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公開番号2024064960
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-14
出願番号2023079554
出願日2023-05-12
発明の名称炭素濃度分布の解析方法
出願人山陽特殊製鋼株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C23C 8/22 20060101AFI20240507BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】 浸炭処理が行われる鋼材について、鋼材の位置に応じた炭素濃度の分布を解析するときの精度を担保する。
【解決手段】 浸炭処理が行われる鋼材について、鋼材の位置に応じた炭素濃度の分布を解析する方法である。拡散方程式に基づいて炭素濃度の分布を解析するとき、拡散方程式に含まれる炭素の拡散係数、易動度及び拡散流束のうちの少なくとも1つに対して補正係数を乗算する。補正係数は、拡散方程式から解析される炭素濃度の分布と、予め測定した炭素濃度の分布との誤差が閾値以下となる条件を満たすように設定される。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
浸炭処理が行われる鋼材について、鋼材の位置に応じた炭素濃度の分布を解析する方法であって、
拡散方程式に基づいて前記炭素濃度の分布を解析するとき、前記拡散方程式に含まれる炭素の拡散係数、易動度及び拡散流束のうちの少なくとも1つに対して補正係数を乗算し、
前記補正係数は、前記拡散方程式から解析される前記炭素濃度の分布と、予め測定した前記炭素濃度の分布との誤差が閾値以下となる条件を満たすように設定されることを特徴とする炭素濃度分布の解析方法。
続きを表示(約 2,000 文字)【請求項2】
前記拡散方程式は下記式(I)及び下記式(II)で表され、前記補正係数は、拡散流束及び拡散係数の少なくとも一方に乗算されることを特徴とする請求項1に記載の炭素濃度分布の解析方法。
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2024064960000028.jpg
34
170
上記式(I)において、Jは炭素の拡散流束であり、D
γ
は鋼材中のオーステナイト中の炭素の拡散係数であり、x
γ
はオーステナイト中の炭素濃度であり、zは鋼材の表面から深さ方向の位置である。
上記式(II)において、xは鋼材中の炭素濃度であり、tは浸炭処理を開始してからの経過時間であり、Jは炭素の拡散流束であり、zは鋼材の表面から深さ方向の位置である。
【請求項3】
前記拡散方程式は下記式(III)及び下記式(IV)で表され、前記補正係数は、拡散流束及び易動度の少なくとも一方に乗算されることを特徴とする請求項1に記載の炭素濃度分布の解析方法。
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2024064960000029.jpg
34
170
上記式(III)において、Jは炭素の拡散流束であり、m
γ
はオーステナイト中の炭素の易動度であり、x
γ
はオーステナイト中の炭素濃度であり、μは炭素の化学ポテンシャルであり、zは鋼材の表面から深さ方向の位置である。
上記式(IV)において、xは鋼材中の炭素濃度であり、tは浸炭処理を開始してからの経過時間であり、Jは炭素の拡散流束であり、zは鋼材の表面から深さ方向の位置である。
【請求項4】
前記式(III)に代えて、下記式(V)を用いることを特徴とする請求項3に記載の炭素濃度分布の解析方法。
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2024064960000030.jpg
18
170
上記式(V)において、Jは炭素の拡散流束であり、m
γ
はオーステナイト中の炭素の易動度であり、Rは気体定数であり、Tは温度であり、x
γ
はオーステナイト中の炭素濃度であり、γ
γ
はオーステナイト中の炭素の活量係数[-]であり、zは鋼材の表面から深さ方向の位置である。
【請求項5】
前記拡散方程式は下記式(VI)及び下記式(VII)で表され、前記補正係数は、拡散流束及び拡散係数の少なくとも一方に乗算されることを特徴とする請求項1に記載の炭素濃度分布の解析方法。
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2024064960000031.jpg
27
170
上記式(VI)において、Jは炭素の拡散流束であり、D
γ
はオーステナイト中の炭素の拡散係数であり、C
γ
はオーステナイト中の炭素濃度であり、gradは位置の勾配である。
