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公開番号2024039901
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-25
出願番号2022144624
出願日2022-09-12
発明の名称歪補償装置
出願人日本無線株式会社
代理人個人
主分類H03F 1/32 20060101AFI20240315BHJP(基本電子回路)
要約【課題】歪の補償特性が忘却されることに対処して歪を常に適切に補償して歪が的確に抑制された状態を維持する。
【解決手段】歪の被補償回路(ここでは具体的には、非線形増幅器6)の非線形特性に応じて入力信号x(t)に生じる歪成分を多項式近似を用いて補償する第1の歪補償部31および第2の歪補償部32を有し、第2の歪補償部32が、第1の歪補償部31における歪成分の補償処理にとっての参照信号の取得点(即ち、歪計算部34の接続点)よりも後段かつ歪の被補償回路(非線形増幅器6)よりも前段に設けられ、第2の歪補償部32で用いられる多項式係数ωsNの更新間隔が、第1の歪補償部31で用いられる多項式係数ωNの更新間隔よりも長い。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
歪の被補償回路の非線形特性に応じて入力信号に生じる歪成分を多項式近似を用いて補償する第1の歪補償部および第2の歪補償部を有し、
前記第2の歪補償部が、前記第1の歪補償部における前記歪成分の補償処理にとっての参照信号の取得点よりも後段かつ前記歪の被補償回路よりも前段に設けられ、
前記第2の歪補償部で用いられる多項式係数の更新間隔が、前記第1の歪補償部で用いられる多項式係数の更新間隔よりも長く、
前記第2の歪補償部で用いられる前記多項式係数が、前記歪の被補償回路へと入力される信号の送信周波数に応じて補正される、
ことを特徴とする歪補償装置。
続きを表示(約 610 文字)【請求項2】
歪の被補償回路の非線形特性に応じて入力信号に生じる歪成分を多項式近似を用いて補償する第1の歪補償部および第2の歪補償部を有し、
前記第2の歪補償部が、前記第1の歪補償部における前記歪成分の補償処理にとっての参照信号の取得点よりも後段かつ前記歪の被補償回路よりも前段に設けられ、
前記第2の歪補償部で用いられる多項式係数の更新間隔が、前記第1の歪補償部で用いられる多項式係数の更新間隔よりも長く、
前記第2の歪補償部における前記歪成分の補償処理の際に用いられる前記入力信号の強度に関する値が、前記歪の被補償回路へと入力される信号の送信周波数に応じて補正される、
ことを特徴とする歪補償装置。
【請求項3】
前記第1の歪補償部で用いられる前記多項式係数が一定の時間間隔で更新され、
前記第2の歪補償部で用いられる前記多項式係数が通信ごとに更新される、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の歪補償装置。
【請求項4】
前記歪の被補償回路へと入力される前記信号のアップコンバージョンに用いられる発振器と前記歪の被補償回路から出力される信号のダウンコンバージョンに用いられる発振器とが、リセットタイミングが同期しているとともに周波数設定タイミングが同期している、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の歪補償装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、信号増幅器などの被補償回路において生じる信号の歪を抑制するための歪補償処理を行う歪補償装置に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
増幅器は非線形特性を有し、非線形特性によって増幅器において生じる信号の歪を補償するため、出力信号に発生する歪成分を打ち消すような歪(謂わば、逆歪特性)を入力信号に予め与えることによって出力信号の歪を補償するデジタルの歪補償器が用いられる。