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公開番号2024051825
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-11
出願番号2022158167
出願日2022-09-30
発明の名称全芳香族ポリアミド溶液、及び全芳香族ポリアミド溶液の製造方法
出願人帝人株式会社
代理人個人
主分類C08J 3/02 20060101AFI20240404BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】非プロトン性有機極性溶媒に無機塩、有機塩などを併用することなく、全芳香族ポリアミド溶液を提供する。
【解決手段】全芳香族ポリアミドと、下記(a)~(c)のいずれかに記載の溶媒の少なくとも1種とを含有する全芳香族ポリアミド溶液であって、該全芳香族ポリアミド溶液中に含まれる、無機化合物由来のイオンを含有する塩の含有量が10,000PPM以下である。
(a)10質量%以上の有機強塩基と非プロトン性有機溶媒とを含有する共溶媒
(b)有機強塩基とプロトン性溶媒から合成される塩
(c)有機強塩基とプロトン性溶媒から合成されるイオン性液体
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
全芳香族ポリアミドと、下記(a)~(c)のいずれかに記載の溶媒の少なくとも1種とを含有する全芳香族ポリアミド溶液であって、該全芳香族ポリアミド溶液中に含まれる、無機化合物由来のイオンを含有する塩の含有量が10,000PPM以下であることを特徴とする全芳香族ポリアミド溶液。
(a)10質量%以上の有機強塩基と非プロトン性有機溶媒とを含有する共溶媒
(b)有機強塩基とプロトン性溶媒から合成される塩
(c)有機強塩基とプロトン性溶媒から合成されるイオン性液体
続きを表示(約 450 文字)【請求項2】
請求項1に記載の
(b)有機強塩基とプロトン性溶媒から合成される塩
(c)有機強塩基とプロトン性溶媒から合成されるイオン性液体
に、さらに非プロトン性有機溶媒が含まれている請求項1記載の全芳香族ポリアミド溶液。
【請求項3】
全芳香族ポリアミド溶液中に、共晶混合物が含まれている請求項1記載の全芳香族ポリアミド溶液。
【請求項4】
全芳香族ポリアミド貧溶媒である水、アルコール、カルボン酸などのプロトン性溶媒を含有する全芳香族ポリアミド凝固液に有機強塩基、又は有機強塩基と二酸化炭素を添加し、有機強塩基とプロトン性溶媒を含有する塩及びイオン液体、又は、有機強塩基とプロトン性溶媒と二酸化炭素を含有する塩及びイオン液体に変化させることを特徴とする全芳香族ポリアミド溶液の製造方法。
【請求項5】
請求項1に記載の全芳香族ポリアミド溶液を湿式紡糸用ドープとして用いることを特徴とする全芳香族ポリアミド繊維の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、全芳香族ポリアミドと、有機強塩基、又は有機強塩基とプロトン性溶媒から合成される塩、又は有機強塩基とプロトン性溶媒から合成されるイオン性液体を含む溶媒と、を含む全芳香族ポリアミド溶液、及び全芳香族ポリアミド溶液の製造方法に関するものである。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
全芳香族ポリアミド(アラミド)は芳香族構造を含むポリアミドであり、パラアラミドとメタアラミドとがある。パラアラミド繊維としては、例えば、ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維(デュポン製「Kevlar」(登録商標)、帝人製「Twaron」(登録商標))、コポリパラフェニレン-3,4’-オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維(帝人製「Technora」(登録商標))などがある。このようなパラアラミドは溶解性が低く、決められた溶媒(濃硫酸)のみにしか溶解しなかった。しかしながら硫酸は有害物であり、作業者に危険を及ぼすことがある。また金属腐食性が高く、プロセスの配管腐食などの原因にもなりうる。
【0003】
特許文献1~3には、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)、ヘキサメチルホスホルアミド(HMPA)などの非プロトン性極性有機溶媒中に塩化リチウム、塩化カルシウムなどの無機塩を溶解させた溶剤に溶解させる方法が開示されている。
【0004】
一般的に、ポリマー溶液からポリマーを凝固させるためには、水などの貧溶媒を使用する必要があるが、非プロトン性有機極性溶媒と無機塩、又は第4級アンモニウム塩などの有機塩を用いた溶媒系では、非プロトン性有機極性溶媒と、無機塩又は第4級アンモニウム塩などの有機塩と、水などの貧溶媒、の3成分以上の分離・回収が必要となる。
【0005】
そこで、特許文献4には、非プロトン性有機極性溶媒と無機塩、有機塩からなる水溶液から非プロトン性有機極性溶媒を回収する方法が開示されているが、該方法においては、ハロゲン系溶媒で抽出する工程、該ハロゲン系溶媒を蒸留する工程などが含まれており、回収工程が複雑化するという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開昭52-46982号公報
特開平4-226533号公報
特開2006-241624号公報
特開2002-1008号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、かかる従来技術における問題点を解消し、非プロトン性有機極性溶媒に無機塩、有機塩などを併用することなく、従って、ハロゲン系溶媒で抽出する工程、該ハロゲン系溶媒を蒸留する工程などの回収工程が簡素化できる全芳香族ポリアミド溶液を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記の課題を解決するために鋭意検討をおこなった結果、有機強塩基と非プロトン性有機溶媒とを含有する共溶媒、又は有機強塩基とプロトン性溶媒からなる塩、又は有機強塩基とプロトン性溶媒からなるイオン性液体を含む溶媒を使用するとき、無機塩、有機塩を使用しないで全芳香族ポリアミド溶液が提供できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明によれば、
1.全芳香族ポリアミドと、下記(a)~(c)のいずれかに記載の溶媒の少なくとも1種とを含有する全芳香族ポリアミド溶液であって、該全芳香族ポリアミド溶液中に含まれる、無機化合物由来のイオンを含有する塩の含有量が10000PPM以下であることを特徴とする全芳香族ポリアミド溶液、
(a)10質量%以上の有機強塩基と、非プロトン性有機溶媒とを含有する共溶媒
(b)有機強塩基とプロトン性溶媒から合成される塩
(c)有機強塩基とプロトン性溶媒から合成されるイオン性液体、
2.上記1に記載の
(b)有機強塩基とプロトン性溶媒から合成される塩
(c)有機強塩基とプロトン性溶媒から合成されるイオン性液体
に、さらに非プロトン性有機溶媒が含まれている上記1記載の全芳香族ポリアミド溶液、
3.全芳香族ポリアミド溶液中に、共晶混合物が含まれている上記1記載の全芳香族ポリアミド溶液、
4.全芳香族ポリアミド貧溶媒である水、アルコール、カルボン酸などのプロトン性溶媒を含有する全芳香族ポリアミド凝固液に有機強塩基、又は有機強塩基と二酸化炭素を添加し、有機強塩基とプロトン性溶媒を含有する塩及びイオン液体、又は、有機強塩基とプロトン性溶媒と二酸化炭素を含有する塩及びイオン液体に変化させることを特徴とする全芳香族ポリアミド溶液の製造方法、
及び、
5.上記1に記載の全芳香族ポリアミド溶液を湿式紡糸用ドープとして用いることを特徴とする全芳香族ポリアミド繊維の製造方法、
が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、非プロトン性有機極性溶媒に無機塩、有機塩などを併用しない全芳香族ポリアミド溶液が提供できるので、ハロゲン系溶媒で抽出する工程、該ハロゲン系溶媒を蒸留する工程などの回収工程が簡素化できる全芳香族ポリマー溶液が提供できる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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