発明の詳細な説明【技術分野】 【0001】 本発明はメタサーフェスを利用した紫外線分光共鳴によるガスセンシング技術に関する。 続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】 【0002】 高電圧機器内部におけるオゾンやアンモニア等のガスの発生は、酸を生成して部品腐食・故障につながるため問題となっている。これらのガスの検出のため従来はガス検知管などが使用されてきたが,経時的な測定が難しく、初期検出には向いていない。また、半導体式・電気化学式のガスセンサは周囲の環境に測定結果が依存するため,高電圧機器内部での使用は難しい。 【0003】 光学式ガスセンサは、非接触で周囲の環境に影響されにくく、経時的な測定も可能なので高電圧機器内部での測定に適している。さらに、微細加工技術を用いて作成される特異な光学特性をもつメタサーフェス(メタ表面)を光学式ガスセンサと組み合わせて用いることで高感度化が可能となる。特に、前記メタサーフェスに赤外光を照射して金属表面にプラズモン共鳴を発生させ、表面近傍のブタンの分子振動と共鳴させることで20ppmの濃度検出が可能となる(非特許文献1)。 【0004】 前記メタサーフェスはメタ原子を平面基板上に並べて2次元化した平面型のメタマテリアルと定義される(特許文献2)。前記メタマテリアルはフォトニック結晶と異なり周期性を必要としないので、メタ原子の配列は周期的である必要はなくランダムであってもよい。前記メタサーフェスは、波長以下の極めて薄い平面構造でありながらも、バルク光学素子では実現できない機能を持つ平面光学素子である。前記メタサーフェスの動作モードは反射型、透過型および吸収型に分類できる。前記メタサーフェスとしては、材料に金属を含むプラズモニックメタサーフェスと金属を含まない誘電体メタサーフェスがある。 【先行技術文献】 【非特許文献】 【0005】 D. Su, et al.: “Ultrasensitive and Selective Gas Sensor Based on a Channel Plasmonic Structure with an Enormous Hot Spot Region”, ACS Sensors, Vol.4, No.11 pp.2900-2907 (2019) 高原淳一,岩見健太郎,岩長祐伸、「メタマテリアル、メタサーフェスの設計・作製と応用技術」、(株)R&D支援センター、2020年7月30日発行 B. M. Cheng, et al.: “Absorption Cross Sections of NH3, NH2D, NHD2, andND3 in the Spectral Range 140-220 nm and Implications for Planetary Isotopic Fractionation”, The Astrophysical Journal, Vol.647, pp.1535-1542 (2006) L. T. Molina, et al.: “Absolute absorption cross sections of ozone in the 185- to 350-nm wavelength range”, Journal of Geophysical Research, Vol.91, No. D12 pp.14501-14508(1986) 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 紫外域に吸光波長を持つオゾンやアンモニアに対応した高感度の光学式ガスセンサ素子は開発されていない。また、前記金属板をAuで構成した場合、プラズモン共鳴を紫外域で誘起することは難しい。そのため、吸光波長を紫外域に持つオゾンとアンモニアのセンシングに用いることができない。 【0007】 本発明は、以上の事情を鑑み、金属部品の腐食の原因となるオゾンまたはアンモニアの経時的な検出を高感度に行うことを課題とする。 【課題を解決するための手段】 【0008】 そこで、本発明の一態様は、ガス中のオゾンまたはアンモニアの検出に供される紫外領域の光により表面プラズモン共鳴を誘起するメタサーフェス構造であって、前記紫外領域の光が照射されるガラス基板と、このガラス基板上に立設されるAlからなる金属部と、を有し、前記ガラス基板及び前記金属部には、当該金属部の表面に対する前記光の入射角度が変更可能に、前記光が照射され、前記金属部の近傍には、前記ガスが供される。 【0009】 本発明の一態様は、前記メタサーフェス構造において、前記金属部は、前記ガラス基板上にて対向して一対に立設され、一対の前記金属部の間隙には、前記ガスが供される。 【0010】 本発明の一態様は、前記メタサーフェス構造において、前記金属部の表面に対する前記光の入射角度は、0°以上90°以下である。 (【0011】以降は省略されています) この特許をJ-PlatPatで参照する