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公開番号2024037352
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-19
出願番号2022142154
出願日2022-09-07
発明の名称超音波画像形成方法および超音波診断装置
出願人学校法人同志社
代理人弁理士法人みのり特許事務所
主分類A61B 8/14 20060101AFI20240312BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】超音波画像の画質劣化を低減することが可能な超音波画像形成方法を提供する。
【解決手段】アレイプローブが表示された三次元画像から振動子の三次元座標を算出する第1ステップ(S1)と、超音波画像の画像空間における振動子の各座標を算出する第2ステップ(S2)と、画像空間の画素の位置から振動子の各座標までの伝搬経路を算出する第3ステップ(S3)と、伝搬経路に沿って伝搬する超音波エコーの伝搬距離および伝搬時間差を算出する第4ステップ(S4)と、画素からの反射波と想定される時間信号を伝搬時間差に応じて加算する加算処理を行って画素の画素値を算出する第5ステップ(S6)と、超音波画像を形成する第6ステップ(S6)を含み、第3ステップの前に、音速データと三次元画像に基づいて被検体の内部の音速を決定して、画像空間における音速分布を生成し、第3ステップでは音速分布に基づいて伝搬経路を算出する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
超音波診断装置を用いた超音波画像形成方法であって、
被検体と前記超音波診断装置のアレイプローブとが表示された三次元画像から、前記アレイプローブに配列された複数の振動子の三次元座標を算出する第1ステップと、
超音波画像を形成するための複数の画素で構成された画像空間を設定し、前記三次元座標から前記画像空間における前記複数の振動子の各座標を算出する第2ステップと、
前記複数の振動子を同時駆動して超音波パルスおよび超音波エコーの送受信を行った場合における、前記画素の位置から前記複数の振動子の前記各座標まで伝搬する各超音波エコーの伝搬経路を算出する第3ステップと、
前記伝搬経路に沿って伝搬する前記超音波エコーの伝搬時間または伝搬距離を算出し、前記伝搬時間または前記伝搬距離に基づいて前記各超音波エコーの伝搬時間差を算出する第4ステップと、
前記画素ごとに、前記各超音波エコーから抽出した時間信号であって前記画素からの反射波と想定される予め設定された時間幅を有する前記時間信号を、前記伝搬時間差に応じて加算する加算処理を行い、前記画素の画素値を算出する第5ステップと、
前記複数の画素の前記画素値に基づいて前記超音波画像を形成する第6ステップと、
を含み、
前記第3ステップの前に、音速データと前記三次元画像に基づいて前記被検体の内部の音速を決定し、前記音速に基づいて前記画像空間における音速分布を生成し、
前記第3ステップでは、前記音速分布に基づいて前記伝搬経路を算出する
ことを特徴とする超音波画像形成方法。
続きを表示(約 2,600 文字)【請求項2】
前記画素ごとに、前記複数の振動子の前記各座標における法線と前記伝搬経路とのなす角度が所定の角度範囲に含まれる振動子で構成される振動子群を抽出する抽出ステップをさらに含み、
前記第5ステップでは、前記画素ごとに、前記振動子群が受信した超音波エコーについてのみ前記加算処理を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の超音波画像形成方法。
【請求項3】
前記画素ごとに、前記伝搬時間または前記伝搬距離が所定の時間範囲または距離範囲に含まれる振動子で構成される振動子群を抽出する抽出ステップをさらに含み、
前記第5ステップでは、前記画素ごとに、前記振動子群が受信した超音波エコーについてのみ前記加算処理を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の超音波画像形成方法。
【請求項4】
前記画素ごとに、前記伝搬時間または前記伝搬距離が所定の時間範囲または距離範囲に含まれる振動子で構成される振動子群を抽出する抽出ステップと、
前記振動子群から第1中心振動子を選択し、前記複数の振動子から前記第1中心振動子を中心としたN個(Nは2以上の整数)の振動子で構成される第1振動子群を選択し、前記振動子群から第2中心振動子を選択し、前記複数の振動子から前記第2中心振動子を中心としたM個(Mは2以上の整数)の振動子で構成される第2振動子群を選択する選択ステップと、をさらに含み、
前記第5ステップでは、前記画素ごとに、前記加算処理として、前記第1振動子群が受信した超音波エコーについて前記時間信号を加算し、かつ前記第2振動子群が受信した超音波エコーについて前記時間信号を加算する
