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公開番号2024066964
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-16
出願番号2023009657
出願日2023-01-25
発明の名称ハードコートフィルムとその製造方法、およびハードコートフィルムを含むディスプレイ
出願人株式会社カネカ
代理人
主分類B32B 27/00 20060101AFI20240509BHJP(積層体)
要約【課題】本発明の目的は、ハードコート面の外曲げ屈曲耐性、硬度、光学特性、低カール性に優れたハードコートフィルムを提供することである。また、該ハードコートフィルムの製造方法と、該ハードコートフィルムを含むディスプレイを提供することである。
【解決手段】分子内に脂環式エポキシ基を有するシラン化合物の縮合物と複数の脂環式エポキシ基を有する化合物を含む硬化性樹脂組成物であり、前記シラン化合物の縮合物100重量部に対して前記複数の脂環式エポキシ基を有する化合物を5~90重量部含み、前記複数の脂環式エポキシ基を有する化合物の脂環式エポキシ基をつなぐ構造が、鎖長8~23であり、前記ハードコートフィルムが、ハードコート層を外側にして半径3mmで20万回以上の繰り返し曲げ耐性を有することを特徴とするハードコートフィルムにより、上記課題を解決することができる。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ハードコート層と透明フィルム層を含む積層体であるハードコートフィルムであって、
前記ハードコート層が、下記一般式(1)で表される分子内に脂環式エポキシ基を有するシラン化合物の縮合物と、複数の脂環式エポキシ基を有する化合物を含む硬化性樹脂組成物の硬化物であり、
前記硬化性組成物が前記シラン化合物の縮合物100重量部に対して前記複数の脂環式エポキシ基を有する化合物を5~90重量部含み、
前記複数の脂環式エポキシ基を有する化合物の脂環式エポキシ基をつなぐ構造の主鎖が原子数8~23であり、
前記ハードコートフィルムが、ハードコート層を外側にして半径3mmで20万回以上の繰り返し曲げ耐性を有することを特徴とするハードコートフィルム。(但し、式(1)中、R

は水素原子または炭素数1~10のアルキル基であり、R2は水素原子または、炭素数1~10のアルキル基、炭素数6~25のアリール基および炭素数7~12のアラルキル基から選択される1価の炭化水素基であり、xは1~3の整数であり、Yは脂環式エポキシ基を有する基である。)
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続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記複数の脂環式エポキシ基を有する化合物が2官能であることを特徴とする請求項1に記載のハードコートフィルム。
【請求項3】
前記複数の脂環式エポキシ基を有する化合物がビス(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ε-カプロラクトン変性3’,4’-エポキシシクロヘキシルメチル3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレートから選択されることを特徴とする請求項2に記載のハードコートフィルム。
【請求項4】
硬化性樹脂組成物100重量部に占める、前記一般式(1)で表される分子内に脂環式エポキシ基を有するシラン化合物の縮合物と前記複数の脂環式エポキシ基を有する化合物の合計量が85重量部以上であることを特徴とする請求項1に記載のハードコートフィルム。
【請求項5】
前記シラン化合物の縮合物が一般式(3)で表されるT3体と、一般式(4)で表されるT2体を含み、
T3体とT2体の含有量の比T3/T2が、0.8以上5未満であり、
縮合物のSi原子の総数に対する前記一般式(1)で表される構造の比率が0.2から1.0であることを特徴とする請求項1に記載のハードコートフィルム。(但し、一般式(3)及び一般式(4)中のRaは、式(1)中のR

