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公開番号2024060113
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-02
出願番号2021038599
出願日2021-03-10
発明の名称動物忌避組成物及び動物の忌避方法
出願人株式会社カネカ
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類A01N 25/10 20060101AFI20240424BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約【課題】経時による忌避効果の消失を使用者が外観から容易に判断可能である動物忌避組成物及び該動物忌避組成物を用いる動物の忌避方法の提供。
【解決手段】特定のチアゾリン化合物から選択される少なくとも1種の動物忌避剤と、架橋型ポリマーと、を含有する動物忌避組成物を硬化させた硬化物のJIS K7136で規定されるヘーズが5以下であり、かつ25℃、50kPaの環境下で24時間静置後の硬化物の前記ヘーズが5超である動物忌避組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記一般式(I)から(VI)で示される化合物から選択される少なくとも1種の動物忌避剤と、架橋型ポリマーと、を含有する動物忌避組成物を硬化させた硬化物のJIS K7136で規定されるヘーズが5以下であり、かつ25℃、50kPaの減圧下で24時間静置後の硬化物の前記ヘーズが5超であることを特徴とする動物忌避組成物。
TIFF
2024060113000011.tif
72
131
ただし、前記一般式(I)から(VI)中、R

、R

、及びR

はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基、又は炭素数1~5のアルキルチオ基を示す。
続きを表示(約 880 文字)【請求項2】
前記硬化物が、動物忌避剤の含有量が異なる少なくとも2つの領域を有する、請求項1に記載の動物忌避組成物。
【請求項3】
前記硬化物における高さ方向の下部に向かって、動物忌避剤の含有量が増加する少なくとも2つの領域を有する、請求項2に記載の動物忌避組成物。
【請求項4】
少なくとも2つの前記領域における前記架橋型ポリマーの組成が異なる、請求項2から3のいずれかに記載の動物忌避組成物。
【請求項5】
前記一般式(I)で示される化合物が、2-メチルチアゾール、2-エチルチアゾール、2-ブロモチアゾール、4-メチルチアゾール、及び2,4-ジメチルチアゾールから選択されるいずれかの化合物であり、
前記一般式(II)又は(III)で示される化合物が、2-メチル-2-チアゾリン、2-メチルチオ-2-チアゾリン、4-メチル-2-チアゾリン、2,4-ジメチル-2-チアゾリン、及び2,2-ジメチルチアゾリジンから選択されるいずれかの化合物であり、
前記一般式(IV)で示される化合物が、チオモルホリンであり、
前記一般式(V)で示される化合物が、2,5-ジメチル-2-チアゾリン及び5-メチル-2-チアゾリンから選択されるいずれかの化合物である、請求項1から4のいずれかに記載の動物忌避組成物。
【請求項6】
前記架橋型ポリマーが、(メタ)アクリル系重合体、ポリエーテル、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリサルファイト、シロキサン架橋型有機重合体、フッ素含有重合体、ゴム系重合体、及びエポキシ樹脂から選択される少なくとも1種である、請求項1から5のいずれかに記載の動物忌避組成物。
【請求項7】
前記架橋型ポリマーが25℃で液体である、請求項1から6のいずれかに記載の動物忌避組成物。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載の動物忌避組成物を、動物を忌避させる空間に配置する工程を含むことを特徴とする動物の忌避方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、動物忌避組成物及び動物の忌避方法に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
従来より、野生動物は、様々な産業において多大な損害をもたらすことが知られている。野生動物の中でも、ネズミは、野菜、大豆、稲等への食害、穀物倉庫での食害、若木、樹皮等の食害、伝染病の媒介等によって、農業、林業、畜産業等に深刻な被害を与え続けている。例えば、農林水産省の疫学調査によれば、豚コレラ発生の要因としてネズミが農場間又は野生動物からのウイルスの媒介に関与していることが挙げられており、豚コレラの伝染への予防策が喫緊の課題となっている。
【0003】
動物の嗅覚には、進化の過程で種にとって危険であると認識された対象(例えば、小動物及び草食動物にとっての捕食者)に由来する匂いを受容する特別な嗅覚システムが備わっている。前記チアゾリン類化合物は、この特別な嗅覚システムに受容される匂い分子であり、ネズミ、モグラ、ウサギ、シカ等の小動物、及び草食動物に対して極めて強力な忌避効果を示す上に、繰り返し嗅がせても馴化が全く起こらないという優れた性質を有している(例えば、特許文献1参照)。そのため、前記チアゾリン類化合物は従来の忌避剤の問題点であった馴化の問題を克服する強力かつ新たな忌避剤として高い期待が寄せられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2011/096575号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述したように、チアゾリン類化合物は馴化が全く起こらないという優れた性質を有しており、徐放技術と組み合わせることで、長期間に亘って効果を発揮することが可能な忌避剤となり得る。
一方、動物忌避剤は一定期間使用すると忌避効果を失うため、定期的に交換する必要がある。使用者自身が忌避剤の外観から忌避効果の消失を判断することは困難であり、通常は製品に記載されている忌避効果の持続期間や使用期限、害獣被害の再発等を判断指標として動物忌避剤を交換する。しかし、忌避効果の持続期間は製品の使用環境や使い方等によって短くなることもあり、忌避効果の消失を目視で確認できる手段が求められている。
【0006】
したがって、動物忌避剤を長期間に亘って使用する場合には、経時による忌避効果の消失を使用者が外観から容易に判断できることが望まれている。
【0007】
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、経時による忌避効果の消失を使用者が外観から容易に判断可能である動物忌避組成物及び該動物忌避組成物を用いる動物の忌避方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 下記一般式(I)から(VI)で示される化合物から選択される少なくとも1種の動物忌避剤と、架橋型ポリマーと、を含有する動物忌避組成物を硬化させた硬化物のJIS K7136で規定されるヘーズが5以下であり、かつ25℃、50kPaの減圧下で24時間静置後の硬化物の前記ヘーズが5超であることを特徴とする動物忌避組成物である。
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72
131
ただし、前記一般式(I)から(VI)中、R

