池制御装置。
【請求項5】
前記ディレイ時間は、それぞれの回路部について個別に設定される請求項4に記載の組電池制御装置。
【請求項6】
前記コマンド発行部は、デイジーチェーン接続されている複数の回路部のうち前記A/D変換の所要時間が最も長い回路部が1回目の前記A/D変換を完了した後であって、且つ、デイジーチェーン接続されている複数の回路部のうち前記A/D変換の所要時間が最も短い回路部が2回目の前記A/D変換を完了する前に前記フリーズ処理が実行されるように前記フリーズコマンドを発行する請求項1に記載の組電池制御装置。
【請求項7】
前記コマンド発行部は、前記フリーズコマンドを発行する前に、前記A/D変換を停止する停止コマンドおよび前記A/D変換を開始する開始コマンドを発行する請求項1に記載の組電池制御装置。
【請求項8】
前記コマンド発行部は、デイジーチェーン接続されている複数の回路部のうち先頭の回路部において前記フリーズ処理が実行された後に、前記電流値レジスタおよび前記電圧値レジスタに記録されているレジスタ値を読み込むリードコマンドを発行する請求項1に記載の組電池制御装置。
【請求項9】
前記電流値取得部および前記電圧値取得部は、それぞれ、自身に内蔵されているタイマ(101a,102a)を用いて前記ディレイ処理を実行する請求項4に記載の組電池制御装置。
【請求項10】
前記コマンド発行部は、デイジーチェーン接続されている複数の回路部のうち先頭の回路部のみに各種のコマンドを発行する請求項1に記載の組電池制御装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、組電池を制御する組電池制御装置に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
この種の組電池制御装置は、組電池の電流値および組電池が備えるセルの電圧値を取得し、その取得した値をA/D変換してレジスタに上書きする処理を繰り返し実行するように構成されている。そして、組電池制御装置は、レジスタに記録されているレジスタ値つまりA/D変換された値に基づいて組電池を制御するように構成されている。
【0003】
ここで、組電池を精度良く制御するためには、複数のレジスタにそれぞれ記録されているレジスタ値について同期性が担保されていることが望ましい。レジスタ値の同期性を担保する手法として、例えば特許文献1に開示されている手法が考えられている。この手法は、各回路部の処理性能、複数の回路部間におけるクロックのばらつき、回路部の接続数の違いによって生じるA/D変換の完了時間のずれが小さい状況を形成するために、1回の処理で全セルの値のA/D変換を行うのではなく、複数回に分けて一部のセルずつA/D変換を行うという手法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2019-97350号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されている従来の組電池制御装置は、組電池の電流値を取得するセンサ回路部および組電池が備えるセルの電圧値を取得する回路部が、いわゆるスター型接続によって制御マイコンに繋がっており、各回路部間での通信伝播遅延を考慮せずとも電流値のA/D変換の開始タイミングと電圧値のA/D変換の開始タイミングとを合わせることが可能である。
【0006】
しかし、複数の回路部の接続方式がスター型接続ではなくデイジーチェーン接続である場合には、各回路部間での通信伝播遅延を考慮する必要が生じ、また、各回路部間での通信伝播遅延の影響は回路部の接続数が増えるほど大きくなる。そのため、各回路部におけるA/D変換の開始タイミングを揃えることができず、レジスタ値の同期性を担保できないという問題が発生する。
【0007】
また、この種の組電池制御装置では、各回路部においてA/D変換が繰り返し実行されるため、各回路部におけるレジスタ値は常に更新され続ける。このような状況で各回路部にリードコマンドを発行したとしても、通信伝播遅延の影響により各回路部にリードコマンドが到達するタイミングがずれてしまう。そのため、ある回路部では1回目のA/D変換によるレジスタ値が読み込まれ、別の回路部では2回目のA/D変換によるレジスタ値が読み込まれる、といった事態が発生し、読み込まれるレジスタ値の同期性を担保できないという問題が一層大きくなる。
【0008】
そこで、本開示は、組電池の電流値を取得する回路部および組電池が備えるセルの電圧値を取得する回路部のうち両方または何れか一方がデイジーチェーン接続されている場合であっても、読み込まれるレジスタ値の同期性を担保できるようにした組電池制御装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示に係る組電池制御装置100は、組電池200の電流値および当該組電池200が備えるセル200cの電圧値を取り込み、取り込んだ電流値および電圧値に基づいて前記組電池を制御する組電池制御装置100であって、前記組電池の電流値を取得する回路部である電流値取得部101と、前記セルの電圧値を取得する回路部である電圧値取得部102と、各種のコマンドを発行するコマンド発行部103と、を備え、前記電流値取得部および前記電圧値取得部のうち両方または何れか一方がデイジーチェーン接続されており、前記電流値取得部は、取得した前記組電池の電流値をA/D変換して電流値レジスタ101cに上書きする処理を繰り返し実行するように構成され、且つ、前記コマンド発行部が前記コマンドとして停止コマンドを発行するとA/D変換を停止し、開始コマンドを発行するとA/D変換を開始し、フリーズコマンドを発行すると前記電流値レジスタの上書きを停止するフリーズ処理を実行し、リードコマンドを発行すると前記電流値レジスタ値を読み込み、ディレイ設定コマンドを発行すると各コマンドの処理開始時間を遅らせるように構成されており、前記電圧値取得部は、取得した前記セルの電圧値をA/D変換して電圧値レジスタ102cに上書きする処理を繰り返し実行するように構成され、且つ、前記コマンド発行部が前記コマンドとして停止コマンドを発行するとA/D変換を停止し、開始コマンドを発行するとA/D変換を開始し、フリーズコマンドを発行すると前記電圧値レジスタの上書きを停止するフリーズ処理を実行し、リードコマンドを発行すると前記電圧値レジスタ値を読み込み、ディレイ設定コマンドを発行すると各コマンドの処理開始時間を遅らせるように構成されている。
【0010】
本開示に係る組電池制御装置100によれば、各回路部101,102においてA/D変換の開始処理や停止処理やディレイ処理が実行されることで、各回路部101,102におけるA/D変換のタイミングを制御でき、また、各回路部101,102においてフリーズ処理が実行されることで、各回路部101,102におけるレジスタ値が書き換えられることなく維持されるようになるため、意図したタイミングにおいて同期化されたレジスタ値を各回路部101,102から取得することができる。よって、組電池制御装置100によれば、組電池200の電流値を取得する回路部101および組電池200が備えるセル200cの電圧値を取得する回路部102のうち両方または何れか一方がデイジーチェーン接続されている場合であっても、読み込まれるレジスタ値の同期性を担保することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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