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公開番号2024042508
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-28
出願番号2022147271
出願日2022-09-15
発明の名称グラフェン薄膜製造方法及びグラフェン薄膜基板
出願人アンリツ株式会社,国立大学法人 熊本大学
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類C01B 32/194 20170101AFI20240321BHJP(無機化学)
要約【課題】グラフェンのエッジの構造を制御できる六角形のナノピットを再現良く形成できるグラフェン薄膜製造方法及びグラフェン薄膜基板を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係るグラフェン薄膜製造方法は、表面に酸化膜11が形成された導電性基板12の上にグラフェン薄膜13を形成すること(ステップ(i))、所望位置に所望形状の孔14を有するレジストマスク15をグラフェン薄膜13の上に形成すること(ステップ(ii)及び(iii))、レジストマスク15の孔14を介し、グラフェン薄膜13から酸化膜11までを深さ方向にエッチングすること(ステップ(iv))、
レジストマスク15を剥離すること(ステップ(v))、及びグラフェン薄膜13を導電性基板12の面方向にエッチングすること(ステップ(vi))を特徴とする。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
グラフェン薄膜製造方法であって、
表面に酸化膜(11)が形成された導電性基板(12)の上にグラフェン薄膜(13)を形成すること、
所望位置に所望形状の孔(14)を有するレジストマスク(15)を前記グラフェン薄膜の上に形成すること、
前記レジストマスクの前記孔を介し、前記グラフェン薄膜から前記酸化膜までを深さ方向にエッチングすること、
前記レジストマスクを剥離すること、及び
前記グラフェン薄膜を前記導電性基板の面方向にエッチングすること
を特徴とする、グラフェン薄膜製造方法。
続きを表示(約 400 文字)【請求項2】
前記深さ方向にエッチングすることはCHF

プラズマエッチングで行うことを特徴とする請求項1に記載のグラフェン薄膜製造方法。
【請求項3】
前記面方向にエッチングすることは水素プラズマエッチングで行うことを特徴とする請求項1に記載のグラフェン薄膜製造方法。
【請求項4】
前記面方向にエッチングすることの後に、前記グラフェン薄膜を前記導電性基板の前記酸化膜から剥離することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のグラフェン薄膜製造方法。
【請求項5】
表面に酸化膜(11)が形成された導電性基板(12)の上にグラフェン薄膜(13)が形成されたグラフェン薄膜基板(20)であって、
所望位置且つ所望形状の、前記グラフェン薄膜から前記酸化膜までの深さ方向に孔(16)を有することを特徴とするグラフェン薄膜基板。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、表面に酸化膜が形成された導電性基板の上にグラフェン薄膜を形成するグラフェン薄膜製造方法及びそのグラフェン薄膜に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
グラフェンは、将来の電子デバイスの材料として期待されている。図1はグラフェンのエッジ構造を説明する図である。グラフェンのエッジ構造は、ジグザグ型(図1(A))、アームチェア型(図1(B))、又はこれらが規則的あるいはランダムに混在した構造である。そして、グラフェンの特性は、このエッジ構造に影響される。特にナノリボンのようにエッジ構造が全体に占める割合が大きくなった場合にこの影響が顕著になる。
【0003】
このため、グラフェンのエッジの構造を制御できる製造方法が重要となる。例えば、非特許文献1や2は、グラフェン薄膜に対して酸素プラズマエッチングを行った後に水素プラズマで異方性エッチングを行い、グラフェンナノリボンを製造することを開示している。つまり、非特許文献1や2は、酸素プラズマでつくった欠陥を起点とし、異方性エッチングで六角形ナノピットに成長させる手法を開示している。
【0004】
また、非特許文献1が開示する製造方法は時間がかかるため、高速で異方性エッチングする手法を特許文献1が開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2018-127369号公報
【非特許文献】
【0006】
Rong Yang, Lianchang Zhang, Yi Wang, Zhiwen Shi, Dongxia Shi, Hongjun Guo, Enge Wang, and Guangyu Zhang, “An Anisotropic Etching Effect in the Graphene Basal Plane”, Advanced Materials 22, 4014 (2010).
Zhiwen Shi, Rong Yang, Lianchang Zhang, Yi Wang, Donghua Liu, Dongxia Shi, Enge Wang, and Guangyu Zhang, “Patterning Graphene with Zigzag Edges by Self-Aligned Anisotropic Etching”, Advanced Materials 23, 3061 (2011).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、発明者らの検証では、非特許文献1及び2で開示される酸素プラズマエッチングでグラフェン薄膜に欠陥を形成する手法は、水素プラズマにおいて異方性エッチングの起点となったが、当該欠陥を大きくするだけであり、グラフェンのエッジ構造を制御できる六角形ナノピットの形成については再現性を確認することができなかった。つまり、非特許文献1及び2で開示される手法は、グラフェンのエッジ構造を制御できる六角形ナノピットを再現良く形成することが困難という課題がある。
【0008】
また、特許文献1が開示する手法も、エッジ構造がジグザグ型、アームチェア型、またはこれらが任意に混合された任意型のいずれかをとりながら、いずれの場合もほぼ正六角形の形状で平面状にエッチングできるが、エッジ構造を制御することまでは至っていない。
【0009】
つまり、従来技術には、グラフェンのエッジの構造を制御できる六角形ナノピットを再現性良く形成することが困難という課題があった。
そこで、本発明は、上記課題を解決するために、グラフェンのエッジの構造を制御できる六角形ナノピットを再現性良く形成できるグラフェン薄膜製造方法及びグラフェン薄膜基板を提供することを目的とする。
【0010】
上記目的を達成するために、本発明に係るグラフェン薄膜製造方法は、グラフェン薄膜を貫通して酸化膜に至る下穴を開け、その後の異方性エッチングによってグラフェン薄膜に開いた下穴を六角形の孔に整形することとした。
(【0011】以降は省略されています)

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