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公開番号2024036345
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-15
出願番号2024001251,2020035943
出願日2024-01-09,2020-03-03
発明の名称炭素繊維及び炭素繊維の製造方法
出願人帝人株式会社
代理人個人,個人
主分類D06M 10/02 20060101AFI20240308BHJP(繊維または類似のものの処理;洗濯;他に分類されない可とう性材料)
要約【課題】より高い引張強度を有する炭素繊維等を提供する。
【解決手段】炭素繊維は、下記の式(1)の関係を満たし、かつ引張強度が6,020MPa以上である。
29-(0.034×TM)≦(O/C+N/C)×TM≦40-(0.016×TM) (1)
ただし、「TM」は炭素繊維の引張弾性率[GPa]であり、「O/C」はX線光電子分光法により測定される表面酸素濃度であり、「N/C」はX線光電子分光法により測定される表面窒素濃度である。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
下記の式(1)の関係を満たし、かつ引張強度が6,020MPa以上である炭素繊維。
29-(0.034×TM)≦(O/C+N/C)×TM≦40-(0.016×TM) ・・・ (1)
ただし、「TM」は炭素繊維の引張弾性率[GPa]であり、「O/C」はX線光電子分光法により測定される表面酸素濃度であり、「N/C」はX線光電子分光法により測定される表面窒素濃度である。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
下記の式(1)の関係を満たすと共に下記の式(2)~(4)の何れかを満たす炭素繊維。
29-(0.034×TM)≦(O/C+N/C)×TM≦40-(0.016×TM) ・・・ (1)
228≦TM≦248の場合、
0.050<O/C<0.127 0.034<N/C<0.036 ・・・ (2)
290≦TM≦322の場合、
0.039<O/C<0.086 0.026<N/C<0.036 ・・・ (3)
328≦TM≦374の場合、
0.030<O/C<0.077 0.020<N/C<0.032 ・・・ (4)
ただし、「TM」は炭素繊維の引張弾性率[GPa]であり、「O/C」はX線光電子分光法により測定される表面酸素濃度であり、「N/C」はX線光電子分光法により測定される表面窒素濃度である。
【請求項3】
下記の式(1)の関係を満たすと共に下記の式(5)~(7)の何れかを満たす炭素繊維。
29-(0.034×TM)≦(O/C+N/C)×TM≦40-(0.016×TM) ・・・ (1)
228≦TM≦248の場合、5,020≦TS≦5,580 ・・・ (5)
290≦TM≦322の場合、6,020≦TS≦6,620 ・・・ (6)
328≦TM≦374の場合、6,720≦TS≦7,400 ・・・ (7)
ただし、「TM」は炭素繊維の引張弾性率[GPa]であり、「TS」は炭素繊維の引張強度[MPa]であり、「O/C」はX線光電子分光法により測定される表面酸素濃度であり、「N/C」はX線光電子分光法により測定される表面窒素濃度である。
【請求項4】
炭素化工程後にエネルギを付与する炭素繊維の製造方法であって、
前記エネルギ付与は、下記の式(1)の関係を満たすと共に下記の式(2)~(4)の何れかを満たすように行われる炭素繊維の製造方法。
29-(0.034×TM)≦(O/C+N/C)×TM≦40-(0.016×TM) ・・・ (1)
228≦TM≦248の場合、
0.050<O/C<0.127 0.034<N/C<0.036 ・・・ (2)
290≦TM≦322の場合、
0.039<O/C<0.086 0.026<N/C<0.036 ・・・ (3)
328≦TM≦374の場合、
0.030<O/C<0.077 0.020<N/C<0.032 ・・・ (4)
ただし、「TM」は炭素繊維の引張弾性率[GPa]であり、「O/C」はX線光電子分光法により測定される表面酸素濃度であり、「N/C」はX線光電子分光法により測定される表面窒素濃度である。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、高引張強度の炭素繊維及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
炭素繊維は、ポリアクリロニトリル系繊維、レーヨン系繊維、セルロース系繊維及びピッチ系繊維等から製造された前駆体繊維を焼成して製造される。例えば、ポリアクリロニトリル系繊維から製造された前駆体繊維を利用して炭素繊維を製造する場合、酸素を含む雰囲気中(耐炎化炉内)で前駆体繊維を加熱する耐炎化工程、耐炎化工程を経た繊維(以下、「耐炎化繊維」という。)を不活性雰囲気中(炭素化炉)で加熱する炭素化工程が行われる。なお、上記加熱は、耐炎化炉及び炭素化炉を繊維が通過(走行)することで行われる。
炭素化工程における加熱は例えば電気ヒータを利用している。つまり、炉内雰囲気を電気ヒータで加熱して、この加熱された炉内を耐炎化繊維が通過することで、耐炎化繊維を間接的に加熱している。
炭素化工程における温度条件や繊維の延伸条件等を調整して、引張特性や圧縮特性等の種々の特性を有する炭素繊維を提供している(例えば、特許文献1,2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平10-25627号公報
特開2002-54031号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1,2に記載のように、炭素化工程の温度条件や延伸条件を調整しても高引張強度特性を有する炭素繊維が得られていない。
【0005】
