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公開番号2024051771
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-11
出願番号2022158094
出願日2022-09-30
発明の名称熱可塑性樹脂プリプレグシートの製造方法および製造装置
出願人福井県
代理人
主分類B29B 15/12 20060101AFI20240404BHJP(プラスチックの加工;可塑状態の物質の加工一般)
要約【課題】低コストかつ繊維分散性に優れた熱可塑性樹脂プリプレグシートを得るための製造方法及び製造装置について提供することを目的とする。
【解決手段】長繊維材料を走行させ熱可塑性樹脂材料を含浸させる熱可塑性樹脂プリプレグシートの製造方法および製造装置であって、長繊維材料に目付け20~80g/m2の開繊糸シートSaを用い、第1ガイド部材32aと第2ガイド部材34aの間に熱可塑性樹脂材料が吐出する樹脂付着部材33aを少なくとも1つ以上配置し、前記開繊糸シートに張力を付与して前記各部材に接触走行させて前記開繊糸シートの少なくとも片面に前記熱可塑性樹脂材料を付着させた後、加熱加圧にて前記熱可塑性樹脂材料を前記開繊糸シートの各繊維間に含浸させる方法及び装置。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
長繊維材料を繊維長方向に引き揃えて走行させ熱可塑性樹脂材料を含浸させる熱可塑性樹脂プリプレグシートの製造方法であって、前記長繊維材料に繊維が幅方向に分散された目付け20~80g/m

の開繊糸シートを用い、曲面形状の当接面がそれぞれ形成されている第1ガイド部材と第2ガイド部材を前記開繊糸シートの走行方向に所定の間隔を設けて配置し、前記第1ガイド部材と前記第2ガイド部材の間に、溶融した熱可塑性樹脂材料が連続して吐出する吐出口を有した曲面形状の当接面が形成されている樹脂付着部材を少なくとも1つ以上配置し、繊維長方向に張力を付与した前記開繊糸シートを前記第1ガイド部材の前記当接面に接触させながら走行後、少なくとも1つ以上の前記樹脂付着部材の前記当接面に摺接させながら走行させて、前記開繊糸シートの少なくとも片面に前記熱可塑性樹脂材料を付着させた樹脂付着シートとした後、前記第2ガイド部材の前記当接面に前記樹脂付着シートを接触させながら走行させて、その後、前記樹脂付着シートを張力が付与された状態で走行させながら加熱加圧して前記熱可塑性樹脂材料を含浸させる熱可塑性樹脂プリプレグシートの製造方法。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
前記第1ガイド部材、前記樹脂付着部材、および前記第2ガイド部材のそれぞれの前記当接面に接触して走行する前記開繊糸シートまたは前記樹脂付着シートの張力において、それぞれの前記当接面に接触する前の張力である接触前張力と接触した後の張力である接触後張力の関係が、それぞれにおいて接触前張力≦接触後張力の関係である請求項1記載の熱可塑性樹脂プリプレグシートの製造方法。
【請求項3】
前記第1ガイド部材、1つ以上の前記樹脂付着部材、および前記第2ガイド部材のそれぞれの前記当接面の区間を非接触状態で走行する前記開繊糸シートまたは前記樹脂付着シートにおいて、非接触状態で走行する距離が300mm以内である請求項1に記載の熱可塑性樹脂プリプレグシートの製造方法。
【請求項4】
前記第1ガイド部材、1つ以上の前記樹脂付着部材、および前記第2ガイド部材を走行する前記開繊糸シートおよび前記樹脂付着シートが、走行方向と直行する方向に横振動する請求項1に記載の熱可塑性樹脂プリプレグシートの製造方法
【請求項5】
前記開繊糸シートの片面に前記熱可塑性樹脂材料を付着させた後、前記開繊糸シートのもう一方の面を別の樹脂付着部材に接触させながら走行させて前記開繊糸シートの両表面に前記熱可塑性樹脂材料を付着させ樹脂付着シートとする請求項1に記載の熱可塑性樹脂プリプレグシートの製造方法。
【請求項6】
前記樹脂付着シートの前記熱可塑性樹脂材料が付着している面に、繊維長方向に所定の張力を付与した別の開繊糸シートを連続して当接させながら走行させ、その後、別の第1ガイド部材、1つ以上の別の樹脂付着部材そして別の第2ガイド部材のそれぞれの当接面に順に接触させながら走行させて、熱可塑性樹脂材料を前記開繊糸シートに付着させる請求項1に記載の熱可塑性樹脂プリプレグシートの製造方法。
【請求項7】
前記開繊糸シートは、複数本の繊維束が幅方向に配列し、各々の前記繊維束は繊維が幅方向に分散されている請求項1に記載の熱可塑性樹脂プリプレグシートの製造方法。
【請求項8】
長繊維材料を繊維長方向に引き揃えて幅方向に分散させた目付け20~80g/m

