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公開番号2024053656
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-16
出願番号2022159997
出願日2022-10-04
発明の名称難燃性ポリカーボネート樹脂組成物およびそれからなる成形品
出願人帝人株式会社
代理人個人
主分類C08L 69/00 20060101AFI20240409BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】衝撃強度、難燃性および耐久性に優れる難燃性ポリカーボネート樹脂組成物およびそれからなる成形品を提供する。
【解決手段】(A)芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)100重量部に対し、(B)ケイ酸塩鉱物(B成分)1.0~80.0重量部、(C)芳香族ビニル-(水添)共役ジエン型ブロック共重合体(C成分)0.1~9.0重量部、(D)酸変性ポリオレフィン樹脂(D成分)0.1~1.9重量部、(E)リン系難燃剤(E成分)1.0~20.0重量部および(F)含フッ素滴下防止剤(F成分)0.1~2.0重量部を含有することを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
(A)芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)100重量部に対し、(B)ケイ酸塩鉱物(B成分)1.0~80.0重量部、(C)芳香族ビニル-(水添)共役ジエン型ブロック共重合体(C成分)0.1~9.0重量部、(D)酸変性ポリオレフィン樹脂(D成分)0.1~1.9重量部、(E)リン系難燃剤(E成分)1.0~20.0重量部および(F)含フッ素滴下防止剤(F成分)0.1~2.0重量部を含有することを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。
続きを表示(約 920 文字)【請求項2】
B成分がタルク、マイカおよびワラストナイトからなる群から選ばれる少なくとも1種のケイ酸塩鉱物であることを特徴とする請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
【請求項3】
C成分が、SEBS(ポリスチレン-ポリ(エチレン/ブチレン)ブロック-ポリスチレン共重合体)、SEPS(ポリスチレ-ポリ(エチレン/プロピレン)ブロック-ポリスチレン共重合体)、SEP(ポリスチレン-ポリ(エチレン/プロピレン)ブロック共重合体)およびSEEPS(ポリスチレン-ポリ(エチレン-エチレン/プロピレン)ブロック-ポリスチレン共重合体)からなる群より選ばれる少なくとも1種の芳香族ビニル-(水添)共役ジエン型ブロック共重合体であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
【請求項4】
E成分が、下記式(1)で表される難燃剤であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
JPEG
2024053656000007.jpg
36
107
[式中、Xは、ハイドロキノン、レゾルシノール、ビス(4-ヒドロキシジフェニル)メタン、ビスフェノールA、ジヒドロキシジフェニル、ジヒドロキシナフタレン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)ケトンおよびビス(4-ヒドロキシフェニル)サルファイドからなる群より選ばれる化合物から誘導される二価の基である。nは0~5の整数であり、n数の異なるリン酸エステルの混合物の場合は0~5の平均値である。R

