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公開番号
2024048784
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-04-09
出願番号
2022154877
出願日
2022-09-28
発明の名称
燃料電池用加湿器
出願人
株式会社アイシン
代理人
弁理士法人R&C
主分類
H01M
8/04119 20160101AFI20240402BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】加湿性能と圧損とを考慮し、小型化が可能な燃料電池用加湿器を提供する。
【解決手段】燃料電池用加湿器1は、一方の面11に乾燥ガス流路11Cを有し、他方の面に含水ガス流路を有するセパレータ10と、乾燥ガス流路11Cを流れる乾燥空気に対し含水ガス流路を流れる含水空気に含まれる水分を与えて加湿空気を生成する加湿膜と、を備え、乾燥ガス流路11C及び含水ガス流路の少なくとも一方は、流路幅が均等である複数の曲線状流路16を含む曲線状流路群17と、互いに平行な複数の平行流路36を含む平行流路群37と、複数の曲線状流路16と複数の平行流路36とを夫々接続する複数の放射状流路26を含む放射状流路群27と、を有し、放射状流路群27は、互いに隣り合う放射状流路26を仕切る複数の直線状隔壁26Aを延長した交点が、曲線状流路群17の側で一致するように形成されている。
【選択図】図5
特許請求の範囲
【請求項1】
含水空気に含まれる水分を乾燥空気に与えて加湿空気を生成する加湿ユニットを備えた燃料電池用加湿器であって、
前記加湿ユニットは、
前記乾燥空気及び前記加湿空気の夫々の流入口及び流出口が四隅に貫通形成され、一方の面に前記乾燥空気が供給される乾燥ガス流路を有し、他方の面に前記含水空気が供給される含水ガス流路を有する、互いに積層された複数のセパレータと、
隣り合う一対の前記セパレータにおける前記乾燥ガス流路と前記含水ガス流路との間に配置され、前記乾燥ガス流路を流れる前記乾燥空気に対し前記含水ガス流路を流れる前記含水空気に含まれる水分を与えて前記加湿空気を生成する加湿膜と、を備え、
前記乾燥ガス流路及び前記含水ガス流路の少なくとも一方は、前記流入口又は前記流出口へ繋がり流路幅が均等である複数の曲線状流路を含む曲線状流路群と、互いに平行な複数の平行流路を含む平行流路群と、複数の前記曲線状流路と複数の前記平行流路とを夫々接続する複数の放射状流路を含む放射状流路群と、を有し、
前記放射状流路群は、互いに隣り合う前記放射状流路を仕切る複数の直線状隔壁を延長した交点が、前記曲線状流路群の側で一致するように形成されている燃料電池用加湿器。
続きを表示(約 720 文字)
【請求項2】
前記曲線状流路と前記平行流路とは、互いに同じ幅である請求項1に記載の燃料電池用加湿器。
【請求項3】
複数の前記平行流路は、直線状に並んだ流路、又は、蛇行状に並んだ流路である請求項1又は2に記載の燃料電池用加湿器。
【請求項4】
前記放射状流路の前記交点が、互いに隣り合う前記曲線状流路を仕切る複数の円弧状隔壁のうち前記直線状隔壁と接続される部位の接線上に位置する請求項1又は2に記載の燃料電池用加湿器。
【請求項5】
前記加湿ユニットは、燃料電池とモジュール化されている請求項1又は2に記載の燃料電池用加湿器。
【請求項6】
前記放射状流路から前記平行流路へ案内する隔壁から成る案内部が設けられている請求項1又は2に記載の燃料電池用加湿器。
【請求項7】
前記加湿ユニットは、前記乾燥ガス流路及び前記含水ガス流路が、前記曲線状流路群と前記放射状流路群と前記平行流路群を一群として、線対称で配置されており、前記乾燥ガス流路の前記流入口及び前記流出口が同じ高さであり、前記含水ガス流路の前記流入口及び前記流出口が同じ高さにある請求項1又は2に記載の燃料電池用加湿器。
【請求項8】
前記加湿ユニットは、前記乾燥ガス流路及び前記含水ガス流路が、前記曲線状流路群と前記放射状流路群と前記平行流路群を一群として、点対称で配置されており、前記乾燥ガス流路の前記流入口及び前記含水ガス流路の前記流出口が同じ高さにあり、前記乾燥ガス流路の前記流出口及び前記含水ガス流路の前記流入口が同じ高さにある請求項1又は2に記載の燃料電池用加湿器。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、含水空気に含まれる水分を乾燥空気に与えて加湿空気を生成する加湿ユニットを備えた燃料電池用加湿器に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、燃料電池が注目されてきている。燃料電池は、一方の端子に供給される水素と、他方の端子に供給される酸素とに基づいて発電する。このような燃料電池が効率良く発電を行うには、水素や酸素(以下「ガス」とする)が過剰に乾燥していない方が好ましい。そこで、このような燃料電池に供給するガスを加湿する加湿器が利用される。このような加湿器として、例えば下記に出典を示す特許文献1及び2に記載のものがある。
