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公開番号2024064156
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-14
出願番号2022172534
出願日2022-10-27
発明の名称支持層の判定装置、判定システム、判定方法、プログラム
出願人株式会社熊谷組
代理人個人,個人
主分類E02D 1/02 20060101AFI20240507BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約【課題】アースドリル工法による場所打ちコンクリート杭の施工の信頼性を向上する。
【解決手段】判定装置(20)は、アースドリル工法による施工時にバケットによる掘削深度が支持層に到達したかを判定する。判定装置には、施工時の掘削データから所定の掘削深度毎に掘削に要するエネルギー指標値を算出する算出部(23)と、支持層の想定深度以深の前回施工時の掘削データから求めたエネルギー指標値とN値の対応関係を記憶する記憶部(24)と、支持層の想定深度以深の今回施工時の掘削データから求めたエネルギー指標値を対応関係に従って疑似N値に変換する変換部(25)と、支持層の想定深度以深の疑似N値と判定閾値を比較して掘削深度が支持層に到達したかを判定する判定部(26)と、が設けられている。
【選択図】図2

特許請求の範囲【請求項1】
アースドリル工法による施工時にバケットによる掘削深度が支持層に到達したかを判定する支持層の判定装置であって、
施工時の掘削データから所定の掘削深度毎に掘削に要するエネルギー指標値を算出する算出部と、
支持層の想定深度以深の前回施工時の掘削データから求めたエネルギー指標値とN値の対応関係を記憶する記憶部と、
支持層の想定深度以深の今回施工時の掘削データから求めたエネルギー指標値を前記対応関係に従って疑似N値に変換する変換部と、
支持層の想定深度以深の疑似N値と判定閾値を比較して掘削深度が支持層に到達したかを判定する判定部と、を備えていることを特徴とする支持層の判定装置。
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
前記判定部は、支持層の想定深度以深の疑似N値の平均値と判定閾値を比較して掘削深度が支持層に到達したかを判定することを特徴とする請求項1に記載の支持層の判定装置。
【請求項3】
エネルギー指標値が所定の掘削深度毎に掘削に要する回転エネルギーであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の支持層の判定装置。
【請求項4】
前記バケットが所定深度だけ掘削して掘削土を地上に排出する工程を1サイクルとし、
前記算出部は、前記バケットで生じる回転トルク値をT(x)、計測間隔で前記バケットが回転した回転角をθ(x)、1サイクルのデータ数をm、1サイクルの掘削長をLとしたときに、掘削時の回転エネルギーe(x)を次式(1)から算出することを特徴とする請求項3に記載の支持層の判定装置。
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2024064156000015.jpg
22
106
【請求項5】
支持層の想定深度に到達してからiサイクル目に前記バケットによって1[m]を掘削するのに要する回転エネルギーをe(i)、iサイクル目の深度に対応する標準貫入試験結果のN値をN(i)、支持層の想定深度に到達してからの総サイクル数をn

としたときに、前記対応関係を示す変換係数α

は次式(2)、(3)から求められることを特徴とする請求項4に記載の支持層の判定装置。
JPEG
2024064156000016.jpg
16
37
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2024064156000017.jpg
22
45
【請求項6】
エネルギー指標値が所定の掘削深度毎に掘削に要する積算回転トルクであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の支持層の判定装置。
【請求項7】
前記バケットが所定深度だけ掘削して掘削土を地上に排出する工程を1サイクルとし、
前記算出部は、前記バケットで生じる回転トルク値をT(x)、計測間隔をΔt、1サイクルのデータ数をm、1サイクルの掘削長をLとしたときに、掘削時の積算回転トルクs(x)を次式(4)から算出することを特徴とする請求項6に記載の支持層の判定装置。
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2024064156000018.jpg
22
96
【請求項8】
支持層の想定深度に到達してからiサイクル目に前記バケットによって1[m]を掘削するのに要する積算回転トルクをs(i)、iサイクル目の深度に対応する標準貫入試験結果のN値をN(i)、支持層の想定深度に到達してからの総サイクル数をn

