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公開番号2024046522
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-03
出願番号2022151958
出願日2022-09-22
発明の名称回路、超伝導装置及び回路の製造方法
出願人国立研究開発法人産業技術総合研究所
代理人個人,個人,個人
主分類H10N 60/00 20230101AFI20240327BHJP()
要約【課題】低温で接合することができる回路の製造方法、回路及び超伝導装置を提供する。
【解決手段】超伝導素子を有する第一の基板と、前記第一の基板の上に設けられ、かつ超伝導材料を有する第一の配線層と、前記第一の配線層の上に設けられ、かつ貴金属を含む超伝導材料を有するバンプと、前記バンプの上に設けられ、かつ超伝導材料を有する第二の配線層と、前記第二の配線層の上に設けられる第二の基板と、有することを特徴とする回路。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
超伝導素子を有する第一の基板と、
前記第一の基板の上に設けられ、かつ超伝導材料を有する第一の配線層と、
前記第一の配線層の上に設けられ、かつ貴金属を含む超伝導材料を有する合金バンプと、
前記合金バンプの上に設けられ、かつ超伝導材料を有する第二の配線層と、
前記第二の配線層の上に設けられる第二の基板と、有する
ことを特徴とする回路。
続きを表示(約 850 文字)【請求項2】
前記合金バンプは、前記貴金属の含有量が前記合金バンプの厚さ方向に勾配を有する勾配層を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の回路。
【請求項3】
前記合金バンプで、前記貴金属を含む超伝導材料は、Pb及びInからなる群の中の少なくとも1つ以上を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の回路。
【請求項4】
前記合金バンプの厚さは10μm以下である
ことを特徴とする請求項1に記載の回路。
【請求項5】
前記第一の配線層から前記第二の配線層までの間に付着強度増強のためのアンダーレイヤ層を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の回路。
【請求項6】
前記合金バンプで、前記貴金属を含む超伝導材料の融点は150℃以上である
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の回路。
【請求項7】
前記勾配層で、前記貴金属の含有量が前記第一の基板から前記第二の基板に向かって減少する
ことを特徴とする請求項2に記載の回路。
【請求項8】
請求項1に記載の回路を有する
ことを特徴とする超伝導装置。
【請求項9】
第一の基板の上に設けられる超伝導材料を有する第一の配線層の上に、貴金属の膜を設ける工程と、
第二の基板の上に設けられる超伝導材料を有する第二の配線層の上に、超伝導材料を有するバンプを設ける工程と、
前記貴金属の膜と前記バンプとが接するように配置して、前記第一の基板と前記第二の基板とを接合する工程と、を有する
ことを特徴とする回路の製造方法。
【請求項10】
前記接合する工程で、接合温度が100℃以下であり、かつ加圧条件が10μN/μm

以上である
ことを特徴とする請求項9に記載の回路の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、回路、超伝導装置及び回路の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
これまでの古典的な科学手法を使用するシミュレーション、計測及び制御では限界が来ている。そのため、量子科学技術を使用する新たな科学技術手法の発展により、電子レベルでの物質の挙動等を明らかにすることで、非連続的な課題解決を図ることが重要である。
【0003】
特許文献1は、第1の回路素子と、前記第1の回路素子に電気的に接触する第1の相互接続パッドと、前記第1の相互接続パッド上のバリア層とを備える第1のチップであって、前記バリア層が窒化チタンである、第1のチップと、前記バリア層上の超伝導バンプボンドと、第1の量子回路素子を備え、前記超伝導バンプボンドによって前記第1のチップに接合された第2のチップであって、前記超伝導バンプボンドが前記第1の回路素子と前記第1の量子回路素子との間に電気的接続を提供する、第2のチップと、を備えるデバイスを開示している。該特許文献1では第一のチップの窒化チタンバリア層表面をイオンミーリングするステップとこれに接続させる第二のチップの超伝導バンプ表面を水素プラズマに暴露するステップが含まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第6742433号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
超伝導集積回路チップを配線基板などへ接続する技術においては、絶対零度(-273.15℃)近辺の温度環境、高真空環境、及び超伝導接続など、半導体とは異なる機械的、化学的、電気的な条件を満たした接続技術が求められている。また、半導体で用いられる接合促進のためのフラックスなどは、超伝導回路の量子動作などに影響を与えるため使用できない。例えば、該特許文献1の方法では、アルミニウムや窒化チタン、インジウムといった超伝導材料のみ、かつフラックスフリーで超伝導接続を実現するため、2つのチップを接合する前に、それぞれのチップの接合部分の窒化チタン表面とインジウムバンプ表面をイオンミーリングまたは水素プラズマなどの物理的、化学的原子照射に暴露されるプラズマクリーニング工程が必須となっている。しかしながら、超伝導集積回路チップに搭載されるジョセフソン接合などの超伝導デバイスは、高温環境や回路面へのプラズマクリーニングなどで破壊されるという問題があった。そのため、従来の方法で超伝導デバイスを含む超伝導回路または配線基板を大気中で接合することは困難であるという問題があった。
【0006】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、超伝導デバイスを破壊することなく低温で接合することができる回路の製造方法、回路及び超伝導装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提供している。
(1)本発明に係る回路の一態様は、超伝導素子を有する第一の基板と、
前記第一の基板の上に設けられ、かつ超伝導材料を有する第一の配線層と、
前記第一の配線層の上に設けられ、かつ貴金属を含む超伝導材料を有する合金バンプと、
前記合金バンプの上に設けられ、かつ超伝導材料を有する第二の配線層と、
前記第二の配線層の上に設けられる第二の基板と、有することを特徴とする。
【0008】
(2)(1)に記載の回路は、前記合金バンプは、前記貴金属の含有量が前記合金バンプの厚さ方向に勾配を有する勾配層を有してもよい。
【0009】
(3)(1)又は(2)に記載の回路は、前記合金バンプで、前記貴金属を含む超伝導材料は、Pb及びInからなる群の中の少なくとも1つ以上を含んでもよい。
【0010】
(4)(1)~(3)のいずれか一項に記載の回路は、前記合金バンプの厚さは10μm以下であってもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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