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公開番号2024064343
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-14
出願番号2022172860
出願日2022-10-28
発明の名称乾燥食品製造方法
出願人アスザックフーズ株式会社
代理人個人
主分類A23L 5/00 20160101AFI20240507BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】調理工程において多量の澱粉を添加することなく、具材の沈殿や浮上を好適に回避し得る乾燥食品製造方法を提供する。
【解決手段】食品用原料を調理する調理工程(ステップS1)と、調理工程において調理された調理済食材を凍結乾燥用容器に充填する充填工程(ステップS2)と、凍結乾燥用容器に充填されている調理済食材を凍結乾燥させる凍結乾燥工程(ステップS3)とをこの順で実行してブロック状の乾燥食品を製造する乾燥食品製造方法(乾燥食品製造処理1)であって、調理工程において、オオバコの種子における皮を粉状に加工した加工物を原料とする粉状体を食品用原料に添加して攪拌する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
食品用原料を調理する調理工程と、
前記調理工程において調理された調理済食材を凍結乾燥用容器に充填する充填工程と、
前記凍結乾燥用容器に充填されている前記調理済食材を凍結乾燥させる凍結乾燥工程とをこの順で実行してブロック状の乾燥食品を製造する乾燥食品製造方法であって、
前記調理工程において、オオバコの種子における皮を粉状に加工した加工物を原料とする粉状体を前記食品用原料に添加して攪拌する乾燥食品製造方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記調理工程において、前記粉状体を分散させた分散液を前記食品用原料に添加して攪拌する請求項1記載の乾燥食品製造方法。
【請求項3】
復元用の液体を吸収させることで喫食状態に復元される前記乾燥食品であって、前記食品用原料の一部として増粘剤を使用すると共に、前記喫食状態において非透過性を有する液状部中に具材が分散した状態となるべき当該乾燥食品を製造するときに、前記調理済食材の重量に占める前記粉状体の重量が0.08%以上0.30%以下の範囲内となるように当該粉状体を添加する請求項1または2記載の乾燥食品製造方法。
【請求項4】
復元用の液体を吸収させることで喫食状態に復元される前記乾燥食品であって、前記喫食状態において透過性を有する液状部中に具材が分散した状態となるべき当該乾燥食品を製造するときに、前記調理済食材の重量に占める前記粉状体の重量が0.20%以上0.70%以下の範囲内となるように当該粉状体を添加する請求項1または2記載の乾燥食品製造方法。
【請求項5】
復元用の液体を吸収させることで喫食状態に復元される前記乾燥食品であって、米飯を主体とする前記食品用原料を使用した当該乾燥食品を製造するときに、前記調理済食材の重量に占める前記粉状体の重量が0.05%以上0.50%以下の範囲内となるように当該粉状体を添加する請求項1または2記載の乾燥食品製造方法。
【請求項6】
復元用の液体を吸収させることで喫食状態に復元される味噌味の前記乾燥食品であって、前記喫食状態において液状部中に具材が分散した状態となるべき当該乾燥食品を製造するときに、前記調理済食材の重量に占める前記粉状体の重量が0.10%以上0.50%以下の範囲内となるように当該粉状体を添加する請求項1または2記載の乾燥食品製造方法。
【請求項7】
復元用の低温の液体を吸収させることで喫食状態に復元される前記乾燥食品を製造するときに、前記調理済食材の重量に占める前記粉状体の重量が0.25%以上0.75%以下の範囲内となるように当該粉状体を添加する請求項1または2記載の乾燥食品製造方法。
【請求項8】
液体を吸収させることなく乾燥状態において喫食可能な前記乾燥食品を製造するときに、前記調理済食材の重量に占める前記粉状体の重量が0.04%以上1.50%以下の範囲内となるように当該粉状体を添加する請求項1または2記載の乾燥食品製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、調理済食材を凍結乾燥用容器に充填して凍結乾燥させることによってブロック状の乾燥食品を製造する乾燥食品製造方法に関するものである。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
例えば、下記の特許文献には、味噌汁やスープなどの即席汁食品の製造方法が開示されている。
【0003】
この特許文献に開示の即席汁食品(凍結乾燥固形即席味噌汁)の製造方法(同文献において実施例2の製造として開示されている方法)では、ます、きざみネギ、きざみワカメ、細切り油揚げおよびほうれんそうを水煮し、これらを脱水した後に均一に混合すると共に、アルファー化した馬鈴薯澱粉を含有する液を添加した状態で撹拌混合する。次いで、混合した具材を円筒内に脱気して詰め込み、上方より一定の圧力を加えながら最下部に設けられたシャッターの開閉によって一定量の具材をプラスチック製の枠容器に充填する。また、上記の具材の準備と並行して、かつお節を水に入れて沸騰させた後にかつお節を取り出し、麦味噌および核酸系調味料を溶解して濃厚調味液を製作する。次いで、具材が充填されている枠容器に上記の濃厚調味液を充填する。
