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公開番号
2024031311
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-03-07
出願番号
2022134796
出願日
2022-08-26
発明の名称
ケイ酸塩被覆体及びその製造方法
出願人
国立大学法人信州大学
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C01B
33/02 20060101AFI20240229BHJP(無機化学)
要約
【課題】産業利用可能なシリコン材料を提供することを目的とする。
【解決手段】シリコン製の基体と、前記基体の表面の少なくとも一部を被覆するヘクトライト様層状ケイ酸塩とを備えた、ケイ酸塩被覆体。前記シリコン製の基体としてシリコン粒子を適用してもよい。前記ヘクトライト様層状ケイ酸塩によって少なくとも一部が被覆された表面の黒色度(L
*
)が38以下であってもよい。前記ヘクトライト様層状ケイ酸塩によって少なくとも一部が被覆された表面に照射された波長400~700nmの全範囲の可視光の反射率が、シリコン単体の表面に照射された前記可視光の反射率と比べて低くてもよい。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
シリコン製の基体と、前記基体の表面の少なくとも一部を被覆するヘクトライト様層状ケイ酸塩とを備えた、ケイ酸塩被覆体。
続きを表示(約 590 文字)
【請求項2】
前記シリコン製の基体がシリコン粒子である、請求項1に記載のケイ酸塩被覆体。
【請求項3】
前記ヘクトライト様層状ケイ酸塩によって少なくとも一部が被覆された表面の黒色度(L
*
)が38以下である、請求項1に記載のケイ酸塩被覆体。
【請求項4】
前記ヘクトライト様層状ケイ酸塩によって少なくとも一部が被覆された表面に照射された波長400~700nmの全範囲における可視光の反射率が、シリコン単体の表面に照射された前記可視光の反射率と比べて低い、請求項1に記載のケイ酸塩被覆体。
【請求項5】
Li塩と、Mg塩と、尿素と、水と、シリコン製の基体を含む反応液で水熱反応を起こし、前記基体の表面の少なくとも一部をヘクトライト様層状ケイ酸塩で被覆する、ケイ酸塩被覆体の製造方法であって、
前記反応液に配合する各成分のモル比について、
(Li:Mg:尿素:シリコン=1.4:5.3:8.0:8.0)を基準として、
前記基準におけるLi、Mg、尿素及びシリコンの各々の配合比を100%と定め、
シリコンの配合比100%に対して、
Liの配合比を1~100%とし、
Mgの配合比を1~100%とし、
尿素の配合比を1~100%とする、ケイ酸塩被覆体の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケイ酸塩被覆体及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、球状シリカの表面でヘクトライト様層状ケイ酸塩(理想組成:M
x
(Mg
6-x
Li
x
Si
8
O
20
(OH)
4
)、M=層間陽イオン)を結晶成長させる、シリカ表面の改質法が開示されている(特許文献1)。この層状ケイ酸塩の層間には陽イオンが存在し、これを金属イオンや陽イオン性界面活性剤と交換し、取り込むことができる。このような性質を利用し、例えば長鎖アルキル基を有する陽イオン性界面活性剤を取り込ませ、本来的には親水性であったシリカ粒子の表面を疎水化できることが提案されている。疎水化したシリカ粒子の用途としては、例えば種々の樹脂材料や化粧品組成物に分散させるフィラー用途がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第6029052号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、半導体産業では硅石を精錬して得られる高純度Siが用いられるが、半導体製品の製造過程で年間約3000トンのSi切削くずが生じる。生じたSi切削くずの高付加価値化は、リサイクルの観点から最近その要求が高まっている。
【0005】
Si粉末は、黒色顔料として用いられるカーボンや四酸化三鉄などに比べ熱伝導率が高いので、放熱樹脂フィラーや化粧品顔料などに有用である。
Si表面は自然酸化膜(SiO
2
)を有しており、一般には親水性である。本発明者らは、Si粉末に新たな物性を付与して産業利用を図るべく、Si粉末の表面修飾法を検討し、本発明を完成させた。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、産業利用可能なシリコン材料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[1] シリコン製の基体と、前記基体の表面の少なくとも一部を被覆するヘクトライト様層状ケイ酸塩とを備えた、ケイ酸塩被覆体。
[2] 前記シリコン製の基体がシリコン粒子である、[1]に記載のケイ酸塩被覆体。
[3] 前記ヘクトライト様層状ケイ酸塩によって少なくとも一部が被覆された表面の黒色度(L
*
)が38以下である、[1]又は[2]に記載のケイ酸塩被覆体。
[4] 前記ヘクトライト様層状ケイ酸塩によって少なくとも一部が被覆された表面に照射された波長400~700nmの全範囲における可視光の反射率が、シリコン単体の表面に照射された前記可視光の反射率と比べて低い、[1]~[3]の何れか一項に記載のケイ酸塩被覆体。
[5] Li塩と、Mg塩と、尿素と、水と、シリコン製の基体を含む反応液で水熱反応を起こし、前記基体の表面の少なくとも一部をヘクトライト様層状ケイ酸塩で被覆する、ケイ酸塩被覆体の製造方法であって、前記反応液に配合する各成分のモル比について、(Li:Mg:尿素:シリコン=1.4:5.3:8.0:8.0)を基準として、前記基準におけるLi、Mg、尿素及びシリコンの各々の配合比を100%と定め、シリコンの配合比100%に対して、Liの配合比を1~100%とし、Mgの配合比を1~100%とし、尿素の配合比を1~100%とする、ケイ酸塩被覆体の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、産業利用可能なシリコン材料が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
原料Siと、実施例1~3で得た試料のXRDパターンである。
実施例4~7で得た試料のXRDパターンである。
実施例8~10で得た試料のXRDパターンである。
原料Siと、実施例1~7で得た試料の拡散反射スペクトルである。
原料Siと、実施例8~10で得た試料の拡散反射スペクトルである。
実施例1で得た試料のSEM像である。
実施例2で得た試料のSEM像である。
実施例4で得た試料のSEM像である。
実施例6で得た試料のSEM像である。
実施例7で得た試料のSEM像である。
実施例8で得た試料のSEM像である。
実施例9で得た試料のSEM像である。
実施例10で得た試料のEDX元素マッピング像である。
実施例10で得た試料のTEM像である。
ヘクトライトの層状構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
≪ケイ酸塩被覆体≫
本発明の第一態様は、シリコン製の基体と、前記基体の表面の少なくとも一部を被覆するヘクトライト様層状ケイ酸塩とを備えた、ケイ酸塩被覆体である。
(【0011】以降は省略されています)
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