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公開番号2024059695
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-01
出願番号2024019572,2023564061
出願日2024-02-13,2023-01-30
発明の名称アルカリ金属元素及び硫黄元素を含む物質の製造方法
出願人AGC株式会社
代理人弁理士法人栄光事務所
主分類C03B 5/193 20060101AFI20240423BHJP(ガラス;鉱物またはスラグウール)
要約【課題】揮散性の高い硫黄元素を含む原料を用いた場合であっても、均質性に優れたアルカリ金属元素及び硫黄元素を含む物質を製造可能な方法を提供する。
【解決手段】アルカリ金属元素及び硫黄元素を含む原料を多孔質容器12に入れて加熱溶融し融液を得て、前記多孔質容器の外側に流し込まれた不活性ガス15により前記融液を撹拌する、アルカリ金属元素及び硫黄元素を含む物質の製造方法とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
アルカリ金属元素、硫黄元素、及びリン元素を含む原料を多孔質容器に入れて加熱溶融し融液を得て、前記多孔質容器の外側に流し込まれた不活性ガスにより前記融液を撹拌する、アルカリ金属元素及び硫黄元素を含む物質の製造方法であって、
前記アルカリ金属元素はリチウム元素であり、
前記アルカリ金属元素及び硫黄元素を含む物質はリチウム元素を含む硫化物系固体電解質であり、
前記多孔質容器はカーボンを含む、
製造方法。
続きを表示(約 520 文字)【請求項2】
前記多孔質容器は、孔から前記融液が漏れ出ない、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記多孔質容器と前記融液との接触角は30°以上である、請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記多孔質容器の開気孔率は5%以上である、請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項5】
前記カーボンのかさ密度は1.6~2.0g/cm

である、請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項6】
前記多孔質容器の高さと、前記多孔質容器を上から投影した際の2次元投影像における長軸の長さとの比であるアスペクト比は1以下である、請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項7】
前記多孔質容器は、他の容器と連結して容器連結体を構成し、前記容器連結体の高さと、前記容器連結体を上から投影した際の2次元投影像における長軸の長さとの比であるアスペクト比は1以下である、請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項8】
前記多孔質容器は、その外側に非多孔質のケーシングで囲われた、請求項1または2に記載の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、アルカリ金属元素及び硫黄元素を含む物質の製造方法に関し、特にリチウム元素を含む硫化物系固体電解質の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
リチウムイオン二次電池は、携帯電話やノート型パソコン等の携帯型電子機器に広く用いられている。従来、リチウムイオン二次電池においては液体の電解質が使用されてきたが、液漏れや発火等が懸念され、安全設計のためにケースを大型化する必要があった。また、電池寿命の短さ、動作温度範囲の狭さについても改善が望まれていた。
【0003】
これに対し、安全性の向上や高速充放電、ケースの小型化等が期待できる点から、固体電解質をリチウムイオン二次電池の電解質として用いる全固体型リチウムイオン二次電池が注目されている。固体電解質の製造方法としては、ガラス封管法、メカニカルミリング法、溶融法等が知られており、なかでも溶融法は大量生産が可能な製法として広く用いられている。
【0004】
例えば特許文献1には、組成としてリチウム、リンおよび硫黄を含有する複合化合物を溶融してガラス化させ、当該溶融ガラスを急冷することにより硫化物ガラスを得る、リチウムイオン伝導性材料の製造方法が開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、硫化物系リチウムイオン導電性固体電解質の各構成化合物を混合し、硫黄の過剰状態下で加熱溶融する硫化物系リチウムイオン導電性固体電解質の製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
日本国特開2012-43654号公報
日本国特開平6-115911号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
硫化物系固体電解質の製造に用いられる原料には硫黄が含まれるが、硫黄は揮散し易いため、当該原料を加熱溶融する過程で硫黄が揮散してしまうと、得られる硫化物系固体電解質の組成にムラが生じうる。したがって、溶融法により硫化物系固体電解質を製造する場合は、密閉、あるいは揮散が抑制された系で原料を溶融することで、原料中の硫黄の揮散に伴う組成ムラの発生を抑制する必要がある。しかし、上記密閉、あるいは揮散が抑制された系においては、機械的に融液を撹拌することが難しく、融液を撹拌する方法は限定的であった。
【0008】
また、硫化物系固体電解質を大量合成する場合は、設備を大型化する必要があるところ、ロッキングファーネス等により融液を設備ごと撹拌することは困難であり、原料の融液を撹拌して均質化することが難しかった。
【0009】
そこで本発明は、揮散性の高い硫黄元素を含む原料を用いた場合であっても、均質性に優れたアルカリ金属元素及び硫黄元素を含む物質を製造する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、アルカリ金属元素及び硫黄元素を含む原料を多孔質容器に入れて加熱溶融し融液を得て、多孔質容器の外側に流し込まれた不活性ガスにより融液を撹拌する方法を見出した。当該方法によれば、原料中の硫黄の揮散に伴う組成ムラの発生が抑制され、均質性に優れたアルカリ金属元素及び硫黄元素を含む物質を製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
(【0011】以降は省略されています)

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