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公開番号2024039196
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-22
出願番号2022143565
出願日2022-09-09
発明の名称ゴム補強用複合繊維コードおよびその製造方法
出願人帝人株式会社
代理人個人
主分類D02G 3/04 20060101AFI20240314BHJP(糸;糸またはロープの機械的な仕上げ;整経またはビーム巻き取り)
要約【課題】複合繊維コードの引張強力、低負荷時の伸長性、高付加時の高弾性率および接着性を備え、長期間使用時において引張強力を保持する、信頼性の高いゴム補強用複合繊維コードを提供する。
【解決手段】芳香族ポリアミド繊維からなる繊維束Aおよび低弾性率繊維からなる繊維束Bから構成される複合繊維、ならびに該複合繊維に付着した樹脂接着剤を含む複合繊維コードであって、芳香族ポリアミド繊維の単繊維繊度が0.5~1.5dtexであることを特徴とする、ゴム補強用複合繊維コード。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
芳香族ポリアミド繊維からなる繊維束Aおよび低弾性率繊維からなる繊維束Bから構成される複合繊維、ならびに該複合繊維に付着した樹脂接着剤を含む複合繊維コードであって、芳香族ポリアミド繊維の単繊維繊度が0.5~1.5dtexであることを特徴とする、ゴム補強用複合繊維コード。
続きを表示(約 790 文字)【請求項2】
芳香族ポリアミド繊維からなる繊維束Aの繊度が400~1500dtexであり、低弾性率繊維からなる繊維束Bの繊度が400~2000dtexであり、かつ複合繊維の繊度が3500dtex以下である、請求項1に記載のゴム補強用複合繊維コード。
【請求項3】
複合繊維に付着した樹脂接着剤がエポキシ化合物を含み、エポキシ化合物の含有率が固形分換算で0.1~7重量%である、請求項2に記載のゴム補強用複合繊維コード。
【請求項4】
複合繊維に付着した樹脂接着剤がブロックドイソシアネート化合物を含み、ブロックドイソシアネート化合物の含有率が固形分換算で9~20重量%である、請求項2に記載のゴム補強用複合繊維コード。
【請求項5】
低弾性率繊維が脂肪族ポリアミド繊維またはポリエステル繊維である、請求項1に記載のゴム補強用複合繊維コード。
【請求項6】
請求項1~5のいずれかに記載のゴム補強用複合繊維コードを含む、ゴムタイヤ。
【請求項7】
前処理工程および接着剤付着工程を含む、ゴム補強用複合繊維コードの製造方法であって、前記の前処理工程は、芳香族ポリアミド繊維からなる繊維束Aおよび低弾性率繊維からなる繊維束Bから構成される複合繊維にエポキシ化合物を含む前処理液を含侵させその後に熱処理することで前処理後複合繊維を得る工程であり、前記の接着剤付着工程は、前処理後複合繊維に接着処理液を含浸させその後に熱処理することでゴム補強用複合繊維コードを得る工程であり、エポキシ化合物を含む前処理液はゴムラテックスおよびブロックドイソシアネート化合物を含み、接着処理液はレゾルシン・ホルマリン・ゴムラテックスおよびブロックドイソシアネート化合物を含むことを特徴とする、ゴム補強用複合繊維コードの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明はゴム補強用複合繊維コードおよびその製造方法に関し、詳しくはタイヤ等のゴム製品の補強に用いるゴム補強用複合繊維コードおよびその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
ゴムタイヤ、ゴムベルト等のゴム製品の強度や耐久性を向上させるために、補強用繊維をゴム内に埋め込むことが広く一般に行われている。従来、この補強用繊維として、ガラス繊維、ビニロン繊維に代表されるポリビニルアルコール繊維、ポリエステル繊維、ナイロン、アラミド(芳香族ポリアミド)等のポリアミド繊維、カーボン繊維、ポリパラフェニレンベンゾオキザール繊維等が広く用いられている。これらの中でも、ゴム成形物の使用時の剛性の観点で、芳香族ポリアミド繊維、カーボン繊維、ポリフェニレンベンゾオキザール繊維のような高強度高弾性率繊維が、特に期待されている。そして特に、高強度、高弾性率、寸法安定性、耐熱性および耐薬品性に優れることから、芳香族ポリアミド繊維が、特に期待されている。
【0003】
しかし、高強度高弾性率繊維では、それを埋め込んだゴム組成物を硬化してゴム成形物にするときの成形性や、ゴム成形物の長期間使用時の強力保持を同時に満たすことができない。そして、特に芳香族ポリアミド繊維では、ゴム組成物を硬化してゴム成形物にするときの成形性と、ゴム成形物の使用時の剛性とを同時に満たすことができない他、表面が比較的不活性であるためゴムとの接着性に乏しい。このため、改善策が提案されてきた。
【0004】
例えば特許文献1には、パラ型芳香族ポリアミド繊維と脂肪族ポリアミド(ナイロン)繊維からなる複合コードを用いた低荷重領域で伸度を有するコードに関する技術が開示されている。また、ゴムとの接着性を改良するために、複合コード表面に接着剤を含有させる技術についても開示されている。ただし長時間使用時の更なる耐久性が求められた場合、未だ満足するものが得られていないのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2020/031408号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、複合繊維コードの引張強力、低負荷時の伸長性、高付加時の高弾性率および接着性を備え、長期間使用時において引張強力を保持する、信頼性の高いゴム補強用複合繊維コードを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち本発明は、芳香族ポリアミド繊維からなる繊維束Aおよび低弾性率繊維からなる繊維束Bから構成される複合繊維、ならびに該複合繊維に付着した樹脂接着剤を含む複合繊維コードであって、芳香族ポリアミド繊維の単繊維繊度が0.5~1.5dtexであることを特徴とする、ゴム補強用複合繊維コードである。
【0008】
本発明はまた、前処理工程および接着剤付着工程を含む、ゴム補強用複合繊維コードの製造方法であって、前記の前処理工程は、芳香族ポリアミド繊維からなる繊維束Aおよび低弾性率繊維からなる繊維束Bから構成される複合繊維にエポキシ樹脂を含む前処理液を含侵させその後に熱処理することで前処理後複合繊維を得る工程であり、前記の接着剤付着工程は、前処理後複合繊維に接着処理液を含浸させその後に熱処理することでゴム補強用複合繊維コードを得る工程であり、エポキシ化合物を含む前処理液はゴムラテックスおよびブロックドイソシアネート化合物を含み、接着処理液はレゾルシン・ホルマリン・ゴムラテックスおよびブロックドイソシアネート化合物を含むことを特徴とする、ゴム補強用複合繊維コードの製造方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、複合繊維コードの引張強力、低負荷時の伸長性、高付加時の高弾性率および接着性を備え、長期間使用時において引張強力を保持する、信頼性の高いゴム補強用複合繊維コードを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔芳香族ポリアミド繊維からなる繊維束A〕
本発明において、芳香族ポリアミド繊維は、芳香族ホモポリアミドまたは芳香族コポリアミドからなる。
(【0011】以降は省略されています)

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