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公開番号2024063609
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-13
出願番号2022171696
出願日2022-10-26
発明の名称粒子線治療装置及びその運転方法
出願人株式会社東芝,東芝エネルギーシステムズ株式会社
代理人弁理士法人東京国際特許事務所
主分類H05H 13/04 20060101AFI20240502BHJP(他に分類されない電気技術)
要約【課題】ダクトとの衝突によるビームの損失を抑制して、リング型加速装置の蓄積粒子数を増加できること。
【解決手段】ビーム1の周回軌道に設置されてビーム1の加速と減速を行なう高周波空洞18と、前記周回軌道に設置されてビームのチューンを調整するチューン調整装置16と、前記周回軌道に設置されてビームの進行方向を変えるビーム偏向装置17と、を備えたリング型加速装置12を有する粒子線治療装置10において、リング型加速装置が、ビーム1の水平方向と垂直方向の運動に相関を付与する電磁場を生成する結合ポテンシャル生成装置21を、前記周回軌道に更に備えて構成されたものである。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ビームの周回軌道に設置されてビームの加速と減速を行う高周波空洞と、
前記周回軌道に設置されてビームのチューンを調整するチューン調整装置と、
前記周回軌道に設置されてビームの進行方向を変えるビーム偏向装置と、を備えたリング型加速装置を有する粒子線治療装置において、
前記リング型加速装置が、ビームの水平方向と垂直方向の運動に相関を付与する電磁場を生成する結合ポテンシャル生成装置を、前記周回軌道に更に備えて構成されたことを特徴とする粒子線治療装置。
続きを表示(約 530 文字)【請求項2】
前記結合ポテンシャル生成装置は、ビームの水平方向と垂直方向のエミッタンスが同程度になったタイミングで、磁場強度を0Tにするよう構成されたことを特徴とする請求項1に記載の粒子線治療装置。
【請求項3】
前記チューン調整装置は、ビームの水平方向のチューンν
x
と垂直方向のチューンν
y
が、n×ν
x
-m×ν
y
=k(n、m、kは整数)を満たすように、ビームのチューンを調整するよう構成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の粒子線治療装置。
【請求項4】
請求項1に記載の粒子線治療装置において、前記結合ポテンシャル生成装置は、ビームの水平方向と垂直方向のエミッタンスが同程度になったタイミングで、磁場強度を0Tにして停止することを特徴とする粒子線治療装置の運転方法。
【請求項5】
前記チューン調整装置は、ビームの水平方向のチューンνxと垂直方向のチューンνyが、n×νx-m×νy=k(n、m、kは整数)を満たすように、ビームのチューンを調整することを特徴とする請求項4に記載の粒子線治療装置の運転方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、リング型加速装置を有する粒子線治療装置及びその運転方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
図3に示すように、粒子線治療装置100はビーム101の生成と初期のビーム101の加速を実施する入射器111と、この入射器111からビーム101を入射してビーム101の加減速を実施するリング型加速装置112と、このリング型加速装置112から出射したビーム101を輸送するビーム輸送系113と、ビーム輸送系113からのビーム101を患者に照射する治療室114と、を有して構成される。
【0003】
リング型加速装置112は、その蓄積粒子数ががん治療患者のスループットに比例するため、蓄積粒子数が多いほどよい。従って、リング型加速装置112の蓄積粒子数を増やすため、ビーム101は入射器111からリング型加速装置112へ複数回入射される。この入射方法は多重入射(多重周回入射)と呼ばれる。この多重周回入射は、水平方向にビーム軌道を膨らませながらビーム101を入射するため、リング型加速装置112では、ビーム101の水平方向のエミッタンスが垂直方向に比べて非常に大きくなることが知られている。
【0004】
上述のリング型加速装置112は、ビーム101の周回軌道にビーム入射調整装置115、複数のチューン調整装置116、複数のビーム偏向装置117、高周波空洞118、ビーム出射調整装置119及び色収差調整装置120が設置されて構成される。ビーム入射調整装置115に入射器111が接続され、ビーム出射調整装置119にビーム輸送系113が接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2008-112693号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
粒子線治療装置100におけるリング型加速装置112の蓄積粒子数は、がん治療患者のスループットに比例するため、蓄積粒子数が多いことが重要である。リング型加速装置112では、水平方向に膨らむバンプ軌道を生成してビーム101を多重周回入射するため、ビーム101の垂直方向に比べてビーム101の水平方向のビームサイズが大きくなり、ビーム101のエミッタンスも垂直方向に比べて水平方向が大きくなる。従って、ビーム101の実空間密度は垂直方向が高くなり、その結果、空間電荷効果の影響は垂直方向のビーム101に顕著に表れる。
【0007】
特に、リング型加速装置112への入射直後における低エネルギのビーム101では空間電荷効果の影響が大きいため、垂直方向のビーム101のチューンの広がり(チューンスプレッド)が大きくなり、垂直方向のビーム101がチューンダイアグラムの共鳴線に接触してしまう。すると、垂直方向のビーム101の振幅が増大してこのビーム101がダクトと衝突することで、リング型加速装置112の蓄積粒子数が減少する課題があった。
【0008】
本発明の実施形態は、上述の事情を考慮してなされたものであり、ダクトとの衝突によるビームの損失を抑制して、リング型加速装置の蓄積粒子数を増加させることができる粒子線治療装置及びその運転方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施形態における粒子線治療装置は、ビームの周回軌道に設置されてビームの加速と減速を行う高周波空洞と、前記周回軌道に設置されてビームのチューンを調整するチューン調整装置と、前記周回軌道に設置されてビームの進行方向を変えるビーム偏向装置と、を備えたリング型加速装置を有する粒子線治療装置において、前記リング型加速装置が、ビームの水平方向と垂直方向の運動に相関を付与する電磁場を生成する結合ポテンシャル生成装置を、前記周回軌道に更に備えて構成されたことを特徴とするものである。
また、本発明の実施形態における粒子線治療装置の運転方法は、上記粒子線治療装置において、前記結合ポテンシャル生成装置は、ビームの水平方向と垂直方向のエミッタンスが同程度になったタイミングで、磁場強度を0Tにして停止することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の実施形態によれば、ダクトとの衝突によるビームの損失を抑制して、リング型加速装置の蓄積粒子数を増加させることができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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