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公開番号2024066909
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-16
出願番号2022176699
出願日2022-11-02
発明の名称伝動ベルト用組成物及び伝動ベルト
出願人三井化学株式会社
代理人弁理士法人エスエス国際特許事務所
主分類C08L 23/08 20060101AFI20240509BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】弾性および耐熱老化性に優れ、かつ加工性および耐摩耗性のバランスに優れた伝動ベルトを得るのに好適な伝動ベルト用組成物を提供すること。
【解決手段】エチレン(a1)に由来する構造単位と、炭素数3~20のα-オレフィン(a2)に由来する構造単位と、特定の部分構造を合計で分子中に2つ以上含む非共役ポリエン(a3)に由来する構造単位とを有し、かつ、特定の要件を満たすエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)、エチレンに由来する構造単位と、炭素数3~20のα-オレフィンに由来する構造単位とを有するエチレン・α-オレフィン共重合体(B)、カーボンブラック(C)、短繊維(D)、過酸化物系架橋剤(E)、および、2つ以上のエチレン性二重結合を有する架橋助剤(F)を含有する伝動ベルト用組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
(A)エチレン(a1)に由来する構造単位と、炭素数3~20のα-オレフィン(a2)に由来する構造単位と、下記式(I)および(II)からなる群より選ばれる部分構造を合計で分子中に2つ以上含む非共役ポリエン(a3)に由来する構造単位とを有し、かつ、下記(i)~(vi)の要件を満たすエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体、
(B)エチレンに由来する構造単位と、炭素数3~20のα-オレフィンに由来する構造単位とを有するエチレン・α-オレフィン共重合体、
(C)カーボンブラック、
(D)短繊維、
(E)過酸化物系架橋剤、および
(F)2つ以上のエチレン性二重結合を有する架橋助剤
を含有する伝動ベルト用組成物:
TIFF
2024066909000009.tif
33
152
(i)エチレン(a1)に由来する構造単位と、炭素数3~20のα-オレフィン(a2)に由来する構造単位とのモル比[(a1)/(a2)]が、40/60~99.9/0.1である;
(ii)非共役ポリエン(a3)に由来する構造単位の質量分率が、共重合体(A)100質量%中、0.07質量%~10質量%である;
(iii)共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)と、非共役ポリエン(a3)に由来する構造単位の質量分率((a3)の質量分率(質量%))と、非共役ポリエン(a3)の分子量((a3)の分子量)とが、下記式(1)を満たす;
4.5≦Mw×(a3)の質量分率/100/(a3)の分子量≦40 …(1)
(iv)レオメーターを用いて線形粘弾性測定(190℃)により得られた、周波数ω=0.1rad/秒での複素粘度η
*
(
ω
=0.1)
(Pa・秒)と、周波数ω=100rad/秒での複素粘度η
*
(
ω
=100)
(Pa・秒)との比P(η
*
(
ω
=0.1)
/η
*
(
ω
=100)
)と、極限粘度[η]と、非共役ポリエン(a3)に由来する構造単位の質量分率((a3)の質量分率(質量%))とが、下記式(2)を満たす;
P/([η]
2.9
)≦(a3)の質量分率×6 …(2)
(v)ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(分子量分布;Mw/Mn)が4~30の範囲にある;
(vi)前記数平均分子量(Mn)が30,000以下である。
続きを表示(約 520 文字)【請求項2】
前記非共役ポリエン(a3)が5-ビニル-2-ノルボルネン(VNB)を含む、請求項1に記載の伝動ベルト用組成物。
【請求項3】
前記炭素数3~20のα-オレフィン(a2)がプロピレンである、請求項1に記載の伝動ベルト用組成物。
【請求項4】
前記短繊維(D)がアラミド短繊維である、請求項1に記載の伝動ベルト用組成物。
【請求項5】
前記エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)および前記エチレン・α-オレフィン共重合体(B)の配合比(質量比)が80:20~20:80である、請求項1に記載の伝動ベルト用組成物。
【請求項6】
前記共重合体(A)100質量部に対して、
前記カーボンブラック(C)の含有量が0.1~200質量部であり、
前記短繊維(D)の含有量が0.1~100質量部である、
請求項1に記載の伝動ベルト用組成物。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の伝動ベルト用組成物から形成された架橋成形体。
【請求項8】
請求項7に記載の架橋成形体を有する伝動ベルト。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、伝動ベルト用組成物及び伝動ベルトに関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
伝動ベルトは、自動車用、自動二輪用および一般産業機械用に広く用いられている。伝動ベルトには、高ゴム弾性および耐摩耗性が必要とされている。前記性質を満たす伝動ベルトを製造するため、クロロプレンゴムが通常用いられており、また、耐熱性の改良、および軽量化の要求から、クロロプレンゴムにかえてエチレン・プロピレン・非共役ポリエン共重合体ゴムを用いることが検討されている(例えば、特許文献1~2参照)。
【0003】
さらに、耐熱性および耐摩耗性に優れた伝動ベルトを形成するのに好適な伝動ベルト用組成物として、エチレン・プロピレン・非共役ポリエン共重合体を含む組成物が開示されている(特許文献3)。
