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公開番号2024034079
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-13
出願番号2022138088
出願日2022-08-31
発明の名称画像形成装置
出願人キヤノン株式会社
代理人個人
主分類G03G 15/01 20060101AFI20240306BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約【課題】 電子写真方式のプリンタでは、トナーの量が一定の値を超えると、トナーの定着不良やトナーの飛び散りが発生する場合がある。定着不良やトナーの飛び散りにより、画質が損なわれるだけでなくプリンタ装置本体も損傷する。そこで、画像形成前の画像処理によってトナー量の削減を行っているが、同じトナー量でも発現する濃度が低い記録紙では、標準濃度を出力するために必要なトナー量が多くなる。通常のトナー量の載り量制限だけでは、本体が保有するトナー量の上限を超え、プリンタに不具合が生じやすい。単色の濃度を標準の記録紙の濃度と同等を維持しつつ、定着不良やトナーの飛び散りによる不良画質、プリンタ本体のトラブルを抑制する。
【解決手段】 パッチ濃度または輝度から記録紙上のトナー載り量が、プリンタに不具合が起きるか否か判断し、不具合を生じる可能性があると判断した場合は、自動でトナー載り量を削減する。
【選択図】 図5
特許請求の範囲【請求項1】
特定の記録媒体上に複数の色の記録材料を用いて所定の画像を記録し、
前記記録媒体に記録された前記所定の画像を読取り手段により読取り、
読取った画像情報に基づいて、単色最大濃度を補正する補正部と、各画素の前記複数の色の信号の総和を制限する制限部と、を有し、
前記補正部は予め色毎のターゲット濃度を有し、
前記制限部は予め前記複数の色の信号の総和を制限する制限値を有する画像形成装置において、
前記読み取った画像情報と前記ターゲット濃度を比較する判定部と、前記判定部において、前記読み取った画像情報より前記ターゲット濃度が低い場合、前記制限値を変更することを特徴とする画像形成装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式などの画像形成装置と、画像形成装置におけるトナー量判定方法に関する。特に、トナー量判定の結果に基づいて、画像を劣化させずにトナー量を削減する画像処理装置と画像処理方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
電子写真方式のプリンタ(複写機など、プリンタ部を持つ装置を含む。)では、記録材であるトナーの量が記録紙上で一定の値を超えると、トナーの定着不良やトナーの飛び散りが発生する場合がある。定着不良やトナーの飛び散りにより、画質が損なわれるだけでなくプリンタ装置本体も損傷する。
【0003】
そこで、画像形成前の画像処理によってトナー量の削減を行っていた。トナー量の削減をTOR(Tonner Reduction)とも呼ぶ。トナー量の削減の方法のひとつとして、色変換処理部において、標準表色系であるL*a*b*から、出力デバイスの表色系であるCMYKへ表色系の変換をする際に、変換テーブルの値を操作する方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。特許文献1においては、L*a*b*からCMYKへ変換するため、L*a*b*の格子点について対応するCMYK各色の値を登録した色変換テーブルを用いる。この色変換テーブルには、格子点の出力色の総量が、出力時に許される制限値(一色の最大値を100パーセントとして、例えば250パーセント)よりも小さくなるように、C,M,Y,K各色の値が登録される。画像形成時には、画素値の値に応じた量の記録材が使用されるため、上記処理により色変換後のCMYKの合計値が制限値を越えることを防止し、トナーの量が削減される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平9-247471号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の画像処理装置においては、TORで設定する制限値は、トナーの質量ではなく、画像の信号値に基づいている。例えば、各色の画像信号値が最大値を100パーセントとして、制限値を250パーセントに設定している。画像信号に基づいた制限は、画像信号とトナー量の関係が常時一定の場合には問題が生じない。しかしながら、一般的には記録紙が変わると、同じトナー量に対して発現する濃度が変わる。画像信号と濃度の関係を一定に保つ画像制御を実施すると、同じトナー量でも発現する濃度が低い記録紙では、標準濃度を出力するために必要なトナー量が多くなり、最大250%で制限を設けても、本体が従来保有するトナー量の上限を超えることがある。
【0006】
例えば、電子写真方式のプリンタでは、1.0mg/cm

を超えるとトナーの定着不良やトナーの飛び散りが発生しやすい。標準的な記録紙の場合、信号値100%で濃度1.5を発現するために必要なトナー量が0.35mg/cm

のため、TORを250%に設定すると0.875mg/cm

以上はトナーが載らないため、プリンタに不具合が生じない。しかし、信号値100%で濃度1.5を発現するために必要なトナー量が0.5mg/cm

の場合、TORが250%に設定されると最大で1.25mg/cm

までのトナー量が記録紙に載るため、プリンタに不具合が生じやすくなる。
【0007】
この結果、ユーザーが、同じトナー量でも発現する濃度が低い記録紙を使用しつつ、単色の濃度を標準の記録紙同等を望む場合、プリンタに不具合が生じやすい。
【0008】
本発明の目的は、公文書などで多用される黒文字・黒線の濃度は、制限値の変更前後でも維持することが可能な画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記従来例に鑑みてなされたもので、上記課題を解決した画像処理装置及び画像処理方法を提供することを目的とする。すなわち、特定の記録媒体上に複数の色の記録材料を用いて所定の画像を記録し、前記記録媒体に記録された前記所定の画像を読取り手段により読取り、読取った画像情報に基づいて、単色最大濃度を補正する補正部と、各画素の前記複数の色の信号の総和を制限する制限部とを有し、前記補正部は予め色毎のターゲット濃度を有し、前記制限部は予め前記複数の色の信号の総和を制限する制限値を有する画像形成装置において、前記読み取った画像情報と前記ターゲット濃度を比較する判定部と、前記判定部において、前記読み取った画像情報より前記ターゲット濃度が低い場合、前記制限値を変更することを特徴とする画像形成装置を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、トナーの載り量の制限を制限値の変更のみで実施しているため、公文書などで多用される黒文字・黒線の濃度は、制限値の変更前後でも維持することが可能である。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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