と同じであり、Zはヒドロキシル基または炭素数1~10のアルキル基を有するアルコキシ基を示す。)
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【請求項6】
前記硬化性組成物が、前記シラン化合物、前記複数の脂環式エポキシ基を有する化合物に加えて、光重合開始剤を含むことを特徴とする請求項1に記載のハードコートフィルム。
【請求項7】
ハードコート層を透明フィルム層の一方の面に有することを特徴とする請求項1に記載のハードコートフィルム。
【請求項8】
50mm×50mmの正方形サイズとした時の4隅の水平面からの持ち上がり高さで定義されるカール値の平均値が負であることを特徴とする請求項7に記載のハードコートフィルム。
【請求項9】
前記透明フィルム層がポリイミド、ポリアミドイミド、アクリル系樹脂から選ばれる1つ以上を含むことを特徴とする請求項1に記載のハードコートフィルム。
【請求項10】
前記透明フィルム層が少なくともポリイミドと溶剤可溶性樹脂を含むブレンド樹脂からなることを特徴とする請求項9に記載のハードコートフィルム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ハードコートフィルムおよびその製造方法に関する。また、そのハードコートフィルムを含むディスプレイに関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
曲面ディスプレイや折り畳み可能なディスプレイ(フォルダブルディスプレイ)が開発されており、ディスプレイのカバーウィンドウや基板等に用いられてきた剛直なガラス材料を、柔軟性に優れたプラスチックフィルム材料に置き換える検討がなされている。フォルダブルディスプレイをはじめとするフレキシブルディスプレイのカバーウィンドウには、透明性、硬度、屈曲耐性等の諸特性が要求される。
【0003】
ハードコート材料としてはアクリル系樹脂が広く用いられているが、アクリル系のハードコート材料は、硬化収縮が大きいため、硬度を高めるために厚みを大きくすると、カールやクラックが発生しやすいとの課題がある。
【0004】
特許文献1では、フィルム基材上にシラン化合物の縮合物を含むシロキサン系のハードコート層を設けたハードコートフィルムを、ディスプレイのカバーウィンドウ材料に用いることが提案されている。シロキサン系のハードコート材料は、アクリル系材料に比べて硬化収縮が少ないため、硬度を高めるために厚みを大きくできる利点がある。しかし、厚みが大きいハードコート面を外側にして曲げると、シロキサン系ハードコートであってもクラックが生じる場合があり、画面を外側に曲げるフレキシブルディスプレイのカバーウィンドウ等に使用できない場合があった。
【0005】
特許文献1および特許文献2には、主成分がシロキサン系樹脂であり、配合物としてエポキシ基含有化合物を含むシロキサン系ハードコート組成物が開示されている。配合物であるエポキシ基含有化合物としては、数多くのグリシジル型エポキシ基含有化合物や脂環式エポキシ基含有化合物が例示されているが、これらの特許文献にはエポキシ基含有化合物を配合することによって、本発明の主要課題であるハードコート面の外曲げ屈曲耐性が改善することは何ら示唆されていない。それどころか、エポキシ基含有化合物を用いる目的としては、硬化性の向上や、ハードコート層の強靭化や機械強度向上が謳われており、柔軟性が求められる外曲げ屈曲耐性改善とは材料の設計思想が異なっている。
【0006】
また、グリシジル型エポキシ基含有化合物を用いたシロキサン系のハードコート材料には、アクリル系ハードコート材料ほどではないものの、ハードコートフィルムのカールが大きくなる課題が生じる場合もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
国際公開第2020/040209号
特開2005-298754号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、ハードコート面の外曲げ屈曲耐性、硬度、光学特性、低カール性に優れたハードコートフィルムを提供することである。また、該ハードコートフィルムの製造方法と、該ハードコートフィルムを含むディスプレイを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記に鑑み鋭意検討の結果、分子内に脂環式エポキシ基を有するシラン化合物を含む縮合物と特定の鎖長を有する複数の脂環式エポキシを有する化合物を含む組成物の硬化物からなるハードコート層と透明フィルム層を含む積層体であるハードコートフィルムが、ハードコート面の外曲げ屈曲耐性、硬度、光学特性、低カール性に優れることを見出した。本発明を、以下に示す。
【0010】
1).ハードコート層と透明フィルム層を含む積層体であるハードコートフィルムであって、
前記ハードコート層が、下記一般式(1)で表される分子内に脂環式エポキシ基を有するシラン化合物の縮合物と、複数の脂環式エポキシ基を有する化合物を含む硬化性樹脂組成物の硬化物であり、
前記硬化性組成物が前記シラン化合物の縮合物100重量部に対して前記複数の脂環式エポキシ基を有する化合物を5~90重量部含み、
前記複数の脂環式エポキシ基を有する化合物の脂環式エポキシ基をつなぐ構造の主鎖が原子数8~23であり、
前記ハードコートフィルムが、ハードコート層を外側にして半径3mmで20万回以上の繰り返し曲げ耐性を有することを特徴とするハードコートフィルム。(但し、式(1)中、R

は水素原子または炭素数1~10のアルキル基であり、R

は水素原子または、炭素数1~10のアルキル基、炭素数6~25のアリール基および炭素数7~12のアラルキル基から選択される1価の炭化水素基であり、xは1~3の整数であり、Yは脂環式エポキシ基を有する基である。)
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(【0011】以降は省略されています)

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