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公開番号2024064984
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-14
出願番号2023117608
出願日2023-07-19
発明の名称車両用駆動装置
出願人株式会社アイシン
代理人弁理士法人R&C
主分類F16H 57/04 20100101AFI20240507BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】ロータとサンギヤとを連結する連結部材により、遊星歯車機構と回転センサとの配置領域が区画された構成において、油の掻き上げに必要なトルクを小さく抑えると共に、部品点数を少なく抑えることが可能な車両用駆動装置を提供する。
【解決手段】連結部材5を介してロータ12に連結されたサンギヤSGは、ロータ12に対して径方向内側R1に配置され、連結部材5の径方向延在部51に対して軸方向第1側L1に回転センサ4、軸方向第2側L2に遊星歯車機構3が配置され、回転センサ4のセンサロータ42は、ロータ12の外周面よりも径方向内側R1に配置され、円環状の固定部材8を用いて連結部材5に固定され、ロータ12の回転軸心Xよりも下側であって、センサステータ41とケース9の対向面9aとの軸方向Lの間に油貯留部Sが形成され、固定部材8が油貯留部Sの油を掻き上げる掻上部81を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ロータを備えた回転電機と、
車輪に駆動連結される出力部材と、
前記ロータから伝達された回転を減速して前記出力部材に伝達する減速用の遊星歯車機構と、
前記ロータの回転を検出する回転センサと、
前記回転電機、前記遊星歯車機構、及び前記回転センサを収容する収容空間を備えたケースと、を備えた車両用駆動装置であって、
前記収容空間には油が収容され、
前記遊星歯車機構は、連結部材を介して前記ロータに連結されたサンギヤを備え、
前記ロータの回転軸心に沿う方向を軸方向とし、前記回転軸心に直交する方向を径方向とし、前記軸方向の一方側を軸方向第1側とし、前記軸方向の他方側を軸方向第2側として、
前記サンギヤは、前記ロータに対して前記径方向の内側に配置され、
前記連結部材は、前記ロータから前記径方向の内側に向かって延在する径方向延在部を備え、
前記径方向延在部に対して前記軸方向第1側に前記回転センサが配置され、前記径方向延在部に対して前記軸方向第2側に前記遊星歯車機構が配置され、
前記回転センサは、前記ケースに対して固定されたセンサステータと、前記ロータと一体的に回転するセンサロータと、を備え、
前記センサロータは、前記ロータの外周面よりも前記径方向の内側に配置され、円環状の固定部材を用いて前記連結部材に固定され、
前記ケースは、前記センサステータに対して前記軸方向第1側から対向する対向面を備え、
前記回転軸心よりも下側であって、前記センサステータと前記対向面との前記軸方向の間に、前記油が貯留される油貯留部が形成され、
前記固定部材が、前記油貯留部に溜まった前記油を掻き上げる掻上部を備える、車両用駆動装置。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記遊星歯車機構が、前記ロータに対して前記径方向の内側であって、前記径方向に沿う径方向視で前記ロータと重複する位置に配置され、
前記連結部材は、前記ロータと一体的に回転するように前記ロータを支持するロータ支持部と、前記ロータに対して前記軸方向第1側に配置された第1軸受により前記ケースに対して回転自在に支持された第1被支持部と、前記ロータに対して前記軸方向第2側に配置された第2軸受により前記ケースに対して回転自在に支持された第2被支持部と、を更に備え、
前記第1軸受と前記回転センサとが、前記径方向視で互いに重複する位置に配置され、
前記掻上部により掻き上げられた前記油が前記第1軸受に供給される、請求項1に記載の車両用駆動装置。
【請求項3】
前記掻上部により掻き上げられた前記油を前記遊星歯車機構に供給する油路を更に備え、
前記遊星歯車機構は、前記出力部材に連結されたキャリヤと、前記ケースに固定されたリングギヤと、を更に備え、
前記サンギヤは、入力軸と一体的に回転するように構成され、
前記入力軸は、前記径方向延在部を前記軸方向に貫通するように配置され、
前記油路は、前記入力軸の内部を前記軸方向に貫通する貫通孔により形成された第1油路部と、前記第1油路部の前記軸方向第1側の端部と前記掻上部の配置領域とを連通する第2油路部と、前記第1油路部の前記軸方向第2側の端部と前記キャリヤの配置領域とを連通する第3油路部と、を備える、請求項1又は2に記載の車両用駆動装置。
【請求項4】
前記ケースは、前記ロータの外周面よりも前記径方向の内側に配置されていると共に、前記対向面の前記径方向の外側の端部から連続して前記軸方向第2側に向けて延在する内周面を備え、
前記内周面が、前記センサステータと前記対向面との前記軸方向の間の領域に配置され、
前記固定部材における前記内周面に対して前記径方向に対向する部分に、前記掻上部が設けられている、請求項1又は2に記載の車両用駆動装置。
【請求項5】
前記サンギヤは、入力軸と一体的に回転するように構成され、
前記連結部材は、前記ロータと一体的に回転するように前記ロータを支持するロータ支持部と、前記入力軸と一体的に回転するように連結された軸連結部と、前記ロータ支持部と前記軸連結部との前記径方向の間において前記径方向延在部から前記軸方向第1側に突出する筒状に形成された筒状支持部と、を更に備え、