としたときに、前記対応関係を示す変換係数α
c2
は次式(5)、(6)から求められることを特徴とする請求項7に記載の支持層の判定装置。
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2024064156000019.jpg
15
40
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2024064156000020.jpg
22
48
【請求項9】
前記対応関係に基づいて疑似N値を標準貫入試験結果のN値と比較可能な態様で出力する出力部を備え、
前記変換部は、支持層の想定深度以深の今回施工時の掘削データに加えて、想定深度以浅の今回施工時の掘削データから求めたエネルギー指標値を前記対応関係に従って疑似N値に変換し、
前記出力部は、掘削深度毎に疑似N値の変化をN値の変化と比較可能に出力すると共に、支持層の想定深度以深の疑似N値を判定閾値と比較可能に出力することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の支持層の判定装置。
【請求項10】
請求項1又は請求項2に記載の支持層の判定装置と、
アースドリル機に取り付けられて掘削データを検出するセンサと、を備え、
前記センサが前記判定装置に掘削データを出力することを特徴とする支持層の判定システム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、支持層の判定装置、判定システム、判定方法、プログラムに関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
場所打ちコンクリート杭の構築時にはアースドリル工法等を用いて支持層まで掘削され、この施工過程における支持層確認では掘削時に採取した掘削土とボーリング調査結果(土質柱状図、土質サンプル)を比較することが基本になっている。掘削土は乱れているため、支持層とその上層の土質の変化が小さい地盤では、掘削土の観察によって支持層を確認することが難しい。施工機の振動やケリーバの動き等から支持層を確認する方法もあるが客観的な確認ができない。また、掘削データから掘削深度と回転トルク値の関連性を示す特性曲線から支持層を判定する方法も知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2021-085149号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の判定方法では、特性曲線から回転トルク値が急峻に大きくなったときに掘削深度が支持層に到達したと判定される。しかしながら、障害物等の地盤の抵抗以外の要因でも回転トルク値が上昇して支持層を精度よく判定することができない。
【0005】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、アースドリル工法による場所打ちコンクリート杭の施工の信頼性を向上できる支持層の判定装置、判定システム、判定方法、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の支持層の判定装置は、アースドリル工法による施工時にバケットによる掘削深度が支持層に到達したかを判定する支持層の判定装置であって、施工時の掘削データから所定の掘削深度毎に掘削に要するエネルギー指標値を算出する算出部と、支持層の想定深度以深の前回施工時の掘削データから求めたエネルギー指標値とN値の対応関係を記憶する記憶部と、支持層の想定深度以深の今回施工時の掘削データから求めたエネルギー指標値を前記対応関係に従って疑似N値に変換する変換部と、支持層の想定深度以深の疑似N値と判定閾値を比較して掘削深度が支持層に到達したかを判定する判定部と、を備えている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様の支持層の判定装置は、エネルギー指標値に対応する疑似N値を求める際に、支持層の想定深度以深の掘削データが用いられるため、疑似N値に基づいて掘削深度が支持層に到達したか否かが精度よく判定される。よって、アースドリル工法による場所打ちコンクリート杭の施工の信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本実施形態の支持層の判定システムの模式図である。
本実施形態の支持層の判定装置の機能ブロック図である。
本実施形態の施工時間とバケットの深度の関係を示す図である。
本実施形態の施工時間とバケットの深度の関係を示す拡大図である。
本実施形態の疑似N値と深度の関係を示す図である。
本実施形態の杭伏図である。
本実施形態の支持層の判定方法を示すフロー図である。
本実施形態の回転エネルギーと深度の関係を示す図である。
変形例の疑似N値と深度の関係を示す図である。
変形例の積算回転トルクと深度の関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本実施形態の支持層の判定システムについて説明する。図1は、本実施形態の支持層の判定システムの模式図である。図2は、本実施形態の支持層の判定装置の機能ブロック図である。図3は、本実施形態の施工時間とバケットの深度の関係を示す図である。図4は、本実施形態の施工時間とバケットの深度の関係を示す拡大図である。図5は、本実施形態の疑似N値と深度の関係を示す図である。
【0010】
図1に示すように、支持層の判定システムはアースドリル機1に搭載されている。アースドリル機1は、ケリーバ6の下端部に取り付けたバケット7を回転させて地盤を掘削し、バケット7に取り込んだ掘削土を引き上げて地上に排出する作業機械である。アースドリル機1の下部にはクローラ式の走行体2が設けられており、前後の車輪に掛け渡されたクローラによって不整地での施工機の移動を可能にしている。走行体2の上部には旋回体3が水平方向に旋回可能に設けられており、旋回体3の前部右側には各種操作レバー等が設けられた運転席4が形成されている。
(【0011】以降は省略されています)

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