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公開番号2024042746
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-29
出願番号2022147526
出願日2022-09-16
発明の名称電子部品
出願人日本電波工業株式会社
代理人
主分類H01L 23/12 20060101AFI20240322BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】表層がAl層となっているボンディングパッド13aを有する半導体集積回路13を備え、ボンディングパッドと所定端子とをAu(金)ワイヤー21によって接続している水晶発振器における、電気的接続の信頼性向上を図る。
【解決手段】水晶発振器10は、容器11と、半導体集積回路13と、水晶振動片15と、中継基板17と、導電性接着剤19と、Auワイヤー21と、蓋部材23と、を具える。中継基板は、第1面及び反対面である第2面を有し、第1面にボンディングパッドに対応する第1パターン17xを有し、第2面にAuワイヤーを接続するための表層がAuである第2パターン17yを有し、かつ、第1パターン及び第2パターンを接続する第3パターン17zを有している。ボンディングパッドと第1パターンは、導電性接着剤19で接続してあり、第2パターンと所定端子11eとは、Auワイヤーで接続してある。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
表層がAl(アルミニウム)であるボンディングパッドを有する半導体集積回路と、
第1面及びその反対面である第2面を有する中継基板であって、前記第1面に前記ボンディングパッドに対応する第1パターンを有し、前記第2面にAu(金)ワイヤーを接続するための第2パターンを有し、かつ、これら第1パターン及び第2パターンを接続する第3パターンを有し、少なくとも前記第2パターンは表層がAu膜となっている中継基板と、
前記ボンディングパッド及び前記第1パターンを接続している導電性接着剤と、
前記第2パターンに接続しているAuワイヤーと、
を具えたことを特徴とする電子部品。
続きを表示(約 290 文字)【請求項2】
前記電子部品は、水晶発振器であり、前記半導体集積回路は、少なくとも発振回路を内蔵するものであることを特徴とする請求項1に記載の電子部品。
【請求項3】
前記導電性接着剤は、ポリイミド系のものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子部品。
【請求項4】
前記中継基板は、水晶、ガラス又はセラミックス製であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子部品。
【請求項5】
前記中継基板は、前記半導体集積回路の形状と相似の形状であり、かつ、大きさが同等以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子部品。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、表層がAl(アルミニウム)層となっているボンディングパッドを有する半導体集積回路を備えた電子部品であって、ボンディングパッドと電子部品内の所定端子とをAu(金)ワイヤーによって接続している電子部品における、電気的接続の信頼性向上を図るものである。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
電子部品の一種として、水晶発振器がある。さらにその一例として下記に示す構造のものがある。すなわち、容器と、容器内に実装された水晶振動片及び半導体集積回路と、容器を密閉する蓋部材と、を備え、かつ、半導体集積回路は、表層がAl層となっているボンディングパッドを有し、かつ、ボンディングパッドと容器内の他の所定端子との電気的接続を、Auワイヤーによって行っている、水晶発振器がある。従って、この水晶発振器では、Auワイヤーと半導体集積回路のAlボンディングパッドとの界面に、Au/Al接合部が生じている。
【0003】
一方、例えば非特許文献1に開示されているように、Au/Al接合部に、いわゆるカーケンダルボイドが生じることがある。カーケンダルボイドが進行するとAuとAlとの界面が破断し、導通不良という致命的な不具合につながることがある。カーケンダルボイドの生成はAu/Al接合界面での化合物成長に起因すると考えられている。AuとAlとの金属間接合を利用する以上、カーケンダルボイドの発生を皆無にすることは難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
