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公開番号2024025441
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-02-26
出願番号2022128892
出願日2022-08-12
発明の名称既存杭の撤去工法
出願人株式会社長谷工コーポレーション
代理人弁理士法人藤本パートナーズ
主分類E02D 9/02 20060101AFI20240216BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約【課題】工程の増加を抑制できる既存杭の撤去工法を提供する。
【解決手段】既存杭Pが埋められている地盤Gに、内径が既存杭Pの外径よりも大きい筒状のケーシング1を、既存杭Pの周囲に自硬性安定液Lを供給しながら差し込んでいき、前記既存杭Pを前記ケーシング1で包囲する縁切り工程と、前記ケーシング1の下端部に設けられている可動爪4を移動させ、前記可動爪4を前記既存杭Pの下端部よりも下方に位置させるか、または、前記下端部に一致させた上で、前記ケーシング1を上方に移動させることで前記既存杭Pを地盤Gから引き抜く引き抜き工程と、前記既存杭Pが引き抜かれた後の残存穴Hに、前記既存杭Pを取り除いた前記ケーシング1を再度配置させ、追加の自硬性安定液Lを供給して、前記ケーシング1を複数回上下動させることで、前記残存穴H内部の土砂Sと前記自硬性安定液Lとを撹拌する撹拌工程と、を有する。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
既存杭が埋められている地盤に、内径が既存杭の外径よりも大きい筒状のケーシングを、既存杭の周囲に自硬性安定液を供給しながら差し込んでいき、前記既存杭を前記ケーシングで包囲する縁切り工程と、
前記ケーシングの下端部に設けられている可動爪を移動させ、前記可動爪を前記既存杭の下端部よりも下方に位置させるか、または、前記下端部に一致させた上で、前記ケーシングを上方に移動させることで前記既存杭を地盤から引き抜く引き抜き工程と、
前記既存杭が引き抜かれた後の残存穴に、前記既存杭を取り除いた前記ケーシングを再度配置させ、追加の自硬性安定液を供給して、前記ケーシングを複数回上下動させることで、前記残存穴内部の土砂と前記自硬性安定液とを撹拌する撹拌工程と、
を有する既存杭の撤去工法。
続きを表示(約 190 文字)【請求項2】
前記ケーシングが、筒状の本体部と、前記本体部から径方向に突出しており前記撹拌工程における前記ケーシングの上下動に伴い前記土砂と前記自硬性安定液との撹拌をなす撹拌翼とを備える、請求項1に記載の既存杭の撤去工法。
【請求項3】
前記引き抜き工程で移動させられた状態と同じ状態とされた前記可動爪を、前記撹拌翼として用いる、請求項2に記載の既存杭の撤去工法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、地盤に埋設された既存杭を引き抜くことで撤去し、引き抜きにより地盤に形成された穴を埋め戻す、既存杭の撤去工法に関するものである。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
既存杭の撤去工法として、例えば、本願特許出願人による特許文献1に記載の工法がある。この工法は、地盤から既存杭を縁切りするために用いられる筒状のケーシングの先端付近から地盤内の既存杭を引き抜いた後の残存穴を埋める自硬性安定液(セメントベントナイト液等)を噴射しながら、ケーシングで既存杭を包囲するように掘り下げ、ケーシングの先端が少なくとも既存杭の下端に達したら、ケーシングと既存杭とをそれぞれ引き抜き、噴射した自硬性安定液が滞留している残存穴に、さらに新たな自硬性安定液を注入して残存穴を埋めるものである。既存杭は、ワイヤーを引っ掛けることで引き抜かれる。また、特許文献2には、ケーシング下端部の内部に突出させたチャック爪に既存杭を引っ掛けることで、ケーシングを用いて既存杭を引き抜く工法(チャッキング工法)が記載されている。
【0003】
特許文献1には、残存穴に対して下側に滞留している土砂混じりの自硬性安定液と上側に滞留している新たに注入した自硬性安定液とをオーガースクリューで撹拌することが記載されている。このように撹拌を行うことにより、残存穴内部の土砂と自硬性安定液とを均一に混ざるようにできる。
【0004】
しかし、撹拌に関して記載された特許文献1に記載の構成では、既存杭を引き抜くに際して用いられるケーシングを、それが設けられていた工事装置(建設用重機等)から取り外し、オーガースクリューを取り付け直す必要があって、工程の増加を招いていた。特に既存杭の長さが長い場合、撤去に用いるケーシングの長さも長くなるので、オーガースクリューへの交換は大変になる。その結果、従来の工法で撹拌を行おうとすると、時間や費用が多くかかっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2020-23788号公報
特許第3052135号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで本発明は、工程の増加を抑制できる既存杭の撤去工法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、既存杭が埋められている地盤に、内径が既存杭の外径よりも大きい筒状のケーシングを、既存杭の周囲に自硬性安定液を供給しながら差し込んでいき、前記既存杭を前記ケーシングで包囲する縁切り工程と、前記ケーシングの下端部に設けられている可動爪を移動させ、前記可動爪を前記既存杭の下端部よりも下方に位置させるか、または、前記下端部に一致させた上で、前記ケーシングを上方に移動させることで前記既存杭を地盤から引き抜く引き抜き工程と、前記既存杭が引き抜かれた後の残存穴に、前記既存杭を取り除いた前記ケーシングを再度配置させ、追加の自硬性安定液を供給して、前記ケーシングを複数回上下動させることで、前記残存穴内部の土砂と前記自硬性安定液とを撹拌する撹拌工程と、を有する既存杭の撤去工法である。
【0008】
この構成によれば、縁切り工程及び引き抜き工程で用いたケーシングをそのまま利用して、撹拌工程にて、残存穴内部の土砂と自硬性安定液とを撹拌することができる。このため、従来用いられていたオーガースクリューのように、工事装置において撹拌のために治具を付け替える必要がない。
【0009】
また、前記ケーシングが、筒状の本体部と、前記本体部から径方向に突出しており前記撹拌工程における前記ケーシングの上下動に伴い前記土砂と前記自硬性安定液との撹拌をなす撹拌翼とを備えるものとできる。
【0010】
この構成によれば、ケーシングが撹拌翼を備えることにより、撹拌工程での土砂と自硬性安定液の撹拌を効率的にできる。
(【0011】以降は省略されています)

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