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公開番号2024065832
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-15
出願番号2022174892
出願日2022-10-31
発明の名称車両用駆動装置
出願人株式会社アイシン
代理人弁理士法人R&C
主分類F16H 3/54 20060101AFI20240508BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】減速機を構成する遊星歯車機構の小型化を図り、車両用駆動装置をより小型に構成する。
【解決手段】減速機3は、サンギヤSGと第1リングギヤRG1と第2リングギヤRG2と遊星ギヤPGとを備えた遊星歯車機構である。遊星ギヤPGとケース9の中間支持部8との軸方向Lの間に、遊星ギヤPGと中間支持部8との相対回転を許容しつつ軸方向Lの荷重を支持する第1軸方向支持部材71が配置され、遊星ギヤPGと差動歯車機構5との軸方向Lの間に、遊星ギヤPGと差動歯車機構5との相対回転を許容しつつ軸方向Lの荷重を支持する第2軸方向支持部材72が配置される。遊星ギヤPGは、第1軸方向支持部材71を介して中間支持部8により軸方向第1側L1から支持され、第2軸方向支持部材72を介して差動歯車機構5により軸方向第2側L2から支持されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ロータを備えた回転電機と、
前記ロータと一体的に回転するロータ軸と、
前記ロータ軸の回転を減速する減速機と、
前記減速機を介して差動入力要素に伝達される前記回転電機からの駆動力を一対の車輪に分配する差動歯車機構と、
前記回転電機、前記減速機、及び、前記差動歯車機構を収容するケースと、を備えた車両用駆動装置であって、
前記ロータの回転軸心に沿う方向を軸方向とし、前記軸方向の一方側を軸方向第1側とし、前記軸方向の他方側を軸方向第2側として、
前記回転電機と前記減速機と前記差動歯車機構とは、互いに同軸上に、前記軸方向第1側から前記軸方向第2側に向けて記載の順に配置され、
前記減速機は、前記ロータと一体的に回転するように連結されたサンギヤと、前記ケースに固定された第1リングギヤと、前記第1リングギヤに対して前記軸方向第2側に配置され、前記差動入力要素と一体的に回転するように連結された第2リングギヤと、遊星ギヤと、を備えた遊星歯車機構であり、
前記遊星ギヤは、前記サンギヤ及び前記第1リングギヤに噛み合う第1ギヤ部と、前記第1ギヤ部と一体的に回転すると共に前記第2リングギヤに噛み合う第2ギヤ部とを備え、
前記ケースは、前記回転電機と前記減速機との前記軸方向の間に配置された中間支持部を備え、
前記遊星ギヤと前記中間支持部との前記軸方向の間に、前記遊星ギヤと前記中間支持部との相対回転を許容しつつ前記軸方向の荷重を支持する第1軸方向支持部材が配置され、
前記遊星ギヤと前記差動歯車機構との前記軸方向の間に、前記遊星ギヤと前記差動歯車機構との相対回転を許容しつつ前記軸方向の荷重を支持する第2軸方向支持部材が配置され、
前記遊星ギヤは、前記第1軸方向支持部材を介して前記中間支持部により前記軸方向第1側から支持されていると共に、前記第2軸方向支持部材を介して前記差動歯車機構により前記軸方向第2側から支持されている、車両用駆動装置。
続きを表示(約 2,000 文字)【請求項2】
前記ケースは、前記差動歯車機構に対して前記軸方向第2側に配置された第2側支持部を備え、
前記差動歯車機構と前記第2側支持部との前記軸方向の間に、前記差動歯車機構と前記第2側支持部との相対回転を許容しつつ前記軸方向の荷重を支持する第3軸方向支持部材が配置され、
前記差動歯車機構は、前記第3軸方向支持部材を介して前記第2側支持部により前記軸方向第2側から支持されている、請求項1に記載の車両用駆動装置。
【請求項3】
