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公開番号2024045787
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-03
出願番号2021024426
出願日2021-02-18
発明の名称ポリ塩化ビニル樹脂組成物ならびに粘着テープまたは粘着シート
出願人デンカ株式会社
代理人SK弁理士法人,個人,個人
主分類C08L 27/06 20060101AFI20240327BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】軟磁性粉末をポリ塩化ビニル樹脂に所定量混合し、かつ、1MHz以下の低周波数領域電磁波に対する優れたシールド性(遮蔽性)を有する加熱溶融成形加工可能な軟磁性粉末含有ポリ塩化ビニル樹脂組成物を提供する。
【解決手段】本発明によれば、ポリ塩化ビニル樹脂と、可塑剤と、Fe-Si-Al合金粉末を含むポリ塩化ビニル樹脂組成物であって、前記ポリ塩化ビニル樹脂100質量部に対して、前記可塑剤20~100質量部を含有し、前記ポリ塩化ビニル樹脂組成物の総体積に対して、前記Fe-Si-Al合金粉末を10~50体積%含有し、前記ポリ塩化ビニル樹脂組成物を成形して得た厚み300μmのシートをKEC法で測定した周波数0.3MHzと1MHzでの磁界成分の減衰率が共に3dB以上であるポリ塩化ビニル樹脂組成物が提供される。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ポリ塩化ビニル樹脂と、可塑剤と、Fe-Si-Al合金粉末を含むポリ塩化ビニル樹脂組成物であって、
前記ポリ塩化ビニル樹脂100質量部に対して、前記可塑剤20~100質量部を含有し、
前記ポリ塩化ビニル樹脂組成物の総体積に対して、前記Fe-Si-Al合金粉末を10~50体積%含有し、
前記ポリ塩化ビニル樹脂組成物を成形して得た厚み300μmのシートをKEC法で測定した周波数0.3MHzと1MHzでの磁界成分の減衰率が共に3dB以上であるポリ塩化ビニル樹脂組成物。
続きを表示(約 120 文字)【請求項2】
請求項1記載のポリ塩化ビニル樹脂組成物からなる基材層と、粘着剤層とを備える粘着テープまたは粘着シート。
【請求項3】
前記基材層の厚みが50~500μmである請求項2記載の粘着テープまたは粘着シート。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、各種電子機器の装置内部、とりわけ電動車両に搭載されている電力変換機器やデータ処理装置などから発生する、周波数が1MHz以下の電磁波(以下、これをしばしば低周波数領域電磁波と言い換える)を遮蔽または吸収して電磁波ノイズを抑制する低周波数領域の電磁波のシールド性能を有する軟磁性粉末を配合したポリ塩化ビニル樹脂組成物ならびに、その粘着テープまたは粘着シートに関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
各種電子機器から発生する不要電磁波は、他の電子機器に影響を及ぼして誤動作を招く原因となっている。こうした不要電磁波の弊害を抑制するために、磁性粉末をゴムや合成樹脂などに混合、分散した樹脂組成物を、シートや、シート積層体、ホース、シールドケースなど広く各種成形体に加工した電磁波シールドシートが用いられている。
【0003】
こうした電磁波シールド材料として、珪素鋼、フェライト、パーマロイ、センダスト、パーメンジュールなどの軟磁性粉末を添加することが提案され、周波数が数百MHz~数GHzの電磁波に対して、パーマロイ類が優れたシールド性を示すことが一般的に知られている。
【0004】
前記センダストは1937年に見出されたFe-Si-Al系合金の軟磁性体である。また、Fe-Si系合金、Fe-Si-Cr系合金も公知の軟磁性体である。これら公知の軟磁性体とポリマーを有機溶媒と共に混錬し乾燥して得た組成物を、周波数300MHz~3GHzの電磁波に対してシールド性を評価した例が知られている。しかしながら、該軟磁性粉末を特定の含有量の範囲で熱可塑性樹脂に加熱溶融混練し、溶融成形可能な組成物として低周波領域電磁波に対するシールド性は十分に検討されてこなかった。
【0005】
一方で、周波数が1MHz以下の低周波数領域電磁波に対するシールド材の検討例は非常に少なく、例えば特許文献1に、軟磁性粉末を有機溶媒に分散させた磁気シールド塗料を用いて、二層以上の炭素繊維強化樹脂層の間に磁性層を形成させた積層体や、特許文献2に、網目状構造体に軟磁性塗料を塗布、乾燥することにより軟磁性粉を含侵、固定した電磁界シールドシートが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第6625435号
特開2018-85391
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これまで、1MHz以下の低周波数領域電磁波を有効にシールドするために、既存の軟磁性材料を厚板化、積層化したり、ケース状に囲むことで対応を取っていた。しかしながら、こうした方法ではシールド部が過度に重くなる課題があった。昨今の各種電子機器の軽薄短小化や電動車両の軽量化を達成するために、薄肉化や複雑な部品形状に対応できる溶融成形加工可能な熱可塑性樹脂組成物、とりわけ、自動車用ワイヤーハーネス結束用途に適する熱可塑性樹脂組成物が切望されていた。
【0008】
すなわち、本発明は軟磁性粉末をポリ塩化ビニル樹脂に所定量混合し、かつ、1MHz以下の低周波数領域電磁波に対する優れたシールド性(遮蔽性)を有する加熱溶融成形加工可能な軟磁性粉末含有ポリ塩化ビニル樹脂組成物であり、また、その組成物を基材層とする粘着テープまたは粘着シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、ポリ塩化ビニル樹脂と、可塑剤と、Fe-Si-Al合金粉末を含むポリ塩化ビニル樹脂組成物であって、前記ポリ塩化ビニル樹脂100質量部に対して、前記可塑剤20~100質量部を含有し、前記ポリ塩化ビニル樹脂組成物の総体積に対して、前記Fe-Si-Al合金粉末を10~50体積%含有し、前記ポリ塩化ビニル樹脂組成物を成形して得た厚み300μmのシートをKEC法で測定した周波数0.3MHzと1MHzでの磁界成分の減衰率が共に3dB以上であるポリ塩化ビニル樹脂組成物が提供される。なお、本明細書において、チルダ記号「~」は、その前後に記載される数値を含む数値範囲を示すために用いる記号である。具体的には「X~Y」の記載(X、Yはともに数値)は、「X以上Y以下」であることを示している。
【0010】
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
本発明の別の観点によれば、上記ポリ塩化ビニル樹脂組成物からなる基材層と、粘着剤層とを備える粘着テープまたは粘着シートが提供される。
好ましくは、前記基材層の厚みが50~500μmである粘着テープまたは粘着シートである。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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