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公開番号2024053080
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-12
出願番号2024035789,2020026085
出願日2024-03-08,2020-02-19
発明の名称ケラチノサイトの増殖促進剤、及び発育毛関連因子調節剤
出願人大正製薬株式会社
代理人弁理士法人 小野国際特許事務所
主分類A61K 8/63 20060101AFI20240405BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】毛包を成長期に誘導し、その状態を維持することにより、毛髪の成長を促すケラチノサイトの増殖促進剤を提供すること及びミノキシジルをより強い活性体であるミノキシジルサルフェートへの変換を促進するミノキシジル活性化剤を提供すること。
【解決方法】グリチルレチン酸類有効成分とする、ミノキシジル活性化剤。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
グリチルレチン酸類を有効成分とする、ミノキシジルの代謝活性化剤。
続きを表示(約 190 文字)【請求項2】
ミノキシジルサルフェートへの変換促進作用に基づくものである、請求項1に記載のミノキシジルの代謝活性化剤。
【請求項3】
スルホトランスフェラーゼの産生促進作用に基づくものである、請求項1に記載のミノキシジルの代謝活性化剤。
【請求項4】
SULT1A1の産生促進作用に基づくものである、請求項1に記載のミノキシジルの代謝活性化剤。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ミノキシジルの代謝活性化剤、ケラチノサイトの増殖促進剤及び発育毛関連因子調節剤に関する。
続きを表示(約 6,700 文字)【背景技術】
【0002】
毛包は、主に外胚葉由来の上皮系細胞と中胚葉由来の間葉系細胞より構成されており、これらの細胞の相互作用により発生と再生が起こる。毛周期と呼ばれる再生と退縮のプロセスを生涯繰り返す器官である。休眠中の毛包幹細胞が活性化することで、成長期(anagen)が始まる。成長期には、間葉系の毛乳頭細胞や上皮系細胞からの発毛シグナルとなる成長因子(VEGF、HGF、IGF-1、FGF7、Wnt、Nogginなど)の産生が盛んになり、毛(毛幹)の材料となる毛母細胞などの上皮系細胞の分裂が活発化し、毛が伸長する。成長期の最後になると毛乳頭や皮下脂肪などの間葉系細胞より脱毛シグナルとなる成長因子(BMP、TGF-β等)の産生が盛んになり、毛包が退行期(catagen)に移行する。退行期には毛母が細胞分裂を停止し、アポトーシスにより細胞数が減少する。その後、休止期(telogen)を経て、再度成長期に移行する(非特許文献1)。つまり、毛の成長を促すためには、毛の材料となる毛包の上皮系細胞(ケラチノサイト)の増殖を直接的に活性化することや、発毛シグナルとなる成長因子の産生を高め、あるいは脱毛シグナルとなる成長因子の産生を低下させて毛包の成長期を誘導・維持することが重要である。
【0003】
ミノキシジルは、男性型脱毛症をはじめとして、種々の脱毛症の治療に用いられる発育毛成分である。ミノキシジルはそれ自体でも活性を示すが、毛包の上皮系細胞、特に下部外毛根鞘細胞を中心に存在するスルホトランスフェラーゼにより代謝され、硫酸化体であるミノキシジルサルフェートに変換される(非特許文献2)。ミノキシジルサルフェートは、ミノキシジルよりも毛包に対する強い活性を示すことから、ミノキシジルの活性本体であると考えられる(非特許文献3)。スルホトランスフェラーゼには複数のサブタイプが存在するが、毛組織でのミノキシジルの変換には、それらのサブタイプのうちSULT1A1が大きく関与しており、その活性とミノキシジルによる脱毛症の治療効果が相関することが明らかになっている(非特許文献4、5)。ミノキシジルやミノキキシジルサルフェートは、毛乳頭細胞の細胞膜に存在するスルホニルウレア受容体(SUR)や、各種細胞のミトコンドリアに存在するSURに作用することで、KATPチャネルを開放し、発毛シグナルの産生を高めたり、細胞増殖を活発化・細胞死を抑制し、発育毛作用を示す(非特許文献6)。つまり、毛包組織で局所的にSULT1A1の量や活性を高めること、また受容体であるSURの量を高めることで、全身的な副作用の増強なしに、ミノキシジルの発育毛作用を向上させることができ、いわゆるミノキシジルノンレスポンダー(ミノキシジルによる脱毛症治療効果が十分に現れない人)に対して治療効果を発揮させることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2016-121134号公報
特開2007-022919号公報
【非特許文献】
【0005】
荒瀬誠治ら著「アンチエイジングシリーズ1 白髪・脱毛・育毛の実際」エヌ・ティー・エス、2005年7月4日、p.1-34,65-77
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【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、生体内において、ミノキシジルからより強い活性体であるミノキシジルサルフェートへの変換を促進することにより、ミノキシジルの発育毛作用が十分に現れない状態を改善するミノキシジルの代謝活性化剤を提供すること並びに毛髪の成長を促すケラチノサイト増殖活性化剤及び発育毛関連因子調節剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで発明者らは鋭意検討した結果、ジフェンヒドラミン、グリチルレチン酸類及びヒノキチオールに、スルホトランスフェラーゼであるSULT1A1の産生促進作用に基づき、ミノキシジルからより強い活性体であるミノキシジルサルフェートへの変換を促進する作用を有すること、さらにケラチノサイトの増殖を直接的に活性化したり、様々な発育毛関連因子を制御する作用を有することを解明し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、