本発明は、上記した課題に鑑み、より高い引張強度を有する炭素繊維及び当該炭素繊維の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る炭素繊維は、下記の式(1)の関係を満たし、かつ引張強度が6,020MPa以上である炭素繊維。
29-(0.034×TM)≦(O/C+N/C)×TM≦40-(0.016×TM) ・・・ (1)
ただし、「TM」は炭素繊維の引張弾性率[GPa]であり、「O/C」はX線光電子分光法により測定される表面酸素濃度であり、「N/C」はX線光電子分光法により測定される表面窒素濃度である。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る炭素繊維は、下記の式(1)の関係を満たすと共に下記の式(2)~(4)の何れかを満たす炭素繊維。
29-(0.034×TM)≦(O/C+N/C)×TM≦40-(0.016×TM) ・・・ (1)
228≦TM≦248の場合、
0.050<O/C<0.127 0.034<N/C<0.036 ・・・ (2)
290≦TM≦322の場合、
0.039<O/C<0.086 0.026<N/C<0.036 ・・・ (3)
328≦TM≦374の場合、
0.030<O/C<0.077 0.020<N/C<0.032 ・・・ (4)
ただし、「TM」は炭素繊維の引張弾性率[GPa]であり、「O/C」はX線光電子分光法により測定される表面酸素濃度であり、「N/C」はX線光電子分光法により測定される表面窒素濃度である。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る炭素繊維は、下記の式(1)の関係を満たすと共に下記の式(5)~(7)の何れかを満たす炭素繊維。
29-(0.034×TM)≦(O/C+N/C)×TM≦40-(0.016×TM) ・・・ (1)
228≦TM≦248の場合、5,020≦TS≦5,580 ・・・ (5)
290≦TM≦322の場合、6,020≦TS≦6,620 ・・・ (6)
328≦TM≦374の場合、6,720≦TS≦7,400 ・・・ (7)
ただし、「TM」は炭素繊維の引張弾性率[GPa]であり、「TS」は炭素繊維の引張強度[MPa]であり、「O/C」はX線光電子分光法により測定される表面酸素濃度であり、「N/C」はX線光電子分光法により測定される表面窒素濃度である。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る炭素繊維の製造方法は、炭素化工程後にエネルギを付与する炭素繊維の製造方法であって、
前記エネルギ付与は、下記の式(1)の関係を満たすと共に下記の式(2)~(4)の何れかを満たすように行われる炭素繊維の製造方法。
29-(0.034×TM)≦(O/C+N/C)×TM≦40-(0.016×TM) ・・・ (1)
228≦TM≦248の場合、
0.050<O/C<0.127 0.034<N/C<0.036 ・・・ (2)
290≦TM≦322の場合、
0.039<O/C<0.086 0.026<N/C<0.036 ・・・ (3)
328≦TM≦374の場合、
0.030<O/C<0.077 0.020<N/C<0.032 ・・・ (4)
ただし、「TM」は炭素繊維の引張弾性率[GPa]であり、「O/C」はX線光電子分光法により測定される表面酸素濃度であり、「N/C」はX線光電子分光法により測定される表面窒素濃度である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様に係る炭素繊維は、高引張強度を有する。
本発明の一態様に係る炭素繊維の製造方法は、高引張強度の炭素繊維を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
炭素繊維の製造工程を示す概略図である。
表面処理装置の概略図である。
強度パラメータと繊維の引張強度との関係を示す図である。
他の形態の表面処理装置の概略図である。
他の形態の表面処理装置の概略図である。
他の形態の表面処理装置の概略図である。
他の形態の表面処理装置の概略図である。
他の形態の表面処理装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<<概要>>
発明者らは、プラズマを利用して炭素化された繊維の表面改質の検討を行っている。なお、表面改質により、複合材料とした際の炭素繊維とマトリクス樹脂との接着力が向上する。
炭素繊維とマトリクス樹脂との接着力は、炭素繊維の表面に形成される官能基の量に影響される。接着力は、マトリクス樹脂の種類で異なるが、炭素繊維表面の炭素原子に対する酸素原子の存在比を示す表面酸素濃度(O/C)の量で規定することができる。
発明者らは、さらに、表面改質を目的に、炭素繊維表面の炭素原子に対する窒素原子の存在比を示す表面窒素濃度(N/C)に着目して検討を進めた。
その結果、表面酸素濃度(O/C)、表面窒素濃度(N/C)及び炭素繊維の引張弾性率で規定される関係式において、一定の範囲内にある場合に、炭素繊維の引張強度が高くなることを見出した。
【0010】
本発明の一態様に係る炭素繊維は、下記の式(1)の関係を満たす炭素繊維。
29-(0.034×TM)≦(O/C+N/C)×TM≦40-(0.016×TM) (1)
ただし、「TM」は炭素繊維の引張弾性率[GPa]であり、「O/C」はX線光電子分光法により測定される表面酸素濃度であり、「N/C」はX線光電子分光法により測定される表面窒素濃度である。
本実施形態に係る炭素繊維は、前記引張弾性率が240GPa以上である。これにより、所謂、汎用品以上の炭素繊維の引張強度を高めることができる。
本実施形態に係る炭素繊維は、引張強度が5,000MPa以上である。これにより、高強度の炭素繊維を得ることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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