【0004】
この後、枠容器に充填されている具材および濃厚調味液を常法によって凍結乾燥させることにより、凍結乾燥固形即席味噌汁(固形味噌汁)が完成する。この製造方法によれば、具材の調理工程において具材全体に増粘剤としての馬鈴薯澱粉が混合されているため、枠容器への充填工程において多量の濃厚調味液が具材に吸収される事態を回避することができる。これにより、凍結乾燥によって製造された固形味噌汁に復元用の湯を吸収させて喫食可能な状態としたときに、具材の味が損なわれた状態(具材に濃厚調味液が多量に染み込んだ状態)となるのを回避することが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平11-69957号公報(第2頁)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、上記特許文献に開示の即席汁食品の製造方法には、以下のような解決すべき課題が存在する。
【0007】
具体的には、上記特許文献に開示の製造方法に従って製造された即席汁食品(乾燥食品)では、具材および濃厚調味液を別個に調理して枠容器内に順次充填した状態で凍結乾燥されている。この場合、上記の固形味噌汁の例では、枠容器内に最初に充填する具材の比重が大きいため、枠容器内に濃厚調味液を充填したときには、枠容器の底側に具材が沈殿した状態(枠容器の上方部位に具材が存在せずに濃厚調味液だけが存在した状態)となる。したがって、そのような状態の食品を凍結乾燥させた固形味噌汁では、主として乾燥した具材からなる部位(乾燥した濃厚調味液が殆ど存在しない部位:以下「乾燥具材部」ともいう)と、主として乾燥した濃厚調味液からなる部位(乾燥した具材が殆ど存在しない部位:以下、「乾燥調味液部」ともいう)とが生じた状態となる。
【0008】
なお、前述の固形味噌汁の例とは異なり、比重が小さい具材(例えば、乾燥食材:乾燥人参等の野菜、乾燥イチゴや乾燥りんご等の果物、および桜えびや乾し貝等の魚介類)を使用したときには、枠容器の上方に具材が浮上した状態(枠容器の底側に具材が存在せずに濃厚調味液だけが存在している状態)となることがある。また、比重が大きい具材、および比重が小さい具材が混在しているときには、枠容器の底部に具材の一部が沈殿し、かつ枠容器の上方に具材の他の一部が浮上した状態(枠容器の上下方向中央部に具材が存在せずに濃厚調味液だけが存在している状態)となることもある。これらの場合にも、凍結乾燥させた食品に、乾燥具材部および乾燥調味液部が生じた状態となる。このように、上記特許文献に開示の製造方法では、製造された乾燥食品に乾燥具材部および乾燥調味液部が生じた状態となり、これらが分離し易い(製造された乾燥食品において、具材の剥離・脱落が生じ易い)ため、その製品価値が損なわれるおそれがある。
【0009】
また、具材の沈殿や浮上が生じる状態では、枠容器内に充填された調理済食材の凍結乾燥に際して、具材と分離している液状部の全体を同時に凍結させるのが困難となる。このため、凍結乾燥中の液状部内に塩分濃度や糖分濃度が高い部位が生じ、この高濃度部位が凍結し難いことで、凍結乾燥を行っている庫内が真空状態となったときに、調理済食材に含まれている空気が、凍結による固化が進行していない高濃度部位を押し拡げるようにしてこの部位に集まり、枠容器内の調理済食材中に大きな気泡(空洞)が生じた状態となる。このような状態では、発生した気泡(空洞)の分だけ調理済食材が膨らんだ状態で乾燥されて固化されるため、製造される乾燥食品のシルエットが崩れて美観が損なわれ、その製品価値が損なわれる。さらに、空洞(気泡)の存在によって乾燥食品に割れや欠けが生じ易いため、その製品価値が損なわれるおそれもある。また、上記のような高濃度部位が生じた状態で凍結乾燥された乾燥食品は、喫食に際して湯を注いで復元するときに、飴化などが生じて乾燥調味液部の湯の吸収性が悪化し、食品の復元性が低下するおそれもある。
【0010】
一方、味噌汁などを凍結乾燥させた乾燥食品の製造に際して、調理工程において澱粉(増粘剤)を添加して液状部の粘度を上げることで、調理済みの食品を凍結乾燥させる前に具材が沈殿したり浮上したりするのを回避する方法が知られている。例えば、「株式会社日本食料新聞社発行[食料知識ミニブックスシリーズ:フリーズドライ食品入門(山根清孝著)](令和2年7月20日初版発行)」において、「増粘剤(とろみ)」に関し、「(前略)たとえば、肉と野菜の混合煮という調理済み食品の大きな凍結ブロックを作るのに、具材と煮汁が均一に混ざり合うように馬鈴薯でん粉を使用していた。これにより、(中略)不溶性物質の沈殿もなく、(後略)」と説明されているように、凍結乾燥工程に先立って具材の沈殿(または浮上)が生じるのを回避するために澱粉を添加してとろみを付与する方法が当業者間において公知となっている。
(【0011】以降は省略されています)

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