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公開番号2024043440
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-29
出願番号2022148640
出願日2022-09-16
発明の名称透明ポリイミドフィルムの製造方法
出願人株式会社カネカ
代理人
主分類B29C 55/02 20060101AFI20240322BHJP(プラスチックの加工;可塑状態の物質の加工一般)
要約【課題】黄色度が小さく、面内の複屈折の異方性(面内位相差)による着色(虹ムラ)が小さく、ガラス代替材料のプラスチック材料とし有用な透明ポリイミドフィルムの製造方法を提供することである。
【解決手段】透明ポリイミドフィルムの製造方法であって、ポリイミドフィルムを、第一処理用液体により膨潤させる工程と、ポリイミドフィルムを延伸する工程(延伸工程)を有し、前記第一処理用液体が、引火点が50℃以上、もしくは引火点を示さず、かつHansen溶解度パラメータ(HSP値)が15~35MPa0.5である有機ハロゲン系溶媒と、フッ素系溶媒よりも比重の小さい溶媒を有し、2層にわかれていることを特徴とする透明ポリイミドフィルムの製造方法により上記課題を解決することができる。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
透明ポリイミドフィルムの製造方法であって、ポリイミドフィルムを、第一処理用液体により膨潤させる工程と、ポリイミドフィルムを延伸する工程(延伸工程)を有し、前記第一処理用液体が、引火点が50℃以上、もしくは引火点を示さず、かつHansen溶解度パラメータ(HSP値)が15~35MPa
0.5
である有機ハロゲン系溶媒と、有機ハロゲン系溶媒よりも比重の小さい溶媒を有し、2層にわかれていることを特徴とする透明ポリイミドフィルムの製造方法。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記有機ハロゲン系溶媒が、有機フッ素系溶媒であり、フッ素系溶媒よりも比重の小さい溶媒が1種類以上のアルコールを含むアルコール-水混合溶媒から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の透明ポリイミドフィルムの製造方法。
【請求項3】
膨潤、延伸させる工程でのポリイミドフィルムの膨潤度が10~200%であることを特徴とする請求項1に記載の透明ポリイミドフィルムの製造方法。(但し、膨潤度(%)={(透明ポリイミドフィルムを構成するポリイミド樹脂)-(第一処理用液体を含む溶媒)}÷(透明ポリイミドフィルムを構成するポリイミド樹脂)×100である。)
【請求項4】
前記有機ハロゲン系溶媒が、ハイドロフルオロエーテルである、請求項1に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
【請求項5】
前記有機ハロゲン系溶媒よりも比重の小さい溶媒が、アルコールの含有量が20重量%以上60重量%未満である水混合液である請求項2に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
【請求項6】
ポリイミドフィルムを延伸する工程(延伸工程)の延伸比率が、1.10以上3.00以下であることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の透明ポリイミドフィルムの製造方法。
【請求項7】
前記透明ポリイミドフィルムは、一般式(IIa)で表されるジアミン由来構造、および一般式(IIIa)で表されるテトラカルボン酸二無水物由来構造を有し、Yは2価の有機基であるジアミン残基であり、Xは4価の有機基であるテトラカルボン酸二無水物残基であり、前記ジアミン由来構造がフルオロアルキル基を有するジアミンを全ジアミン中50モル%以上含むことを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の透明ポリイミドフィルムの製造方法。
TIFF
2024043440000008.tif
71
145
【請求項8】
前記透明ポリイミドフィルムが、塩化メチレン、ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルアセトアミドから選ばれる溶媒に、3重量%以上溶解することを特徴とする請求項7に記載の透明ポリイミドフィルムの製造方法。
【請求項9】
前記フルオロアルキル基を有するジアミンが、2,2’-ビス(トリフルオロメチル)ベンジジンである、請求項7に記載の透明ポリイミドフィルムの製造方法。
【請求項10】