上記式(VII)において、Cは鋼材中の炭素濃度であり、tは時間であり、divは発散であり、Jは炭素の拡散流束である。
【請求項6】
前記拡散方程式は下記式(VIII)及び下記式(IX)で表され、前記補正係数は、拡散流束及び易動度の少なくとも一方に乗算されることを特徴とする請求項1に記載の炭素濃度分布の解析方法。
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2024064960000032.jpg
27
170
上記式(VIII)において、Jは炭素の拡散流束であり、m
γ
はオーステナイト中の炭素の易動度であり、C
γ
はオーステナイト中の炭素濃度であり、gradは位置の勾配であり、μは炭素の化学ポテンシャルである。
上記式(IX)において、Cは鋼材中の炭素濃度であり、tは時間であり、divは発散であり、Jは炭素の拡散流束である。
【請求項7】
前記式(VIII)に代えて、下記式(X)を用いることを特徴とする請求項6に記載の炭素濃度分布の解析方法。
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2024064960000033.jpg
18
170
上記式(X)において、Jは炭素の拡散流束であり、m
γ
はオーステナイト中の炭素の易動度であり、Rは気体定数であり、Tは温度であり、C
γ
はオーステナイト中の炭素濃度であり、γ
γ
はオーステナイト中の炭素の活量係数[-]であり、gradは位置の勾配である。
【請求項8】
前記の浸炭処理が行われる鋼材は、エッジ形状を有する鋼材であることを特徴とする請求項5乃至7のうちいずれか一つに記載の炭素濃度分布の解析方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、浸炭処理後の鋼材の内部における炭素濃度を解析する方法に関する。
続きを表示(約 1,200 文字)【背景技術】
【0002】
鉄鋼材料の製品(例えばギア等の駆動系製品)においては、製品表面の耐摩耗性、疲労強度等の必要特性を確保するために、所望の形状に加工された加工品に対して浸炭処理を行っている。近年、環境負荷の低減の観点から減圧浸炭処理に代表される減圧浸炭処理が広がってきている。
【0003】
減圧浸炭処理では、加熱炉において、ガスを排気して減圧した状態で炭素を含んだ浸炭ガスを注入した雰囲気中で、一定の温度および時間で加工品を加熱した後に、油などの冷却媒体に加工品を浸漬して冷却している。この減圧浸炭処理では、浸炭ガスの注入が続けられる浸炭期と、浸炭ガスの注入を止めた状態となる拡散期が存在する。
【0004】
減圧浸炭処理において、製品の表層部に過大に炭素が侵入し、表層部よりも内部に炭素が十分に拡散しない場合には、粗大な炭化物が形成されてしまい、製品の疲労強度等の特性が低下してしまうことがある。このような不具合を回避するために、以下に説明する技術が開示されている。
【0005】
特許文献1では、浸炭パターンを設定し、拡散方程式を用いて、対象部品の表層部における任意のセルの炭素濃度を求めている。そして、求めた炭素濃度と、所望の炭素濃度とを比較することにより、設定した浸炭条件を評価して合否を決定している。
【0006】
特許文献2には、浸炭部品の浸炭ばらつきを抑制できる減圧浸炭処理方法が記載されている。浸炭工程は、浸炭工程の開始から交差時間teまでの前期浸炭工程と、交差時間teから浸炭時間taまでの後期浸炭工程とを有している。前期浸炭工程では、実際浸炭ガス流量を、浸炭工程の開始から基準時間ta/5時点での理論浸炭ガス流量以上、かつ、浸炭工程の開始から20秒時点での理論浸炭ガス流量以下としている。後期浸炭工程では、実際浸炭ガス流量を、理論浸炭ガス流量の1.00~1.20倍の範囲内としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2008-208403号公報
特許第6583600号公報
【非特許文献】
【0008】
真空浸炭におけるエッジ部過剰浸炭の疲労強度に対する影響,鉄と鋼,社団法人日本鉄鋼協会,2010年,Vol.96、No.6,48~53頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1では、公知の拡散方程式を用いて炭素濃度の分布を解析するようにしているが、公知の拡散方程式を用いただけでは、炭素濃度の分布を解析する上では不十分である。
【0010】
特許文献2は、浸炭部品の浸炭ばらつきを抑制することを目的として、減圧浸炭処理の条件を設定するものであり、減圧浸炭処理を行う鋼材について、炭素濃度の分布を解析するものではない。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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