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公開番号2024059594
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-01
出願番号2023178573
出願日2023-10-17
発明の名称プラズマローゲン含有組成物、プラズマローゲンの製造方法、プラズマローゲン合成促進用培地、抗炎症剤、抗炎症用経口組成物、認知機能改善剤、認知機能改善用経口組成物、神経細胞死抑制剤及び神経細胞死抑制用経口組成物
出願人株式会社 レオロジー機能食品研究所,帝人株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類A61K 35/745 20150101AFI20240423BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】ビフィドバクテリウム属に属する菌を用いて効率よく得ることができるプラズマローゲン含有組成物を提供する。
【解決手段】プラズマローゲン含有組成物は、ビフィドバクテリウム属に属する菌の菌体又はその処理物を含む。菌は、ビフィドバクテリウム・アドレッセンティス(Bifidobacterium adolescentis)、ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)及びビフィドバクテリウム・ブレーベ(Bifidobacterium breve)からなる群から選択される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ビフィドバクテリウム属に属する菌の菌体又はその処理物を含み、
前記菌は、
ビフィドバクテリウム・アドレッセンティス(Bifidobacterium adolescentis)、ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)及びビフィドバクテリウム・ブレーベ(Bifidobacterium breve)からなる群から選択される、
プラズマローゲン含有組成物。
続きを表示(約 850 文字)【請求項2】
ビフィドバクテリウム属に属する菌を培養する培養ステップと、
前記菌の菌体からプラズマローゲンを得る取得ステップと、
を含み、
前記菌は、
ビフィドバクテリウム・アドレッセンティス(Bifidobacterium adolescentis)、ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)及びビフィドバクテリウム・ブレーベ(Bifidobacterium breve)からなる群から選択される、
プラズマローゲンの製造方法。
【請求項3】
前記培養ステップでは、硫酸アンモニア、硫酸マグネシウム、プロピオン酸ナトリウム及びガラクトオリゴ糖を含む培地で、前記菌を培養する、
請求項2に記載のプラズマローゲンの製造方法。
【請求項4】
硫酸アンモニア、硫酸マグネシウム、プロピオン酸ナトリウム及びガラクトオリゴ糖を含み、
ビフィドバクテリウム属に属する菌の培養に使用される、
プラズマローゲン合成促進用培地。
【請求項5】
硫酸アンモニア、硫酸マグネシウム、プロピオン酸ナトリウム及びガラクトオリゴ糖を含む培地で、ビフィドバクテリウム属に属する菌を培養する培養ステップと、
前記菌の菌体からプラズマローゲンを得る取得ステップと、
を含む、
プラズマローゲンの製造方法。
【請求項6】
ビフィドバクテリウム属に属する菌由来のプラズマローゲンを含む、
抗炎症剤又は抗炎症用経口組成物。
【請求項7】
ビフィドバクテリウム属に属する菌由来のプラズマローゲンを含む、
認知機能改善剤又は認知機能改善用経口組成物。
【請求項8】
ビフィドバクテリウム属に属する菌由来のプラズマローゲンを含む、
神経細胞死抑制剤又は神経細胞死抑制用経口組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマローゲン含有組成物、プラズマローゲンの製造方法、プラズマローゲン合成促進用培地、抗炎症剤、抗炎症用経口組成物、認知機能改善剤、認知機能改善用経口組成物、神経細胞死抑制剤及び神経細胞死抑制用経口組成物に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
プラズマローゲンは、抗酸化作用を有するリン脂質の一種で、グリセロリン脂質の一つである。プラズマローゲンは哺乳動物の全ての組織に存在し、人体のリン脂質の約18%を占める。プラズマローゲンの多くは、ドコサヘキサエン酸及びアラキドン酸等の多価不飽和脂肪酸と結合しているため、多価不飽和脂肪酸の貯蔵、及びこれら多価不飽和脂肪酸から産生されるプロスタグランジン及びロイコトリエン等の細胞間シグナルの2次メッセンジャーの放出等に関与する。さらにプラズマローゲンは、細胞融合及びイオン移送等に関与している。プラズマローゲンのビニルエーテル結合(アルケニル結合)が特に酸化ストレスに敏感であるため、プラズマローゲンは細胞の抗酸化機能も果たしている。
【0003】
プラズマローゲンは神経新生の促進作用、リポポリサッカロイド(LPS)による神経炎症の抑制作用、及び脳内アミロイドβ(Aβ)タンパクの蓄積の抑制作用等を有することが知られている。例えば、特許文献1には、プラズマローゲンを含む抗中枢神経系炎症剤が開示されている。
【0004】
プラズマローゲンは、認知症、パーキンソン病、うつ病及び統合失調症等の脳神経病の他、糖尿病、メタボリックシンドローム、虚血性心疾患、感染症及び免疫異常において減少していることが知られている。減少しているプラズマローゲンを外的に補充することにより、それら疾患の予防及び改善効果が期待できると考えられる。したがって、今後、疾患の予防及び治療、あるいは健康維持のためにプラズマローゲンの需要が高まることが予想される。
【0005】
プラズマローゲンは、非脊椎動物及び脊椎動物には広く存在しているが、真菌及び植物細胞では確認されていない。細菌では、例えば、特許文献2に開示されたビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)等のいくつかの偏性嫌気性菌によるプラズマローゲンの合成が報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開第2012/039472号
国際公開第2021/024872号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
細菌によってプラズマローゲンを生合成できれば、細菌の培養によって効率よくプラズマローゲンを得ることができる。プラズマローゲンを合成可能な細菌は十分に探索されていないうえ、細菌によって合成されるプラズマローゲンの機能についても不明な点が多い。
【0008】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、ビフィドバクテリウム属に属する菌を用いて効率よく得ることができるプラズマローゲン含有組成物を提供することを目的とする。本発明は、ビフィドバクテリウム属に属する菌を用いてプラズマローゲンを効率よく得ることができるプラズマローゲンの製造方法及びプラズマローゲン合成促進用培地を提供することを目的とする。また、本発明は、ビフィドバクテリウム属に属する菌由来のプラズマローゲンを有効成分とする抗炎症剤、抗炎症用経口組成物、認知機能改善剤、認知機能改善用経口組成物、神経細胞死抑制剤及び神経細胞死抑制用経口組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、ビフィドバクテリウム属に属する菌をスクリーニングすることで、特定のビフィドバクテリウム属に属する菌がプラズマローゲンを合成することを見いだし、本発明を完成させた。
【0010】
本発明の第1の観点に係るプラズマローゲン含有組成物は、
ビフィドバクテリウム属に属する菌の菌体又はその処理物を含み、
前記菌は、
ビフィドバクテリウム・アドレッセンティス(Bifidobacterium adolescentis)、ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)及びビフィドバクテリウム・ブレーベ(Bifidobacterium breve)からなる群から選択される。
(【0011】以降は省略されています)

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