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公開番号2024061824
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-08
出願番号2024038848,2023538447
出願日2024-03-13,2022-07-19
発明の名称衛星コンステレーションおよび人工衛星
出願人三菱電機株式会社
代理人弁理士法人クロスボーダー特許事務所
主分類B64G 1/10 20060101AFI20240426BHJP(航空機;飛行;宇宙工学)
要約【課題】人工衛星が軌道離脱するときの衛星同士の衝突を回避できるようにする。
【解決手段】第1衛星コンステレーション101に属する人工衛星の一つである軌道離脱衛星が第1軌道高度帯の軌道から離脱して降下するときに、第2衛星コンステレーション102は、複数の軌道面において隣接するいずれか2つの軌道面の相対角度を広げることによって、第2軌道高度帯に空き軌道領域を確保する。前記軌道離脱衛星は、前記第2軌道高度帯の前記空き軌道領域を通過する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
衛星コンステレーション維持方法で第1衛星コンステレーションとして使用される衛星コンステレーションであって、
前記衛星コンステレーション維持方法は、
前記第1衛星コンステレーションが、第1軌道高度帯で運用され、
第2衛星コンステレーションが、前記第1軌道高度帯よりも低い第2軌道高度帯で運用され、複数の軌道面を形成し、
前記第1衛星コンステレーションに属する人工衛星の一つである軌道離脱衛星が前記第1軌道高度帯の軌道から離脱して降下するときに、前記第2衛星コンステレーションが、前記複数の軌道面において隣接するいずれか2つの軌道面の相対角度を広げることによって、前記第2軌道高度帯に空き軌道領域を確保し、
前記軌道離脱衛星が、前記第2軌道高度帯の前記空き軌道領域を通過し、
前記軌道離脱衛星の代わりとなる人工衛星である後続衛星が、前記第1軌道高度帯の前記軌道に投入される
方法であり、
前記衛星コンステレーションは、
前記軌道離脱衛星を含む複数の人工衛星を備え、
前記軌道離脱衛星は、
推進装置と、
前記軌道離脱衛星に前記空き軌道領域を通過させるために前記推進装置を使って前記軌道離脱衛星の降下速度を制御する衛星制御装置と、
を備える衛星コンステレーション。
続きを表示(約 3,000 文字)【請求項2】
衛星コンステレーション維持方法で第2衛星コンステレーションとして使用される衛星コンステレーションであって、
前記衛星コンステレーション維持方法は、
第1衛星コンステレーションが、第1軌道高度帯で運用され、
前記第2衛星コンステレーションが、前記第1軌道高度帯よりも低い第2軌道高度帯で運用され、複数の軌道面を形成し、
前記第1衛星コンステレーションに属する人工衛星の一つである軌道離脱衛星が前記第1軌道高度帯の軌道から離脱して降下するときに、前記第2衛星コンステレーションが、前記複数の軌道面において隣接するいずれか2つの軌道面の相対角度を広げることによって、前記第2軌道高度帯に空き軌道領域を確保し、
前記軌道離脱衛星が、前記第2軌道高度帯の前記空き軌道領域を通過し、
前記軌道離脱衛星の代わりとなる人工衛星である後続衛星が、前記第1軌道高度帯の前記軌道に投入される
方法であり、
前記衛星コンステレーションは、
前記複数の軌道面を形成する複数の人工衛星を備え、
前記複数の人工衛星のそれぞれは、
推進装置と、
前記空き軌道領域を形成するために前記推進装置を制御して速度を変更する衛星制御装置と、
を備える衛星コンステレーション。
【請求項3】
軌道降下方法で第1衛星コンステレーションとして使用される衛星コンステレーションであって、
前記軌道降下方法は、
前記第1衛星コンステレーションが、第1軌道高度帯で運用され、
第2衛星コンステレーションが、前記第1軌道高度帯よりも低い第2軌道高度帯で運用され、複数の軌道面を形成し、
前記第1衛星コンステレーションに属する人工衛星の一つである軌道離脱衛星が前記第1軌道高度帯の軌道から離脱して降下するときに、前記第2衛星コンステレーションが、前記複数の軌道面において隣接するいずれか2つの軌道面の相対角度を広げることによって、前記第2軌道高度帯に空き軌道領域を確保し、
前記軌道離脱衛星が、前記第2軌道高度帯の前記空き軌道領域を通過する
方法であり、
前記衛星コンステレーションは、
前記軌道離脱衛星を含む複数の人工衛星を備え、
前記軌道離脱衛星は、
推進装置と、
