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公開番号
2024034802
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-03-13
出願番号
2022139295
出願日
2022-09-01
発明の名称
黒リン/層状リン酸ジルコニウム複合体及びその製造方法、並びにナトリウムイオン電池
出願人
国立大学法人信州大学
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C01B
25/00 20060101AFI20240306BHJP(無機化学)
要約
【課題】ナトリウムイオンの吸蔵放出に伴う劣化が抑制された黒リン材料を提供することを目的の一つとする。
【解決手段】[1]黒リン粒子の表面の少なくとも一部が層状リン酸ジルコニウムで被覆された、黒リン/層状リン酸ジルコニウム複合体。[2]黒リン粒子の表面の少なくとも一部が層状リン酸ジルコニウムで被覆されてなる黒リン/層状リン酸ジルコニウム複合体を含む負極材と、ナトリウムを含む正極材と、を備えたナトリウムイオン電池。[3]リン酸ジルコニウムと、黒リン粉末と、pH調整剤と、水とを含む反応液を加熱することにより、黒リン粒子の表面の少なくとも一部が層状リン酸ジルコニウムで被覆された黒リン/層状リン酸ジルコニウム複合体を得る、黒リン/層状リン酸ジルコニウム複合体の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
黒リン粒子の表面の少なくとも一部が層状リン酸ジルコニウムで被覆された、黒リン/層状リン酸ジルコニウム複合体。
続きを表示(約 240 文字)
【請求項2】
黒リン粒子の表面の少なくとも一部が層状リン酸ジルコニウムで被覆されてなる黒リン/層状リン酸ジルコニウム複合体を含む負極材と、ナトリウムを含む正極材と、を備えたナトリウムイオン電池。
【請求項3】
リン酸ジルコニウムと、黒リン粉末と、pH調整剤と、水とを含む反応液を加熱することにより、黒リン粒子の表面の少なくとも一部が層状リン酸ジルコニウムで被覆された黒リン/層状リン酸ジルコニウム複合体を得る、黒リン/層状リン酸ジルコニウム複合体の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、黒リン/層状リン酸ジルコニウム複合体及びその製造方法、並びにナトリウムイオン電池に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
従来のナトリウムイオン電池(NIB)は正極にナトリウム系層状化合物が用いられ、負極に炭素系電極が用いられている。リチウムイオン電池でも多用される炭素系電極をNIBに適用すると、ナトリウムイオンのイオン半径がリチウムイオンよりも大きいため、電池の可逆容量が小さいという問題がある。炭素系電極の代替材料として期待されている黒リンは、炭素の約8.65倍の可逆容量を持ち、リンの同素体の中で最も安定である。しかしながら、ナトリウムイオンの吸蔵/放出に伴う体積の膨張/収縮の比が4倍にもなり、黒リンが微粉化して劣化する問題がある。先行技術には、黒リン表面をニッケルや酸化チタンなどで被覆することにより、体積膨張に対する緩衝能を黒リンに付与する例がある(非特許文献1,2)。しかしながら、黒リンを被覆する材料が導電物質である場合、電解液の酸化分解は避けられない。また絶縁体(半導体)であってもイオン伝導体でない場合は、充放電に大きな抵抗となってしまう。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
"Electrochemical Na-Insertion/Extraction Property of Ni-Coated Black Phosphorus Prepared by an Electroless Deposition Method" M. Shimizu, et al., ACS Omega, 2, 4306 (2017).
"TiO2-Nanocoated Black Phosphorus Electrodes with Improved Electrochemical Performance" Y. Luo. et al., ACS Appl. Mater. Interfaces 2018, 10, 42, 36058-36066.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、ナトリウムイオンの吸蔵放出に伴う劣化が抑制された黒リン材料を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[1] 黒リン粒子の表面の少なくとも一部が層状リン酸ジルコニウムで被覆された、黒リン/層状リン酸ジルコニウム複合体。
[2] 黒リン粒子の表面の少なくとも一部が層状リン酸ジルコニウムで被覆されてなる黒リン/層状リン酸ジルコニウム複合体を含む負極材と、ナトリウムを含む正極材と、を備えたナトリウムイオン電池。
[3] リン酸ジルコニウムと、黒リン粉末と、pH調整剤と、水とを含む反応液を加熱することにより、黒リン粒子の表面の少なくとも一部が層状リン酸ジルコニウムで被覆された黒リン/層状リン酸ジルコニウム複合体を得る、黒リン/層状リン酸ジルコニウム複合体の製造方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明に係る黒リン/層状リン酸ジルコニウムは、黒リン粒子の少なくとも一部が層状リン酸ジルコニウム(ZrP)によって被覆されている。絶縁体であるZrP層間のプロトンは種々の陽イオンと交換可能であり、ナトリウムイオンとの可逆的交換も容易である。つまり、ZrPはナトリウムイオンを伝導する絶縁体であるので、NIBの負極材として好適であり、電解液の酸化分解を防止できる。また、黒リン粒子の膨張収縮にともなう劣化を抑制できる。
本発明に係る製造方法によれば、上記黒リン/層状リン酸ジルコニウム複合体が容易に得られる。
本発明に係るナトリウムイオン電池にあっては、繰り返し充放電に対する負極材の劣化が低減されており、耐久性が向上している。
【図面の簡単な説明】
【0007】
実施例1で得た試料のSEM像である。
実施例1で得た試料のSEM像である。
実施例1,2で得た試料のXRDパターンである。
実施例2で得た試料のSEM像である。
実施例2で得た試料のSEM像である。
実施例4で得た試料のSEM像である。
実施例5で作製したナトリウムイオン電池の定電流充放電試験の結果である。
比較例1で作製したナトリウムイオン電池の定電流充放電試験の結果である。
実施例6で作製したナトリウムイオン電池の定電流充放電試験の結果である。
実施例5,6、比較例1で作製したナトリウムイオン電池の初回充電過程の電圧-容量特性を示すグラフである。
実施例5,6、比較例1の充放電10サイクル目の充放電容量を比較した棒グラフである。
実施例7で作製したナトリウムイオン電池の初回充電過程の電圧-容量特性を示すグラフである。
Y. Cheng, et al., Inorg. Chem., 57, 4370 (2018).から引用した、リン酸ジルコニウムのα型とγ型の層構造である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
≪黒リン/層状リン酸ジルコニウム複合体≫
本発明の第一態様は、黒リン粒子の表面の少なくとも一部が層状リン酸ジルコニウムで被覆された、黒リン/層状リン酸ジルコニウム複合体(以下、黒リンZrP複合体ということがある。)である。
【0009】
黒リン粒子の形状は特に制限されず、例えば、球状形状、回転楕円体形状、薄片形状、板状形状、不定形等が挙げられる。黒リン粒子の体積は、これを被覆する層状リン酸ジルコニウム(ZrP)の全体積よりも大きいことが好ましい。黒リンZrP複合体がいわゆるコアシェル構造を有する場合、コアを形成する黒リンの体積はシェルを構成するZrPよりも大きくなりやすい。
【0010】
黒リン粒子の平均粒子径は特に制限されず、例えば、0.1μm~10mmが挙げられる。後述するようにナトリウムイオン電池の負極材料として使用する場合、0.5μm~1000μmが好ましく、1μm~500μmがより好ましく、10μm~100μmがさらに好ましい。ここで、黒リン粒子の平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定における体積基準のメジアン径(D
50
)であることが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)
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