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公開番号2024050225
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-10
出願番号2022156949
出願日2022-09-29
発明の名称ドハティ増幅装置
出願人富士通株式会社
代理人弁理士法人酒井国際特許事務所
主分類H03F 1/32 20060101AFI20240403BHJP(基本電子回路)
要約【課題】調整時間を短縮化できるドハティ増幅装置を提供する。
【解決手段】ドハティ増幅装置は、歪補償部から歪補償後の入力信号を第1の信号及び第2の信号に分配する分配部と、第1の信号を増幅する第1の増幅部と、第2の信号を増幅する第2の増幅部を有する。ドハティ増幅装置は、第1の増幅部からの第1の信号と第2の増幅部からの第2の信号とを合成する合成部と、分配部と第1の増幅部又は第2の増幅部との間に配置され、分配部からの第1の信号又は第2の信号の位相遅延値を調整する調整部を有する。調整部は、合成部から出力する出力信号及び歪補償部に入力する入力信号に基づき、入力信号の参照電力に対する出力信号のゲインの関係を示す特性を算出する。調整部は、算出した特性を参照電力のレベルに応じて複数の領域に分類し、領域毎にゲインの統計値を算出し、領域毎の統計値に基づき、無線特性が最良となる位相遅延値を調整部に設定する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
入力信号を歪補償する歪補償部から歪補償後の入力信号を第1の信号及び第2の信号に分配する分配部と、
前記第1の信号を増幅する第1の増幅部と、
前記第2の信号を増幅する第2の増幅部と、
前記第1の増幅部からの前記第1の信号と前記第2の増幅部からの前記第2の信号とを合成する合成部と、
前記分配部と前記第1の増幅部又は前記第2の増幅部との間に配置され、前記分配部からの第1の信号又は第2の信号の位相遅延値を調整する調整部と、
を有し、
前記調整部は、
前記合成部から出力する出力信号及び前記歪補償部に入力する前記入力信号に基づき、前記入力信号の参照電力に対する前記出力信号のゲインの関係を示す特性を算出する第1の算出部と、
算出した前記特性を前記参照電力のレベルに応じて複数の領域に分類する分類部と、
分類された前記領域毎に前記ゲインの統計値を算出する第2の算出部と、
算出した前記領域毎の前記統計値に基づき、無線特性が最良となる位相遅延値を前記調整部に設定する決定部と、
を有することを特徴とするドハティ増幅装置。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記第1の算出部は、
前記歪補償部にて歪補償未適用の状態で所定の位相遅延値を調整部に設定した後、前記合成部から出力する出力信号及び前記歪補償部に入力する前記入力信号に基づき、前記特性を算出することを特徴とする請求項1に記載のドハティ増幅装置。
【請求項3】
前記第1の算出部は、
前記特性としてAM-AM(gain)特性を算出することを特徴とする請求項2に記載のドハティ増幅装置。
【請求項4】
前記調整部は、
前記第1の信号又は前記第2の信号の位相値を調整する位相調整部と、
前記位相調整部と直列に接続し、前記第1の信号又は前記第2の信号の遅延値を調整する遅延調整部と、を有し、
前記分類部は、
前記特性内の参照電力のレベルに応じてLow領域、前記Low領域のレベルよりも高いHigh領域及び、前記High領域のレベルよりも高いPeak領域に分類し、
前記決定部は、
前記Peak領域の統計値であるゲイン平均値が最大となる設定位相値を前記位相調整部に設定すると共に、
前記High領域又は前記Peak領域の統計値であるゲイン平均値が最大となる設定遅延値を前記遅延調整部に設定することを特徴とする請求項1に記載のドハティ増幅装置。
【請求項5】
前記決定部は、
前記Peak領域のゲインの低下を少なく、かつ、前記High領域及び前記Low領域の前記ゲインのバラツキを小さくして前記無線特性が最良となるように前記位相遅延値を前記調整部に設定することを特徴とする請求項4に記載のドハティ増幅装置。
【請求項6】
前記第1の算出部は、
当該ドハティ増幅装置の製品出荷前の所定タイミングで前記歪補償部にて歪補償未適用の状態で所定の位相遅延値を前記調整部に設定した後、前記合成部から出力する出力信号及び前記歪補償部に入力する前記入力信号に基づき、前記特性を算出することを特徴とする請求項1に記載のドハティ増幅装置。
【請求項7】
前記調整部は、
前記位相調整部又は前記遅延調整部に直列に接続し、前記第1の信号又は前記第2の信号の振幅パターンを調整する振幅調整部をさらに有することを特徴とする請求項4に記載のドハティ増幅装置。
【請求項8】
前記調整部は、
前記位相調整部又は前記遅延調整部に直列に接続し、前記第1の信号又は前記第2の信号の振幅周波数補正パターンを調整する振幅周波数調整部をさらに有することを特徴とする請求項4に記載のドハティ増幅装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ドハティ増幅装置に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
従来、移動通信システムの基地局を始めとする種々の電子装置において、送信電力を増幅する電力増幅器が用いられている。特に近年では、通信の高速化に伴い、消費電力の抑制等の観点から、より高い効率で送信電力を増幅することが期待されている。増幅器の効率は、出力飽和状態(非線形状態)において、最も高いことが知られており、これに対応した増幅器として、ドハティ増幅器が広く普及している。
【0003】
図28Aは、従来のドハティ増幅器100の一例を示す説明図である。図28Aに示すドハティ増幅器100は、キャリア増幅器(CA:Carrier Amplifier)101と、CA101と並列に接続されたピーク増幅器(PA:Peak Amplifier)102と、を有する。更に、ドハティ増幅器100は、第1のλ/4線路103と、第2のλ/4線路104と、第3のλ/4線路105とを有する。CA101は、常時動作するAB級バイアスのアンプである。PA102は、ドハティ増幅器100への入力電力が所定値以上の場合にのみオンとなるC級バイアスのアンプである。第1のλ/4線路103は、CA101の出力段に接続され、CA101の出力側インピーダンスを変換するための線路である。第2のλ/4線路104は、PA102の入力段に接続され、第1のλ/4線路103に起因したCA101とPA102との位相差を補償して同相とするための線路である。第3のλ/4線路105は、ドハティ増幅器100と負荷Z