前記軌道離脱衛星に前記空き軌道領域を通過させるために前記推進装置を使って前記軌道離脱衛星の降下速度を制御する衛星制御装置と、
を備える衛星コンステレーション。
【請求項4】
軌道降下方法で第2衛星コンステレーションとして使用される衛星コンステレーションであって、
第1衛星コンステレーションが、第1軌道高度帯で運用され、
前記第2衛星コンステレーションが、前記第1軌道高度帯よりも低い第2軌道高度帯で運用され、複数の軌道面を形成し、
前記第1衛星コンステレーションに属する人工衛星の一つである軌道離脱衛星が前記第1軌道高度帯の軌道から離脱して降下するときに、前記第2衛星コンステレーションが、前記複数の軌道面において隣接するいずれか2つの軌道面の相対角度を広げることによって、前記第2軌道高度帯に空き軌道領域を確保し、
前記軌道離脱衛星が、前記第2軌道高度帯の前記空き軌道領域を通過する
方法であり、
前記衛星コンステレーションは、
前記複数の軌道面を形成する複数の人工衛星を備え、
前記複数の人工衛星のそれぞれは、
推進装置と、
前記空き軌道領域を形成するために前記推進装置を制御して速度を変更する衛星制御装置と、
を備える衛星コンステレーション。
【請求項5】
複数の軌道面を形成する他の衛星コンステレーションが運用される第2軌道高度帯よりも高い第1軌道高度帯で運用される衛星コンステレーションであって、
前記衛星コンステレーションに属する人工衛星の一つである軌道離脱衛星が前記第1軌道高度帯の軌道から離脱して降下するときに、前記他の衛星コンステレーションが、前記複数の軌道面において隣接するいずれか2つの軌道面の相対角度を広げることによって、前記第2軌道高度帯に空き軌道領域を確保し、
前記軌道離脱衛星が、前記第2軌道高度帯の前記空き軌道領域を通過する
衛星コンステレーション。
【請求項6】
他の衛星コンステレーションが運用される第1軌道高度帯よりも低い第2軌道高度帯で運用され、複数の軌道面を形成し、
前記他の衛星コンステレーションに属する人工衛星の一つである軌道離脱衛星が前記第1軌道高度帯の軌道から離脱して降下するときに、前記複数の軌道面において隣接するいずれか2つの軌道面の相対角度を広げることによって、前記軌道離脱衛星が通過するための空き軌道領域を前記第2軌道高度帯に確保する
衛星コンステレーション。
【請求項7】
第1衛星コンステレーションに割り振られる人工衛星であって、
前記第1衛星コンステレーションが、第1軌道高度帯で運用され、
第2衛星コンステレーションが、前記第1軌道高度帯よりも低い第2軌道高度帯で運用され複数の軌道面を形成し、前記複数の軌道面において隣接するいずれか2つの軌道面の相対角度を広げることによって前記第2軌道高度帯に空き軌道領域を確保し、
前記第1軌道高度帯の軌道から離脱して降下するときに前記第2軌道高度帯の前記空き軌道領域を通過する
人工衛星。
【請求項8】
衛星コンステレーション維持方法のために使用される人工衛星であり、
前記衛星コンステレーション維持方法は、
第1衛星コンステレーションが、第1軌道高度帯で運用され、
第2衛星コンステレーションが、前記第1軌道高度帯よりも低い第2軌道高度帯で運用され、複数の軌道面を形成し、
前記第1衛星コンステレーションに属する人工衛星の一つである軌道離脱衛星が前記第1軌道高度帯の軌道から離脱して降下するときに、前記第2衛星コンステレーションが、前記複数の軌道面において隣接するいずれか2つの軌道面の相対角度を広げることによって、前記第2軌道高度帯に空き軌道領域を確保し、
前記軌道離脱衛星が、前記第2軌道高度帯の前記空き軌道領域を通過し、
前記軌道離脱衛星の代わりとなる人工衛星である後続衛星が、前記第1軌道高度帯の前記軌道に投入される
方法であり、
前記人工衛星は、
前記第1衛星コンステレーションに属する人工衛星と前記第2衛星コンステレーションに属する人工衛星のそれぞれの軌道情報が記録されたデータベースを有するエッジサーバと、
前記エッジサーバの前記データベースを参照して、前記後続衛星を前記第1軌道高度帯の前記軌道に投入するために、前記後続衛星を制御するためのコマンドを、人工知能を使って生成する計算機と、
生成されたコマンドを前記後続衛星に対して送信する通信装置と、
を備える人工衛星。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、衛星コンステレーションに関するものである。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