前記回転軸心に直交する方向を径方向として、
前記差動歯車機構は、前記差動入力要素に支持されていると共に前記径方向に沿って延在するように配置された軸部材と、前記軸部材によって回転自在に支持された第1傘歯車と、前記軸部材に対して前記軸方向の両側に分かれて配置されて前記第1傘歯車にそれぞれ噛み合う一対の第2傘歯車と、を備え、
一対の前記第2傘歯車のそれぞれが、前記車輪に駆動連結され、
一対の前記第2傘歯車のうちの一方である対象第2傘歯車が、前記ロータ軸に対して前記径方向の内側を貫通するように配置された連結軸と一体的に回転するように連結されていると共に、前記連結軸に設けられた軸側支持部により前記軸方向第1側から支持され、
前記連結軸は、第1軸受を介して前記ケースにより前記軸方向第1側から支持され、
前記遊星ギヤと前記第2傘歯車との前記軸方向の間に、前記第2軸方向支持部材が配置され、
前記対象第2傘歯車は、前記連結軸により前記軸方向第1側から支持されている、請求項1又は2に記載の車両用駆動装置。
【請求項4】
前記回転軸心に直交する方向を径方向として、
前記サンギヤが、第2軸受を介して前記軸方向及び前記径方向に支持され、
前記差動歯車機構が前記サンギヤにより、第3軸受を介して前記軸方向第1側から支持されている、請求項1又は2に記載の車両用駆動装置。
【請求項5】
前記差動入力要素と前記第2リングギヤとが一体的に連結されており、
前記第2リングギヤが前記ケース又は前記第1リングギヤにより、第4軸受を介して前記軸方向第1側から支持されている、請求項1又は2に記載の車両用駆動装置。
【請求項6】
前記サンギヤ、前記第1リングギヤ、及び前記第2リングギヤは、斜歯歯車であり、
前記遊星ギヤが前記サンギヤから受ける軸方向荷重と、前記遊星ギヤが前記第1リングギヤから受ける軸方向荷重と、前記遊星ギヤが前記第2リングギヤから受ける軸方向荷重と、の合力がゼロになるように、前記サンギヤ、前記第1リングギヤ、及び前記第2リングギヤの斜歯の角度が設定されている、請求項1又は2に記載の車両用駆動装置。
【請求項7】
駆動力源と、
前記駆動力源に駆動連結される入力部材と、
前記入力部材の回転を減速する減速機と、
前記減速機を介して差動入力要素に伝達される前記駆動力源からの駆動力を一対の車輪に分配する差動歯車機構と、
前記減速機及び前記差動歯車機構を収容するケースと、を備えた車両用駆動装置であって、
前記入力部材の回転軸心に沿う方向を軸方向とし、前記軸方向の一方側を軸方向第1側とし、前記軸方向の他方側を軸方向第2側として、
前記入力部材と前記減速機と前記差動歯車機構とは、互いに同軸上に、前記軸方向第1側から前記軸方向第2側に向けて記載の順に配置され、
前記減速機は、前記入力部材と一体的に回転するように連結されたサンギヤと、前記ケースに固定された第1リングギヤと、前記第1リングギヤに対して前記軸方向第2側に配置され、前記差動入力要素と一体的に回転するように連結された第2リングギヤと、遊星ギヤと、を備えた遊星歯車機構であり、
前記遊星ギヤは、前記サンギヤ及び前記第1リングギヤに噛み合う第1ギヤ部と、前記第1ギヤ部と一体的に回転すると共に前記第2リングギヤに噛み合う第2ギヤ部とを備え、
前記遊星ギヤと前記遊星ギヤに対して前記軸方向第1側に配置された第1支持部との前記軸方向の間に、前記遊星ギヤと前記第1支持部との相対回転を許容しつつ前記軸方向の荷重を支持する第1軸方向支持部材が配置され、
前記遊星ギヤと前記遊星ギヤに対して前記軸方向第2側に配置された第2支持部との前記軸方向の間に、前記遊星ギヤと前記第2支持部との相対回転を許容しつつ前記軸方向の荷重を支持する第2軸方向支持部材が配置され、
前記遊星ギヤは、前記第1軸方向支持部材を介して前記第1支持部により前記軸方向第1側から支持されていると共に、前記第2軸方向支持部材を介して前記第2支持部により前記軸方向第2側から支持されている、車両用駆動装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用駆動装置に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