との整合回路である。
【0004】
図28Bは、入力電力が所定値未満の場合のドハティ増幅器100の動作の一例を示す説明図である。例えば、入力電力が所定値未満の場合、CA101はON状態、PA102は、C級バイアスのため、OFFとなるため、CA101との合成点からPA102側を見た出力インピーダンスは理想的にはオープンとなる。CA101の出力端から見た負荷インピーダンスは、インピーダンスZ

の第1のλ/4線路103を介してZ

/2の負荷を見るため、第1のλ/4線路103がインピーダンス変換回路として動作することで2Z

となる。CA101は負荷インピーダンスが2Z

の場合、飽和電力は下がるが高効率に動作するよう設計されている。
【0005】
図28Cは、入力電力が所定値以上の場合のドハティ増幅器100の動作の一例を示す説明図である。例えば、入力電力が所定値以上の場合、CA101及びPA102両方がON状態となる。CA101及びPA102は、出力負荷Z

/2が接続された状態でCA101及びPA102が見る負荷インピーダンスはZ

となる。CA101の出力段にある第1のλ/4線路103のインピーダンスはZ

であるためインピーダンス変換は行われず、CA101の出力端から見た負荷インピーダンスもZ

となる。CA101の出力端から見た負荷インピーダンスがZ

の場合、CA101及びPA102では飽和電力が大きくなるよう設計されているため、ドハティ増幅器100として所望の飽和電力を出力することになる。
【0006】
しかしながら、従来のドハティ増幅器100では、高効率であるものの、入力電力に対して出力電力のゲイン及び位相が変化してしまうため、ドハティ増幅器100の線形性が良くない。そこで、線形性を補償する技術としてディジタルプリディストーション(DPD:Digital Predistortion)が知られている。図29は、従来のドハティ増幅装置150の一例を示す説明図である。図29に示すドハティ増幅装置150は、ドハティ増幅部151と、ドハティ増幅部151の前段に配置されたDPD152と、DAC(Digital Analog Convertor)153と、ドライバアンプ154と、ADC(Analog Digital Convertor)155とを有する。
【0007】
ドハティ増幅部151は、CA161と、PA162と、第1のλ/4線路163と、第2のλ/4線路164と、第3のλ/4線路165とを有する。CA161は、常時動作するAB級バイアスのアンプである。PA162は、入力電力が所定値以上の場合にのみオンとなるC級バイアスのアンプである。第1のλ/4線路163は、CA161の出力段に接続され、CA161の出力側インピーダンスを変換するための線路である。第2のλ/4線路164は、PA162の入力段に接続され、第1のλ/4線路に起因したCA161とPA162との位相差を補償するための線路である。第3のλ/4線路165は、CA161とPA162との出力を合成するインピーダンスと後段のインピーダンスとを整合させている線路である。
【0008】
入力電力が所定値未満の場合、CA161の出力端から見た負荷インピーダンスは、インピーダンスZ

の第1のλ/4線路163を介して出力負荷Z

/2を見るため、第1のλ/4線路163がインピーダンス変換回路として動作することで2Z

となる。これに対して、例えば、入力電力が所定値以上の場合、CA161及びPA162は、出力負荷Z

/2が接続された状態でCA161及びPA162が見る負荷インピーダンスはZ

となる。CA161の出力段にある第1のλ/4線路163のインピーダンスはZ

であるためインピーダンス変換は行われず、CA161の出力端から見た負荷インピーダンスもZ

となる。その結果、ドハティ増幅部151は、CA161で増幅した信号と、PA162で増幅した信号とを合成して出力することになる。
【0009】
DPD152は、第1のキャプチャ部152Aと、第2のキャプチャ部152Bと、演算部152Cと、歪補償部152Dとを有する。第1のキャプチャ部152Aは、入力信号の一部をREF(Reference)信号として抽出する。第2のキャプチャ部152Bは、ドハティ増幅部151の出力段から出力信号の一部をFB(Feedback)信号として抽出する。演算部152Cは、第1のキャプチャ部152Aで抽出したREF信号と、第2のキャプチャ部152Bで抽出したFB信号との差分が無くなるように歪補償係数を算出し、算出した歪補償係数を歪補償部152Dに設定する。歪補償部152Dは、設定された歪補償係数に基づき、REF信号とドハティ増幅部151の出力段のFB信号との差分が無くなるように入力信号の非線形歪を補償する。その結果、ドハティ増幅部151の出力段での出力信号の線形性を確保できる。
【0010】
DAC153は、DPD152内の歪補償部152Dで補償後の入力信号をアナログ変換し、アナログ変換後の入力信号をドライバアンプ154に出力する。ドライバアンプ154は、入力信号を規定レベルまで増幅し、増幅後の入力信号をドハティ増幅部151に出力する。
(【0011】以降は省略されています)

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