溶接学会論文集 第19巻第1号 P.156-166(2001)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、表層がAl層となっているボンディングパッドを有した半導体集積回路を用い、かつ、Auワイヤーによるワイヤーボンディング技術を用いて製造される水晶発振器においても、カーケンダルボイドに起因する問題が生じる可能性があるため、対策が望まれる。特に、カーケンダルボイドは、電子部品が高温化に置かれる程、発生し易いため、例えば以下の(a)、(b)のような懸念も生じている。
(a)水晶発振器の特性安定化を図るため、水晶発振器の製造工程では、半製品に対して熱処理が行われる。しかし、カーケンダルボイドを懸念して、熱処理温度を高温にできないという制約を受ける。
(b)水晶発振器は、種々の環境下で使用される。例えば車のエンジンルーム等の高温環境で使用される。従って、使用環境を考慮した場合も、カーケンダルボイドの発生を防止できる構造が望まれる。
水晶発振器は、今後一層、高安定かつ種々の環境下で使用できるものが望まれるので、上記(a)、(b)の対策は重要になる。
この問題を解決するため、半導体集積回路のボンディングパッドをAl以外のものに変更する、及び又は、ワイヤーボンディングのワイヤーをAu以外のものに変更する等の策も考えられるが、コスト高や製造プロセスの変更等が伴うため、それも難しい。
この発明は、上記の各点に鑑みなされたものであり、従ってこの出願の目的は、電子部品のカーケンダルボイドに起因する不具合を防止できる新規な構造を有した電子部品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的の達成を図るため、この出願の電子部品の発明によれば、
表層がAl層となっているボンディングパッドを有した半導体集積回路と、
中継基板であって、第1面に前記ボンディングパッドに対応する第1パターンを有し、第1面の反対面である第2面にAu(金)ワイヤーを接続するための第2パターンを有し、かつ、第1パターン及び第2パターンを接続する第3パターンを有し、少なくとも第2パターンは表層がAu膜となっている中継基板と、
前記ボンディングパッド及び前記第1パターンを接続している導電性接着剤と、
前記第2パターンに接続しているAuワイヤーと、
を具えたことを特徴とする。
【0007】
この発明を実施するに当たり、導電性接着剤は、例えば、シリコーン樹脂系のもの、エポキシ樹脂系のもの、ポリイミド樹脂系のもの等から選択できる。しかし、電子部品をこれまで以上の高温で処理したり、高温環境下で使用する場合を考慮すると、高温での安定性が他のものより優れるポリイミド系のものが好ましい。
【0008】
また、中継基板は、例えば、樹脂製のもの、水晶製のもの、ガラス製のもの、セラミック製のもの等、任意のものから選択できる。ただし、電子部品に高温が及ぶ場合を考慮すると、水晶製のもの、ガラス製のもの、セラミック製のものが、いずれも、高温においても安定であるので、好ましい。また、電子部品が水晶発振器である場合、水晶製の中継基板は、水晶発振器の製造メーカーが入手かつ加工し易いので好ましい。
また、中継基板は、半導体集積回路の平面形状と相似形であって、かつ、同等以上の大きさの基板であることが好ましい。こうしておくと、こうしない場合に比べ、中継基板を半導体集積回路上に安定に置くことができるので、ワイヤーボンディング用キャピラリーを中継基板に安定に接触できる等の効果が得られ、ワイヤーボンディングを良好に行い易い。
【発明の効果】
【0009】
この発明の電子部品によれば、表層がAl層となっているボンディングパッドは、中継基板の第1面に設けられた第1パターンに、導電性接着剤によって接続された構造となる。導電性接着剤は、バインダー樹脂と金属フィラーとを含み、当該金属フィラーの作用で電気的導通を実現しているため、ボンディングパッドの界面にAu/Al接合の無い構造を実現できる。また、Auワイヤーは、中継基板の第2面に設けられた表層がAu膜となっている第2パターンに接続してあるので、中継基板に対しAu間接合で接合される。
従って、本発明によれば、カーケンダルボイドが発生することがないので、電子部品のカーケンダルボイドに起因する不具合の発生を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1(A)、(B)及び(C)は、実施形態の電子部品10の概要を示す平面図、断面図及び一部拡大図である。
図2(A)及び(B))は、実施形態の電子部品10の内部平面図及び一部拡大図である。
図3(A)は、第1実施形態の中継基板17の第1面17aの概要を示す平面図であり、図3(B)は、第1実施形態の中継基板17の第2面側を透視して示した平面図である。
図4(A)は、第2実施形態の中継基板30の第1面30aの概要を示す平面図であり、図4(B)は、第2実施形態の中継基板30の第2面側を透視して示した平面図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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