の開繊糸シートを用いて熱可塑性樹脂材料を含浸させる熱可塑性樹脂プリプレグシートの製造装置であって、繊維長方向に所定の張力を付与して走行する前記開繊糸シートに曲面形状の当接面を接触させる第1ガイド部材と、前記第1ガイド部材の前記開繊糸シートの走行方向下流側に配置されるとともに溶融した熱可塑性樹脂材料を連続して吐出する吐出口を有した曲面形状の当接面を前記開繊糸シートの片面に対して押し当てて前記熱可塑性樹脂材料を付着させ樹脂付着シートを得る樹脂付着部材を少なくとも1つ以上と、前記樹脂付着部材の前記走行方向下流側に配置されるとともに前記樹脂付着シートに曲面形状の当接面を接触させる第2ガイド部材を少なくとも備えている熱可塑性樹脂プリプレグシートの製造装置。
【請求項9】
前記第1ガイド部材または/および前記第2ガイド部材が前記開繊糸シートの走行方向と直交する方向に横振動する請求項8に記載の熱可塑性樹脂プリプレグシートの製造装置。
【請求項10】
複数の前記樹脂付着部材が、前記熱可塑性樹脂材料の吐出方向を相対するようにして前記開繊糸シートの走行方向に並列して配置される請求項8に記載の熱可塑性樹脂プリプレグシートの製造装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、炭素繊維、ガラス繊維などの強化繊維が引き揃えられ束になった強化繊維束を連続して幅広く、薄い状態に開繊した開繊糸シートを用いて、PA6、PP、PPS、PEEKなどの熱可塑性樹脂材料を含浸させた繊維分散性に優れた一方向強化の熱可塑性樹脂プリプレグシートを得るための製造方法及び製造装置に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
炭素繊維、ガラス繊維などの強化繊維を補強材料にして、PA6(ポリアミド6)、PP(ポリプロピレン)、PPS(ポリフェニレンスルファイド)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂などの熱可塑性樹脂材料をマトリックスとした熱可塑性樹脂複合材料は、高強度、高弾性、軽量などの特性の他、成形性、リサイクルの観点からも注目され、航空、自動車、スポーツなどの種々の分野において使用される期待の材料である。
【0003】
熱可塑性樹脂複合材料の製造方法は成形品の形状によりいろいろな手法があるが、強化繊維の力学的な特性を活かした成形品を得るには、強化繊維を一方向に引き揃え、熱可塑性樹脂材料を含浸させた熱可塑性樹脂プリプレグシートを使用してプレス成形する手法が一般的に用いられる。
【0004】
このため、熱可塑性樹脂プリプレグシートを品質良く、かつ低コストで製造することが重要になってくる。熱可塑性樹脂プリプレグシートの製造方法にはいろいろな方法があるが、低コストな製造方法のひとつとして、熱可塑性樹脂材料の原料となる粉体、またはペレットを押出機などで溶融化させ、溶融状態となった熱可塑性樹脂材料をスリットダイから吐出して強化繊維に含浸させる方法があり、例えば、特許文献1に提案されている。
【0005】
特許文献1では、連続繊維束を均一に拡げ、非接触方式の加熱器で加熱させた後、張力をかけた状態で弓形の表面をした押出機ヘッド上を走行させながら、押出機ヘッドから連続繊維束中に溶融した熱可塑性樹脂材料を射出する方法が記載されている。押出機ヘッド上で射出された溶融樹脂が繊維間の空気を追い出して各繊維を被覆することによって熱可塑性樹脂プリプレグシートが得られると記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特公平05-068327号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載されている方法により、繊維分散性の良い開繊糸を用いて熱可塑性樹脂プリプレグシートを製造すると、繊維間隙間を生じた繊維分散性の悪い熱可塑性樹脂プリプレグシートが製造される課題がある。
【0008】
連続繊維束は無撚状態であっても、連続繊維束を構成する各繊維が全てまっすぐに配向しているわけではない。よって、連続繊維束を開繊し幅広い状態にすると各繊維はまっすぐに配向する繊維もあれば、繊維を渡って斜めに配向する繊維も存在してしまう。この状態にある開繊糸に張力を付与したとき、開繊糸全幅間において張力のムラを生じ易く、例えば、繊維長方向に対し斜めに渡る繊維などは付与される張力が小さくなる、もしくは張力が付与されない状態になってしまう。
【0009】
このような状態の開繊糸が押出機ヘッド上を走行し熱可塑性樹脂が射出されると、付与される張力が小さい、もしくは張力が付与されない弛みのある繊維は樹脂流動により幅方向に移動し、繊維分散性が悪いプリプレグシートになってしまうのである。
【0010】
また、開繊糸が押出機ヘッド上を接触走行する前工程で、開繊糸に張力を付与して非接触状態にて走行させると、斜めに配向した繊維の影響により各繊維を集束させようとする力が働き、全体的もしくは部分的に繊維が集束し、幅変動、隙間を生じた繊維分散性が悪い開繊糸となってしまう。この状態の開繊糸が押出機ヘッド上を接触走行すると、生じた隙間に樹脂が射出され、その部分は樹脂のみとなり、繊維がその隙間を埋めることが難しくなるのである。
(【0011】以降は省略されています)

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