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公開番号2024062517
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-10
出願番号2022170397
出願日2022-10-25
発明の名称乾式二重床及び壁側床支持具
出願人株式会社熊谷組,野原グループ株式会社,泰成株式会社
代理人個人
主分類E04F 15/00 20060101AFI20240501BHJP(建築物)
要約【課題】衝撃音遮音性能を低下させることなく、間仕切壁の目隙の発生を回避する。
【解決手段】乾式二重床30の床材33を支持する床支持具のうち、戸境壁20の壁際にて床材33を支持する床支持具である壁側床支持具31を、戸境壁20側に位置する壁側固定片311と戸境壁20とは反対側に位置する内側固定片312と、壁側固定片311と内側固定片312とに挟持されたゴムシート313とを備えた目隙防止部材31cと、床スラブ10のスラブ面に設置されて目隙防止部材31cの内側固定片312を支持する支持脚31bとから構成するとともに、目隙防止部材31cを戸境壁20に固定し、内側固定片312を床材33に固定した。支持脚31bは内側固定片312側にて目隙防止部材31cを支持するようにした。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
床スラブに設置された複数の床支持具と、前記床支持具上に設置された床材とを備えた乾式二重床であって、
前記床支持具のうちの、前記乾式二重床を戸境壁の壁際にて支持する壁側床支持具が、
前記戸境壁側に位置する壁側固定片と、前記戸境壁とは反対側に位置する内側固定片と、前記壁側固定片と前記内側固定片とに挟持されたゴムシートとを有し、前記床材を支持する支持部材と、
前記床スラブに設置されて前記支持部材の内側固定片を支持する支持脚と、
を備え、
前記支持部材は前記戸境壁に固定され、
前記内側固定片は前記床材に固定されていることを特徴とする乾式二重床。
続きを表示(約 270 文字)【請求項2】
床スラブに設置された支持脚と、前記支持脚上に設置されて床材を戸境壁の壁際にて支持する支持部材とを備えた壁際床支持具であって、
前記支持部材が、
前記戸境壁側に位置する壁側固定片と、
前記戸境壁とは反対側に位置する内側固定片と、
前記壁側固定片と前記内側固定片とに挟持されたゴムシートと、を備え、
前記支持部材は前記戸境壁に固定され、
前記内側固定片は前記床材に固定され、
前記支持脚は、前記内側固定片側にて前記支持部材を支持することを特徴とする壁際床支持具。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、乾式二重床と乾式二重床の床材を壁際にて支持する壁側床支持具に関する。
続きを表示(約 3,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来、集合住宅等においては、床スラブのスラブ面上にクッション性を有する防振材を備えた床支持具を複数個配置し、これら床支持具上に複数の床材を積層して成る乾式二重床構造が多く採用されている。なお、床材の壁際の端部側では、際根太と呼ばれる木材で床材を支持することで、壁際に重量物が置かれた場合でも、床材が沈み込まないようにしている。
また、床先行工法の場合、室内を区画するための間仕切壁は、乾式二重床の構築後に設置される。(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2014-114657号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、集合住宅では、床先行工法乾式二重床が広く用いられているが、防振支持された乾式二重床上に間仕切壁を設置すると、間仕切壁は、歩行、室内環境の変化等の影響もあり、固定された戸境壁との取合部において戸境壁と異なる動きをする。その結果、戸境壁と間仕切壁とに連続して貼られたクロス等の仕上げ材に「目隙」といわれる亀裂が生じる場合があった。
そこで、図3(a)に示すように、間仕切壁40が動かないように、間仕切壁40のスタッド42を固定壁である戸境壁20に固定する方法が考えられるが、スタッド42の全面を戸境壁20に固定するとスタッド42が振動伝達経路となり、床スラブ10のスラブ面に構築された乾式二重床30Aの衝撃音遮音性能が低下してしまうといった問題点があった。
なお、図3(b)に示すように、間仕切壁40が乾式二重床上30Aに設けられた付加壁50に固定されている場合には、付加壁50が固定壁でないため、付加壁50の動き間仕切壁40の動きはほぼ同じになる。したがって、歩行等の影響により、仕上げ材に目隙が発生することがない。
【0005】
本発明は、従来の問題点に鑑みてなされたもので、衝撃音遮音性能を低下させることなく、目隙の発生を回避できる乾式二重床の構成と、この乾式二重床に用いられる壁側床支持具とを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、床スラブに設置された複数の床支持具と、前記床支持具上に設置された床材とを備えた乾式二重床であって、前記床支持具のうちの、前記乾式二重床を戸境壁の壁際にて支持する壁側床支持具が、前記戸境壁側に位置する壁側固定片と、前記戸境壁とは反対側に位置する内側固定片と、前記壁側固定片と前記内側固定片とに挟持されたゴムシートとを有し、前記床材を支持する支持部材と、前記床スラブに設置されて前記支持部材の内側固定片を支持する支持脚と、を備え、前記支持部材は前記戸境壁に固定され、前記内側固定片は前記床材に固定されていることを特徴とする。
これにより、衝撃音遮音性能を低下させることなく、乾式二重床上に設けられる間仕切壁の目隙を防止することができる。