ことを特徴とする請求項1に記載の超音波画像形成方法。
【請求項5】
前記抽出ステップでは、前記画素ごとに前記時間範囲または前記距離範囲を変更できる
ことを特徴とする請求項3または4に記載の超音波画像形成方法。
【請求項6】
前記アレイプローブは、アレイ形状が変形可能なフレキシブルアレイプローブであり、
前記超音波画像の形成後に前記アレイ形状が変化した場合、前記第1ステップから前記第6ステップまでを再度実行する一方、
前記超音波画像の形成後に前記アレイ形状が変化していない場合、前記第5ステップおよび前記第6ステップのみを再度実行する
ことを特徴とする請求項1に記載の超音波画像形成方法。
【請求項7】
超音波パルスおよび超音波エコーの送受信を行うアレイプローブと、
超音波画像を形成する制御装置と、
を備える超音波診断装置であって、
前記アレイプローブは、
被検体に沿って形状を変形できる本体部と、
前記本体部に配列された複数の振動子と、を備え、
前記制御装置は、
前記複数の振動子を駆動させる駆動部と、
前記被検体と前記アレイプローブとが表示された三次元画像から、前記複数の振動子の三次元座標を算出する第1処理、
前記超音波画像を形成するための複数の画素で構成された画像空間を設定し、前記三次元座標から前記画像空間における前記複数の振動子の各座標を算出する第2処理、
前記複数の振動子を同時駆動して超音波パルスおよび超音波エコーの送受信を行った場合における、前記画素の位置から前記複数の振動子の前記各座標まで伝搬する各超音波エコーの伝搬経路を算出する第3処理、
前記伝搬経路に沿って伝搬する前記超音波エコーの伝搬時間または伝搬距離を算出し、前記伝搬時間または前記伝搬距離に基づいて前記各超音波エコーの伝搬時間差を算出する第4処理、
前記画素ごとに、前記各超音波エコーから抽出した時間信号であって前記画素からの反射波と想定される予め設定された時間幅を有する前記時間信号を、前記伝搬時間差に応じて加算する加算処理を行い、前記画素の画素値を算出する第5処理、を実行する演算部と、
前記複数の画素の前記画素値に基づいて前記超音波画像を形成する画像形成部と、
を備え、
前記演算部は、前記第3処理の前に、音速データと前記三次元画像に基づいて前記被検体の内部の音速を決定し、前記画像空間における音速分布を生成し、前記第3処理では、前記音速分布に基づいて前記伝搬経路を算出する
ことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項8】
前記画素ごとに、前記複数の振動子の前記各座標における法線と前記伝搬経路とのなす角度が所定の角度範囲に含まれる振動子で構成される振動子群を抽出する抽出部をさらに備え、
前記演算部は、前記第5処理において、前記画素ごとに、前記振動子群が受信した超音波エコーについてのみ前記加算処理を行う
ことを特徴とする請求項7に記載の超音波診断装置。
【請求項9】
前記画素ごとに、前記伝搬時間または前記伝搬距離が所定の時間範囲または距離範囲に含まれる振動子で構成される振動子群を抽出する抽出部をさらに備え、
前記演算部は、前記第5処理において、前記画素ごとに、前記振動子群が受信した超音波エコーについてのみ前記加算処理を行う
ことを特徴とする請求項7に記載の超音波診断装置。
【請求項10】
前記画素ごとに、前記伝搬時間または前記伝搬距離が所定の時間範囲または距離範囲に含まれる振動子で構成される振動子群を抽出する抽出部と、
前記振動子群から第1中心振動子を選択し、前記複数の振動子から前記第1中心振動子を中心としたN個(Nは2以上の整数)の振動子で構成される第1振動子群を選択し、前記振動子群から第2中心振動子を選択し、前記複数の振動子から前記第2中心振動子を中心としたM個(Mは2以上の整数)の振動子で構成される第2振動子群を選択する選択部と、をさらに備え、
前記演算部は、前記第5処理において、前記画素ごとに、前記加算処理として、前記第1振動子群が受信した超音波エコーについて前記時間信号を加算し、かつ前記第2振動子群が受信した超音波エコーについて前記時間信号を加算する
ことを特徴とする請求項7に記載の超音波診断装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波画像形成方法および超音波診断装置に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
従来の超音波診断装置では、複数の超音波振動子を配列したアレイプローブから出力される超音波パルスにより超音波ビームを形成し、当該超音波ビームを走査しながら被検体からの超音波エコーを取得して、被検体である生体内部の断層画像(例えば、Bモード画像)を得る手法が用いられている。
【0003】
