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公開番号2024050254
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-10
出願番号2022157002
出願日2022-09-29
発明の名称圧縮木材の製造方法
出願人パナソニックIPマネジメント株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類B27K 3/34 20060101AFI20240403BHJP(木材または類似の材料の加工または保存;釘打ち機またはステープル打ち機一般)
要約【課題】簡易な方法により、圧縮木材のスプリングバックを抑制することが可能な圧縮木材の製造方法を提供する。
【解決手段】圧縮木材の製造方法は、有機酸を含有する有機酸水溶液を、厚み3mm以上のブロック状の木材に加圧含浸させる含浸工程と、有機酸水溶液を含浸した湿潤状態の木材を乾燥させる乾燥工程と、乾燥させた木材を圧縮する圧縮工程と、圧縮させた木材を、圧縮状態を維持して加熱する加熱工程と、を含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
有機酸を含有する有機酸水溶液を、厚み3mm以上のブロック状の木材に加圧含浸させる含浸工程と、
前記有機酸水溶液を含浸した湿潤状態の前記木材を乾燥させる乾燥工程と、
乾燥させた前記木材を圧縮する圧縮工程と、
圧縮させた前記木材を、圧縮状態を維持して加熱する加熱工程と、
を含む、圧縮木材の製造方法。
続きを表示(約 290 文字)【請求項2】
前記加熱工程は、水蒸気雰囲気下で圧縮状態の前記木材を加熱する工程である、請求項1に記載の圧縮木材の製造方法。
【請求項3】
前記乾燥工程は、前記木材の含水率を5~30%にする工程である、請求項1又は2に記載の圧縮木材の製造方法。
【請求項4】
前記有機酸は、クエン酸、リンゴ酸及びコハク酸からなる群より選ばれる少なくとも一つである、請求項1又は2に記載の圧縮木材の製造方法。
【請求項5】
前記有機酸水溶液において、前記有機酸の含有量は3~30質量%である、請求項1又は2に記載の圧縮木材の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮木材の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
スギやヒノキ等の針葉樹は、成長が早く入手しやすいことから、家具材料又は建材として利用されている。しかしながら、針葉樹は広葉樹に比べて軟質であって強度が低い。そのため、軟質の木材を圧縮変形することで高比重化し、主に表面硬度を向上させる技術が検討されている。そして、このような技術は、特にスギ材などの低比重で表面硬度が低い木材の利用範囲を拡大する技術として注目されている。
【0003】
一方、木材を圧縮変形することにより得られる圧縮木材は、吸湿又は吸水により圧縮が回復し、圧縮前の状態に戻ることが知られている。このようなスプリングバックと呼ばれる回復現象を減少させる手法が、従来より検討されている。
【0004】
非特許文献1では、スギ材を熱処理することにより、圧縮変形を永久固定する技術が開示されている。具体的には、非特許文献1では次のことが開示されている。まず、スギ辺材に対して水を減圧注入して、さらに95℃の熱水で加熱した後、熱板温度を105℃に設定したプレス機を用いて圧縮し、3時間熱板中で乾燥した。その後、得られた圧縮試験片を乾燥状態で保持し、温風乾燥機を用いて熱処理を行った。その結果、当該熱処理として180℃で20時間、200℃で5時間又は220℃で3時間の処理を行うことにより、圧縮木材のスプリングバックが減少し、圧縮形状がほぼ完全に固定することができた。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
井上雅文、則元京著、「熱処理による圧縮変形の永久固定」、木材研究・資料、京都大学木材研究所、1991年、第27号、p.31-40
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、非特許文献1の手法では、木材を圧縮しつつ乾燥させた後に、高温かつ長時間の熱処理を行う必要がある。そのため、圧縮木材の製造コストを削減するために、低温及び/又は短時間での熱処理により、圧縮木材のスプリングバックを抑制する手法が求められていた。
【0007】
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものである。そして、本発明の目的は、簡易な方法により、圧縮木材のスプリングバックを抑制することが可能な圧縮木材の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の態様に係る圧縮木材の製造方法は、有機酸を含有する有機酸水溶液を、厚み3mm以上のブロック状の木材に加圧含浸させる含浸工程と、有機酸水溶液を含浸した湿潤状態の木材を乾燥させる乾燥工程と、乾燥させた木材を圧縮する圧縮工程と、圧縮させた前記木材を、圧縮状態を維持して加熱する加熱工程と、を含む。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、簡易な方法により、圧縮木材のスプリングバックを抑制することが可能な圧縮木材の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本実施形態に係る圧縮木材の製造方法の一例を示す説明図である。
実施例、参考例及び比較例の圧縮木材における水蒸気加熱処理時間と当該圧縮木材の厚み変化率との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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