また、床スラブに設置された支持脚と、前記支持脚上に設置されて床材を戸境壁の壁際にて支持する支持部材とを備えた壁際床支持具の前記支持部材を、戸境壁側に位置する壁側固定片と、戸境壁とは反対側に位置する内側固定片と、前記壁側固定片と前記内側固定片とに挟持されたゴムシートとから構成するとともに、支持部材を戸境壁に固定し、内側固定片を床材に固定し、支持脚が内側固定片側にて支持部材を支持するようにしたので、簡単な構成で乾式二重床上に設けられる間仕切壁の目隙を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本実施の形態に係る乾式二重床と間仕切壁を示す図である。
本発明による目隙防止部材を示す図である。
従来の乾式二重床と間仕切壁を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1(a),(b)は本実施形態に係る乾式二重床構造を示す図である。同図において、10は床スラブ、20は戸境壁、30は乾式二重床、40は間仕切壁で、(a)図は間仕切壁40の壁面に垂直な方向から見た断面図、(b)図は戸境壁20の壁面に垂直な方向から見た断面図である。なお、説明の都合上、(a)図では、間仕切壁40の長さを実際よりも短くしている。
床スラブ10は鉄筋コンクリートから成る基礎壁で、戸境壁20は、床スラブ10に立設されて、集合住宅の隣接する2つの室、もしくは、室と共同廊下等を区分する壁である。本例では戸境壁20を乾式壁とした。
戸境壁20は、床側ランナー21を床スラブ10上に、図外の天井スラブに天井ランナーを設置した後、床側ランナー21と天井側ランナーとの間に複数のスタッド22を建て込んだ枠体を形成した後、スタッド22の外側に壁下地材である石膏ボード23を取付けて構築される。石膏ボード23の表面にはシート状の仕上げ材であるクロス24が貼着されている。また、石膏ボード23の間には、グラスウールなどの断熱材25が充填されている。
床側ランナー21及び天井側ランナーは、断面が、室内側が開放されたコの字状の凹部を有する、戸境壁20の延長方向に延びる長尺材で、スタッド22の上端部と下端部は、天井側ランナー及び床側ランナー21の上記凹部にそれぞれ挿入・固定される。
【0009】
乾式二重床30は、床スラブ10のスラブ面に配置された複数の床支持具31,32と、床支持具31,32上に設置された床材33とを備える。床支持具31は、戸境壁20の壁際にて床材33を支持する床支持具で、床支持具32は、床支持具31より内側(戸境壁20とは反対側)にて床材33を支持する床支持具である。以下、床支持具31を壁側床支持具、床支持具32を内側床支持具という。
壁側床支持具31は、床スラブ10のスラブ面に設置される円盤状もしくは円柱状の基台31aと、下部が基台31aに取付けられて鉛直方向に延びる支持脚31bと、支持脚31bの上端部に取付けられて上面にて床材33を支持する支持部材としての目隙防止部材31cとを備える。目隙防止部材31cは、後述する内側床支持具32の台座32cと同様に、床材33を下側から支持する機能を有する。
また、支持脚31bの上端部と目隙防止部材31cとの間には、支持脚31bの上部を螺入するためのナット部31nが設けられ、支持脚31bの外周側には雄ねじ部が形成されている。この雄ねじ部をナット部31nに螺入する長さを調整することで、目隙防止部材31cの床スラブ10からの高さを調整することができる。
なお、符号31dは、床材33の端部を補強するための補強リブ材で、補強リブ材31dは、目隙防止部材31cと床材33の間に設けられる。補強リブ材31dとしては、パーティクルボードや構造用合板等から構成される。
【0010】
図2にも示すように、目隙防止部材31cは、床スラブ10のスラブ面に平行な面内において、間仕切壁40の延長方向と直交する方向に延長する棒状の部材で、戸境壁20側に位置する壁側固定片311と、戸境壁20とは反対側に位置する内側固定片312と、壁側固定片311と内側固定片312とに挟持されたゴムシート313とを備える。すなわち、ゴムシート313の戸境壁20の面が壁側固定片311に当接し、戸境壁20と反対側の面が内側固定片312に当接している。
図1(a)に示すように、目隙防止部材31cは、壁側固定片311の戸境壁20側の端部が戸境壁20に当接した状態で、第1の固定部材31pにより、戸境壁20に固定されるとともに、内側固定片312の床スラブ10側で支持脚31bにより支持されている。
第1の固定部材31pは、目隙防止部材31cの壁側固定片311を戸境壁20に固定する。なお、目隙防止部材31cの壁側固定片311と内側固定片312とは、第2の固定部材31qにより固定されている。
また、目隙防止部材31cは、内側固定片312の床スラブ10とは反対側から、第3の固定部材31rにより、床材33の下地材33aに固定されている。
図1(b)に示すように、目隙防止部材31cは、床スラブ10のスラブ面上に、同図の一点鎖線で示す間仕切壁40の中心線mに対して、間仕切壁40の厚さ方向の左右の長さが同じになるように配置される。また、2本の支持脚31bも、所定の間隔を隔てて、仕切壁40の中心線mに対して左右対称になるよう配置される。
なお、本例では、上下方向の長さ寸法、及び、目隙防止部材31の延長方向の長さ寸法が壁側固定片311及び内側固定片312の上下方向の長さ寸法、及び、目隙防止部材31の延長方向の長さ寸法部材よりも小さな2枚のゴムシート313を、目隙防止部材31の延長方向に間隔をおいて2枚配置している。また、ゴムシート313と補強リブ材31dとの間には、ゴムシート313の変形を妨げないように、隙間を設けることが好ましい。すなわち、ゴムシート313の上端部が目隙防止部材31の上端部よりも下側になるように、ゴムシート313を配置する。
ゴムシート313は、歩行等による床材33の振動や床衝撃音の伝搬を低減する、振動減衰材として機能する。
(【0011】以降は省略されています)

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