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公開番号2024049630
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-10
出願番号2022155974
出願日2022-09-29
発明の名称無線通信システム、無線通信方法、及び、コンピュータプログラム
出願人日本電気株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類H04B 7/06 20060101AFI20240403BHJP(電気通信技術)
要約【課題】通信容量が低下する影響を低減可能な無線通信システムを提供する。
【解決手段】無線通信システムSYSは、複数の無線送信信号tx(k)を含む無線信号TXを複数の送信アンテナ素子11を用いて送信する送信装置1と、無線信号を、複数の受信アンテナ素子21を用いて複数の無線受信信号ry(k)として受信する受信装置2とを備える。受信装置は、無線受信信号に対して信号分離処理を行うことで複数の分離受信信号x’(k)を生成し、分離受信信号の相関関係γijを生成し、相関関係に基づいて位相制御情報ΔΦ(k)を生成する。送信装置は、複数の送信信号x(k)に対して信号合成処理を行うことで複数の合成送信信号s(k)を生成し、合成送信信号の位相を位相制御情報に基づいて算出した位相移動量だけ調整する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
複数の送信信号に対して信号合成処理を行うことで複数の合成送信信号を生成し、前記複数の合成送信信号から生成される複数の無線送信信号を含む無線信号を、複数の送信アンテナ素子を用いて送信する送信装置と、
前記送信装置が送信した前記無線信号を、複数の受信アンテナ素子を用いて複数の無線受信信号として受信する受信装置と
を備える無線通信システムであって、
前記受信装置は、
前記複数の無線受信信号に対して信号分離処理を行うことで、複数の分離受信信号を生成する受信信号生成手段と、
前記複数の分離受信信号の間の相関関係を示す相関情報を生成する相関情報生成手段と、
前記相関情報に基づいて、前記複数の合成送信信号の位相と通信容量との間の関係を示す位相制御情報を生成する位相制御情報生成手段と、
前記位相制御情報を前記送信装置に送信する送信手段と
を備え、
前記送信装置は、
前記送信手段が送信した前記位相制御情報を受信する受信手段と、
前記複数の送信信号に対して前記信号合成処理を行うことで、前記複数の合成送信信号を生成する送信信号生成手段と、
前記受信手段が受信した前記位相制御情報に基づいて、前記複数の合成送信信号の夫々の位相の移動量を示す位相移動量を算出する位相算出手段と、
前記複数の合成送信信号の夫々の位相を、前記位相算出手段が算出した前記位相移動量だけ調整する位相調整手段と
を備える無線通信システム。
続きを表示(約 1,800 文字)【請求項2】
前記相関情報生成手段は、
前記複数の分離受信信号のうちの第1の分離受信信号と、前記複数の分離受信信号のうちの前記第1の分離受信信号とは異なる第2の分離受信信号の複素共役との間の相互相関関係、及び、前記第1の分離受信信号と前記第1の分離受信信号の複素共役との間の自己相関関係を含む前記相関関係を算出し、
前記相関関係を送信信号電力で正規化することで、正規化された前記相関関係を示す前記相関情報を生成する
を備える請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項3】
前記位相制御情報生成手段は、
前記相関情報が行列成分となる第1正方行列を生成し、
前記信号合成処理に用いられるユニタリ行列と、前記第1正方行列と、前記ユニタリ行列のエルミート転置行列との乗算によって得られる第2正方行列の対角成分の虚数成分を用いて、前記位相制御情報を生成する
請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項4】
前記位相算出手段は、
前記受信手段が受信した位相制御情報に基づいて、前記位相移動量の更新量を算出し、
前記更新量を前記位相移動量に累積加算して前記位相移動量を更新することで、前記位相移動量を算出する
請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項5】
前記複数の送信アンテナ素子は、第1の円の円周上に配置されているN(尚、Nは、2以上の整数を示す変数である)個の送信アンテナ素子であり、
前記複数の受信アンテナ素子は、第2の円の円周上に配置されているN個の受信アンテナ素子であり、
前記信号合成手段は、長さNの離散フーリエ変換行列であるユニタリ行列を用いて、前記信号合成処理を行う
請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項6】
複数の送信信号に対して信号合成処理を行うことで複数の合成送信信号を生成し、前記複数の合成送信信号から生成される複数の無線送信信号を含む無線信号を、複数の送信アンテナ素子を用いて送信する送信装置と、
