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公開番号2024058080
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-25
出願番号2022165220
出願日2022-10-14
発明の名称縦型加熱炉
出願人株式会社ノリタケカンパニーリミテド
代理人個人,個人
主分類F27B 9/20 20060101AFI20240418BHJP(炉,キルン,窯;レトルト)
要約【課題】被搬送物の搬送ずれを抑制する。
【解決手段】縦型加熱炉10は、炉体11と、複数の回転体31,32,41,42と、回転装置50と、昇降装置55とを備えている。複数の回転体は、被搬送物Aを支持する複数の支持部30a1,40a1を有する第1部30a,40aと、第1部とは異なる位置に設けられた第2部30b,40bとをそれぞれ備えている。回転体が被搬送物を支持する時には、回転装置は、第1部の支持部が被搬送物を支持可能な位置に移動するように回転体を回転させ、かつ、昇降装置は、複数の回転体のうち、被搬送物を支持する回転体を上昇させる。回転体が被搬送物を支持しない時には、回転装置は、第2部を被搬送物の側面に向けるように回転体を回転させる。第2部は、被搬送物のずれを矯正する予め定められた位置に配置される。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
高さ方向に沿って被搬送物が搬送される炉内空間を内部に有する炉体と、
前記炉内空間に設けられ、前記被搬送物が搬送される搬送領域の周囲に高さ方向に沿って回転軸が設定された複数の回転体と、
前記回転体を前記回転軸周りに回転させる回転装置と、
前記複数の回転体のうち少なくとも1つの回転体を前記回転軸に沿って昇降させる昇降装置と
を備え、
前記複数の回転体は、
前記被搬送物を支持する複数の支持部を有する第1部と、
前記第1部とは異なる位置に設けられた第2部と
をそれぞれ備え、
前記複数の支持部は、前記第1部において高さ方向に沿って予め定められた間隔で設けられており、
前記回転体が前記被搬送物を支持する時には、前記回転装置は、前記第1部の前記支持部が前記被搬送物を支持可能な位置に移動するように前記回転体を回転させ、かつ、前記昇降装置は、前記複数の回転体のうち、前記被搬送物を支持する前記回転体を上昇または下降させ、
前記回転体が前記被搬送物を支持しない時には、前記回転装置は、前記第2部を前記被搬送物の側面に向けるように前記回転体を回転させ、前記第2部は、前記被搬送物のずれを矯正する予め定められた位置に配置される、縦型加熱炉。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記第2部は、前記第1部が設けられている面とは反対側の面に設けられている、請求項1に記載された縦型加熱炉。
【請求項3】
前記第1部と前記第2部は、同一平面上に設けられている、請求項1に記載された縦型加熱炉。
【請求項4】
前記支持部は、前記被搬送物の下面を支持する水平な上端面を有している、請求項1~3のいずれか一項に記載された縦型加熱炉。
【請求項5】
前記複数の回転体は、それぞれ対角線上に配置された第1回転体群と、第2回転体群とを含み、前記第1回転体群は、同じタイミングで回転し、前記第2回転体群は、同じタイミングで回転するように構成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載された縦型加熱炉。
【請求項6】
前記第1回転体群が前記被搬送物を支持しない時には、前記第1回転体群の第2部は、前記被搬送物の一対の第1側面に向けられ、
前記第2回転体群が前記被搬送物を支持しない時には、前記第2回転体群の第2部は、前記被搬送物の、前記一対の第1側面とは異なる一対の第2側面に向けられるように構成されている、請求項5に記載された縦型加熱炉。
【請求項7】
前記回転装置および前記昇降装置を制御する制御装置をさらに備え、
前記制御装置は、
前記第1回転体群の前記第2部が前記被搬送物の側面に向けられた状態で前記被搬送物を支持する前記第2回転体群を上昇または下降させる処理と、
前記第2回転体群の前記第2部が前記被搬送物の側面に向けられた状態で前記被搬送物を支持しない前記第2回転体群を上昇または下降させる処理と
が実行されるように構成された、請求項5に記載された縦型加熱炉。
【請求項8】
前記回転装置および前記昇降装置を制御する制御装置をさらに備え、
前記制御装置は、
前記第2回転体群の前記第2部が前記被搬送物の側面に向けられた状態で前記被搬送物を支持する前記第1回転体群を上昇または下降させる処理と、
前記第1回転体群の前記第2部が前記被搬送物の側面に向けられた状態で前記被搬送物を支持する前記第2回転体群を上昇または下降させる処理と、が実行されるように構成された、請求項5に記載された縦型加熱炉。
【請求項9】
前記昇降装置が前記被搬送物を昇降させる時には、前記被搬送物を支持しない前記回転体の前記第2部は、前記被搬送物のずれを矯正する予め定められた位置よりも前記被搬送物から離れた位置に配置される、請求項1~3のいずれか一項に記載された縦型加熱炉。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、縦型加熱炉に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
