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公開番号2024056699
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-23
出願番号2024005739,2022505546
出願日2024-01-18,2020-07-30
発明の名称非アルコール性脂肪性肝疾患の予測若しくは診断用キット、および診断方法
出願人コバイオラブス,インコーポレーテッド
代理人弁理士法人平木国際特許事務所
主分類C12Q 1/04 20060101AFI20240416BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】非-肥満対象のための非アルコール性脂肪性肝疾患の危険度予測若しくは診断用キット、診断のための情報提供方法および非-肥満患者のための非アルコール性脂肪性肝疾患治療剤スクリーニング方法を提供する。
【解決手段】(a)非アルコール性脂肪性肝疾患の微生物バイオマーカーからなる群より選ばれたいずれか一つ以上の検出マーカー;(b)総胆汁酸および胆汁酸の成分からなる群より選ばれたいずれか一つ以上の検出マーカー;および(c)腸内短鎖脂肪酸(short chain fatty acid)からなる群より選ばれたいずれか一つ以上の検出マーカーを探知する検出手段を含む、非-肥満対象のための非アルコール性脂肪性肝疾患の危険度予測若しくは診断用キットとする。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
(a)非アルコール性脂肪性肝疾患の微生物バイオマーカーからなる群より選ばれたいずれか一つ以上の検出マーカー;
(b)総胆汁酸および胆汁酸の成分からなる群より選ばれたいずれか一つ以上の検出マーカー;および
(c)腸内短鎖脂肪酸(short chain fatty acid)
からなる群より選ばれたいずれか一つ以上の検出マーカーを探知する検出手段を含む非アルコール性脂肪性肝疾患の危険度予測若しくは診断用キット。
続きを表示(約 3,600 文字)【請求項2】
前記(a)非アルコール性脂肪性肝疾患の微生物バイオマーカーは、エンテロバクテリアセエ(Enterobacteriaceae)、ベイヨネラセエ(Veillonellaceae)、リケネラセエ(Rikenellaceae)、フソバクテリアセエ(Fusobacteriaceae)、ルミノコッカセエ(Ruminococcaceae)、ラクノスピラセエ(Lachnospiraceae)、アクチノミセタセエ(Actinomycetaceae)、デスルホビブリオセエ(Desulfovibrioceae)およびデスルホビブリオナセエ(Desulfovibrionaceae)からなる群より選ばれた一つ以上のものである、請求項1に記載のキット。
【請求項3】
前記(a)非アルコール性脂肪性肝疾患の微生物バイオマーカーは、シトロバクター(Citrobacter)、クレブシエラ(Klebsiella)、ベイヨネラ(Veillonella)、メガモナス(Megamonas)、フソバクテリウム(Fusobacterium)、ルミノコッカス(Ruminococcus)、フィーカリバクテリウム(Faecalibacterium)、オスシロスピラ(Oscillospira)、コプロコッカス(Coprococcus)、ラクノスピラ(Lachnospira)、アクチノミセス(Actinomyces)、デスルホビブリオ(Desulfovibrio)からなる群より選ばれた一つ以上である、請求項1に記載のキット。
【請求項4】
前記(b)総胆汁酸および胆汁酸の成分からなる群より選ばれたいずれか一つ以上の検出マーカーは、総胆汁酸、コール酸(cholic acid)、ケノデオキシコール酸(chenodeoxycholic acid)、ウルソデオキシコール酸(ursodeoxycholic acid)、リトコール酸(Lithocholic acid)、およびデオキシコール酸(deoxycholic acid)からなる群より選ばれた一つ以上である、請求項1に記載のキット。
【請求項5】
前記(c)腸内短鎖脂肪酸(short chain fatty acid)は、酢酸(acetate)、プロピオネート(propionate)およびブチレート(butyrate)からなる群より選ばれた一つ以上である、請求項1に記載のキット。
【請求項6】
前記キットは下記(a)~(h)の組み合わせより選ばれた一つ以上を含むことを特徴とする、請求項1に記載のキット:
(a)エンテロバクテリアセエ(Enterobacteriaceae)、ベイヨネラセエ(Veillonellaceae)、ラクノスピラセエ(Lachnospiraceae)およびルミノコッカセエ(Ruminococcaceae)からなる群より選ばれたいずれか一つ以上をそれぞれ検出できる一つ以上の検出手段;
(b)総胆汁酸、コール酸(cholic acid)、ケノデオキシコール酸(chenodeoxycholic acid)、ウルソデオキシコール酸(ursodeoxycholic acid)、リトコール酸(lithocholic acid)およびデオキシコール酸(deoxycholic acid)からなる群より選ばれたいずれか一つ以上をそれぞれ検出できる一つ以上の検出手段;