、R

、及びR

はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基、又は炭素数1~5のアルキルチオ基を示す。
<2> 前記硬化物が、動物忌避剤の含有量が異なる少なくとも2つの領域を有する、前記<1>に記載の動物忌避組成物である。
<3> 前記硬化物における高さ方向の下部に向かって、動物忌避剤の含有量が増加する少なくとも2つの領域を有する、前記<2>に記載の動物忌避組成物である。
<4> 少なくとも2つの前記領域における前記架橋型ポリマーの組成が異なる、前記<2>から<3>のいずれかに記載の動物忌避組成物である。
<5> 前記一般式(I)で示される化合物が、2-メチルチアゾール、2-エチルチアゾール、2-ブロモチアゾール、4-メチルチアゾール、及び2,4-ジメチルチアゾールから選択されるいずれかの化合物であり、
前記一般式(II)又は(III)で示される化合物が、2-メチル-2-チアゾリン、2-メチルチオ-2-チアゾリン、4-メチル-2-チアゾリン、2,4-ジメチル-2-チアゾリン、及び2,2-ジメチルチアゾリジンから選択されるいずれかの化合物であり、
前記一般式(IV)で示される化合物が、チオモルホリンであり、
前記一般式(V)で示される化合物が、2,5-ジメチル-2-チアゾリン及び5-メチル-2-チアゾリンから選択されるいずれかの化合物である、前記<1>から<4>のいずれかに記載の動物忌避組成物である。
<6> 前記架橋型ポリマーが、(メタ)アクリル系重合体、ポリエーテル、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリサルファイト、シロキサン架橋型有機重合体、フッ素含有重合体、ゴム系重合体、及びエポキシ樹脂から選択される少なくとも1種である、前記<1>から<5>のいずれかに記載の動物忌避組成物である。
<7> 前記架橋型ポリマーが25℃で液体である、前記<1>から<6>のいずれかに記載の動物忌避組成物である。
<8> 前記<1>から<7>のいずれかに記載の動物忌避組成物を、動物を忌避させる空間に配置する工程を含むことを特徴とする動物の忌避方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、
経時による忌避効果の消失を使用者が外観から容易に判断可能である動物忌避組成物及び該動物忌避組成物を用いる動物の忌避方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、動物忌避剤の低濃度領域と、動物忌避剤の高濃度領域とを有する動物忌避組成物を硬化させた硬化物の一例を示す模式図である。
図2は、動物忌避剤の低濃度領域と、動物忌避剤の中濃度領域と、動物忌避剤の高濃度領域とを有する動物忌避組成物を硬化させた硬化物の一例を示す模式図である。
図3は、本発明の動物忌避組成物の硬化物を含む動物忌避装置の一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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