特開2019-74205号公報には、回転電機(2)と、減速機(3)と、差動歯車機構(4)と、これらを収容するケース(1)とを備えた車両用駆動装置(100)が開示されている(背景技術において括弧内の符号は参照する文献のもの。)。回転電機(2)、減速機(4)、差動歯車機構(4)は、同軸上に配置されている。この車両用駆動装置(100)では、減速機(3)は、2つの遊星歯車機構(31,32)を備えて構成されている。第1遊星歯車機構(31)は回転電機(2)に駆動連結され、第2遊星歯車機構(32)は差動歯車機構(4)に駆動連結され、第1遊星歯車機構(31)と第2遊星歯車機構(32)が駆動連結されている。第1遊星歯車機構(31)では、第1サンギヤ(S31)が入力要素であり、第1リングギヤ(R1)が固定された非回転要素であり、第1キャリヤ(C31)が出力要素である。第2遊星歯車機構(32)では、第2サンギヤ(S32)が入力要素であり、第2リングギヤ(R2)が固定された非回転要素であり、第2キャリヤ(C32)が出力要素である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2019-74205号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、車両用駆動装置の小型化を図ることが望まれ、上述したように1つの軸上に各回転要素が配置された車両用駆動装置が種々提案されている。1つの軸上に配置された減速機を実現するためには、上述したように減速機を遊星歯車機構により構成することが好ましい。減速機としての遊星歯車機構では、上述したように入力要素、出力要素、非回転要素を少なくとも備えていることが多い。これらの回転要素を支持する軸受を含めると、減速機の部品点数が多くなる傾向があり、車両用駆動装置の小型化に限界がある。
【0005】
上記背景に鑑みて、回転電機と減速機と差動歯車機構とが同軸上に配置された車両用駆動装置において、減速機を構成する遊星歯車機構の小型化を図り、車両用駆動装置をより小型に構成することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題に鑑みた車両用駆動装置は、ロータを備えた回転電機と、前記ロータと一体的に回転するロータ軸と、前記ロータ軸の回転を減速する減速機と、前記減速機を介して差動入力要素に伝達される前記回転電機からの駆動力を一対の車輪に分配する差動歯車機構と、前記回転電機、前記減速機、及び、前記差動歯車機構を収容するケースと、を備えた車両用駆動装置であって、前記ロータの回転軸心に沿う方向を軸方向とし、前記軸方向の一方側を軸方向第1側とし、前記軸方向の他方側を軸方向第2側として、前記回転電機と前記減速機と前記差動歯車機構とは、互いに同軸上に、前記軸方向第1側から前記軸方向第2側に向けて記載の順に配置され、前記減速機は、前記ロータと一体的に回転するように連結されたサンギヤと、前記ケースに固定された第1リングギヤと、前記第1リングギヤに対して前記軸方向第2側に配置され、前記差動入力要素と一体的に回転するように連結された第2リングギヤと、遊星ギヤと、を備えた遊星歯車機構であり、前記遊星ギヤは、前記サンギヤ及び前記第1リングギヤに噛み合う第1ギヤ部と、前記第1ギヤ部と一体的に回転すると共に前記第2リングギヤに噛み合う第2ギヤ部とを備え、前記ケースは、前記回転電機と前記減速機との前記軸方向の間に配置された中間支持部を備え、前記遊星ギヤと前記中間支持部との前記軸方向の間に、前記遊星ギヤと前記中間支持部との相対回転を許容しつつ前記軸方向の荷重を支持する第1軸方向支持部材が配置され、前記遊星ギヤと前記差動歯車機構との前記軸方向の間に、前記遊星ギヤと前記差動歯車機構との相対回転を許容しつつ前記軸方向の荷重を支持する第2軸方向支持部材が配置され、前記遊星ギヤは、前記第1軸方向支持部材を介して前記中間支持部により前記軸方向第1側から支持されていると共に、前記第2軸方向支持部材を介して前記差動歯車機構により前記軸方向第2側から支持されている。
