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公開番号2024054734
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-17
出願番号2022161156
出願日2022-10-05
発明の名称合成繊維用処理剤及び合成繊維
出願人竹本油脂株式会社
代理人個人,個人
主分類D06M 13/248 20060101AFI20240410BHJP(繊維または類似のものの処理;洗濯;他に分類されない可とう性材料)
要約【課題】長期保管後のタールの蓄積を低減できる合成繊維用処理剤等を提供する。
【解決手段】本発明の合成繊維用処理剤は、下記の有機ポリスルフィド化合物(X1)を含む有機硫黄化合物(X)と、下記の有機スルホン酸化合物(Y1)を含むイオン界面活性剤(Y)と、を含有することを特徴とする。有機ポリスルフィド化合物(X1):硫化トリアシルグリセロール(X1-1)、硫化脂肪酸モノエステル(X1-2)、硫化脂肪酸(X1-3)、及び硫化オレフィン(X1-4)から選ばれる少なくとも1つ。有機スルホン酸化合物(Y1):分子中に、カルボニル基を有さない有機スルホン酸化合物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記の有機ポリスルフィド化合物(X1)を含む有機硫黄化合物(X)と、下記の有機スルホン酸化合物(Y1)を含むイオン界面活性剤(Y)と、を含有することを特徴とする合成繊維用処理剤。
有機ポリスルフィド化合物(X1):硫化トリアシルグリセロール(X1-1)、硫化脂肪酸モノエステル(X1-2)、硫化脂肪酸(X1-3)、及び硫化オレフィン(X1-4)から選ばれる少なくとも1つ。
有機スルホン酸化合物(Y1):分子中に、カルボニル基を有さない有機スルホン酸化合物。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記有機ポリスルフィド化合物(X1)は、
前記硫化トリアシルグリセロール(X1-1)が、質量平均分子量が1800以上のもの、
前記硫化脂肪酸モノエステル(X1-2)が、質量平均分子量が900以上のもの、
前記硫化脂肪酸(X1-3)が、質量平均分子量800以上のもの、及び
前記硫化オレフィン(X1-4)が、第一級直鎖アルキル基以外の炭化水素基を有するもの
から選ばれる少なくとも1つである請求項1に記載の合成繊維用処理剤。
【請求項3】
前記有機ポリスルフィド化合物(X1)は、
硫化トリアシルグリセロール(X1-1)、硫化脂肪酸モノエステル(X1-2)、硫化脂肪酸(X1-3)、及び硫化オレフィン(X1-4)から選ばれる少なくとも2つである請求項1に記載の合成繊維用処理剤。
【請求項4】
前記有機ポリスルフィド化合物(X1)は、
前記硫化トリアシルグリセロール(X1-1)が、質量平均分子量が1800以上のもの、
前記硫化脂肪酸モノエステル(X1-2)が、質量平均分子量が900以上のもの、
前記硫化脂肪酸(X1-3)が、質量平均分子量800以上のもの、及び
前記硫化オレフィン(X1-4)が、第一級直鎖アルキル基以外の炭化水素基を有するもの
から選ばれる少なくとも1つを含む請求項3に記載の合成繊維用処理剤。
【請求項5】
前記合成繊維用処理剤中において、前記有機ポリスルフィド化合物(X1)を0.001質量%以上5質量%以下の割合で含有する請求項1に記載の合成繊維用処理剤。
【請求項6】
更に、ノニオン界面活性剤(A)を含有する請求項1に記載の合成繊維用処理剤。
【請求項7】
前記ノニオン界面活性剤(A)が、更に下記のヒドロキシ脂肪酸誘導体(A1)を含む請求項6に記載の合成繊維用処理剤。
ヒドロキシ脂肪酸誘導体(A1):ヒマシ油脂肪酸、硬化ヒマシ油脂肪酸、リシノール酸、12-ヒドロキシステアリン酸、及びこれらの脂肪酸と多価アルコールとのエステル化合物から選ばれる少なくとも1つと、炭素数2以上4以下のアルキレンオキサイドと、から形成された誘導体。
【請求項8】
前記ノニオン界面活性剤(A)が、更に含窒素ノニオン界面活性剤(A2)を含む請求項6に記載の合成繊維用処理剤。
【請求項9】
更に、芳香族系酸化防止剤(B)を含有する請求項1に記載の合成繊維用処理剤。
【請求項10】
更に、平滑剤(C)を含有し、
前記平滑剤(C)が、下記のエステル化合物(C1)を含む請求項1に記載の合成繊維用処理剤。
エステル化合物(C1):炭素数2以上10以下の鎖状構造を有する2価以上8価以下の多価アルコールと炭素数8以上24以下の1価脂肪酸との完全エステル化合物(C1-1)、及び炭素数8以上24以下の1価アルコールと炭素数2以上36以下の二塩基酸とのジエステル化合物(C1-2)から選ばれる少なくとも1つ。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、長期保管後のタールの蓄積を低減できる合成繊維用処理剤及び該合成繊維用処理剤が付与された合成繊維に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
