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公開番号
2024050130
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-04-10
出願番号
2022156784
出願日
2022-09-29
発明の名称
正極用集電体及び当該正極用集電体を用いた鉛蓄電池
出願人
古河電池株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
H01M
4/73 20060101AFI20240403BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】正極用集電体にグロースが生じたとしても、当該グロースによる伸びをある程度受容しながらグロースによって生ずる様々な不都合の影響を最小限に抑えることで、早期に寿命が到来してしまうことを防ぐことを可能とする。
【解決手段】耳部11を有する第1の枠骨511と、第1の枠骨511と対向する第2の枠骨512と、第1の枠骨511及び第2の枠骨512と平行に配置される複数の第1の内骨513と、第1の枠骨511或いは第2の枠骨512の少なくとも一方と接し、第1の内骨513と交差する複数の第2の内骨514と、を備え、第1の枠骨511、第2の枠骨512または第1の内骨513の端部には、第1の枠骨511と隣接する第1の内骨513、隣接する第1の内骨513同士または第2の枠骨512と隣接する第1の内骨513と第1の内骨513の端部に最も近接して配置される第2の内骨514とで囲まれる開放部515が形成されている。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
電解液及び極板群が収容されたセル室を備える鉛蓄電池の前記極板群を構成する正極用集電体であって、
耳部を有する第1の枠骨と、
前記第1の枠骨と対向する第2の枠骨と、
前記第1の枠骨及び前記第2の枠骨と平行に配置される複数の第1の内骨と、
前記第1の枠骨或いは前記第2の枠骨の少なくとも一方と接し、前記第1の内骨と交差する複数の第2の内骨と、を備え、
前記第1の枠骨、前記第2の枠骨または前記第1の内骨の端部には、前記第1の枠骨と隣接する前記第1の内骨、隣接する前記第1の内骨同士または前記第2の枠骨と隣接する前記第1の内骨と前記第1の内骨の端部に最も近接して配置される前記第2の内骨とで囲まれる開放部が形成されていることを特徴とする正極用集電体。
続きを表示(約 860 文字)
【請求項2】
前記開放部は、前記第1の枠骨及び前記第2の枠骨との間における、少なくとも前記第2の枠骨近傍に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の正極用集電体。
【請求項3】
前記開放部は、前記第1の枠骨及び前記第2の枠骨との間における、前記第1の枠骨、前記第1の内骨または前記第2の枠骨の一端側と他端側とで、形成位置が異なることを特徴とする請求項1に記載の正極用集電体。
【請求項4】
前記開放部は、前記第1の枠骨及び前記第2の枠骨との間における、前記第1の枠骨、全ての前記第1の内骨及び前記第2の枠骨の端部において形成されていることを特徴とする請求項1に記載の正極用集電体。
【請求項5】
前記第1の内骨と前記第2の内骨の一方、或いは両方とは接し、前記第1の枠骨及び前記第2の枠骨とは接しない自由内骨をさらに備えていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の正極用集電体。
【請求項6】
電解液及び極板群が収容されたセル室を備えた鉛蓄電池であって、
前記極板群は、交互に配置された複数枚の正極板及び負極板と、前記正極板と前記負極板との間に配置されたセパレータと、からなる積層体を有し、
前記正極板は、正極用集電体と正極用活物質を含む正極合剤とを有し、
前記正極用集電体は、
耳部を有する第1の枠骨と、
前記第1の枠骨と対向する第2の枠骨と、
前記第1の枠骨及び前記第2の枠骨と平行に配置される複数の第1の内骨と、
前記第1の内骨と交差する複数の第2の内骨と、を備え、
前記第1の枠骨、前記第2の枠骨または前記第1の内骨の端部には、前記第1の枠骨と隣接する前記第1の内骨、隣接する前記第1の内骨同士または前記第2の枠骨と隣接する前記第1の内骨と前記第1の内骨の端部に最も近接して配置される前記第2の内骨とで形成される開放部が設けられていることを特徴とする鉛蓄電池。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明の実施の形態は、正極用集電体及び当該正極用集電体を用いた鉛蓄電池に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)