【0007】
本構成によれば、遊星ギヤは、サンギヤと第1リングギヤとによって径方向の両側から支持されていると共に、一対の軸方向支持部材を介してケースの中間支持部と差動歯車機構との間において軸方向の両側から支持されている。従って、減速機としての遊星歯車機構がキャリヤを備えない構成にも関わらず、遊星ギヤを回転自在な状態で適切に支持することができる。そして、本構成によれば、一般的な遊星歯車機構では必要であった、キャリヤ、キャリヤを回転自在に支持するための軸受、及び、キャリヤに対して遊星ギヤを相対回転自在に支持するための軸受を無くすことができる。これにより、減速機の小型化を図ることができると共に、減速機におけるトルクの伝達効率を高めることができる。
【0008】
また、上記課題に鑑みた車両用駆動装置は、別の構成として、駆動力源と、前記駆動力源に駆動連結される入力部材と、前記入力部材の回転を減速する減速機と、前記減速機を介して差動入力要素に伝達される前記駆動力源からの駆動力を一対の車輪に分配する差動歯車機構と、前記減速機及び前記差動歯車機構を収容するケースと、を備えた車両用駆動装置であって、前記入力部材の回転軸心に沿う方向を軸方向とし、前記軸方向の一方側を軸方向第1側とし、前記軸方向の他方側を軸方向第2側として、前記入力部材と前記減速機と前記差動歯車機構とは、互いに同軸上に、前記軸方向第1側から前記軸方向第2側に向けて記載の順に配置され、前記減速機は、前記入力部材と一体的に回転するように連結されたサンギヤと、前記ケースに固定された第1リングギヤと、前記第1リングギヤに対して前記軸方向第2側に配置され、前記差動入力要素と一体的に回転するように連結された第2リングギヤと、遊星ギヤと、を備えた遊星歯車機構であり、前記遊星ギヤは、前記サンギヤ及び前記第1リングギヤに噛み合う第1ギヤ部と、前記第1ギヤ部と一体的に回転すると共に前記第2リングギヤに噛み合う第2ギヤ部とを備え、前記遊星ギヤと前記遊星ギヤに対して前記軸方向第1側に配置された第1支持部との前記軸方向の間に、前記遊星ギヤと前記第1支持部との相対回転を許容しつつ前記軸方向の荷重を支持する第1軸方向支持部材が配置され、前記遊星ギヤと前記遊星ギヤに対して前記軸方向第2側に配置された第2支持部との前記軸方向の間に、前記遊星ギヤと前記第2支持部との相対回転を許容しつつ前記軸方向の荷重を支持する第2軸方向支持部材が配置され、前記遊星ギヤは、前記第1軸方向支持部材を介して前記第1支持部により前記軸方向第1側から支持されていると共に、前記第2軸方向支持部材を介して前記第2支持部により前記軸方向第2側から支持されている。
【0009】
本構成によれば、遊星ギヤは、サンギヤと第1リングギヤとによって径方向の両側から支持されていると共に、一対の軸方向支持部材を介して第1支持部と第2支持部との間において軸方向の両側から支持されている。従って、減速機としての遊星歯車機構がキャリヤを備えない構成にも関わらず、遊星ギヤを回転自在な状態で適切に支持することができる。そして、本構成によれば、一般的な遊星歯車機構では必要であった、キャリヤ、キャリヤを回転自在に支持するための軸受、及び、キャリヤに対して遊星ギヤを相対回転自在に支持するための軸受を無くすことができる。これにより、減速機の小型化を図ることができると共に、減速機におけるトルクの伝達効率を高めることができる。
【0010】
車両用駆動装置のさらなる特徴と利点は、図面を参照して説明する実施形態についての以下の記載から明確となる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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