前記センサロータは、前記筒状支持部の外周面に取り付けられ、
前記固定部材は、前記センサロータに対して前記軸方向第1側から当接するように、前記筒状支持部の外周面に取り付けられ、
前記掻上部は、前記固定部材の外周面に形成された凹凸部である、請求項1又は2に記載の車両用駆動装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、回転電機と、減速用の遊星歯車機構と、それらを収容するための収容空間に油が収容されたケースと、を備えた車両用駆動装置に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
このような車両用駆動装置の一例が、下記の特許文献1に開示されている。以下、背景技術の説明では、特許文献1における符号を括弧内に引用する。
【0003】
特許文献1の車両用駆動装置(1)は、回転電機(3)と、車輪に駆動連結される出力部材(50)と、回転電機(3)のロータ(5)から伝達された回転を減速して出力部材(50)に伝達する減速用の遊星歯車機構(40)と、ロータ(5)の回転を検出する回転センサ(30)と、回転電機(3)、遊星歯車機構(40)、及び回転センサ(30)を収容する収容空間を備えたケース(2)と、を備えている。
【0004】
遊星歯車機構(40)は、ロータ(5)と一体的に回転するサンギヤ(41)と、出力部材(50)と一体的に回転するキャリヤ(42)と、ケース(2)に固定されたリングギヤ(45)と、を備えている。サンギヤ(41)は、ロータ(5)に対して径方向(特許文献1の図1における上下方向)の内側に配置され、径方向に沿って延在する連結部材(7)を介してロータ(5)に連結されている。連結部材(7)に対して軸方向の一方側(特許文献1の図1における左側)に遊星歯車機構(40)が配置され、連結部材(7)に対して軸方向の他方側(特許文献1の図1における右側)に回転センサ(30)が配置されている。
【0005】
ケース(2)の収容空間には、油が収容されている。この油は、ロータ(5)の回転に伴って、ロータ(5)に連結された掻上部材(6a)により掻き上げられる。そして、掻上部材(6a)により掻き上げられた油は、連結部材(7)に対して軸方向の他方側(特許文献1の図1における右側)の領域における各部に供給されると共に、連結部材(7)を軸方向に貫通するように形成された油路(26)を通って、連結部材(7)に対して軸方向の一方側(特許文献1の図1における左側)の領域における各部に供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2014-59044号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
掻上部材(6a)は、連結部材(7)に対して軸方向の他方側(特許文献1の図1における右側)の領域に配置されている。そして、掻上部材(6a)は、その先端部が回転電機(3)のコイルエンド部(4b)の側方に位置するように、ロータ(5)から軸方向の他方側に延在すると共に、径方向の外側に延在している。
【0008】
このように、特許文献1の車両用駆動装置(1)では、掻上部材(6a)の径方向の寸法が比較的大きい。そのため、掻上部材(6a)による油の掻き上げに必要なトルクが大きくなり易いという課題があった。また、掻上部材(6a)は、油を掻き上げるために別途設けられた部材である。そのため、車両用駆動装置(1)の部品点数が多くなり易いという課題もあった。
【0009】
そこで、ロータとサンギヤとを連結する連結部材により、遊星歯車機構と回転センサとの配置領域が区画された構成において、油の掻き上げに必要なトルクを小さく抑えると共に、部品点数を少なく抑えることが可能な車両用駆動装置の実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記に鑑みた、車両用駆動装置の特徴構成は、
ロータを備えた回転電機と、
車輪に駆動連結される出力部材と、
前記ロータから伝達された回転を減速して前記出力部材に伝達する減速用の遊星歯車機構と、
前記ロータの回転を検出する回転センサと、
前記回転電機、前記遊星歯車機構、及び前記回転センサを収容する収容空間を備えたケースと、を備えた車両用駆動装置であって、
前記収容空間には油が収容され、
前記遊星歯車機構は、連結部材を介して前記ロータに連結されたサンギヤを備え、
前記ロータの回転軸心に沿う方向を軸方向とし、前記回転軸心に直交する方向を径方向とし、前記軸方向の一方側を軸方向第1側とし、前記軸方向の他方側を軸方向第2側として、
前記サンギヤは、前記ロータに対して前記径方向の内側に配置され、
前記連結部材は、前記ロータから前記径方向の内側に向かって延在する径方向延在部を備え、
前記径方向延在部に対して前記軸方向第1側に前記回転センサが配置され、前記径方向延在部に対して前記軸方向第2側に前記遊星歯車機構が配置され、
前記回転センサは、前記ケースに対して固定されたセンサステータと、前記ロータと一体的に回転するセンサロータと、を備え、
前記センサロータは、前記ロータの外周面よりも前記径方向の内側に配置され、円環状の固定部材を用いて前記連結部材に固定され、
前記ケースは、前記センサステータに対して前記軸方向第1側から対向する対向面を備え、
前記回転軸心よりも下側であって、前記センサステータと前記対向面との前記軸方向の間に、前記油が貯留される油貯留部が形成され、
前記固定部材が、前記油貯留部に溜まった前記油を掻き上げる掻上部を備える点にある。
(【0011】以降は省略されています)

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