(1)グリチルレチン酸類を有効成分とする、ミノキシジルの代謝活性化剤、
(2)ミノキシジルサルフェートへの変換促進作用に基づくものである、(1)記載のミノキシジルの代謝活性化剤、
(3)スルホトランスフェラーゼの産生促進作用に基づくものである、(1)記載のミノキシジルの代謝活性化剤、
(4)SULT1A1の産生促進作用に基づくものである、(1)に記載のミノキシジルの代謝活性化剤、
(5)ジフェンヒドラミン又はその塩、グリチルレチン酸類及びヒノキチオールからなる群から選択される、少なくとも1種を有効成分とする、ケラチノサイトの増殖促進剤、
(6)ジフェンヒドラミン又はその塩、グリチルレチン酸類及びヒノキチオールからなる群から選択される、少なくとも1種を有効成分とする、BMPシグナルの抑制剤、
(7)有効成分がジフェンヒドラミン又はその塩及びグリチルレチン酸類からなる群から選択される、少なくとも1種であって、FSTの産生促進作用に基づくものである(6)記載のBMPシグナルの抑制剤、
(8)有効成分がヒノキチオールであって、NOGの産生促進作用に基づくものである(6)記載のBMPシグナルの抑制剤、
(9)有効成分がグリチルレチン酸類及びヒノキチオールからなる群から選択される、少なくとも1種であって、BMP2の産生抑制作用に基づくものである(6)記載のBMPシグナルの抑制剤、
(10)ジフェンヒドラミン又はその塩、グリチルレチン酸類及びヒノキチオールからなる群から選択される、少なくとも1種を有効成分とする、WNTシグナルの活性化剤、
(11)有効成分がグリチルレチン酸類及びヒノキチオールからなる群から選択される、少なくとも1種であって、LEF1の産生促進作用に基づくものである(10)記載のWNTシグナルの活性化剤、
(12)有効成分がグリチルレチン酸類及びヒノキチオールからなる群から選択される、少なくとも1種であって、AXIN2の産生促進作用に基づくものである(10)記載のWNTシグナルの活性化剤、
(13)有効成分がジフェンヒドラミン又はその塩及びヒノキチオールからなる群から選択される、少なくとも1種であって、DKK1の産生抑制作用に基づくものである(10)記載のWNTシグナルの活性化剤、
(14)ジフェンヒドラミン又はその塩、グリチルレチン酸類及びヒノキチオールからなる群から選択される、少なくとも1種を有効成分とする、FGF2の産生促進剤、
(15)グリチルレチン酸類及びヒノキチオールからなる群から選択される、少なくとも1種を有効成分とする、FGF7の産生促進剤、
(16)ジフェンヒドラミン又はその塩及びヒノキチオールからなる群から選択される、少なくとも1種を有効成分とする、VEGFAの発現促進剤、
(17)グリチルレチン酸類及びヒノキチオールからなる群から選択される、少なくとも1種を有効成分とする、VCANの産生促進剤、
(18)ジフェンヒドラミン又はその塩、グリチルレチン酸類及びヒノキチオールからなる群から選択される、少なくとも1種を有効成分とする、KITLの産生促進剤、
(19)ジフェンヒドラミン又はその塩及びヒノキチオールからなる群から選択される、少なくとも1種を有効成分とする、COL17A1の産生促進剤、
である。
【発明の効果】
【0009】
本発明のミノキシジルの代謝活性化剤は、ミノキシジルからより強い活性体であるミノキシジルサルフェートへの変換を促進する作用により、ミノキシジルノンレスポンダーに対しても発育毛効果を発揮し得る。また本発明のケラチノサイト増殖促進剤及び各発育毛関連因子調節剤は、これを頭髪に適用することにより、様々な機序を介して、発毛、育毛、白髪の予防・改善等において優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、試験例1において、各化合物のケラチノサイト増殖に及ぼす影響を評価した結果を示すグラフである。
図2は、試験例2において、ケラチノサイトにおける各化合物のSULT1A1発現に及ぼす影響を評価した結果を示すグラフである。
図3は、試験例2において、ケラチノサイトにおける各化合物のFST発現に及ぼす影響を評価した結果を示すグラフである。
図4は、試験例2において、ケラチノサイトにおける各化合物のLEF1発現に及ぼす影響を評価した結果を示すグラフである。
図5は、試験例2において、ケラチノサイトにおける各化合物のAXIN2発現に及ぼす影響を評価した結果を示すグラフである。
図6は、試験例2において、ケラチノサイトにおける各化合物のFGF2発現に及ぼす影響を評価した結果を示すグラフである。
図7は、試験例2において、ケラチノサイトにおける各化合物のKITL発現に及ぼす影響を評価した結果を示すグラフである。
図8は、試験例2において、ケラチノサイトにおける各化合物のCOL17A1発現に及ぼす影響を評価した結果を示すグラフである。
図9は、試験例3において、毛乳頭細胞における各化合物のNOG発現に及ぼす影響を評価した結果を示すグラフである。
図10は、試験例3において、毛乳頭細胞における各化合物のBMP2発現に及ぼす影響を評価した結果を示すグラフである。
図11は、試験例3において、毛乳頭細胞における各化合物のFGF2発現に及ぼす影響を評価した結果を示すグラフである。
図12は、試験例3において、毛乳頭細胞における各化合物のFGF7発現に及ぼす影響を評価した結果を示すグラフである。
図13は、試験例3において、毛乳頭細胞における各化合物のVEGFA発現に及ぼす影響を評価した結果を示すグラフである。
図14は、試験例3において、毛乳頭細胞における各化合物のVCAN発現に及ぼす影響を評価した結果を示すグラフである。
図15は、試験例3において、毛乳頭細胞における各化合物のDKK1発現に及ぼす影響を評価した結果を示すグラフである。
図16は、試験例3において、毛乳頭細胞における各化合物のDKK1発現に及ぼす影響を評価した結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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