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公開番号2024040713
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-26
出願番号2022145237
出願日2022-09-13
発明の名称耐水熱性亜鉛含有MFI型ゼオライト成形体
出願人東ソー株式会社
代理人
主分類C01B 39/36 20060101AFI20240318BHJP(無機化学)
要約【課題】 脂肪族炭化水素から芳香族炭化水素化合物、更には軽質炭化水素化合物及び芳香族炭化水素化合物を高収率で同時に製造することを可能とし、その際の生産性・安定性・長寿命に優れた性能を発揮する触媒としての適用を可能とする新規な耐水熱性亜鉛含有MFI型ゼオライト成形体を提供する。
【解決手段】 亜鉛含有MFI型ゼオライト成形体であって、MFI型ゼオライト成形体が、MFI型ゼオライト100重量部に対し、無機バインダー5~50重量部を含み、特定の試験条件下で水熱処理試験を行い、アンモニア-TPD法により測定した水熱処理試験前後の酸量より求められる酸量の低減率が45%以下である耐水熱性MFI型ゼオライト成形体であり、該耐水熱性MFI型ゼオライト成形体の酸量の亜鉛含有量に対する比として表される亜鉛含有量(wt%)/酸量(mmol/g)が1~30の亜鉛を含む耐水熱性亜鉛含有MFI型ゼオライト成形体。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
亜鉛を含有するMFI型ゼオライト成形体である亜鉛含有MFI型ゼオライト成形体であって、該MFI型ゼオライト成形体が、MFI型ゼオライト100重量部に対し、無機バインダー5~50重量部を含み、試験温度600℃、水蒸気/空気=50/50(体積比)の試験雰囲気、試験時間6時間の試験条件下で水熱処理試験を行い、アンモニア-TPD法により測定した水熱処理試験前後の酸量より、(水熱処理試験前酸量(mmol/g)-水熱処理試験後酸量(mmol/g))/水熱処理試験前酸量(mmol/g)×100で求められる酸量の低減率が45%以下である耐水熱性MFI型ゼオライト成形体であり、該耐水熱性MFI型ゼオライト成形体の酸量の亜鉛含有量に対する比として表される亜鉛含有量(wt%)/酸量(mmol/g)が1~30の亜鉛を含むものであることを特徴とする耐水熱性亜鉛含有MFI型ゼオライト成形体。
続きを表示(約 570 文字)【請求項2】
更に下記(i)~(iv)に示す特性のいずれかの少なくとも1つを満足することを特徴とする請求項1に記載の耐水熱性亜鉛含有MFI型ゼオライト成形体。
(i)Si/Alモル比が5以上である。
(ii)外表面酸量が0.10mmol/g以下である。
(iii)酸量が0.05~0.85mmol/gである。
(iv)亜鉛含有率が0.05~5wt%である。
【請求項3】
円柱形状、円筒形状、又は多角柱形状を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の耐水熱性亜鉛含有MFI型ゼオライト成形体。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の耐水熱性亜鉛含有MFI型ゼオライト成形体を含むことを特徴とする芳香族炭化水素化合物製造用触媒。
【請求項5】
請求項4に記載の芳香族炭化水素化合物製造用触媒の存在下、炭素数30以下の脂肪族炭化水素を400~800℃の条件下で接触し、芳香族炭化水素化合物を製造することを特徴とする芳香族炭化水素化合物の製造方法。
【請求項6】
炭素数30以下の脂肪族炭化水素が、植物由来及び/又はケミカルリサイクル由来の脂肪族炭化水素を含むものであることを特徴とする請求項5に記載の芳香族炭化水素化合物の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な耐水熱性亜鉛含有MFI型ゼオライト成形体に関するものであり、MFI型ゼオライト、無機バインダーを含む耐水熱性MFI型ゼオライト成形体に対し、特定量の亜鉛を含む耐水熱性に優れる亜鉛含有MFI型ゼオライト成形体及びそれを用いた芳香族炭化水素化合物の製造方法、特に軽質炭化水素化合物と芳香族炭化水素化合物の同時製造方法に関するものである。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