、R

、R

、およびR

はそれぞれ独立して1個以上のハロゲン原子で置換したもしくは置換していないフェノール、クレゾール、キシレノール、イソプロピルフェノール、ブチルフェノール、およびp-クミルフェノールからなる群より選ばれる化合物より誘導される一価の基である。]
【請求項5】
請求項1または2に記載のポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる成形品。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は衝撃強度、難燃性および耐久性に優れる難燃性ポリカーボネート樹脂組成物およびそれからなる成形品に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
ポリカーボネート樹脂は、機械的強度、寸法安定性および難燃性といったその優れた特性から機械部品、自動車部品、電気・電子部品、事務機器部品などの多くの用途に用いられている。近年は上記の分野において、発熱する部品を備えている機器において該機器の高性能化に伴い部品からの発熱量が増大する傾向にある。そのため、発生する熱を効率的に外部へ放熱するために熱伝導性が高く、耐衝撃性および難燃性に優れたポリカーボネート樹脂組成物の要求が高まっている。
【0003】
ポリカーボネート樹脂の熱伝導性を向上させる方法として、種々の熱伝導性フィラーを配合する方法が知られている。例えば、樹脂材料に黒鉛化炭素繊維を添加する方法(特許文献1~3参照)や、酸化アルミニウムや窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、炭化ケイ素、石英、水酸化アルミニウムなどの金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属水酸化物などの充填剤を添加する方法(特許文献4~7参照)が開示されている。さらには、タルクのようなケイ酸塩鉱物をポリカーボネート樹脂に配合することによっても樹脂材料の熱伝導率が向上することが開示されている(特許文献8参照)。しかしながら、ポリカーボネート樹脂にケイ酸塩鉱物を添加した樹脂組成物は、ケイ酸塩鉱物の添加によりポリカーボネート樹脂が劣化し、結果的にポリカーボネート樹脂成形品の機械特性および難燃性が劣化するという問題点がある。かかる問題点を解決するために、ケイ酸塩化合物を含有するポリカーボネート樹脂に酸変性したオレフィン系ワックスを添加する方法や、酸変性したオレフィン系ワックスおよびブロック共重合体を添加する方法が開示されている(特許文献9、10参照)。
【0004】
近年、情報通信ボックス等の屋外電気・電子機器筐体といった屋外使用されるエンクロージャーには、難燃性および耐衝撃性、更にはUL746C f1定格認証に代表される紫外線や風雨に晒されても劣化しにくい耐久性が求められている。しかしながら、上述した従来のポリカーボネート樹脂にケイ酸塩鉱物を添加した樹脂組成物ではUL746C f1定格認証における水暴露試験後の衝撃強度および難燃性の低下の抑制が不十分であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平11-286597号公報
特開平7-238213号公報
特開昭61-200151号公報
特開2011-105801号公報
特開2001-019756号公報
特開平8-208973号公報
特開2000-143872号公報
特開2016-53188号公報
特表2019-524970号公報
特許第6133645号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記に鑑み、本発明の目的は、衝撃強度、難燃性および耐久性に優れる難燃性ポリカーボネート樹脂組成物およびそれからなる成形品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、かかる課題を解決するため鋭意検討した結果、ポリカーボネート樹脂にケイ酸塩鉱物、芳香族ビニル-(水添)共役ジエン型ブロック共重合体、酸変性ポリオレフィン樹脂、リン系難燃剤および含フッ素滴下防止剤を適切な量配合することで、衝撃強度、難燃性および耐久性に優れるポリカーボネート樹脂組成物が得られることを見出し、さらに鋭意検討を重ねて本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
【0008】
1.(A)芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)100重量部に対し、(B)ケイ酸塩鉱物(B成分)1.0~80.0重量部、(C)芳香族ビニル-(水添)共役ジエン型ブロック共重合体(C成分)0.1~9.0重量部、(D)酸変性ポリオレフィン樹脂(D成分)0.1~1.9重量部、(E)リン系難燃剤(E成分)1.0~20.0重量部および(F)含フッ素滴下防止剤(F成分)0.1~2.0重量部を含有することを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。
2.B成分がタルク、マイカおよびワラストナイトからなる群から選ばれる少なくとも1種のケイ酸塩鉱物であることを特徴とする前項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
3.C成分が、SEBS(ポリスチレン-ポリ(エチレン/ブチレン)ブロック-ポリスチレン共重合体)、SEPS(ポリスチレ-ポリ(エチレン/プロピレン)ブロック-ポリスチレン共重合体)、SEP(ポリスチレン-ポリ(エチレン/プロピレン)ブロック共重合体)およびSEEPS(ポリスチレン-ポリ(エチレン-エチレン/プロピレン)ブロック-ポリスチレン共重合体)からなる群より選ばれる少なくとも1種の芳香族ビニル-(水添)共役ジエン型ブロック共重合体であることを特徴とする前項1または2に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
4.E成分が、下記式(1)で表される難燃剤であることを特徴とする前項1~3のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
JPEG
2024053656000001.jpg
36
107
[式中、Xは、ハイドロキノン、レゾルシノール、ビス(4-ヒドロキシジフェニル)メタン、ビスフェノールA、ジヒドロキシジフェニル、ジヒドロキシナフタレン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)ケトンおよびビス(4-ヒドロキシフェニル)サルファイドからなる群より選ばれる化合物から誘導される二価の基である。nは0~5の整数であり、n数の異なるリン酸エステルの混合物の場合は0~5の平均値である。R

、R

、R

、およびR

はそれぞれ独立して1個以上のハロゲン原子で置換したもしくは置換していないフェノール、クレゾール、キシレノール、イソプロピルフェノール、ブチルフェノール、およびp-クミルフェノールからなる群より選ばれる化合物より誘導される一価の基である。]
5.前項1~4のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる成形品。
【0009】
以下、更に本発明の詳細について説明する。
【0010】
(A成分:芳香族ポリカーボネート樹脂)
本発明でA成分として使用される芳香族ポリカーボネート樹脂は、二価フェノールとカーボネート前駆体とを反応させて得られるものである。反応方法の一例として界面重合法、溶融エステル交換法、カーボネートプレポリマーの固相エステル交換法、および環状カーボネート化合物の開環重合法などを挙げることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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