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公開番号
2024045967
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-04-03
出願番号
2022151079
出願日
2022-09-22
発明の名称
電解質組成物及びその保管、輸送、製造方法、並びに固結防止剤
出願人
株式会社日本触媒
代理人
弁理士法人前田特許事務所
主分類
H01M
10/0568 20100101AFI20240327BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】スルホニルイミド化合物を含む粉末状の電解質において、凝集物の発生を抑制し、容器から容易に排出できる電解質組成物を提供する。
【解決手段】電解質組成物は、一般式(1)で表されるスルホニルイミド化合物を含む粉末状の電解質と、上記粉末状の電解質の固結を防止する固結防止剤とを含み、上記固結防止剤の含有量は、上記粉末状の電解質100質量%に対して、0.001質量%以上1質量%以下であることを特徴とする。
LiN(R
1
SO
2
)(R
2
SO
2
) (R
1
及びR
2
は同一又は異なってフッ素原子、炭素数1~6のアルキル基又は炭素数1~6のフルオロアルキル基を示す。) (1)
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
一般式(1)で表されるスルホニルイミド化合物を含む粉末状の電解質と、
上記粉末状の電解質の固結を防止する固結防止剤とを含み、
上記固結防止剤の含有量は、上記粉末状の電解質100質量%に対して、0.001質量%以上1質量%以下であることを特徴とする電解質組成物。
LiN(R
1
SO
2
)(R
2
SO
2
) (R
1
及びR
2
は同一又は異なってフッ素原子、炭素数1~6のアルキル基又は炭素数1~6のフルオロアルキル基を示す。) (1)
続きを表示(約 1,300 文字)
【請求項2】
上記固結防止剤は、ケイ素化合物、一般式(2)で表される化合物、一般式(3)で表される化合物及びLiAsF
6
からなる群より選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載の電解質組成物。
LiPF
a
(C
m
F
2m+1
)
6-a
(a:0≦a≦6、m:1≦m≦4) (2)
LiBF
b
(C
n
F
2n+1
)
4-b
(b:0≦b≦4、n:1≦n≦4) (3)
【請求項3】
上記粉末状の電解質100質量%に対して、上記スルホニルイミド化合物の含有量が90質量%以上であることを特徴とする請求項1に記載の電解質組成物。
【請求項4】
上記粉末状の電解質100質量%に対して、上記スルホニルイミド化合物の含有量が99質量%よりも多いことを特徴とする請求項1に記載の電解質組成物。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の電解質組成物を-20℃以上60℃以下の温度で保管及び/又は輸送することを特徴とする電解質組成物の保管又は輸送方法。
【請求項6】
上記電解質組成物を金属製容器で保管及び/又は輸送することを特徴とする請求項5に記載の電解質組成物の保管又は輸送方法。
【請求項7】
一般式(1)で表されるスルホニルイミド化合物を含む粉末状の電解質100質量%に対して、該粉末状の電解質の固結を防止する固結防止剤を0.001質量%以上1質量%以下で混合することを特徴とする電解質組成物の製造方法。
LiN(R
1
SO
2
)(R
2
SO
2
) (R
1
及びR
2
は同一又は異なってフッ素原子、炭素数1~6のアルキル基又は炭素数1~6のフルオロアルキル基を示す。) (1)
【請求項8】
一般式(1)で表されるスルホニルイミド化合物を含む粉末状の電解質の固結を防止する固結防止剤であって、
ケイ素化合物、一般式(2)で表される化合物、一般式(3)で表される化合物及びLiAsF
6
からなる群より選択される少なくとも一種を有効成分として含むことを特徴とする固結防止剤。
LiN(R
1
SO
2
)(R
2
SO
2
) (R
1
及びR
2
は同一又は異なってフッ素原子、炭素数1~6のアルキル基又は炭素数1~6のフルオロアルキル基を示す。) (1)
LiPF
a
(C
m
F
2m+1
)
6-a
(a:0≦a≦6、m:1≦m≦4) (2)
LiBF
b
(C
n
F
2n+1
)
4-b
(b:0≦b≦4、n:1≦n≦4) (3)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、電解質組成物及びその保管、輸送、製造方法、並びに固結防止剤に関するものである。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