特開2022-037806号公報には、被搬送物を上下方向に搬送可能な縦型加熱炉についていくつかの形態が開示されている。このうち同公報の図18~図21には、送り支持部材として、一対の第1ラック軸および一対の第2ラック軸が用いられている縦型加熱炉が開示されている。かかる形態では、第1ラック軸および第2ラック軸は、被搬送物を支持する複数の支持歯を有している。支持歯は、高さ方向に沿って一定の間隔で形成されている。被搬送物は、一対の第1ラック軸および一対の第2ラック軸によって四隅から支持される。一対の第1ラック軸および一対の第2ラック軸は、それぞれ垂直アクチュエータによって上下方向に駆動される。また、一対の第1ラック軸および一対の第2ラック軸は、それぞれロータリーアクチュエータによって回転軸線周りに90度回転駆動される。これによって、一対の第1ラック軸および一対の第2ラック軸では、被搬送物を支持する状態と被搬送物を支持しない状態とが切り替えられる。かかる縦型加熱炉によれば、一対の第1ラック軸および一対の第2ラック軸では、被搬送物を支持する状態と被搬送物を支持しない状態とが切り替えられつつ、被搬送物が縦方向に搬送される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2022-037806号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特開2022-037806号公報に開示された上記形態の縦型加熱炉では、一対の第1ラック軸および一対の第2ラック軸では、被搬送物を支持する状態と被搬送物を支持しない状態とが切り替えられつつ、被搬送物が縦方向に搬送される。しかし、本発明者がさらに試行したところ、搬送が進むにつれて被搬送物の位置がずれる事象があることが分かった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ここで開示される縦型加熱炉は、高さ方向に沿って被搬送物が搬送される炉内空間を内部に有する炉体と、炉内空間に設けられ、被搬送物が搬送される搬送領域の周囲に高さ方向に沿って回転軸が設定された複数の回転体と、回転体を回転軸周りに回転させる回転装置と、複数の回転体のうち少なくとも1つの回転体を回転軸に沿って昇降させる昇降装置とを備えている。複数の回転体は、被搬送物を支持する複数の支持部を有する第1部と、第1部とは異なる位置に設けられた第2部とをそれぞれ備えている。複数の支持部は、第1部において高さ方向に沿って予め定められた間隔で設けられている。回転体が被搬送物を支持する時には、回転装置は、第1部の支持部が被搬送物を支持可能な位置に移動するように回転体を回転させ、かつ、昇降装置は、複数の回転体のうち、被搬送物を支持する回転体を上昇または下降させる。回転体が被搬送物を支持しない時には、回転装置は、第2部を被搬送物の側面に向けるように回転体を回転させ、第2部は、被搬送物のずれを矯正する予め定められた位置に配置される。かかる縦型加熱炉では、搬送時に被搬送物がずれる場合にも、位置が矯正されやすい。これによって、被搬送物の搬送ずれが抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1は、縦型加熱炉10の模式的な断面図である。
図2は、縦型加熱炉10の模式的な断面図である。
図3は、制御装置60による制御を示すタイムチャートである。
図4は、第1回転体群30および第2回転体群40の動作を示す模式図である。
図5は、第1回転体群30および第2回転体群40の動作を示す模式図である。
図6は、第1回転体群30および第2回転体群40の動作を示す模式図である。
図7は、制御装置60による制御を示すタイムチャートである。
図8は、他の実施形態にかかる制御装置60による制御を示すタイムチャートである。
図9は、第1回転体群30および第2回転体群40の模式図である。
図10は、他の実施形態にかかる制御装置60による制御を示すタイムチャートである。
図11は、他の実施形態にかかる縦型加熱炉10Aを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本開示における実施形態の1つについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の図面においては、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明している。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚み等)は実際の寸法関係を反映するものではない。上、下、左、右、前、後の向きは、図中、U、D、L、R、F、Rrの矢印でそれぞれ表されている。ここで、上、下、左、右、前、後の向きは、説明の便宜上、定められているにすぎず、特に言及されない限りにおいて本願発明を限定しない。本明細書において、「高さ方向」は、図中の矢印で示される上下方向と一致している。
【0008】
〈縦型加熱炉10〉
図1および図2は、縦型加熱炉10の模式的な断面図である。図1では、縦型加熱炉10の高さ方向に沿った断面が示されている。なお、図1では、回転体に支持されている被搬送物Aの図示が一部省略されている。図2は、図1のII-II線に沿った炉体11の断面が示されている。図2では、被搬送物Aを支持しうる時の回転体31,32,41,42の位置は、実線で示されており、被搬送物Aを支持ない時の回転体31,32,41,42の位置は、二点鎖線で示されている。
【0009】
図1に示されているように、縦型加熱炉10は、炉体11と、搬送装置20とを備えている。縦型加熱炉10は、搬送装置20を制御する制御装置60をさらに備えている。縦型加熱炉10では、被搬送物Aが高さ方向に沿って搬送される。縦型加熱炉10は、被処理物を加熱処理するためのヒータ15を備えている。被処理物(図示省略)は、被搬送物Aに載せられた状態で炉体11内を搬送されつつ加熱処理される。
【0010】
この実施形態では、被搬送物Aは、板状である。かかる板状の被搬送物Aは、セッターとも称される。被搬送物Aとしては、特に限定されないが、所要の耐熱性および耐反応性を有する材料から構成されるものが適宜選択されうる。この実施形態では、セラミック製の被搬送物Aが用いられている。図2に示されているように、被搬送物Aは、平面視において略正方形状である。被搬送物Aは、一対の第1側面A1(以下、単に側面A1とも称する)と、一対の第2側面A2(以下、単に側面A2とも称する)と、上面A3と、下面A4(図1参照)とを有している。一対の第1側面A1は、互いに略平行に形成されている。一対の第2側面A2は、互いに略平行に形成されている。この実施形態では、被搬送物Aの上面A3には、縦型加熱炉10内で加熱処理される被処理物が載せられる。なお、被搬送物は、かかる形態に限定されない。被搬送物は、例えば、サヤまたは匣鉢とも称される箱状のものであってもよい。被搬送物には、蓋が載せられてもよい。また、被搬送物として、例えば、板状の被処理物が直接搬送されてもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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