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公開番号2024052402
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-11
出願番号2022159093
出願日2022-09-30
発明の名称車両の制駆動制御装置
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人個人,個人
主分類B60W 10/04 20060101AFI20240404BHJP(車両一般)
要約【課題】 ブレーキオーバーライドシステム(BOS)が搭載されている車両10の制駆動制御装置に於いて、運転者の選択により、BOSを作動させないか、駆動出力の制限の程度を緩くできるようにする。
【解決手段】 車両の制駆動制御装置50は、運転者により操作されてBOSの作動と作動解除若しくは作動軽減とを選択するスイッチ手段60を有し、スイッチ手段に於いてBOSの作動が選択されているときには、ブレーキペダルの踏込みがあるときの発生可能な駆動力を、ブレーキペダルの踏込みがないときに比して、低く制限するBOSが作動され、スイッチ手段に於いてBOSの作動解除若しくは作動軽減が選択されているときには、BOSを作動しないか、発生可能な駆動力の制限量が小さく設定される。
【選択図】 図2
特許請求の範囲【請求項1】
ブレーキオーバーライドシステムが搭載された車両の制駆動制御装置であって、
アクセルペダルの踏込みに応答して駆動力を発生するよう構成された駆動制御手段と、
ブレーキペダルの踏込みに応答して制動力を発生するよう構成された制動制御手段と、
運転者により操作されてブレーキオーバーライドシステムの作動と作動解除若しくは作動軽減とを選択するスイッチ手段と
を含み、
前記スイッチ手段に於いて前記ブレーキオーバーライドシステムの作動が選択されているときには、前記ブレーキペダルの踏込みがあるときの発生可能な前記駆動力を、前記ブレーキペダルの踏込みがないときに比して、低く制限するブレーキオーバーライドシステムが作動され、前記スイッチ手段に於いて前記ブレーキオーバーライドシステムの作動解除若しくは作動軽減が選択されているときには、前記ブレーキオーバーライドシステムを作動しないか、前記ブレーキペダルの踏込みがあるときの前記発生可能な駆動力の制限量が、前記スイッチ手段に於いて前記ブレーキオーバーライドシステムの作動が選択されているときに比して小さく設定される装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等の車両の制駆動制御装置に係り、より詳細には、ブレーキオーバーライドシステムの搭載された車両の制駆動制御装置に係る。
続きを表示(約 3,700 文字)【背景技術】
【0002】
自動車等の車両に於いて、アクセルがオン状態(例えば、アクセルペダル踏込量>0)であっても、ブレーキペダルが踏込まれたときには、駆動出力(駆動力又は駆動トルク)を制限して、制動力又は制動トルクの発生を優先させるブレーキオーバーライドシステム(BOS)が提案され、実用化されている。BOSによれば、運転者がアクセルペダルから足を放したにもかかわらず、アクセルペダルが戻らなかったとしても、ブレーキペダルを踏込むことで、駆動出力が制限されて、車両が安全に停車されることとなる。かかるBOSに関しては、種々の構成が提案されている。例えば、特許文献1に於いては、運転者が意図的にアクセルペダルとブレーキペダルとを同時に踏み込んだ場合やブレーキペダルに足を添えているだけのつもりの場合にも駆動が低減され、これにより、ドライバビリティが損なわれることを回避するために、アクセルペダルとブレーキペダルとの踏込み状況に応じて運転者の制動意思を判定し、駆動出力を低減する構成に於いて、運転者の意思判定が不可能である間は駆動出力の低減を実行しないことが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開2011/074036
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
BOSの具体的な態様としては、(i)アクセルペダル→ブレーキペダルの順にペダルが踏まれた場合にアクセル開度を絞る態様、(ii)ペダルの踏込み順序に関わらずペダルが両踏みされた場合にアクセル開度を絞る態様、(iii)ブレーキペダルが踏まれている場合に、アクセルペダルの踏込み量に対する発生させる駆動力を通常時(ブレーキが踏まれていないとき)よりも低減する態様などが挙げられる。また、BOSの実施に於いて要求される仕様としては、(1)十分な車両減速度の確保、登坂発進性能及び段差乗り越え性能を大きく悪化させないこと、元々の運転者の要求駆動力を上回らないことを条件として、ペダルの踏込み順序に関わらずペダルが両踏みされた場合に駆動出力を抑制すること、(2)ブレーキペダルが放されたら、駆動出力を復帰させること、(3)ブレーキペダルが踏まれていない場合には、BOSの介入により駆動力を抑制しないこと、(4)BOSの作動/故障を運転者に知らせるために、BOSが介入して少しでも駆動出力が抑制されている状態を示すフラグ(BOS介入フラグ)、BOSが介入して要求駆動力が0又はアクセル開度0%時の駆動出力の状態を示すフラグ(BOS最大制限時フラグ)を出力することが挙げられる。BOSの実施時の形態の一つに於ける処理は、例えば、以下の如くに実行される。:BOSと干渉する制御(DSS(運転手サポートシステム)、HAC(high altitude compensator)、BH(ブレーキホールド)など)の実行の有無を判定し、それらの制御の作動中には、BOSを実行しない→アクセルペダル、ブレーキのペダル踏込み順序を判定→ペダル踏込み順序に対応したBOS制限復帰時の駆動出力のレート処理の実施の有無の判定→BOS実施時の駆動出力の制限値(BOS制限値)に対する下限値の算出(BOS実施時の駆動出力の最低下限値の設定、ペダル踏込み順序に対応したストール制御実施要否判定、ストール制御中のBOS制限値に対する下限値の算出、坂路勾配駆動力確保用下限値の算出)→アクセル要求駆動力とマスタシリンダ油圧相当トルクからBOS制限値を算出→BOS制限解除時のレート処理を実施→BOS制限値でアクセル要求駆動力の制限を実施→BOS介入フラグ/BOS 最大制限時フラグ設定。なお、Rレンジでは運転者の要求駆動力、アクセル0%時の駆動力等を正負を反転して使用する。