【0004】
さらにまた、高い横方向剛性を有する伝動ベルトを形成するのに好適な伝動ベルト用組成物として、ポリオレフィンエラストマーを含む組成物が開示されている(特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2001-310951号公報
特開2012-215212号公報
特開2021-42316号公報
国際公開第2016/183238号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来公知の伝動ベルト用組成物には、優れた弾性および耐熱老化性を有する伝動ベルトを製造するという観点から、改善の余地があった。さらに、従来公知の伝動ベルト用組成物では、加工性と、該伝動ベルト用組成物から形成される伝動ベルトの耐摩耗性を両立するという観点から必ずしも十分ではなく、これらの物性を兼ね備えた伝動ベルトの開発が望まれている。
本発明が解決しようとする課題は、弾性および耐熱老化性に優れ、かつ加工性および耐摩耗性のバランスに優れた伝動ベルトを得るのに好適な伝動ベルト用組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、特定のエチレン・プロピレン・非共役ポリエン共重合体とエチレン・プロピレン共重合体とを配合することで上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち本発明は、例えば以下の[1]~[8]に関する。
[1]
(A)エチレン(a1)に由来する構造単位と、炭素数3~20のα-オレフィン(a2)に由来する構造単位と、下記式(I)および(II)からなる群より選ばれる部分構造を合計で分子中に2つ以上含む非共役ポリエン(a3)に由来する構造単位とを有し、かつ、下記(i)~(vi)の要件を満たすエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体、
(B)エチレンに由来する構造単位と、炭素数3~20のα-オレフィンに由来する構造単位とを有するエチレン・α-オレフィン共重合体、
(C)カーボンブラック、
(D)短繊維、
(E)過酸化物系架橋剤、および
(F)2つ以上のエチレン性二重結合を有する架橋助剤
を含有する伝動ベルト用組成物:
TIFF
2024066909000001.tif
33
152
(i)エチレン(a1)に由来する構造単位と、炭素数3~20のα-オレフィン(a2)に由来する構造単位とのモル比[(a1)/(a2)]が、40/60~99.9/0.1である;
(ii)非共役ポリエン(a3)に由来する構造単位の質量分率が、共重合体(A)100質量%中、0.07質量%~10質量%である;
(iii)共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)と、非共役ポリエン(a3)に由来する構造単位の質量分率((a3)の質量分率(質量%))と、非共役ポリエン(a3)の分子量((a3)の分子量)とが、下記式(1)を満たす;
4.5≦Mw×(a3)の質量分率/100/(a3)の分子量≦40 …(1)
(iv)レオメーターを用いて線形粘弾性測定(190℃)により得られた、周波数ω=0.1rad/秒での複素粘度η
*
(
ω
=0.1)
(Pa・秒)と、周波数ω=100rad/秒での複素粘度η
*
(
ω
=100)
(Pa・秒)との比P(η
*
(
ω
=0.1)
/η
*
(
ω
=100)
)と、極限粘度[η]と、非共役ポリエン(a3)に由来する構造単位の質量分率((a3)の質量分率(質量%))とが、下記式(2)を満たす;
P/([η]
2.9
)≦(a3)の質量分率×6 …(2)
(v)ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(分子量分布;Mw/Mn)が4~30の範囲にある;
(vi)前記数平均分子量(Mn)が30,000以下である。
[2]
前記非共役ポリエン(a3)が5-ビニル-2-ノルボルネン(VNB)を含む、前記[1]に記載の伝動ベルト用組成物。
[3]
前記炭素数3~20のα-オレフィン(a2)がプロピレンである、前記[1]または[2]に記載の伝動ベルト用組成物。
[4]
前記短繊維(C)がアラミド短繊維である、前記[1]~[3]のいずれかに記載の伝動ベルト用組成物。
[5]
前記エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)および前記エチレン・α-オレフィン共重合体(B)の配合比(質量比)が80:20~20:80である、前記[1]~[4]のいずれかに記載の伝動ベルト用組成物。
[6]
前記共重合体(A)100質量部に対して、前記カーボンブラック(B)の含有量が0.1~200質量部であり、前記短繊維(C)の含有量が0.1~100質量部である、前記[1]~[5]のいずれかに記載の伝動ベルト用組成物。
[7]
前記[1]~[6]のいずれかに記載の伝動ベルト用組成物から形成された架橋成形体。
[8]
前記[7]に記載の架橋成形体を有する伝動ベルト。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、弾性および耐熱老化性に優れ、かつ加工性および耐摩耗性のバランスに優れた伝動ベルトを得るのに好適な伝動ベルト用組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明について詳細に説明する。
[伝動ベルト用組成物]
本発明の伝動ベルト用組成物の一実施形態(以下「本実施形態の組成物」ともいう)は、以下に説明するエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)と、エチレン・α-オレフィン共重合体(B)と、カーボンブラック(C)と、短繊維(D)と、過酸化物系架橋剤(E)と、2つ以上のエチレン性二重結合を有する架橋助剤(F)とを含有する。
(【0011】以降は省略されています)

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