前記テトラカルボン酸二無水物残基が、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA)、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、ピロメリット酸二無水物(PMDA)、4,4’-オキシジフタル酸二無水物(ODPA)、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物(CBDA)、1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物(H-PMDA)、ビス(無水トリメリット酸)エステル、ビス(1,3-ジヒドロ-1,3-ジオキソ-5-イソベンゾフランカルボン酸)-(2,2’,3,3’,5,5’-ヘキサメチル[1,1’-ビフェニル]-4,4’-ジイル)エステル(TMPBP-TME)から選ばれる1種以上の酸二無水物を含むことを特徴とする請求項7に記載の透明ポリイミドフィルムの製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、透明ポリイミドフィルムの製造方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
ディスプレイ、太陽電池、タッチパネル等のエレクトロニクスデバイスの急速な進歩に伴い、デバイスの薄型化や軽量化、フレキシブル化が要求されている。これらの要求に対して、基板やカバーウインドウ等に用いられているガラス材料からプラスチック材料への置き換えが検討されている。特に、高い耐熱性、高温での寸法安定性、高機械強度が求められる用途では、ガラス代替材料としてポリイミドフィルムの適用が検討されている。
ポリイミドフィルムに光学異方性を与える検討として、可溶性かつ透明のポリイミド樹脂を溶媒に溶解して光学フィルムを製造する方法も提案されている。特許文献1では、可溶性かつ透明のポリイミド樹脂を溶媒に溶解し、TACフィルム(支持体)上に流延し、TACフィルムごと延伸して、光学特性を調査する方法が提案されている。
【0003】
しかしながら、支持体とともに延伸する方法では、支持体の延伸可能な条件に限定され、さらに支持体と剥離した部分がでれば、剥離していない部分との延伸状態が変わるため、支持体と剥離しない範囲での延伸条件となり、延伸条件(延伸倍率)が限られてしまうため、面内位相差が大きなフィルムを製造することは困難である。ガラス代替材料としてポリイミドフィルムには、低い黄色度であることが求められ、(特許文献2)、また、面内の複屈折の異方性(面内位相差)による着色(虹ムラ)が小さいことが求められている。(特許文献3)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
WO2017/169306号公報
特開2022-120808号公報
WO2022/085751号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
黄色度が小さく、面内の複屈折の異方性(面内位相差)による着色(虹ムラ)が小さく、ガラス代替材料のプラスチック材料とし有用な透明ポリイミドフィルムおよびその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明者等が鋭意検討した結果、高温処理等とは異なる方法で、革新的な延伸技術の開発を検討したところ、フィルムを所定の溶液に浸しながら、膨潤延伸することで、低温で延伸することができるため黄色度が小さく、面内の複屈折の異方性(面内位相差)による着色(虹ムラ)が発生する干渉領域をはるかに超えた位相差(超複屈折)を有する透明ポリイミドフィルムの製造方法を見出した。すなわち、は以下の構成をなす。
【0007】
1).透明ポリイミドフィルムの製造方法であって、
ポリイミドフィルムを、第一処理用液体により膨潤させる工程と、ポリイミドフィルムを延伸する工程(延伸工程)を有し、
前記第一処理用液体が、引火点が50℃以上、もしくは引火点を示さず、かつHansen溶解度パラメータ(HSP値)が15~35MPa
0.5
である有機ハロゲン系溶媒と、有機ハロゲン系溶媒よりも比重の小さい溶媒を有し、2層にわかれていることを特徴とする透明ポリイミドフィルムの製造方法。
【0008】
2).前記有機ハロゲン系溶媒が、有機フッ素系溶媒であり、有機ハロゲン系溶媒よりも比重の小さい溶媒が1種類以上のアルコールを含むアルコール-水混合溶媒から選ばれることを特徴とする1)に記載の透明ポリイミドフィルムの製造方法。
【0009】
3).膨潤、延伸させる工程でのポリイミドフィルムの膨潤度が10~200%であることを特徴とする1)または2)に記載の透明ポリイミドフィルムの製造方法。(但し、膨潤度(%)={(透明ポリイミドフィルムを構成するポリイミド樹脂)-(第一処理用液体を含む溶媒)}÷(透明ポリイミドフィルムを構成するポリイミド樹脂)×100である。)
【0010】
4).前記有機ハロゲン系溶媒が、ハイドロフルオロエーテルである、1)~3)にいずれかに記載のポリイミドフィルムの製造方法。
(【0011】以降は省略されています)

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