従来の歪補償器として、増幅器の入力信号および出力信号に基づき出力信号に含まれる歪成分のレベルを低減する歪補償器であって、第1のデジタル信号および増幅器の歪特性値に基づき増幅器を補償する補償値を算出し、第1のデジタル信号と補償値とを乗算する前置補償部と、前置補償部の乗算結果をアナログ信号に変換して増幅器に与えるD/A変換部と、増幅器の出力信号を第2のデジタル信号に変換するA/D変換部と、第1のデジタル信号および第2のデジタル信号に基づき増幅器の歪特性値を算出して前置補償部に与える比較部と、第1のデジタル信号および第2のデジタル信号に基づきA/D変換部のサンプリング速度を制御するレート制御部とを具備する歪補償器が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2010-147983号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の歪補償の処理では、アナログ音声のような基本的に無音(別言すると、雑音のみ)でいつ音声が入るかわからない信号の場合、無音時の雑音はDPD(Digital Pre-Distortion)にとって低レベルの信号として認識されるために常に補償値を更新するようになり、DPDの補償値が時間とともに変化して忘却係数によって忘れられる、という問題がある。前記問題に対してDPDの補償値を更新するか否かに対して信号レベルに閾値を設ける対処方法が挙げられるが、アナログ音声の雑音レベルは環境によって左右されるために適切な閾値を一意に設定することができない、という問題がある。また、小さい声での会話などアナログ変調の音声レベル範囲を十分に使用しない場合も高レベルの信号の補償値が忘却される、という問題がある。
【0005】
そこでこの発明は、歪の補償特性が忘却されることに対処して歪を常に適切に補償して歪が的確に抑制された状態を維持することが可能な、歪補償装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、この発明に係る歪補償装置は、歪の被補償回路の非線形特性に応じて入力信号に生じる歪成分を多項式近似を用いて補償する第1の歪補償部および第2の歪補償部を有し、前記第2の歪補償部が、前記第1の歪補償部における前記歪成分の補償処理にとっての参照信号の取得点よりも後段かつ前記歪の被補償回路よりも前段に設けられ、前記第2の歪補償部で用いられる多項式係数の更新間隔が、前記第1の歪補償部で用いられる多項式係数の更新間隔よりも長く、前記第2の歪補償部で用いられる前記多項式係数が、前記歪の被補償回路へと入力される信号の送信周波数に応じて補正される、ことを特徴とする。
【0007】
この発明に係る歪補償装置は、歪の被補償回路の非線形特性に応じて入力信号に生じる歪成分を多項式近似を用いて補償する第1の歪補償部および第2の歪補償部を有し、前記第2の歪補償部が、前記第1の歪補償部における前記歪成分の補償処理にとっての参照信号の取得点よりも後段かつ前記歪の被補償回路よりも前段に設けられ、前記第2の歪補償部で用いられる多項式係数の更新間隔が、前記第1の歪補償部で用いられる多項式係数の更新間隔よりも長く、前記第2の歪補償部における前記歪成分の補償処理の際に用いられる前記入力信号の強度に関する値が、前記歪の被補償回路へと入力される信号の送信周波数に応じて補正される、ようにしてもよい。
【0008】
この発明に係る歪補償装置は、前記第1の歪補償部で用いられる前記多項式係数が一定の時間間隔で更新され、前記第2の歪補償部で用いられる前記多項式係数が通信ごとに更新される、ようにしてもよい。
【0009】
この発明に係る歪補償装置は、前記歪の被補償回路へと入力される前記信号のアップコンバージョンに用いられる発振器と前記歪の被補償回路から出力される信号のダウンコンバージョンに用いられる発振器とが、リセットタイミングが同期しているとともに周波数設定タイミングが同期している、ようにしてもよい。
【発明の効果】
【0010】
この発明に係る歪補償装置によれば、第1の歪補償部、および当該第1の歪補償部における歪成分の補償処理にとっての参照信号の取得点よりも後段かつ歪の被補償回路よりも前段に設けられる第2の歪補償部を有するようにしているので、第2の歪補償部において歪の被補償回路の大まかな非線形特性/歪特性を補償するとともに第1の歪補償部において時々刻々と変化する微小な変化を補償する(言い換えると、環境の変化に的確に追従する)ことが可能となる。実施の形態に係る歪補償装置3によれば、また、第2の歪補償部で用いられる多項式係数の更新間隔が、第1の歪補償部で用いられる多項式係数の更新間隔よりも長いようにしているので、長時間にわたって低レベルの信号のみで高レベルの信号がない場合でも歪の補償特性が忘却されることがなく歪を常に適切に補償して歪が的確に抑制された状態を維持することが可能となる。
(【0011】以降は省略されています)

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