(c)短鎖脂肪酸、酢酸(acetate)、プロピオネート(propionate)およびブチレート(butyrate)からなる群より選ばれたいずれか一つ以上をそれぞれ検出できる一つ以上の検出手段;
(d)エンテロバクテリアセエ(Enterobacteriaceae)、ベイヨネラセエ(Veillonellaceae)、ラクノスピラセエ(Lachnospiraceae)、ルミノコッカセエ(Ruminococcaceae)、コール酸(cholic acid)、ケノデオキシコール酸(chenodeoxycholic acid)、ウルソデオキシコール酸(ursodeoxycholic acid)およびプロピオネート(propionate)からなる群より選ばれたいずれか一つ以上をそれぞれ検出できる一つ以上の検出手段;
(e)ルミノコッカス(Ruminococcus)、フィーカリバクテリウム(Faecalibacterium)、オスシロスピラ(Oscillospira)、コプロコッカス(Coprococcus)、ラクノスピラ(Lachnospira)、総胆汁酸、コール酸(cholic acid)、ケノデオキシコール酸(chenodeoxycholic acid)、ウルソデオキシコール酸(ursodeoxycholic acid)、リトコール酸(lithocholic acid)およびデオキシコール酸(deoxycholic acid)からなる群より選ばれたいずれか一つ以上をそれぞれ検出できる一つ以上の検出手段;
(f)ルミノコッカス(Ruminococcus)、フィーカリバクテリウム(Faecalibacterium)、オスシロスピラ(Oscillospira)、コプロコッカス(Coprococcus)、ラクノスピラ(Lachnospira)および糞便のプロピオネート(propionate)からなる群より選ばれたいずれか一つ以上をそれぞれ検出できる一つ以上の検出手段;
(g)ベイヨネラ(Veillonella)、メガモナス(Megamonas)、総胆汁酸、コール酸(cholic acid)、ケノデオキシコール酸(chenodeoxycholic acid)、ウルソデオキシコール酸(ursodeoxycholic acid)、リトコール酸(lithocholic acid)およびデオキシコール酸(deoxycholic acid)からなる群より選ばれたいずれか一つ以上をそれぞれ検出できる一つ以上の検出手段;および
(h)ベイヨネラ(Veillonella)、メガモナス(Megamonas)および糞便のプロピオネート(propionate)からなる群より選ばれたいずれか一つ以上をそれぞれ検出できる一つ以上の検出手段。
【請求項7】
前記キットは下記(i)~(k)の組み合わせより選ばれた一つ以上を含むことを特徴とする、請求項1に記載のキット:
(i)エンテロバクテリアセエ(Enterobacteriaceae)、ベイヨネラセエ(Veillonellaceae)、ルミノコッカセエ(Ruminococcaceae)、シトロバクター(Citrobacter)、クレブシエラ(Klebsiella)、ベイヨネラ(Veillonella)、メガモナス(Megamonas)、ルミノコッカス(Ruminococcus)、フィーカリバクテリウム(Faecalibacterium)およびオスシロスピラ(Oscillospira)からなる群より選ばれたいずれか一つ以上をそれぞれ検出できる一つ以上の検出手段;
(j)コール酸(cholic acid)、ケノデオキシコール酸(chenodeoxycholic acid)、ウルソデオキシコール酸(ursodeoxycholic acid)およびこれらの代謝体からなる群より選ばれたいずれか一つ以上をそれぞれ検出できる一つ以上の検出手段;および
(k)腸内短鎖脂肪酸代謝体およびプロピオネート(propionate)からなる群より選ばれたいずれか一つ以上をそれぞれ検出できる一つ以上の検出手段。
【請求項8】
前記キットはエンテロバクテリアセエ(Enterobacteriaceae)、ベイヨネラセエ(Veillonellaceae)、およびルミノコッカセエ(Ruminococcaceae)を検出できる検出手段を含む、請求項1に記載のキット。
【請求項9】
前記キットはメガモナス(Megamonas)およびルミノコッカス(Ruminococcus)を検出できる検出手段を含む、請求項1に記載のキット。
【請求項10】
前記キットはコール酸(cholic acid)、ケノデオキシコール酸(chenodeoxycholic acid)、ウルソデオキシコール酸(ursodeoxycholic acid)、およびプロピオネート(propionate)を検出できる検出手段を含む、請求項1に記載のキット。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は非アルコール性脂肪性肝疾患の予測若しくは診断用キット、および診断方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