前記送信装置が送信した前記無線信号を、複数の受信アンテナ素子を用いて複数の無線受信信号として受信する受信装置と
を用いた無線通信方法であって、
前記複数の無線受信信号に対して信号分離処理を行うことで、複数の分離受信信号を生成することと、
前記複数の分離受信信号の間の相関関係を示す相関情報を生成することと、
前記相関情報に基づいて、前記複数の合成送信信号の位相と通信容量との間の関係を示す位相制御情報を生成することと、
前記複数の送信信号に対して前記信号合成処理を行うことで、前記複数の合成送信信号を生成することと、
前記位相制御情報に基づいて、前記複数の合成送信信号の夫々の位相の移動量を示す位相移動量を算出することと、
前記複数の合成送信信号の夫々の位相を、前記位相移動量だけ調整することと
を備える無線通信方法。
【請求項7】
コンピュータに無線通信方法を実行させるコンピュータプログラムであって、
前記無線通信方法は、
複数の送信信号に対して信号合成処理を行うことで複数の合成送信信号を生成し、前記複数の合成送信信号から生成される複数の無線送信信号を含む無線信号を、複数の送信アンテナ素子を用いて送信する送信装置と、
前記送信装置が送信した前記無線信号を、複数の受信アンテナ素子を用いて複数の無線受信信号として受信する受信装置と
を用いた無線通信方法であって、
前記無線通信方法は、
前記複数の無線受信信号に対して信号分離処理を行うことで、複数の分離受信信号を生成することと、
前記複数の分離受信信号の間の相関関係を示す相関情報を生成することと、
前記相関情報に基づいて、前記複数の合成送信信号の位相と通信容量との間の関係を示す位相制御情報を生成することと、
前記複数の送信信号に対して前記信号合成処理を行うことで、前記複数の合成送信信号を生成することと、
前記位相制御情報に基づいて、前記複数の合成送信信号の夫々の位相の移動量を示す位相移動量を算出することと、
前記複数の合成送信信号の夫々の位相を、前記位相移動量だけ調整することと
を備えるコンピュータプログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、MIMO(MIMO:Multi Input Multi Output)伝送技術を用いた無線通信を行うことが可能な無線通信システム、無線通信方法、及び、コンピュータプログラムの技術分野に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
近年、MIMO伝送技術を用いた無線通信(以降、“MIMO無線通信”と称する)を行う無線通信システムの研究が進められている。MIMO無線通信を行う無線通信システムの一例が、特許文献1から特許文献5及び非特許文献1から非特許文献2があげられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2019/189704号パンフレット
国際公開第2017/057725号パンフレット
特表2014-526191号公報
特開2016-115976号公報
特開2015-043610号公報
【非特許文献】
【0004】
Frode Bohagen et al.、“Design of Optimal High-Rank Line-of-Sight MIMO Channels”、IEEE Transactions on Wireless Communications、Vol.6、No.4、pp.1420-1425、2007年4月
Ove Edfors et al.、“Is Orbital Angular Momentum(OAM) Based Radio Communication an Unexploited Area?”、IEEE Transactions on Antennas and Propagation、Vol.60、No.2、pp.1126-1131、2012年2月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
見通し内環境において行われるMIMO通信による通信容量は、送信装置が備える複数の送信アンテナ素子と受信装置が備える複数の受信アンテナ素子との間の相対的な位置関係に依存する。一般的には、複数の送信アンテナ素子及び複数の受信アンテナ素子は、与えられたアンテナ設置条件の下で通信容量が最大となるように配置される。しかしながら、複数の送信アンテナ素子と複数の受信アンテナ素子との間の相対的な位置関係が、風雨及び振動等の外的要因に起因して理想的な位置関係から変化してしまった場合には、通信容量が低下してしまう。そこで、このような複数の送信アンテナ素子と複数の受信アンテナ素子との間の相対的な位置関係の変化を検出し、検出した変化に起因した通信容量への影響を低減することが望まれる。
【0006】