【背景技術】
【0002】
近年の環境問題の深刻化と排出ガス規制に対応するため、例えば、停車時に一時的にエンジンを停止させるアイドリングストップ機能を搭載した自動車(以下、「ISS車」と表記する。)が普及している。ISS車は、信号待ち等で停車した際のアイドリングによる燃料の消費を抑制できるので、燃費が向上しさらに排出ガス量も低減できる。
【0003】
但し上記のようなISS車に搭載された鉛蓄電池は、早期寿命に至りやすいことが知られている。この理由としては、ISS車では、信号待ち等でエンジンが停止した際、エアコン、ライト、ワイパー、カーナビ等の機器へ電力を供給するため、鉛蓄電池が深い放電深度まで使用されること、また、発進時にエンジンを再始動するための放電と、オルタネーターや回生ブレーキによる充電を繰り返すことなどにより、鉛蓄電池に大きな負荷がかかることが挙げられる。
【0004】
このような鉛蓄電池の構造は、一般的には、極板群と、硫酸を含む電解液と、を備えている。そして当該鉛蓄電池の極板群は、交互に配置された複数枚の正極板及び負極板と、正極板と負極板との間に配置されたセパレータと、からなる積層体を有する。そして、正極板は、正極用集電体と正極用活物質を含む正極合剤とを有し、正極用活物質は二酸化鉛を含有し、正極用集電体は、長方形の格子状基板と格子状基板に連続する耳とを有し、格子状基板に正極合剤が保持されている。複数枚の正極板の正極集電体の耳は正極ストラップで連結されている。
【0005】
負極板は、負極用集電体と負極用活物質を含む負極合剤とを有し、負極用活物質は金属鉛を含有し、負極用集電体は、長方形の格子状基板と格子状基板に連続する耳とを有し、格子状基板に負極合剤が保持されている。複数枚の負極板の負極用集電体の耳は負極ストラップで連結されている。正極用集電体及び負極用集電体は主に鉛又は鉛合金からなり、格子状基板の開口部に正極合剤及び負極合剤が充填されている。
【0006】
格子状基板としては、例えば、以下の特許文献1に示されているように、枠骨と枠骨に囲まれた中骨とを有する構造のものが従来知られている。枠骨は、上側に配置され耳が形成される上枠骨と、下側に配置される下枠骨と、上下の枠骨の端部同士を接続する左枠骨及び右枠骨とを有する。中骨は、複数本の縦中骨及び横中骨を有する。格子状基板は少なくとも、枠骨と中骨とによって囲まれる領域として規定される開口部に活物質が充填されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2007-123204号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながらこのような鉛蓄電池の寿命要因の1つとして挙げられるのが、正極用集電体の格子状基板の腐食と膨張に伴う正極用集電体全体の膨張、変形である。このような正極用集電体の変形はグロースと呼ばれている。グロースが生じると、正極用集電体の一部が湾曲して折損し、その折損端がセパレータを突き破り対向する負極板と接触する。または上側へ膨張して負極ストラップ等の負極の一部に接触して内部短絡を起こし、鉛蓄電池が早期に寿命に至るおそれがある。また、正極用集電体の変形は、正極活物質の剥離又は脱落を招き、早期の容量低下の原因になる。上述するような事情により、鉛蓄電池を設計する際には、正極用集電体のグロースへの対策を講じる必要がある。
【0009】
また、鉛蓄電池については、欧州の規格に合わせたEN電池というのが出てきている。当該EN電池は、耳が形成される上枠骨と下枠骨との高さ方向の長さよりも左枠骨と右枠骨との横方向の長さが長い横長の格子状となる。高さ方向のグロースの伸びは、耳に接続される、例えばストラップ等によって抑えることができるが、横方向に現れる湾曲については、より影響が顕著に表れる。
【0010】
つまり、高さ方向に現れるグロースを抑えてしまうと横方向に現れるグロースにより上述したような湾曲による枠骨や中骨の折損が生じ、その折損端がセパレータを突き破り短絡が生ずるような不都合が発生しかねない。
(【0011】以降は省略されています)
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