衛星群が同じ公称軌道高度で連携してサービス運用を行う衛星メガコンステレーションの計画が増えており、衛星総数が5万機に迫る勢いである。
これら衛星メガコンステレーションが事業を継続するためには、寿命完遂した衛星および故障した衛星を軌道から離脱させ、空き領域を確保し、後継衛星を軌道へ投入する、という方法を確立する必要がある。
寿命完遂した衛星が行う健全な軌道離脱は、Post Mission Disposal(PMD)と呼ばれる。
故障した衛星が自力で行えない軌道離脱は、Active Debris Disposal(ADR)と呼ばれ、デブリ除去衛星を使って能動的に行われる。
【0003】
高高度を飛翔する衛星が軌道を離脱して大気圏に突入して焼失するまでの過程を軌道降下過程と称する。軌道降下過程では、低高度を飛翔するメガコンステレーション衛星群の軌道高度帯を衛星が通過するため、衛星同士が衝突する危険がある。
通常、メガコンステレーションにおいて、複数の軌道面が網羅的にまた均等に天空に形成され、軌道面ごとに複数の衛星が均等に飛翔する。
そのため、無統制で軌道離脱が行われる場合、衛星が軌道離脱する軌道面および軌道離脱時の衛星の飛翔位置がランダムになるため、軌道離脱した衛星が下層のどの軌道面のどの衛星と衝突する危険があるかを予測することが困難な状況となる。
危険の予測が可能であったとしても、世代交代に伴って数万機の衛星がランダムに軌道離脱する環境下では、膨大な頻度で危険警報が発令されることとなり、各衛星がそれぞれの危険警報に対して回避行動をとることが困難になる。
【0004】
特許文献1は、軌道高度が互いに異なる複数の軌道面を形成することによって衝突リスクを回避する衛星コンステレーション形成システムを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開2020/158505号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は、人工衛星が軌道離脱するときの衛星同士の衝突を回避できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の衛星コンステレーションは、
衛星コンステレーション維持方法で第1衛星コンステレーションとして使用される衛星コンステレーションであって、
前記衛星コンステレーション維持方法は、
前記第1衛星コンステレーションが、第1軌道高度帯で運用され、
第2衛星コンステレーションが、前記第1軌道高度帯よりも低い第2軌道高度帯で運用され、複数の軌道面を形成し、
前記第1衛星コンステレーションに属する人工衛星の一つである軌道離脱衛星が前記第1軌道高度帯の軌道から離脱して降下するときに、前記第2衛星コンステレーションが、前記複数の軌道面において隣接するいずれか2つの軌道面の相対角度を広げることによって、前記第2軌道高度帯に空き軌道領域を確保し、
前記軌道離脱衛星が、前記第2軌道高度帯の前記空き軌道領域を通過し、
前記軌道離脱衛星の代わりとなる人工衛星である後続衛星が、前記第1軌道高度帯の前記軌道に投入される
方法であり、
前記衛星コンステレーションは、
前記軌道離脱衛星を含む複数の人工衛星を備え、
前記軌道離脱衛星は、
推進装置と、
前記軌道離脱衛星に前記空き軌道領域を通過させるために前記推進装置を使って前記軌道離脱衛星の降下速度を制御する衛星制御装置と、
を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、人工衛星が軌道離脱するときの衛星同士の衝突を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
実施の形態1における衛星コンステレーションシステム100の構成図。
実施の形態1における人工衛星110の構成図。
実施の形態1における軌道離脱前の第2衛星コンステレーション102の様子を示す図。
実施の形態1における軌道離脱時の第2衛星コンステレーション102の様子を示す図。
実施の形態1における軌道離脱した軌道離脱衛星103の様子を示す図。
実施の形態2における衛星コンステレーションシステム100の構成図。
実施の形態2における人工衛星210の構成図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態および図面において、同じ要素または対応する要素には同じ符号を付している。説明した要素と同じ符号が付された要素の説明は適宜に省略または簡略化する。
(【0011】以降は省略されています)

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