非アルコール性脂肪性肝疾患(Nonalcoholic fatty liver disease,NAFLD)は単なる脂肪症(steatosis)から、窮極的に進行性(advanced)繊維症および肝硬変につながる攻撃的組織形態である非アルコール性脂肪性肝炎(nonalcoholic steatohepatitis,NASH)に至る代謝障害の肝疾患を特徴とする。NAFLDの世界有病率は多くの疫学研究で24-30%と推定され、肥満および代謝症候群と平行に増加している。NAFLDは一般に肥満と関連するが、肥満NAFLD患者から観察されたものと類似の臨床症状および病的深刻性が非-肥満対象からも発生し得る。肥満を定義する相異なる体質量指数(body mass index,BMI)のカット-オフ(cut-off)を考慮せず(アジア人≧25,他の人種≧30)、西洋および東洋いずれも非-肥満人口の3-30%はNAFLDを有していることが着実に報告されている。内臓脂肪、食品構成および遺伝的要素が非-肥満NAFLDと関連するが、非-肥満NAFLD発病を解明するためには他の環境的な要素を考慮した追加的な研究が必要である。
【0003】
最近増加した関心は多様な代謝性疾患で腸内微生物叢(intestinal microbiota)の特定の役割を確認して理解することに焦点を合わせている。正常微生物叢に比べた腸内微生物叢の異常な変化を称する腸内微生物不均衡(Gut dysbiosis)は、有益な短鎖脂肪酸(short-chain fatty acid,SCFA)生産バクテリアの減少、胆汁酸組成の変化、リポ多糖類(lipopolysaccharide,LPS)に対する免疫反応の活性化、エタノール生産バクテリアの過増殖によるエタノール生産増加、およびホスファチジルコリン(phosphatidylcholine)のコリン(choline)およびトリメチルアミン(trimethylamine)への転換に関連している。腸-肝軸(gut-liver axis)に影響を与える腸内マイクロバイオーム(gut microbiome)の変化は、NAFLDおよび肝硬変のような慢性肝疾患(chronic liver disease)および進行性(advanced)繊維症の進行に寄与する。
【0004】
Boursierなどは軽症および重症繊維症患者間のマイクロバイオーム変化を比較し、重症繊維症患者の重大な腸内細菌不均衡および機能変化を観察した(非特許文献1)。Loombaなどはメタゲノムデータを使用して進行性繊維症を有するNAFLD患者からに顕著に豊富になるか大幅に減少する37種のバクテリアを確認し、繊維症を予測するためのマイクロバイオーム基盤のバイオマーカーを提案した(非特許文献2)。Bajajなどは肝硬変が進行する間の腸内マイクロバイオームプロファイルを規定した(非特許文献3)。中国のコホート研究は肝硬変患者の腸内マイクロバイオームで変化を観察した(非特許文献4)。しかし、疾病の重症度および繊維症段階と関連する微生物分類群(microbial taxa)は以前のNAFLD研究と一致しなかった。このような不一致は地域的な差の影響によるものであり得る(非特許文献5)。しかし、基本的なBMI状態の差はこのような一貫性のない結果を説明できる。その上、非-肥満NAFLD群の腸内マイクロバイオームと関連する代謝産物の特定変化はほとんど規定されなかった。
【0005】
したがって、NAFLDの組織学的(histological)重症度の有無を決定し、腸内マイクロバイオーム変化をよく規定し、効果的な非-肥満NAFLDの予防、治療および診断方法が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は前記のような問題を解決するためのものとして、微生物バイオマーカー、胆汁酸およびその構成成分、および腸内短鎖脂肪酸からなる群より選ばれたいずれか一つ以上の検出マーカーを含む非アルコール性脂肪性肝疾患の検出マーカー、前記検出マーカーを用いた非アルコール性脂肪性肝疾患の危険度予測若しくは診断用キット、前記検出マーカーを用いた非アルコール性脂肪性肝疾患の危険度予測若しくは診断方法、または予測若しくは診断のための情報を提供する方法、および非アルコール性脂肪性肝疾患の治療剤スクリーニング方法を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明は、非アルコール性脂肪性肝疾患の検出マーカー、前記検出マーカーを探知する一つ以上の検出手段を含む非アルコール性脂肪性肝疾患の危険度予測若しくは診断用キットを提供する。
【0008】
前記キットは上述した特定対象を検出する手段を含み、特定検出対象の量、活性、個体数などを特定してまたは他の検出対象との結果を比較することによって非アルコール性脂肪性肝疾患の危険度予測若しくは診断に使用できる。
【0009】
本発明における診断とは、疾病有無、疾病の危険度、疾病の状態および疾病の予後を確認することを含み、疾病状態および決定を導出させるために使用されるすべての類型の分析を含む。
【0010】
本発明の実施形態において、前記非アルコール性脂肪性肝疾患は非アルコール性脂肪肝、非アルコール性脂肪性肝炎、または肝硬変症であり得る。
(【0011】以降は省略されています)

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