この手法では、配列した各超音波振動子の位置座標が既知であり、かつその座標が直線、または円弧など比較的簡単な関数で表されることを前提としているため、配列した隣り合う超音波振動子を励振するパルス電圧信号を相対的に遅延させることで超音波ビームの焦点とその方向を制御することができる。また、受信した超音波エコー(エコー信号)に対して、仮想焦点から各超音波振動子までの仮想距離差を算出し、算出した距離差から音速が既知であり、かつ一定であると仮定して算出された超音波伝搬時間差だけ遅延させる。そして、遅延させた各エコー信号の瞬時値を加算し、直交検波等により必要な周波数の信号を抽出し、対数を取るなどして輝度変調を行う。
【0004】
一方、本願発明者等は、アレイ形状が変形可能なフレキシブルアレイプローブを備えた超音波診断装置を開発している(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の超音波診断装置において、アレイ形状が直線型や円弧型の場合に有効な従来手法を適用すると、変形されたアレイ形状における各振動子の座標が直線上、または円弧上にない場合は得られる超音波画像(断層画像)の画質が劣化してしまうという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2017-18510号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その課題とするところは、超音波画像の画質劣化を低減することが可能な超音波画像形成方法および超音波診断装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る超音波画像形成方法は、
超音波診断装置を用いた超音波画像形成方法であって、
被検体と前記超音波診断装置のアレイプローブとが表示された三次元画像から、前記アレイプローブに配列された複数の振動子の三次元座標を算出する第1ステップと、
超音波画像を形成するための複数の画素で構成された画像空間を設定し、前記三次元座標から前記画像空間における前記複数の振動子の各座標を算出する第2ステップと、
前記複数の振動子を同時駆動して超音波パルスおよび超音波エコーの送受信を行った場合における、前記画素の位置から前記複数の振動子の前記各座標まで伝搬する各超音波エコーの伝搬経路を算出する第3ステップと、
前記伝搬経路に沿って伝搬する前記超音波エコーの伝搬時間または伝搬距離を算出し、前記伝搬時間または前記伝搬距離に基づいて前記各超音波エコーの伝搬時間差を算出する第4ステップと、
前記画素ごとに、前記各超音波エコーから抽出した時間信号であって前記画素からの反射波と想定される予め設定された時間幅を有する前記時間信号を、前記伝搬時間差に応じて加算する加算処理を行い、前記画素の画素値を算出する第5ステップと、
前記複数の画素の前記画素値に基づいて前記超音波画像を形成する第6ステップと、
を含み、
前記第3ステップの前に、音速データと前記三次元画像に基づいて前記被検体の内部の音速を決定し、前記音速に基づいて前記画像空間における音速分布を生成し、
前記第3ステップでは、前記音速分布に基づいて前記伝搬経路を算出することを特徴とする。
【0008】
前記超音波画像形成方法は、
前記画素ごとに、前記複数の振動子の前記各座標における法線と前記伝搬経路とのなす角度が所定の角度範囲に含まれる振動子で構成される振動子群を抽出する抽出ステップをさらに含み、
前記第5ステップでは、前記画素ごとに、前記振動子群が受信した超音波エコーについてのみ前記加算処理を行うよう構成できる。
【0009】
前記超音波画像形成方法は、
前記画素ごとに、前記伝搬時間または前記伝搬距離が所定の時間範囲または距離範囲に含まれる振動子で構成される振動子群を抽出する抽出ステップをさらに含み、
前記第5ステップでは、前記画素ごとに、前記振動子群が受信した超音波エコーについてのみ前記加算処理を行うよう構成できる。
【0010】
前記超音波画像形成方法は、
前記画素ごとに、前記伝搬時間または前記伝搬距離が所定の時間範囲または距離範囲に含まれる振動子で構成される振動子群を抽出する抽出ステップと、
前記振動子群から第1中心振動子を選択し、前記複数の振動子から前記第1中心振動子を中心としたN個(Nは2以上の整数)の振動子で構成される第1振動子群を選択し、前記振動子群から第2中心振動子を選択し、前記複数の振動子から前記第2中心振動子を中心としたM個(Mは2以上の整数)の振動子で構成される第2振動子群を選択する選択ステップと、をさらに含み、
前記第5ステップでは、前記画素ごとに、前記加算処理として、前記第1振動子群が受信した超音波エコーについて前記時間信号を加算し、かつ前記第2振動子群が受信した超音波エコーについて前記時間信号を加算するよう構成できる。
(【0011】以降は省略されています)

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