【0005】
ところで、スポーツ走行などの場合、運転者は、同時にアクセルペダルとブレーキペダルとを踏込み、それぞれのペダルの踏込量を調節することにより、駆動出力を調節する。その場合、BOSの作動により、ブレーキペダルが少しでも踏まれたことで、駆動出力が制限されてしまうと、駆動出力の調節が困難となる(ドライバビリティの悪化)。従って、BOSが搭載されている車両であっても、運転者の選択により、アクセルペダルとブレーキペダルとが同時に踏まれても駆動出力の制限を実施しないか、駆動出力の制限の程度を緩くできるようになっていれば、アクセルペダルとブレーキペダルとのペダル操作による駆動出力の調節が容易となり、ドライバビリティの改善が期待される。
【0006】
かくして、本発明の主な課題は、BOSが搭載されている車両の制駆動制御装置に於いて、運転者の選択により、BOSを作動させないか、駆動出力の制限の程度を緩くできる構成を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、上記の課題は、ブレーキオーバーライドシステムが搭載された車両の制駆動制御装置であって、アクセルペダルの踏込みに応答して駆動力を発生するよう構成された駆動制御手段と、ブレーキペダルの踏込みに応答して制動力を発生するよう構成された制動制御手段と、運転者により操作されてブレーキオーバーライドシステムの作動と作動解除若しくは作動軽減とを選択するスイッチ手段とを含み、前記スイッチ手段に於いて前記ブレーキオーバーライドシステムの作動が選択されているときには、前記ブレーキペダルの踏込みがあるときの発生可能な前記駆動力を、前記ブレーキペダルの踏込みがないときに比して、低く制限するブレーキオーバーライドシステムが作動され、前記スイッチ手段に於いて前記ブレーキオーバーライドシステムの作動解除若しくは作動軽減が選択されているときには、前記ブレーキオーバーライドシステムを作動しないか、前記ブレーキペダルの踏込みがあるときの前記発生可能な駆動力の制限量が、前記スイッチ手段に於いて前記ブレーキオーバーライドシステムの作動が選択されているときに比して小さく設定される装置によって達成される。
【0008】
上記の構成に於いて、「駆動制御手段」と「制動制御手段」とは、それぞれ、基本的には、通常の態様にて、車両の駆動力、制動力を制御するよう構成された手段であってよい。「ブレーキオーバーライドシステム(BOS)」とは、上記の如く、アクセルペダルの踏込みに応じて発生される駆動力を、ブレーキペダルの踏込みがあるときには、ブレーキペダルの踏込みがないときに比して、低く制限するシステムであり、具体的には、上記に既に述べた如き任意の態様にて、任意の実施形態にて実行されてよい。典型的には、後述の如く、例えば、或るアクセルペダル踏込量に於いて発生可能な駆動力が、ブレーキペダルの踏込みが大きいほど、低く抑えられるように、駆動力の制限が実行されてよい。BOSの作動解除が選択される場合には、ブレーキペダルの踏込みがあっても、上記のBOSによる駆動力の制限が実行されない。また、BOSの作動軽減が選択される場合には、ブレーキペダルの踏込みがあるときの発生可能な駆動力の制限量が、ブレーキオーバーライドシステムの作動が選択されているときに比して小さく設定される、即ち、発生可能な駆動力の制限の程度が緩和される。「スイッチ手段」は、運転者により操作可能な任意の形式のスイッチであってよい。スイッチ手段は、常時、BOSを作動状態とし、運転者の操作により、BOSの作動解除又は作動軽減が選択できるようになっていてよいが、この逆であってもよい。
【0009】
上記の構成に於いては、端的に述べれば、BOSは、運転者の選択により、作動されるか、作動解除若しくは作動軽減の状態となる。かかる構成によれば、運転者が、同時にアクセルペダルとブレーキペダルとを踏込み、それぞれのペダルの踏込量を調節することにより、駆動出力を調節したいときには、スイッチ手段を通じて、BOSの作動解除又はBOSの作動軽減を選択することにより、BOSによる駆動力の制限が実行されないか、駆動力の制限の程度が緩和され、アクセルペダルとブレーキペダルとの踏込みの調節による駆動出力の調節が容易となり、ドライバビリティが改善されることとなる。
【発明の効果】
【0010】
かくして、上記の本発明の装置によれば、BOSの作動の有無又は作動の程度が運転者の選択により決定できることとなるので、スポーツ走行などの場合に、運転者の意図しない駆動力の制限が回避でき、運転者の要求に合致した駆動力を提供できることとなる。本発明の構成は、BOSの搭載される任意の駆動形式の車両に適用されてよく、エンジン車両、ハイブリッド車両、任意の形式の電動車に適用されてよい。
(【0011】以降は省略されています)

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