上述した特許文献1には、複数の送信アンテナ素子が円周上に配置された円形アレイ(UCA:Uniform Circular Array)アンテナ及び複数の受信アンテナ素子が円周上に配置された円形アレイアンテナを用いて、軌道角運動量(OAM:Orbital Angular Momentum)モードを利用するMIMO無線通信が行われる場合に、複数の送信アンテナ素子と複数の受信アンテナ素子との間の相対的な位置関係の変化を検出する方法が記載されている。しかしながら、特許文献1に記載された方法が行われる場面は、UCAアンテナを用いてOAMモードを利用するMIMO無線通信を行う場面に限定されている。このため、特許文献1に記載された方法は、UCAアンテナを用いない場合及びOAMモードを利用しない場合の夫々において、複数の送信アンテナ素子と複数の受信アンテナ素子との間の相対的な位置関係の変化を検出することができない。その結果、特許文献1に記載された方法は、複数の送信アンテナ素子と複数の受信アンテナ素子との間の相対的な位置関係の変化に起因した通信容量への影響を適切に低減することができないという技術的問題を有している。
【0007】
本発明は、上述した技術的問題を解決可能な無線通信システム、無線通信方法、及び、コンピュータプログラムを提供することを課題とする。一例として、本発明は、複数の送信アンテナ素子と複数の受信アンテナ素子との間の相対的な位置関係の変化に起因した通信容量への影響を適切に低減可能な無線通信システム、送信装置、受信装置、無線通信方法、及び、コンピュータプログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
無線通信システムの一態様は、複数の送信信号に対して信号合成処理を行うことで複数の合成送信信号を生成し、前記複数の合成送信信号から生成される複数の無線送信信号を含む無線信号を、複数の送信アンテナ素子を用いて送信する送信装置と、前記送信装置が送信した前記無線信号を、複数の受信アンテナ素子を用いて複数の無線受信信号として受信する受信装置とを備える無線通信システムであって、前記受信装置は、前記複数の無線受信信号に対して信号分離処理を行うことで、複数の分離受信信号を生成する受信信号生成手段と、前記複数の分離受信信号の間の相関関係を示す相関情報を生成する相関情報生成手段と、前記相関情報に基づいて、前記複数の合成送信信号の位相と通信容量との間の関係を示す位相制御情報を生成する位相制御情報生成手段と、前記位相制御情報を前記送信装置に送信する送信手段とを備え、前記送信装置は、前記送信手段が送信した前記位相制御情報を受信する受信手段と、前記複数の送信信号に対して前記信号合成処理を行うことで、前記複数の合成送信信号を生成する送信信号生成手段と、前記受信手段が受信した前記位相制御情報に基づいて、前記複数の合成送信信号の夫々の位相の移動量を示す位相移動量を算出する位相算出手段と、前記複数の合成送信信号の夫々の位相を、前記位相算出手段が算出した前記位相移動量だけ調整する位相調整手段とを備える。
【0009】
無線通信方法の一態様は、複数の送信信号に対して信号合成処理を行うことで複数の合成送信信号を生成し、前記複数の合成送信信号から生成される複数の無線送信信号を含む無線信号を、複数の送信アンテナ素子を用いて送信する送信装置と、前記送信装置が送信した前記無線信号を、複数の受信アンテナ素子を用いて複数の無線受信信号として受信する受信装置とを用いた無線通信方法であって、前記複数の無線受信信号に対して信号分離処理を行うことで、複数の分離受信信号を生成することと、前記複数の分離受信信号の間の相関関係を示す相関情報を生成することと、前記相関情報に基づいて、前記複数の合成送信信号の位相と通信容量との間の関係を示す位相制御情報を生成することと、前記複数の送信信号に対して前記信号合成処理を行うことで、前記複数の合成送信信号を生成することと、前記位相制御情報に基づいて、前記複数の合成送信信号の夫々の位相の移動量を示す位相移動量を算出することと、前記複数の合成送信信号の夫々の位相を、前記位相移動量だけ調整することとを備える。
【0010】
コンピュータプログラムの一態様は、コンピュータに無線通信方法を実行させるコンピュータプログラムであって、前記無線通信方法は、複数の送信信号に対して信号合成処理を行うことで複数の合成送信信号を生成し、前記複数の合成送信信号から生成される複数の無線送信信号を含む無線信号を、複数の送信アンテナ素子を用いて送信する送信装置と、前記送信装置が送信した前記無線信号を、複数の受信アンテナ素子を用いて複数の無線受信信号として受信する受信装置とを用いた無線通信方法であって、前記無線通信方法は、前記複数の無線受信信号に対して信号分離処理を行うことで、複数の分離受信信号を生成することと、前記複数の分離受信信号の間の相関関係を示す相関情報を生成することと、前記相関情報に基づいて、前記複数の合成送信信号の位相と通信容量との間の関係を示す位相制御情報を生成することと、前記複数の送信信号に対して前記信号合成処理を行うことで、前記複数の合成送信信号を生成することと、前記位相制御情報に基づいて、前記複数の合成送信信号の夫々の位相の移動量を示す位相移動量を算出することと、前記複数の合成送信信号の夫々の位相を、前記位相移動量だけ調整することとを備える。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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