例えば、電解質、燃料電池の電解液への添加物、選択的求電子フッ素化剤、光酸発生剤、熱酸発生剤、近赤外線吸収色素、帯電防止剤、反応触媒等に使用されるフルオロスルホニルイミド塩等のスルホニルイミド化合物は、通常、結晶化させて乾燥した後、得られた粉体をそのまま包装して保管又は輸送(出荷)される。出荷する際の粉体の荷姿の1つとして金属製のキャニスター容器がある。ここで、スルホニルイミド化合物の粉体は、凝集する性質があるため、保管又は輸送中に容器内で凝集してその凝集物が容器排出口よりも大きくなると、詰りが発生してスルホニルイミド化合物の排出が一旦止まってしまうことがある。この場合、例えば、容器外部からノッカー等で打撃を与えて、凝集物を容器排出口よりも小さくなるまで崩すことで、スルホニルイミド化合物の排出が再開される。この操作により、キャニスター容器内の粉体を全量排出することはできるものの、適宜、打撃を与える必要があるため作業性が悪く、また容器からの排出に時間がかかるという問題がある。
【0003】
そこで、本出願人は、スルホニルイミド化合物の粉体を保管又は輸送するときの保存安定性の向上を図るべく、キャニスター容器以外の荷姿として、少なくとも1層の金属層を有する包装材料で粉体を包装する包装体を提案している(特許文献1及び2)。また、本出願人は、スルホニルイミド化合物の粉体を成形して電解質成形体を製造する方法をPCT/JP2022/008402の出願明細書に開示している。粉体を成形体とすることで凝集化が抑制され、容器からの排出性を改善できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第6208929号公報
特許第6266702号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の包装体でも、保管期間(例えば1ヵ月以上)や保管又は輸送環境によっては、包装材料内で粉体が凝集し、包装材料からの排出が困難になるおそれがある。また、上記の成形体の粒径と容器排出口の口径によってはブリッジが発生することや、成形体が保管又は輸送中に衝撃を受けて崩れ、再粉化した粉体が凝集することに起因して、容器からの排出が困難になるおそれがある。
【0006】
本開示は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、スルホニルイミド化合物を含む粉末状の電解質において、凝集物の発生を抑制し、容器から容易に排出できる電解質組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明者らは、検討を進めた結果、スルホニルイミド化合物を含む粉末状の電解質(粉体)に特定の化合物(剤)を混合させることで、粉体が凝集した場合でも固結することが抑制され、凝集物の発生が抑制されることを見出した。本開示は、具体的には以下のとおりである。
【0008】
本開示の電解質組成物は、一般式(1):
LiN(R
1
SO
2
)(R
2
SO
2
) (R
1
及びR
2
は同一又は異なってフッ素原子、炭素数1~6のアルキル基又は炭素数1~6のフルオロアルキル基を示す。) (1)
で表されるスルホニルイミド化合物を含む粉末状の電解質と、上記粉末状の電解質の固結を防止する固結防止剤とを含み、上記固結防止剤の含有量は、上記粉末状の電解質100質量%に対して、0.001質量%以上1質量%以下であることを特徴とする。上記固結防止剤は、ケイ素化合物、一般式(2):
LiPF
a
(C
m
F
2m+1
)
6-a
(a:0≦a≦6、m:1≦m≦4) (2)
で表される化合物、一般式(3):
LiBF
b
(C
n
F
2n+1
)
4-b
(b:0≦b≦4、n:1≦n≦4) (3)
で表される化合物及びLiAsF
6
からなる群より選択される少なくとも一種であってもよい。上記粉末状の電解質100質量%に対して、上記スルホニルイミド化合物の含有量が90質量%以上であってもよく、99質量%よりも多くてもよい。
【0009】
本開示の電解質組成物の保管又は輸送方法は、上記電解質組成物を-20℃以上60℃以下の温度で保管及び/又は輸送してもよく、を金属製容器で保管及び/又は輸送してもよい。
【0010】
本開示の電解質組成物の製造方法は、上記一般式(1)で表されるスルホニルイミド化合物を含む粉末状の電解質100質量%に対して、該粉末状の電解質の固結を防止する固結防止剤を0.001質量%以上1質量%以下で混合することを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)
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