合成繊維の紡糸延伸工程等において、平滑性、制電性等の向上の観点から、合成繊維の表面に合成繊維用処理剤を付着させる処理が行われることがある。
従来、特許文献1~7に開示の合成繊維用処理剤が知られている。特許文献1は、所定のアルキルポリサルファイドを含有する油剤で熱可塑性合成繊維糸条を処理する方法について開示する。特許文献2は、トリメチロールアルカンの脂肪族トリエステル、ジアルキルポリスルフィド等を含有する油剤でポリエステル系合成繊維の処理方法について開示する。特許文献3は、粘着性能改良剤として加硫植物油等を含有するポリエステル工業糸用油剤について開示する。特許文献4は、脂肪族三塩基性カルボン酸エステルを含有する耐熱性合成繊維紡糸油剤において、アルキルサルファイド等の抗酸化剤を配合できる点について開示する。特許文献5は、平滑剤、チオエーテル基を有するエステル化合物、二級アルカンスルホン酸等を含有する合成繊維用処理剤について開示する。特許文献6は、硫黄系酸化防止剤としてビス[2-メチル-4-(3-n-ラウリルチオプロピオニルオキシ)-5-t-ブチルフェニル]スルフィド、制電剤成分としてドデカンスルホン酸塩等を含有する合成繊維用処理剤について開示する。特許文献7は、ジ(2-オクチル-1-デカノール)ジチオプロピオン酸、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレンドデシルアミン、ソルビタンモノオレアート等を含有する合成繊維用処理剤について開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特公昭48-1445号公報
特開昭48-44597号公報
中国特許出願公開第1904200号明細書
特公昭48-41479号公報
特許第3488563号公報
特許第4090036号公報
特許第6530129号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の合成繊維用処理剤において、長期保管後にタールが蓄積するという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、前記の課題を解決するべく研究した結果、合成繊維用処理剤において、所定の有機ポリスルフィド化合物を含む有機硫黄化合物と、所定の有機スルホン酸化合物を含むイオン界面活性剤とを含有する構成が好適であることを見出した。
【0006】
上記課題を解決する各態様を記載する。
態様1の合成繊維用処理剤は、下記の有機ポリスルフィド化合物(X1)を含む有機硫黄化合物(X)と、下記の有機スルホン酸化合物(Y1)を含むイオン界面活性剤(Y)と、を含有することを特徴とする。
【0007】
有機ポリスルフィド化合物(X1):硫化トリアシルグリセロール(X1-1)、硫化脂肪酸モノエステル(X1-2)、硫化脂肪酸(X1-3)、及び硫化オレフィン(X1-4)から選ばれる少なくとも1つ。
【0008】
有機スルホン酸化合物(Y1):分子中に、カルボニル基を有さない有機スルホン酸化合物。
態様2は、態様1に記載の合成繊維用処理剤において、前記有機ポリスルフィド化合物(X1)は、前記硫化トリアシルグリセロール(X1-1)が、質量平均分子量が1800以上のもの、前記硫化脂肪酸モノエステル(X1-2)が、質量平均分子量が900以上のもの、前記硫化脂肪酸(X1-3)が、質量平均分子量800以上のもの、及び前記硫化オレフィン(X1-4)が、第一級直鎖アルキル基以外の炭化水素基を有するものから選ばれる少なくとも1つである。
【0009】
態様3は、態様1又は2に記載の合成繊維用処理剤において、前記有機ポリスルフィド化合物(X1)は、硫化トリアシルグリセロール(X1-1)、硫化脂肪酸モノエステル(X1-2)、硫化脂肪酸(X1-3)、及び硫化オレフィン(X1-4)から選ばれる少なくとも2つである。
【0010】
態様4は、態様3に記載の合成繊維用処理剤において、前記有機ポリスルフィド化合物(X1)は、前記硫化トリアシルグリセロール(X1-1)が、質量平均分子量が1800以上のもの、前記硫化脂肪酸モノエステル(X1-2)が、質量平均分子量が900以上のもの、前記硫化脂肪酸(X1-3)が、質量平均分子量800以上のもの、及び前記硫化オレフィン(X1-4)が、第一級直鎖アルキル基以外の炭化水素基を有するものから選ばれる少なくとも1つを含む。
(【0011】以降は省略されています)

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