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公開番号2024038783
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-21
出願番号2022143056
出願日2022-09-08
発明の名称無水金属塩化物の製造方法
出願人株式会社エスイー
代理人弁理士法人坂本国際特許商標事務所
主分類C01F 5/32 20060101AFI20240313BHJP(無機化学)
要約【課題】二酸化炭素ガスの大気放出を抑制した無水金属塩化物の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の無水金属塩化物の製造方法は、一酸化炭素ガスと塩素ガスの混合ガス中で金属酸化物を300℃以上、1200℃以下に加熱し、無水金属塩化物を生成する塩素化工程と、塩素化工程で排出される二酸化炭素ガスを還元し、一酸化炭素ガスを生成するガス還元工程と、を備え、ガス還元工程で生成した一酸化炭素ガスが、塩素化工程で用いられる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
無水金属塩化物の製造方法であって、
一酸化炭素ガスと塩素ガスの混合ガス中で金属酸化物を300℃以上、1200℃以下に加熱し、無水金属塩化物を生成する塩素化工程と、
前記塩素化工程で排出される二酸化炭素ガスを還元し、一酸化炭素ガスを生成するガス還元工程と、を備え、
前記ガス還元工程で生成した一酸化炭素ガスが、前記塩素化工程で用いられることを特徴とする無水金属塩化物の製造方法。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
金属水酸化物を脱水処理し、金属酸化物を生成する脱水工程を備え、
前記脱水工程で生成した金属酸化物が前記塩素化工程で用いられることを特徴とする請求項1に記載の無水金属塩化物の製造方法。
【請求項3】
前記脱水工程は、前記塩素化工程の混合ガスを供給する前の前処理として、前記塩素化工程を行う反応炉で実施されることを特徴とする請求項2に記載の無水金属塩化物の製造方法。
【請求項4】
前記ガス還元工程が、水素ガスを還元剤として二酸化炭素ガスを還元し、一酸化炭素ガスを生成する工程、又は、二酸化炭素ガスを電気分解し、一酸化炭素ガスを生成する工程であることを特徴とする請求項1に記載の無水金属塩化物の製造方法。
【請求項5】
前記金属酸化物が酸化マグネシウムであり、
前記無水金属塩化物が無水塩化マグネシウムであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の無水金属塩化物の製造方法。
【請求項6】
無水金属塩化物の製造方法であって、
海水、にがり水、又は、海水とにがり水の混合水を電気分解し、金属水酸化物と塩素ガスを生成する電解工程と、
金属水酸化物を脱水処理し、金属酸化物を生成する脱水工程と、
一酸化炭素ガスと塩素ガスの混合ガス中で金属酸化物を300℃以上、1200℃以下に加熱し、無水金属塩化物を生成する塩素化工程と、
前記塩素化工程で排出される二酸化炭素ガスを還元し、一酸化炭素ガスを生成するガス還元工程と、を備え、
前記電解工程で生成した金属水酸化物が前記脱水工程で用いられ、
前記電解工程で生成した塩素ガスが前記塩素化工程で用いられ、
前記ガス還元工程で生成した一酸化炭素ガスが、前記塩素化工程で用いられ、
前記金属水酸化物が水酸化マグネシウムであり、
前記金属酸化物が酸化マグネシウムであり、
前記無水金属塩化物が無水塩化マグネシウムであることを特徴とする無水金属塩化物の製造方法。
【請求項7】
無水金属塩化物の製造方法であって、
海水、にがり水、又は、海水とにがり水の混合水を電気分解し、金属水酸化物、塩素ガス、及び、水素ガスを生成する電解工程と、
塩素ガスと水素ガスを反応させ、塩化水素ガスを生成するガス生成工程と、
金属水酸化物を脱水処理し、金属酸化物を生成する脱水工程と、
塩化水素ガス中で金属酸化物を300℃以上、1200℃以下に加熱し、無水金属塩化物を生成する塩素化工程と、を備え、
前記電解工程で生成した塩素ガス、及び、水素ガスが前記ガス生成工程で用いられ、
前記電解工程で生成した金属水酸化物が前記脱水工程で用いられ、
前記金属水酸化物が水酸化マグネシウムであり、
前記金属酸化物が酸化マグネシウムであり、
前記無水金属塩化物が無水塩化マグネシウムであることを特徴とする無水金属塩化物の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は無水金属塩化物の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,100 文字)【背景技術】
【0002】
例えば、マグネシウムを溶融塩電解法で製造する場合、その材料として、塩化マグネシウムが使用されるが、その塩化マグネシウムが水分を含むと、溶融塩電解で用いられる電極の劣化の原因となる。
【0003】
そのため、溶融塩電解では、無水塩化マグネシウムが使用され、無水塩化マグネシウムを製造する方法として、特許文献1には、一酸化炭素ガスの存在下において1200℃以下の温度で固体炭酸マグネシウムを塩素ガスと反応させ、溶融状態で無水塩化マグネシウムを取り出し無水塩化マグネシウムを製造する方法が開示されている。
【0004】
しかし、特許文献1の方法では、温暖化効果ガスである二酸化炭素ガスが副生成物として発生し、大気放出などの廃棄手段が必要になるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開昭55-20296号公報
国際公開第2018/221698号
特開2022-42280号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、二酸化炭素ガスの大気放出を抑制した無水金属塩化物の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するために、以下の構成によって把握される。
(1)本発明の無水金属塩化物の製造方法は、一酸化炭素ガスと塩素ガスの混合ガス中で金属酸化物を300℃以上、1200℃以下に加熱し、無水金属塩化物を生成する塩素化工程と、前記塩素化工程で排出される二酸化炭素ガスを還元し、一酸化炭素ガスを生成するガス還元工程と、を備え、前記ガス還元工程で生成した一酸化炭素ガスが、前記塩素化工程で用いられる。
【0008】
(2)上記(1)の構成において、金属水酸化物を脱水処理し、金属酸化物を生成する脱水工程を備え、前記脱水工程で生成した金属酸化物が前記塩素化工程で用いられる。
【0009】
(3)上記(2)の構成において、前記脱水工程は、前記塩素化工程の混合ガスを供給する前の前処理として、前記塩素化工程を行う反応炉で実施される。
【0010】
(4)上記(1)の構成において、前記ガス還元工程が、水素ガスを還元剤として二酸化炭素ガスを還元し、一酸化炭素ガスを生成する工程、又は、二酸化炭素ガスを電気分解し、一酸化炭素ガスを生成する工程である。
(【0011】以降は省略されています)

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