【0003】
特許文献1には加湿器ついて記載されている。この加湿器では、一方の面に加湿室が形成され、他方の面に吸湿室が形成された複数のセパレータが積層されている。セパレータには、加湿室に連通する加湿用ガス導入孔と、加湿室に連通する加湿用ガス導出孔と、吸湿室に連通する吸湿用ガス導入孔と、吸湿室に連通する吸湿用ガス導出孔とが、セパレータの厚さ方向に貫通して設けられている。
【0004】
特許文献2には燃料電池システムの加湿器について記載されている。この加湿器は、複数の湿性プレートと複数の乾性プレートとが交互に積層されたコアを有する。湿性プレートと乾性プレートとは、湿性プレートにおける湿性気流と乾性プレートにおける乾性気流とが互いに直交して加湿器内を流れるように設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2010-276322号公報
特表2014-505336号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、車載用途の燃料電池では、車両に搭載する際の自由度を向上すべく、燃料電池システムの小型化が望まれる。上述したように、特許文献1及び2に記載の加湿器では、加湿器内において、加湿用のガスと吸湿用のガスとが互いに直交して流通するように構成されている。このため、吸湿室や湿性プレートにガスを導入する導入口と、吸湿室や湿性プレートからガスを導出する導出口とが、四角形状のセパレータにおける一方の対角線に沿って互いに対向するように設けられている。また、加湿室や乾性プレートにガスを導入する導入口と、加湿室や乾性プレートからガスを導出する導出口とが、四角形状のセパレータにおける他方の対角線に沿って互いに対向するように設けられる。したがって、加湿器に対してガスの導入及び導出を行うための配管の取り回しが複雑になり、小型化することが容易ではない。また、特許文献1及び2に記載の加湿器では、加湿を行う交換部流路を設けている領域が尖がった長細い六角形状になっている。同様な加湿を行う面積を確保するにはセパレータの所要面積が大きくなってしまい、小型化する上で改善の余地がある。
【0007】
そこで、加湿性能と圧損とを考慮し、小型化することが可能な燃料電池用加湿器が求められる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る燃料電池用加湿器の特徴構成は、含水空気に含まれる水分を乾燥空気に与えて加湿空気を生成する加湿ユニットを備えた燃料電池用加湿器であって、前記加湿ユニットは、前記乾燥空気及び前記加湿空気の夫々の流入口及び流出口が四隅に貫通形成され、一方の面に前記乾燥空気が供給される乾燥ガス流路を有し、他方の面に前記含水空気が供給される含水ガス流路を有する、互いに積層された複数のセパレータと、隣り合う一対の前記セパレータにおける前記乾燥ガス流路と前記含水ガス流路との間に配置され、前記乾燥ガス流路を流れる前記乾燥空気に対し前記含水ガス流路を流れる前記含水空気に含まれる水分を与えて前記加湿空気を生成する加湿膜と、を備え、前記乾燥ガス流路及び前記含水ガス流路の少なくとも一方は、前記流入口又は前記流出口へと繋がり流路幅が均等である複数の曲線状流路を含む曲線状流路群と、互いに平行な複数の平行流路を含む平行流路群と、複数の前記曲線状流路と複数の前記平行流路とを夫々接続する複数の放射状流路を含む放射状流路群と、を有し、前記放射状流路群は、互いに隣り合う前記放射状流路を仕切る複数の直線状隔壁を延長した交点が、前記曲線状流路群の側で一致するように形成されている点にある。
【0009】
このような特徴構成とすれば、互いに隣り合う放射状流路を仕切る複数の直線状隔壁を延長した交点の位置に応じて、放射状流路における曲線状流路側の流路幅と放射状流路における平行流路側の流路幅とを設定することができる。これにより、放射状流路と連通する平行流路の流路幅を、加湿性能の向上と圧損の低減化とを両立する値に設定し易くできる。また、曲線状流路と平行流路とを接続する放射状流路を設けることにより、曲線状流路に対する平行流路の位置を自由に設定することができるため、流入口及び流出口の配置上の自由度も高めることが可能となる。したがって、燃料電池用加湿器に接続される配管の引き回し長を短くし、小型化することが可能となる。
【0010】
また、前記曲線状流路と前記平行流路とは、互いに同じ幅であると好適である。
(【0011】以降は省略されています)
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