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公開番号2024044039
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-02
出願番号2022149352
出願日2022-09-20
発明の名称プレストレスト木材及びプレストレスト木材の複合体
出願人戸田建設株式会社
代理人個人
主分類B27M 3/00 20060101AFI20240326BHJP(木材または類似の材料の加工または保存;釘打ち機またはステープル打ち機一般)
要約【課題】木材資源の有効活用を図りつつ、強度特性を向上させるとともに、製作が容易なプレストレスト木材及びプレストレスト木材の複合体を提供する。
【解決手段】プレストレスト木材1は、芯部に部材長手方向に沿って貫通孔3が形成され、前記貫通孔3を連通させた状態で縦列的に連接された複数本の木材2と、前記貫通孔3に長手通しで挿通され、両端面で定着されることにより前記木材2にプレストレスを導入する緊張材4とで構成される。プレストレスト木材の複合体20は、2本の前記プレストレスト木材1を並列して配置し、これら2本のプレストレスト木材1が、軸方向に間隔をあけて複数配置されたバンド状の留め具21によって連結されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
芯部に部材長手方向に沿って貫通孔が形成され、前記貫通孔を連通させた状態で縦列的に連接された複数本の木材と、前記貫通孔に長手通しで挿通され、両端面で定着されることにより前記木材にプレストレスを導入する緊張材とからなることを特徴とするプレストレスト木材。
続きを表示(約 540 文字)【請求項2】
前記貫通孔と前記緊張材との隙間にグラウト材が充填されている請求項1記載のプレストレスト木材。
【請求項3】
前記木材の端面同士の接続面に接着剤が塗布されている請求項1記載のプレストレスト木材。
【請求項4】
請求項1~3いずれかに記載のプレストレスト木材が2本並列して配置され、これら2本のプレストレスト木材が、軸方向に間隔をあけて複数配置されたバンド状の留め具によって連結されていることを特徴とするプレストレスト木材の複合体。
【請求項5】
前記各プレストレスト木材の側面に平坦面が形成され、これら平坦面同士を密着させた状態で2本のプレストレス木材が連結されている請求項4記載のプレストレスト木材の複合体。
【請求項6】
前記2本のプレストレスト木材に全て同じ大きさのプレストレスが導入されている請求項4記載のプレストレスト木材の複合体。
【請求項7】
設置時に引張応力が作用する前記プレストレスト木材に、相対的に大きなプレストレスが導入され、設置時に圧縮応力が作用する前記プレストレスト木材に、相対的に小さなプレストレスが導入されている請求項4記載のプレストレスト木材の複合体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、貫通孔が形成された複数の木材が縦列的に連接され、貫通孔に挿通された緊張材にプレストレスが導入されたプレストレスト木材及びプレストレスト木材の複合体に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化防止、土砂災害防止などの観点から、森林の保全を図るため、木材の利用が見直されている。土木分野における木材の利用用途としては、土留め工事の際の横材や、林道整備のため、急傾斜地における切土法面の崩落防止並びに勾配緩和による切土法面の安定化などを目的として切土法面に打ち込まれる木杭、地盤改良や軟弱地盤の液状化対策として、地中へ打設される丸太材などが挙げられる。また、木材の利用は、成長過程で二酸化炭素を吸収固定した木材を長期間使用し続けることによる長期間炭素貯蔵効果(カーボンストック効果)も有している。
【0003】
ところが、木材を上述のような横材や木杭、丸太材などに使用する際、木材は強度特性が低いという欠点がある。木材の強度特性を向上させるため、例えば下記特許文献1には、木材の芯をくりぬいて通孔を形成し、この通孔に金属製の補強材を挿入し木材と一体的に固着してなる金属との複合木材が開示され、下記特許文献2には、丸太材を横半分に切断し両面板に筋状の溝を切り、リング付鉄筋を内蔵させて、元の丸太材になるように一方面でふたをして、数箇所に穴を開設し、ボルトとナットで固定した構造の鉄筋内蔵の丸太材が開示され、下記特許文献3には、軸芯部に形成した貫通孔に鋼材製のパイプを適合状に挿入固定し、当該パイプ内にコンクリートや鉄筋を挿入したハイブリッド木柱が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2000-238017号公報
特開2002-256562号公報
実用新案登録第3113760号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1~3記載の木材では、木材に設けた通孔や溝に金属製の補強材を挿入しているため、補強材を設けないときよりは強度が向上すると考えられるが、前記補強材を木材と一体的に固着しているだけなので、それほど大きな強度向上は望めない。また、上記特許文献1又は3記載の木材では、軸芯部に設けたパイプによって強度向上が図られているが、複数の木材を軸方向に接続した場合、接続部が構造上の弱点となって、本来の部材強度が発揮されないおそれがある。
【0006】
また、長尺の木材が必要な場合、長尺の木材に貫通孔を設けるのが難しいとともに、貫通孔の径とほぼ一致する径のパイプを挿入する際、摩擦抵抗などにより貫通孔にパイプを挿入するのに手間がかかるなど、製作上の課題がある。
【0007】
ところで、中山間地域で工事を行う際に伐採される木材や間伐材のうち、利用価値のない直径15cm未満の小径材や太い木の先端部分等は山林内に放置され、出水時に流出して水流を塞き止めたり他の木の生長を阻害したりするなどの問題を引き起こすおそれがある。また、長さ数mの比較的長尺の木材は、広範な利用価値を有するが、長さ1m以下の短尺の木材は、利用価値が少なく、利用用途の拡大が望まれていた。
【0008】
そこで本発明の主たる課題は、木材資源の有効活用を図りつつ、強度特性を向上させるとともに、製作が容易なプレストレスト木材及びプレストレスト木材の複合体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、芯部に部材長手方向に沿って貫通孔が形成され、前記貫通孔を連通させた状態で縦列的に連接された複数本の木材と、前記貫通孔に長手通しで挿通され、両端面で定着されることにより前記木材にプレストレスを導入する緊張材とからなることを特徴とするプレストレスト木材が提供される。
【0010】
上記請求項1記載の発明では、芯部に部材長手方向に沿って貫通孔が形成された複数本の木材を、前記貫通孔を連通させた状態で縦列的に連接し、この貫通孔に長手通しで挿通し、両端面で定着された緊張材によって木材にプレストレスを導入している。このように、本発明に係るプレストレスト木材では、前記緊張材によってプレストレスが導入されているため、木材の曲げ強度などの強度特性が向上し、利用範囲の拡大や構造物の大規模化などが可能になり、木材資源の有効利用を図ることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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