MFI型ゼオライトは、ゼオライト構造由来の均一な細孔を利用した高選択性触媒として用いられている。MFI型ゼオライトを触媒として用いた例として、トルエンの不均化(例えば、特許文献1参照。)、キシレンの異性化(例えば、特許文献2参照。)などが挙げられる。
【0003】
これらの反応は主に、MFI型ゼオライトのミクロ細孔の特徴を利用したものである。MFI型ゼオライトのミクロ細孔は、入口径がおよそ0.5nmであり、この細孔径に近接した分子径を持つ分子の有効な反応場となると考えられる。
【0004】
ベンゼン、トルエン、キシレン(以下、総称して芳香族炭化水素化合物と表記する場合がある)は、多くの場合、石油精製により得られた原料油(例えば、ナフサなど)を、熱分解反応装置にて分解し、得られた熱分解生成物から芳香族炭化水素化合物を蒸留または抽出によって分離精製することで得られる。これら製造法による芳香族炭化水素化合物の製造では、芳香族炭化水素化合物以外の熱分解生成物として、脂肪族炭化水素化合物(パラフィン系、オレフィン系、アセチレン系、脂環系を含む。)が含まれる。そのため、芳香族炭化水素化合物の製造に伴って、脂肪族炭化水素化合物が同時に製造されるため、芳香族炭化水素化合物の生産量は脂肪族炭化水素化合物の生産量を見合って調整がなされ、おのずと生産量に限度があるものであった。また、脂肪族炭化水素原料を、中細孔径ゼオライトを主に含んだ触媒と約400℃~約800℃程度の温度で接触させることにより、芳香族炭化水素化合物を製造することができる(例えば、非特許文献1~4参照。)。これらの製造法は、熱分解による芳香族炭化水素化合物の製造法と比較して、付加価値が低く、余剰な炭化水素原料から芳香族炭化水素化合物が製造できるといった利点がある。また、これらの芳香族炭化水素化合物製造に用いられる触媒の開発も行われている。
【0005】
なかでもゼオライトへ金属を含有させることでその活性、選択性を向上させる取り組みがなされてきた。例えば、亜鉛含有MFI型ゼオライトは芳香族炭化水素化合物製造反応に高い触媒活性を示すことが知られている(例えば、特許文献3参照。)。さらに、パラフィン、オレフィン、ナフテンを含有する炭化水素を原料とした芳香族炭化水素化合物製造用触媒として、亜鉛およびアルミン酸亜鉛を含有する中細孔径ゼオライト系触媒が報告されている(例えば、特許文献4参照。)。
【0006】
また、軽質炭化水素化合物および芳香族炭化水素化合物の製造効率を高めること、更には未利用留分、植物由来又はケミカルリサイクル由来の脂肪族炭化水素原料より芳香族炭化水素化合物の製造効率を高めることは、包摂的で持続可能な産業化を推進化に寄与するものであり、近年叫ばれているSDGs等持続可能な社会に必要なテクノロジーの1つである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特許第4014279号
特許第2598127号
米国特許4157293号
特開平10-33987号公報
【非特許文献】
【0008】
Microporous and Mesoporous Materials 第137巻、92頁(2011年)
Industrial & Engineering Chemistry Research 第31巻、995頁(1992年)
Industrial & Engineering Chemistry Research 第26巻、647頁(1987年)
Applied Catalysis 第78巻、15頁(1991年)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、特許文献3に提案の亜鉛含有ゼオライト触媒は反応中に亜鉛種が還元されることで金属亜鉛となり、その高い蒸気圧により揮散するため、亜鉛含有量の減少に伴う触媒性能の劣化が課題となっている。
【0010】
また、特許文献4に提案の方法は、還元されにくいアルミン酸亜鉛を共に含有させることで、触媒性能を長期的に維持させるものであるが、過剰量のアルミン酸亜鉛を含有させる必要があり、揮散する亜鉛の絶対量を減ずることは困難であった。
(【0011】以降は省略されています)

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