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公開番号2024048119
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-08
出願番号2022153999
出願日2022-09-27
発明の名称液体吐出装置、基板処理装置及び物品の製造方法
出願人キヤノン株式会社
代理人弁理士法人大塚国際特許事務所
主分類B05C 15/00 20060101AFI20240401BHJP(霧化または噴霧一般;液体または他の流動性材料の表面への適用一般)
要約【課題】ヘッドから吐出される液体に起因する装置汚染を抑制するのに有利な液体吐出装置を提供する。
【解決手段】液体を吐出するヘッドと、前記ヘッドを収容するチャンバと、前記チャンバの内部の気体を循環させる循環系と、前記気体を前記チャンバの外部に排出するように作動する排気系と、前記循環系に設けられ、前記気体に含まれる除去対象物を除去するフィルタと、前記気体に含まれる、前記除去対象物とは異なる検出対象物を検出することで、前記除去対象物を間接的に検出する検出部と、前記検出部で検出される前記検出対象物の濃度が閾値以上である場合に、前記排気系を作動させる制御部と、を有することを特徴とする液体吐出装置を提供する。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
液体を吐出するヘッドと、
前記ヘッドを収容するチャンバと、
前記チャンバの内部の気体を循環させる循環系と、
前記気体を前記チャンバの外部に排出するように作動する排気系と、
前記循環系に設けられ、前記気体に含まれる除去対象物を除去するフィルタと、
前記気体に含まれる、前記除去対象物とは異なる検出対象物を検出することで、前記除去対象物を間接的に検出する検出部と、
前記検出部で検出される前記検出対象物の濃度が閾値以上である場合に、前記排気系を作動させる制御部と、
を有することを特徴とする液体吐出装置。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記除去対象物及び前記検出対象物は、前記ヘッドから前記液体を吐出するときに、当該液体から前記チャンバの内部に飛散することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
【請求項3】
前記チャンバの外部の気体を、給気口を介して前記チャンバの内部に吸入するように作動する給気系を更に有し、
前記排気系は、前記チャンバの内部の気体を、排気口を介して前記チャンバの外部に排出するように作動し、
前記給気系は、前記給気口を介して前記チャンバの内部に吸入する気体によって、前記チャンバの内部の気体を前記排気口に向かって押し流す気流を形成することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記排気系によって前記チャンバの外部に排出される気体の流量と、前記給気系によって前記チャンバの内部に吸入される気体の流量とが等しくなるように、前記排気系及び前記給気系を作動させることを特徴とする請求項3に記載の液体吐出装置。
【請求項5】
前記給気系は、前記給気口を介して吸入される気体を前記チャンバの内部に吹き出す複数のノズルを含み、
前記複数のノズルのそれぞれは、前記チャンバの内部に吹き出す気体によって、前記チャンバの内部の気体を前記排気口に向かって押し流す気流を形成することを特徴とする請求項3に記載の液体吐出装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記検出部で検出される前記検出対象物の濃度にかかわらず、前記排気系を作動させるためのインタフェースを含むことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
【請求項7】
前記ヘッドから吐出される前記液体が配置される基板を保持するステージと、
前記ステージの位置を計測する干渉計と、
前記検出部で検出される前記検出対象物の濃度に基づいて、前記干渉計で計測される前記ステージの位置を補正する補正部と、
を更に有することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
【請求項8】
前記補正部は、前記検出部で検出される前記検出対象物の濃度に対応する、前記干渉計で計測される前記ステージの位置の変化量を推定し、前記変化量を用いて前記干渉計で計測される前記ステージの位置を補正することを特徴とする請求項7に記載の液体吐出装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記検出部で検出される前記検出対象物の濃度が高くなるにつれて、前記循環系によって循環される気体の流量が増加するように、前記循環系を制御することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
【請求項10】
前記フィルタは、前記循環系によって循環される気体の流路において、前記検出部よりも前段に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、液体吐出装置、基板処理装置及び物品の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
近年、種々の機能素子を製造する際に、インクジェット装置(液体吐出装置)を用いて機能素子の材料を基板上に付与してパターンを形成すること(パターニング)が試みられている。インクジェット装置を用いたパターニングは、オンデマンドパターニングが可能であるため材料の使用効率が高いこと、非真空プロセスであるため製造装置が比較的小型になること、材料を大面積に高速に付与できることなどのメリットを有している。
【0003】
そこで、表示装置の製造過程にインクジェット装置を適用することが提案されている(特許文献1参照)。表示装置では、近年、様々な表示方式が提案されており、特に、有機EL素子を用いた表示装置の開発が進められている。有機EL素子の材料は高価であるため、材料の使用効率が高く、材料を大面積に高速に付与できるインクジェット装置は、有機EL素子の製造に好適である。
【0004】
また、最近では、量子ドット材料を含む色変換部や量子ドットを発光素子として備えた表示装置が注目されており、例えば、インクジェット装置を用いて、量子ドット材料を含む色変換部を製造する技術も提案されている(特許文献2参照)。従来のカラーフィルタを用いた色変換部は、特定の波長以外の波長の光をカットすることで、特定の色を抽出している。従来のカラーフィルタに代えて、量子ドットを色変換部に用いることで、光波長を直接変換することが可能となるため、非常に高い光変換効率を実現することができると期待されている。
【0005】
量子ドットの主構成物としては、カドミウム、インジウム、鉛などが知られているが、これらの重金属物質は、人体に対して毒性を有する物質(有害物質)であるため、人体への曝露を防ぐ必要がある。ここで、インクジェット装置を用いて量子ドット材料を付与することを考えると、インクジェットの特性上、ミストと呼ばれる量子ドット材料を含む霧状の小液滴が飛散するため、厳重な曝露対策が必要となる。
【0006】
インクジェット装置における曝露対策としては、インクジェット装置をチャンバと呼ばれる障壁で隔離し(区切り)、チャンバの内部の空気を密閉する技術が提案されている(特許文献3参照)。また、特許文献3には、チャンバの内部を常に清浄に維持するため、チャンバの内部の空気をブロワ(送風機)で循環させるとともに、循環経路にフィルタ(量子ドット材料などを除去するフィルタ)を配置してチャンバの内部の空気を除害することも提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2021-12815号公報
特開2020-192692号公報
特開2018-206777号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、フィルタは、一般的に、経年劣化で除去性能が低下するが、それを検出できずに装置運用を継続すると、チャンバの内部にミストが充満し、装置汚染を招いてしまう可能性がある。特に、量子ドット材料の付与にインクジェット装置を用いることを考えた場合、量子ドット材料を検出可能な検出装置が一般的に流通していない。また、量子ドット材料を検出可能な検出装置を独自に製造することも考えられるが、研究開発費などが嵩み、装置コストの増加を招いてしまう。このように、チャンバの内部に飛散する量子ドットを含むミストによる装置汚染を検出することは現実的ではなく、極めて困難である。
【0009】
本発明は、このような従来技術の課題に鑑みてなされ、ヘッドから吐出される液体に起因する装置汚染を抑制するのに有利な液体吐出装置を提供することを例示的目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の一側面としての液体吐出装置は、液体を吐出するヘッドと、前記ヘッドを収容するチャンバと、前記チャンバの内部の気体を循環させる循環系と、前記気体を前記チャンバの外部に排出するように作動する排気系と、前記循環系に設けられ、前記気体に含まれる除去対象物を除去するフィルタと、前記気体に含まれる、前記除去対象物とは異なる検出対象物を検出することで、前記除去対象物を間接的に検出する検出部と、前記検出部で検出される前記検出対象物の濃度が閾値以上である場合に、前記排気系を作動させる制御部と、を有することを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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